珉珉(<珉は玉偏に民>みんみん)羊肉館(東京・渋谷、餃子)=閉店?
追記2013.4.26 渋谷に行ったので訪ねたが以前の場所にはなかった。ネットでは「閉店したのでは」という未確認情報しかない。いずれにしても、前の場所にあった珉珉は閉店した。
(以下が当時書いた記事)
日本の餃子店の元祖とも言える店、珉珉羊肉館(<珉は玉偏に民>みんみんやんろうかん、東京都東京都渋谷区道玄坂2-7-5、03・3461・8262) に行った。
昭和22年の終わりか23年の初めごろだったという。渋谷の百軒店で創業者の高橋通博さんが「友楽」という中華料理店を始め、この店で鍋貼児(コウテル=水餃子が冷めてしまったとき、鉄鍋で火入れしたことから始まったと言われる焼餃子)を出したのが始まり。4年後、友楽は恋文横丁(現109裏)に移り「珉珉羊肉館」に名前を変えた。
当時、豚肉は高く、餃子の具に羊肉を使っていた。羊肉は羊毛を取るために日本でも飼われていた。歳をとった羊が肉にされて安価で出回ったという。その代わり臭いが強く、それを消すためにたくさんのにんにくを使ったのが、にんにくを使う日本的な餃子の始まりらしい。中国では水餃子が主流で、具にはにんにくを入れないのが一般的だ。
その後、大阪にいた高橋さんの知人が珉珉の商標を使わせてもらい、大阪ににんにくを使った餃子の店を開いたという。この店がヒットし、チェーン展開もした結果、にんにく入り餃子が全国に広まった。
珉珉羊肉館は1967年に道玄坂裏に移転。高橋さんは亡くなり、奥さんが店を守りつづけた。その奥さん(現在81)は最近、転んで腰の骨を折ってから店には出なくなり、いまは長男の衛(まもる)さん(49)が店を継いでいる。衛さんによると、お母さんは渋谷で生まれ育ち、生きている忠犬ハチ公も見ていたという。
さて、店に着いて、さっそく焼き餃子(6個530円)2人前に水餃子(同)を頼んだ。ビール(大瓶、550円)は各種あるが、サッポロラガーを頼んだ。サッポロラガーは業務用のみが出ているが、なかなか見かけない。とても懐かしい味で、迷わず頼んだ。
水餃子は汁に味のついたタイプと鶏がらスープに入っている水餃子を醤油で食べるタイプの二つがあるが、醤油で食べるタイプを選んだ。
オーソドックスな味。今は豚肉を使っていて、当時よりはにんにくの量も少ないという。どちらかというと焼き餃子が好きな私だが水餃子も焼き餃子と同じくらいおいしかった。
創業者の長男、衛さん。
店内には映画や演劇のポスターが数多く貼ってある。関係者がたくさん訪れているのかと思ったら、「ポスターハリス・カンパニー」という会社が道玄坂にあり、「その店が貼っていく」と衛さんが解説してくれた。自らは文化的な演出などせずに、味一筋で生きている。
めんも食べてみた。鶏そば(塩味)780円。うまい。鶏がらスープに塩を入れたお汁がおいしい。餃子と鶏そばを注文すれば大満足だ。
宇都宮のみんみん本店とは直接の関係はないが、衛さんがある大学教授に、「宇都宮のみんみんに店名の相談を受け、『東京で珉珉という店が流行っているので、みんみんという名前はどうか』とアドバイスした」という話は聞いたことがるそうだ。
日曜定休。営業時間は17:00~23:30。
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Comments
ここは知らなかった。うまそうだなあ。日本は広いよ。驚きだ。
Posted by: 賽目 | 2007.01.10 05:52 AM
ポスターハリス・カンパニーってしってます。さすがわささめさんという方が仕切っているはず。もうずいぶん前に取材しました。
Posted by: 賽目 | 2007.01.10 05:56 AM
ポスター貼りスカンパニーというのが笑える。
東京23区は面積は狭いけれど、知らないところは無限にある感じです。
Posted by: フーテンの中 | 2007.01.10 06:46 PM
サッポロのラガーっていちばんおいしいよね。でもあれ業務用だったんだ…さすがわさんがやっているバーが、渋谷の国鉄駅沿いの路地にまだあるはずです。
Posted by: 賽目 | 2007.01.13 06:00 PM
さすがわさんって誰?
国鉄って、時代を感じさせる単語ですなあ(笑)。
Posted by: フーテンの中 | 2007.01.13 06:30 PM
さすがわさんはポスターハリスの代表です。国鉄は国鉄でしょ、やっぱ。省電だと時代を感じさせますが。
Posted by: 賽目 | 2007.01.13 07:48 PM