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ワラサのコマセ釣り(三浦半島諸磯港から)

 海釣りに生まれて初めて行った。
 釣りの体験はほとんどなく、観光地の釣り堀でニジマスを釣ったくらい。会社に入ったばかりの頃、ルアーフィッシングをしに富士五湖に連れていってもらったことはあるが、ルアーを投げた瞬間、糸が絡まってしまって、釣りはそれで終わった。
 その後、観光地での釣り以外、釣りに縁はなかった(冬の榛名湖にわかさぎ釣りに行ったが、形だけで全く釣れなかった)。
 でも、昔、ルアーフィッシングに連れて行ってくれた先輩のKさんと、今の職場の同僚、S君が大の釣り好きで、二人でよく釣りをするという話を聞いて、だんだん釣りに行きたくなってきた。
 そこで、「一度連れて行ってほしい」と頼んでいたところ、3連休の3日目にワラサ釣りに連れて行ってもらうことになった。
 ワラサとは、若いブリ。関東での呼び名だ。
 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』に次のような解説がある。
 ブリは代表的な出世魚であり、大きさによって呼び名が変わる。関西と関東でも呼び名が異なる。また、地域により、関東、関西、双方の名前が相互に使用されることもある。
 35 cm 以下のものを、関東でワカシ、関西ではツバス、ヤズ、北陸ではツバイソ
 35~60 cm のものを、関東でイナダ、関西ではハマチ(魬)、北陸では、フクラギ
 60~80 cm のものを、関東でワラサ、関西ではメジロ、北陸ではガンド(ガンドブリ)
 80 cm 以上のものをブリと呼ぶ。
 S君にクーラーボックスを持ってくるように言われた。縦45cm×横25cm×深さ30cmくらいのクーラーボックスしかないと言ったら、それではちょっと小さいと言われた。でも、どうせ何も釣れないだろう。雰囲気さえ味わえればいいと思って、縦45cmのクーラーボックスを持っていくことにした。
 
 23日は午後10時ごろ寝て、24日午前2時ごろ起床。午前2時50分、家を出た。環状八号線-第三京浜-横浜新道-横浜横須賀道路を走り、午前5時前に三浦半島の諸磯港に着いた。
 乗ったのは第五光二丸
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 午前5時過ぎに乗船。まだ真っ暗。
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 S君が私の分もすべてセッティングしてくれる。大忙し。
 写真で見たよりも小さな船で、揺れそうな感じ。S君に酔い止めの薬(エスエス製薬 「アネロン ニスキャップ」)をもらって飲んでいたが、酔いそうで不安になった。頭の中では「楽しむんだ」「楽しめそうだ」と暗示をかけていたが、「酔って迷惑をかけるんじゃないか」「足手まといになりそう」などと不安の気持ちが大きかった。
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 釣竿。リールは手巻き。S君は電動を使っていたが、素人の私としては手巻きの方が釣りの気分が味わえそうで、うれしかった。
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 5時20分ごろ出港。潮の香りがさわやかだ。ぐんぐん沖へ向かって進んでいく。S君は準備で忙しい。
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 城ヶ島に近づき停船。釣船が終結している。
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 エサはオキアミ。プラスチックのシャベルビシにコマセ(魚を集めるための寄せエサ。マキエ)を詰める。釣り糸を底まで垂らしてから勢い良く上に引くと、コマセが撒かれて、魚が集まってくるという仕掛け。
 釣り竿に釣り糸を付け、その先に釣り針があるという単純な構造かと思っていたが、構造は複雑だった。
 釣竿には比較的太目の釣り糸「道糸」を付け、そこにコマセを入れたシャベルビシを付ける。その他「テンビン」とか、「クッションゴム」とか、いろいろなものが付く。釣り針を付ける細めの糸が「ハリス(鉤素)」。ハリスはシャベルビシの付いたテンビンから分岐している。
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 釣り針にもオキアミを付ける。シャベルビシから海面に降ろし、ハリスが絡ませないよう送り出す。ハリスが何度も絡まった。コマセがうまく海中に出ないことも。コマセと刺しエサが海中で一体になるとワラサが釣り針に引っ掛かるという仕組みだ。しばらくしても反応がない場合はシャベルビシを引き上げて、コマセを詰めなおす。
 大群となって回遊するワラサは、秋の海を占拠する勢いで日本の沿岸のほぼ全域を回遊するらしい。40~50mくらいの海底から9mくらい上に道糸を引き上げたあたりでワラサが引っかかるのを待つ。船は魚群探知機を付けており、大群が来るのを待つ。
 船長から「今、魚が集まっている。釣り上げてくれ」と声がかかる。
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 5時45分。まずKさんが大きいワラサを釣り上げる。さすがだ。
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 続いて、5時54分、私に貸してくれた釣竿で、釣り方を教えてくれていたS君がワラサを釣り上げる。
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 興奮のルツボだ。こんな大きな魚がこんなに細い釣竿と釣り糸で釣れてしまうのが驚きだった。
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 次はぜひ自力で。
 しかし、ハリスが道糸に絡む「オマツリ」ばかりで、なかなか釣れない。釣りの世界ではオマツリ男は情けないのだ。コマセと刺しエサがたぶん、一体になっていないのだろう。
 刺しエサが目立つように2尾掛けをすることもあるらしい。そこで3掛けでアピールした。
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 アピールが成功、アタリがあった。ぐいぐい引かれ、S君にタッチ。最後はハリスを手で持って引くのだが、これが難しい。手が糸で切れそうな恐怖があり、なかなかうまくいかない。
 最後まで自力ではできなかったが、引っ掛けるところまではできた。初の釣果。うれしい。7時25分。
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 ワラサはエラ蓋の間からナイフを差し込み、中骨に添っている動脈を切断する。こうして血抜きすれば鮮度が保てる。クーラーボックスが狭い。
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 鯛を釣りに行こうということになり、岸に近い場所に戻る。針も小さいものに替える。手前がワラサを釣った針。
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 エサも小さく。刺しエサはこれまでと同じオキアミ。
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 結局鯛は誰も釣れなかったが、ヒラソウダが釣れた。10時10分。2匹目の釣果。ヒラソウダはサバ科ソウダカツオ属。
 鮮度が落ちやすいのですぐに食べる必要があるが、カツオのようにおいしいという。
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 またまた釣れる。11時5分。先輩のKさんに譲る余裕(^。^)。
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 イナダが釣れる!これは最後まで自力で糸を手繰り寄せた。11時19分。
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 その後、糸が絡み、ほぐしたりしていた。もうたくさん釣れたので満足状態だった。
 しかし、何とか鯛を釣ろうと再チャレンジ。エサのつけ方も、コマセの撒き方も少し上達した気がしていたが、糸を入れるとすぐにアタリが。また、ヒラソウダだった。12時2分。
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 続けて12時10分にもヒラソウダが釣れた。
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 結局、ワラサ、イナダ各1匹、ヒラソウダ4匹が釣れた。計5匹を家に持って帰る。予想外の成果!
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 船酔いなどはすっかり忘れていた。余ったオキアミを海に撒くとカモメが集まってくる。
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 12時半に港に戻る。釣りは魚が腹をすかしている午前中で終わるものらしい。
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 船長さん、ありがとうございました。
 第5光二丸の料金は5人まで税込み3万6750円+エサ代。5人で行ったので一人八千数百円で済んだ。
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 サービスの大きな氷をもらって帰途へ。後でホームページを見ると、「2007年09月24日(月)  本日の釣果」のところに「ワラサ5人で8匹、ボウズなし、5人中3人初心者でした」とあった。上出来。
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 家に戻ってさっそくワラサをおろす。
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 ワラサ、イナダ、ヒラソウダの刺身。赤白そろった。
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 ワラサの「ブリ大根」。
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 ヒラソウダのたたき。
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 ヒラソウダのマリネ。
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 ヒラソウダにマヨネーズと味噌を付けてホイル焼き。

 釣りは釣れない日も多いらしいが、釣りやすいタイミングで誘ってもらい、とても良い思いをした。
 考えてみれば、海にいる魚をこれまで何の疑問もなく食べていたが、実際に海から釣り上げて食べると気分の良いものだ。臭みもなく、本当においしい。
 釣りも病み付きになりそう。

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Comments

ガキのころからオヤジと海に釣りに行ったものでした。たくさん釣れて良かったですねえ。今度いっしょに行きましょう。

Posted by: 賽目 | 2007.10.01 03:33 AM

大漁ですね!
私も、たまぁ~に海釣りに行きますが、
ワラサ級はまだ釣ったことがありません。
この記事を読んだら、海に行きたくなっちゃいました。

Posted by: こにタン | 2007.10.01 10:53 PM

>賽目さん
 日本に帰ってきたら魚食べましょう。
>こにタンさん
 お久しぶり。群馬だと新潟に行くのでしょうか。釣りも楽しいですね。

Posted by: フーテンの中 | 2007.10.02 12:26 AM

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