朔詩舎(フランス料理、前橋市)
「ぐんぐんぐんま」で一番リッチな昼食だった。焼きそばやうどんばかりではね。
前橋市岩神町にある萩原朔太郎をテーマにしたフランスレストラン「朔詩舎」が9日にリニューアルオープンした。群馬に来る前から工事が始まっていたので、オープンが待ち遠しかった。
ウェイティングスペースに朔太郎の著作や研究書が手に取って読めるコーナーがある。アンティーク家が朔太郎の時代を感じさせる。
萩原朔太郎は前橋市出身の詩人だが、千代田町の生家跡地はマンションン建設予定。敷島公園に朔太郎の生家が復元されているので、敷島公園入り口にあるこの店も、朔太郎ファンには訪れてもらいたい。
さて、なぜ萩原朔太郎がテーマでフランスなのか。
朔太郎の「旅上」という詩がある。
ふらんすへ行きたしと思えども
ふらんすはあまりに遠し
せめては新しき背広をきて
きままなる旅にいでてみん。
この朔太郎の思いをくみとってフランスレストランにしたという。
正面が全面ガラス張りの席に案内された。新緑が美しかった。
席に着くと朔太郎の詩が書かれた飾り皿があった。
波宜亭
少年の日は物に感ぜしや
われは波宜亭(はぎてい)の二階によりて
かなしき情歓の思ひにしづめり。
その亭の庭にも草木(さうもく)茂み
風ふき渡りてばうばうたれども
かのふるき待たれびとありやなしや。
いにしへの日には鉛筆もて
欄干(おばしま)にさへ記せし名なり。
ランチコースで一番安い1995円の「利根の松原」を頼んだが、これで十分満足できた。
ソムリエの薦めるスパークリングワイン(フランチャコルタ キュベブリュット=イタリア・ロンバルディーア=、グラス で882円)を注文。辛口でおいしかった。
料理は前菜がヤリイカのマリネとサクラエビのシュー。スープはジャガイモの冷製スープ。メインディッシュは真鯛のポワレ。夏のサラダ、パン、コーヒー、デザートの盛り合わせ(ゴマのムースなど)。
店の人もさわやかで、いい気分。
この店もぜひ観光ガイドブック入りに。
きょうは昼時に一人で来たが、次はゆっくり話したい仲間と、夜、来てみたい。
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