江ノ島その3)江ノ島はテーマパークのようだった。
食事をとって江ノ島へ。
実は江ノ島に入るのは初めて。子供のときは江ノ島を見ながら海岸で何度も泳いだが、島には何もないと思っていた。
ついに橋を渡る。
信仰の対象の島と知って、今度は神社しかない島のイメージを描いていた。ところがまったく違った。
青銅の鳥居。鳥居を過ぎると――。
参道は原宿の竹下通りのようなにぎわいだった。あまりの驚きで、途中の写真は撮り忘れた。
気を取り直して、案内マップを片手に神社巡りをすることにした。
参道を経て、最初にたどりつくのが江島神社の辺津宮(へつみや)。
そこにあった案内板によると――。
江島神社 三宮のご案内
辺津宮、中津宮、奥津宮の三宮を総称して江島神社と称す。
辺津宮(へつみや、下之宮)御祭神・・・・・・田寸津比賣命(たぎつひめのみこと)
土御門天皇健永元年(1206年)、将軍・源實朝が創建。
弁天堂には日本三大弁財天の妙音・八臂弁財天御尊像を始め十五童子像・後宇多天皇の勅額・弘法大師の護摩修法による弁財天像他が奉安されている。宗国伝来の古碑・福石・白龍銭洗池・御神木の結びの樹等があり八坂神社・秋葉稲荷社が境内社として鎮座する。
中津宮(なかつみや、上之宮)御祭神・・・・・・市寸島比賣命(いちきしまひめのみこと)
文徳天皇仁壽三年(853年)慈覚大師が創建。
現在の社殿は元禄二年(1689年)の御造営で平成八年の御改修により、格天井には花鳥画が施され彫刻が復元された。
境内には歌舞伎界より奉納された石灯籠等がある。
奥津宮(おくつみや、御旅所・本宮)御祭神・・・・・・多紀理比賣命(たぎりひめのみこと)
天保十三年(1842年)再建。
源頼朝奉納石鳥居・酒井抱一画の八方睨みの亀・八十貫の力石・鎌倉四名石の一つ亀甲石・御神木・山田流筝曲開祖山田検校像等がある。
籠宮(わだつみのみや)・・・・・・龍宮をまつる(例祭九月九日)
岩屋 波の浸食で出来たもので第一・第二霊窟からなり約150メートル奥が当神社発祥の地である。欽明天皇十三年(552年)にこの地に鎮座された。
春季大祭 初巳例大祭 四月初の巳の日
秋季大祭 古式初亥祭 十月初の亥の日
一歳両度の祭祀として欽明天皇の御代より連綿と継承されている。
若い人が多いせいか、神社の側も親切だ。
手水の作法をイラストで解説。
輪くぐり。
これも詳細に解説。
お参りの仕方も。
深いお辞儀を2度。手を胸の高さで合わせ2度打つ。深いお辞儀をもう一度。
弁天堂内は写真撮影禁止だったので写真はないが、妙音弁財天御尊像は、俗に裸弁財天とも言われ、琵琶を抱えた裸体の坐像は美しいお姿だった。八臂弁財天御尊像は、八つのひじ(手)のある弁天様。鎌倉初期の作で、源頼朝が文覚上人に命じて藤原秀衡調伏を祈願したと伝えられる。県の重要文化財。
弁天様と三人の神様の関係については、江島神社のホームページが解説している。
「御祭神は、天照大神が須佐之男命と誓約された時に生まれた神で、三人姉妹の女神様です。 奥津宮の多紀理比賣命、中津宮の市寸島比賣命、辺津宮の田寸津比賣命、この三女神を江島大神と称しています。古くは江島明神と呼ばれていましたが、仏教との習合によって、弁財天女とされ、江島弁財天として信仰されるに至り、 海の神、水の神の他に、幸福・財宝を招き、芸道上達の功徳を持つ神として、今日まで仰がれています。福岡の宗像大社や、広島の厳島神社と御同神でもあられます」。
御神木「むすびの樹」。
中津宮へ。
参道からの眺め。
中津宮への階段。
中津宮。
奥津宮へ
奥津宮
鏡が祀られているのは女性の神様だから?
拝殿天井には「八方睨みの亀」。
龍宮。
江の島は、湧出以来、龍神の坐すところとなり、古来、龍神信仰は弁財天信仰と習合せられ、 密接なる結び付きから「江島縁起」を始め、「太平記」等に多く残されている。その神秘的な御神威に添い奉るべく、崇敬者の御篤志により、龍宮大神はここに鎮座された。
ちょっと変わった狛犬。子供?を踏んでいる。
恋人の丘。島の伝説「天女と五頭龍」にちなみ二人の永遠の愛を記念し、「恋の鐘」が平成8年8月に完成した。
天女と五頭龍
昔むかし、鎌倉の深沢山中の底なし沼に五つの頭を持つ悪龍が住みつき、村人を苦しめていました。
子供をいけにえに取られることから、この地を子死越と呼んで恐れられていました。
ある時、子死越前方の海上に密雲が何日にもわたってたれこめましたが、天地が激しく揺れ動いた後、天女が現れ、雲が晴れると今まで何も無かった海上に一つの島ができていました。
これが現在の江の島とか。
天女の美しさに魅せられた五頭龍は、結婚を申し込むのですが、悪行が止むまではと断られてしまいました。
その後、心を改め結婚することができたと言われています。
この伝説の天女が、江の島に祀られている弁財天といわれ、五頭龍が瀧口明神社として鎌倉市腰越に祀られている。
江の島岩屋へ。
長い歳月を経て波の浸食でできた岩屋は、第一岩屋(152m)と第二岩屋(112m)から成る。昭和46年以来、長期閉鎖されていたが、周辺施設を一新し、平成5年4月から再開されている。
開業時間は3~10月が9:00~17:00、11月~2月が9:00~16:00。入洞料はおとな500円。
第一岩屋。「富士へ通ずる」との言い伝えも残されている。ろうそくの灯かりで歩く。
仏像が並ぶ。
弘法大師坐像。弘法大師が訪れた際には弁財天がその姿を現したという。
広い岩棚があり、のんびり楽しむ人が多かった。江ノ島の”裏側”は表側とは違った光景だった。
岩屋からの帰り、階段をのぼり切ったところにある「魚見亭」(0466・22・4456)からの景色。
帰りは神社を通らない近道で。参道入り口に出る。
神社あり、洞窟あり、恋人の丘ありで、飽きない江ノ島。まるでテーマパークだ。
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