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大川美術館(桐生市)

 大川美術館(桐生市小曽根町3-69、0277・46・3300)を訪ねた。群馬県に赴任していたころ、仲間内で大変評判が良かったため、いつかは行こうと思っていたが、行けなかった。期待通りの素敵な美術館だった。
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 大川美術館のホームページによると、「財団法人大川美術館は,桐生市出身の大川栄二が約40年にわたって収集した日本・海外の作家のコレクションを中心に,市の支援を得て、平成元年に市内を一望できる水道山の中腹に開館いたしました。
 エントランスは小さいですが、山の中腹に建てられた建物で、5階建になっており、奥が深い構造になっています。また、小さい展示室が多数連続する、美術館としてはユニークな建築です。階段を下りながら、迷路を巡るように作品をご覧いただけます。当館は、元々あった企業の社員寮を改装して美術館として活用しておりますので、このような独特の構造となっています」
 とのことだ。確かに外から見るとこれが美術館?というような建物だが、壁面を多くするデザイン上の工夫があり、変化に富んだ館内は歩いているだけで楽しい。
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 「現在、日本近代洋画を中心に約6,500点を数える収蔵作品は、日本の美術史に大きな足跡を残す松本竣介(1912~48年)・野田英夫(1908~39年)の日本最大のコレクションと、二人を軸に、彼らと人間的なつながりのあった画家の作品を中心としています(靉光、麻生三郎、国吉康雄、鶴岡政男、中村彝、難波田龍起、舟越保武、山口長男、脇田和、等)。更に竣介と野田に強い影響を与えたピカソ、ミロ、ルオー、モディリアーニ、ベン・シャーンらに代表される海外作品、藤島武二のエスキース100点(旧安宅コレクション)、清水登之の滞欧デッサン300点、日本の抽象画のパイオニア難波田龍起と二人の子供の作品群など、独自のコレクションを誇ります」
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 「各展示室にはソファーを配置するなどの工夫で、自宅で絵を見ているような、暖かい雰囲気でゆっくり過ごせるような『逢いたいときにいつでも逢える名画の館』を目指しています。数々の名画と共に、緑豊かな水道山の四季折々の変化を楽しめるティールームでの、ゆったりとしたひとときもお楽しみ下さい」
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 監視人もいない。本当にくつろげる美術館だ。
 今回1時間足らずで回ったが、「美術館の上手な使いかた」というパンフレットを後で読むと、
 鑑賞要領
《3時間以上の方》前記の館内案内順か、お好きなものを選び2時間ほどソフトチェアーも利用しごゆっくりと鑑賞いただき、あと30分は図書室またはティールームでご休憩。最後、お帰りの際に逆順で再度お気に入りのものを・・・。
《1時間前後の方》ちょっと、もったいないのですが…。
1)前記の館内案内に載っている主要作品とお好きなものを中心に全体をご覧いただき、改めてまたご来館ください。
2)遠方からのご来館の方は、館内案内に載っている主要作品はぜひお見逃しなく。出来ますれば収蔵品のカタログをお買い上げください。

 とある。そうか、また来館しなければ・・・。
 美術館というと人、人、人で、絵の前に立ち止まることもできない環境で見るのに慣れてしまっていた。先日は東京都美術館で「オルセー美術館展 ― 19世紀 芸術家たちの楽園」を見たが、やはりそんな感じだった。
 このパンフレットの「『絵』を見る心得」にあるように、絵を楽しみたいものだ。
 
 「絵」をみる心得
1.「絵」とは判るものでなく感ずるもので、音楽と同じです。絵ハガキをみるようにザーとみては駄目で、何だか判らなくても何かを感じたら、立ち止まってみて下さい。さもないと「絵」ではなく、よい景色や美人を描いたものしか気が付かず、美術館にお出でになったことの価値がありません。
2.画家の有無名に関係なく、「絵」だけをみるように、知識は二の次です。特に絵の値段など考えたら、もう駄目です。
3.この美術館は博物館法に基づく公益法人ですので、「絵」は皆さんの財産で自分のものと思ってみて下さい。
そうすると自然と愛情が生まれて、今までにみえないこと、感じないことが新しく生まれます。そして出来得る限り、何度もみることです。そうすることで人と同じく時折会ってみたくなる絵が発見され、こうなるともう「絵画入門」卒業です。
4.その結果「よい絵」とは何かが判り、「心を打つ絵」がよいことに気が付き、それにより絵以外の人生の諸々にもそんな考えが生まれ、あなたの人生が前進します。それが「文化」なのです。

 この感覚、せきざわ以来だ。そばを食べるのに「そばは秒単位でのびますから早く食べてください」などと言われお節介だなどと感じながらも、そう言われるだけの絶品のそばだから仕方がないと思った。
 この美術館もこだわりがあるから、これだけの心地よい空間を作れるのだろう。

 開館時間は10:00~17:30(入館は17:00まで)。休館日は毎週月曜日(月曜祝日の場合は火曜日)、年末年始(12月28日~1月2日)。その他臨時休館あり。
 入館料は一般1000円。

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