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NHK連続テレビ小説「ファイト」その2

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 NHK連続テレビ小説「ファイト」は初回からほとんどの回を見ている。これまでは追記で感想を書いてきたが、大きくストーリーが展開してきたので新たなページを起こす。
 優(本仮屋ユイカ)の父、啓太(緒形直人)が壊れてきた。心配だ。
 太郎(瀬川亮)の恋人が琴子(川原亜矢子)だと気付いた優は、琴子と太郎をめぐって言い争う夢を見る。琴子は10年もすれば46歳、私は26歳、勝負は決したようなもの、と優。中身のない子供が何を言うのと琴子。登校拒否となり、四万で働く優は決して恵まれた環境にはないが、恋をする余裕がある。
 妻の亜沙子(酒井法子)も川崎(山口馬木也)と急接近。女性は逆境に強い!?
 ところが啓太は、一家をばらばらにしてしまった責任だけを感じながら、就職も工場再開もままならず、何のために生きているのかわからなくなる。酔って亜沙子に電話した啓太は「俺は何なんだ」と突っかかる。
 男女共同参画の世の中とはいえ、結婚をすれば、まずは夫が稼ぎ、まずは妻が子供を育てる、という役割分担は消えていない。妻や子供はだんだん夫が稼いでくるのは当たり前と思い、自分たちを幸せにする義務があると思い込む。夫は家族を養う重い義務感を負うが、いまどき、会社でうまくいく人ばかりではない。
 つらいこと、挫折は山ほどある。ところが元気よく働くことを義務付けられてしまった夫、おとうさんは、「会社でうまくいってないんだよ」「実は単なる転勤ではなく左遷なんだ」などとは口が裂けても言えない。会社の同僚や学生時代の友人には本音が言えても、家族には言えない。一番本音を言えない相手が妻ということになってしまう。
 これはもはや地方の一経営者の事業失敗のストーリーではない。出世など夢となった現代のおとうさんの居場所の問題になってきた。
 啓太よ、がんばってくれ。

(追記1)
 第15週「まけない」(放送:2005年7月4日から7月9日)について。この1週間、啓太を見ていて本当につらかった。四万で元気になったと思ったら、今度は交通事故だ。いい加減にしてくれ~~(笑)。

(追記2)
 なんとなく急にハッピーエンドムードになってきた。唯一、太郎と琴子の破局の流れが救いだ(笑)。
 最近ちょっと抵抗があるのはサイゴウジョンコの歌。高崎競馬は廃止されたのに、まるでサイゴウジョンコが群馬の希望として高崎から中央競馬に挑んでいるような歌。ギャップを感じる。
 このドラマはこれまでの朝ドラにない重さが良かった。高崎競馬が廃止されて太郎が路頭に迷うようなハッピーでないエンディングを期待する。「皆様のNHK」だから、結局平均的な視聴者に迎合してしまうのかもしれないが・・・。

(追記3)
 朝ドラにありがちな、だれた終わり方をファイトもするのかと思ったが、村上厩舎のおやじさんが「馬をわかったような気になるな」と優に厳しく言ってくれ、少しエンディングに期待がもてた。安っぽい恋愛ドラマだけは勘弁だ。

(追記4)
 優と岡部が付き合いはじめた。ファイトは優がずっと高校生なのがいい。NHKの朝ドラはヒロインがすぐ結婚して、最後はおばあちゃんにまでなってしまったりする。最近、緊張感はなくなったが、ハッピーエンドだとしても初回のような新鮮さがよみがえった。優が「未来」を思い描く形で終わってほしいものだ。ありふれた未来を選ぶのではなしに。
 ヒロインが大人にならない最初の朝ドラかもしれない。

(追記5)
 「群馬競馬」が廃止に。現実とダブってきた。優と岡部もうまくいかず(岡部、純だなあ)。簡単にはハッピーにならない。ファイトらしくなってきた(笑)。

(追記6)
 ファイト終了。最終週まで結構盛り上がった。「ジョンコ牧場」(=夢)が簡単に実現してしまった感じはしたが、きっとこの小さな牧場が大きく育つのだろう。ジョンコ牧場は夢ということで夢に向かう場面で終わらせるのが「映画」、ジョンコ牧場の場面を放映してしまうのが「朝ドラ」なのだろう。

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