群馬県立自然史博物館(富岡市)
富岡市立美術博物館・福沢一郎記念美術館の向かいにある群馬県立自然史博物館(富岡市上黒岩1674-1、0274・60・1200)に立ち寄った。
11月27日まで開催している第25回企画展「ニッポン・ヴンダーカマー 荒俣宏の驚異宝物館」 をまず見た。
自然史博物館のホームページによると、この企画展は100年前の自然史博物館を想定し、江戸以前から現代までの博物学者に視点を当て、その標本やコレクションを中心に展示し、埋もれてしまった業績を紹介する。展示は、作家の荒俣宏氏監修、日本大学藝術学部木村政司教授の指導の下に、日本大学藝術学部の学生と博物館とのコラボレーションで行う、とある。
最初の展示は幻想動物「キマイラ」の回廊。キマイラとはギリシャ神話に登場する頭がライオン、胴がヤギ、尾が竜と言う姿の怪獣にその名を由来する合成生物のこと。この回廊には、日本大学芸術学部の学生たちがそのイマジネーションを発揮して生みだした数十体のキマイラが観客を待ち受けている。
博物(あらゆるもの)がひしめき知的好奇心をワクワクさせる空間、それがヴンダーカマー。この部屋ではそんなヴンダーカマー本来の姿をいまによみがえらせる。一般の人にとってはガラクタ、無用の長物と思われるものも、博物学者にとっては宝物なのかもしれない。
長谷川義和館長も遊び心と探究心豊かな博物学者のようで、秘蔵の博物が陳列されていた。
博物学者、田中市郎氏所有のなぞの深海魚が興味深かった。↓アカナマダ。
↓上がナガユメタチモドキ。下がリュウグウノツカイ。
企画展は博物の原点を見せてくれた気がする。続いて常設展示を見に行った。まずは「地球の時代」。↓発掘現場は本物を持ってきたという。
恐竜ロボットの展示も多いが、カマラサウルス・グランディスは本物の骨を展示。
「群馬の自然と環境」では群馬に生息する鳥を展示。
群馬にいる動物も展示されていた。
このほか百科展示「ダーウィンの部屋」「自然界におけるヒト」など、充実した展示が続く。手を抜かない展示内容に感動した。
一見の価値ある、というより2~3時間過ごす価値のある博物館だった。
開館時間は午前9時30分から午後5時まで。月曜、年末年始休館。入場料は一般500円。
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Comments
こちら,「田中博物館 Web」と申します。田中市郎のコレクションを紹介していただき,ありがとうございました。田中市郎は,私の祖父なのですが,荒俣宏先生のおかげで,全国の皆さんに,コレクションが紹介され,とても嬉しく思っております。田中市郎が創設した「田中博物館」のコンセプトは,まさにヴンダーカマーそのもので,「珍しいものを皆さんに見ていただきたい」という一心から開設いたしたものです。現在,田中市郎のコレクションは,山口県「萩博物館」にて保管されております。来年は,田中市郎がコレクションを市に寄贈し,萩博物館の前身である「萩科学館」が開館して60周年を迎えます。萩博物館でも企画展が開催の予定です。詳しくは「田中博物館 Web」のホームページをご覧ください。http://ww51.tiki.ne.jp/~tan-kam/tanaka_muse
Posted by: 田中博物館 Web | 2005.11.23 09:04 PM
博物学者のこだわりと熱意には脱帽します。田中市郎さん、ご本人の映像(魚をつかまえたところなど)をぜひ見たいものです。
Posted by: フーテンの中 | 2005.11.24 06:48 PM