高尾山その3~薬王院へ
9時45分、薬王院に向け出発。まず、出迎えてくれたのが蛸(たこ)杉。
説明書きによると、高さ37m、目通り幹囲約6m、樹齢およそ450年の大杉で、高尾山内にある都指定の飯盛杉に次ぐ大木。
「蛸杉」とは、「昔参道開さくの際、盤根がわだかまって工事の邪魔になるところから伐採しようとしたら、一夜にして根が後方に曲折した」との伝説とその根が「たこの足」に似ているところから呼ばれるようになったものである。
浄心門。
門を過ぎると「高尾山略記」があった。
一.開創
当山は天平十六年(一千二百有余年前)行基菩薩が聖武天皇の勅願を奉じ東国鎮護の総祈祷寺として開山された
一.中興
今から六百年前、俊源大徳がこれを中興し併せて飯縄大権現を祀って修験道の根本道場とした
一.宗派
現在は新義真言宗智山派に所属する大本山であり高尾山薬王院有喜寺と称する関東三山の一つである
一.お護摩
お護摩の火は智慧の火であり護摩木は煩悩をあらわし、この火を通じて全ての物を清浄にしご本尊の無限の力と信じる者の力が一体となる時「お護摩の功徳」が生ずる
一.杉苗の奉納
当山を信仰する人々が御本尊に祈願をこめる時、又祈願成就の御礼に奉納下さるわけで大自然の育成に力添えすることである
一.坊入りについて
遠来のご信徒、ご講中参拝団並びに一般のご信徒の方々に精進料理をご接待いたします
詳しくは本坊にてお尋ね下さい
当山
途中、分かれ道になるが、右の上り坂(女坂)を行く。
参道には杉苗奉納者の芳名板が板塀のように並ぶ。
正式名称 高尾山薬王院有喜寺。現在は「成田山新勝寺」「川崎大師平間寺」と並ぶ真言宗智山派の大本山。四天王門。
四天王 増長天
剣を手にして勇ましく
無数の鬼をこらしめる
おごれる心をうちのめし
安らかな社会を守ります
四天王 持国天
よろいかぶとに身をかため
するどい独鈷を光らせる
心の悪魔をうちくだき
清らかな社会を守ります
四天王 広目天
軸と筆とを手にもって
澄んだまなざしさしむける
広く見る目でしっかりと
大きな社会を守ります
四天王 多聞天
宝塔槍を手にもって
すなおに耳をかたむける
福徳たちまち集って
豊かな社会を守ります
天狗の銅像。高尾山と天狗のゆかりについて、薬王院のホームページに記述があった。
高尾山と天狗様
天狗様は飯縄大権現様の眷属(随身)として、除災開運、災厄消除、招福万来など、衆生救済の利益を施す力を持ち、古来より神通力をもつとされ、多くの天狗伝説や天狗信仰があり、神格化されています。この様に高尾山は、飯縄信仰と共に天狗信仰の霊山としても知られております。
また、高尾山は修験道根本道場として知られており、山伏修行が随時行われ、昔は山伏が深山幽谷に籠もって難行苦行を重ね、やがて高尾山の霊気と融合して、呪力、験力を体得して大先達となり、山伏の姿が天狗と同一視されることも多いのであります。
仁王様(あ)
ものの 始めを 大切
仁王様(うん)
ものごと けじめを しっかりと
本社へ
本社への階段の両脇には大勢の仏様。
御本尊の飯縄大権現、どんな仏様なのだろう。
ホームページによると――。
ご本尊 権現様
高尾山薬王院の御本尊飯縄大権現は、不動明王の仮の姿として衆生を救済する徳を備えた仏神ですが、本地の不動明王のほか、迦楼羅天、荼吉尼天、歓喜天、宇賀神と弁財天の五相合体をしたお姿とされています。つまり、諸悪を根絶するため、忿怒の相を表した不動明王、くちばしと両翼を持ち、自在に飛行して衆生救済を施す迦楼羅天、衆生に富貴を授け疾病を除き、夫婦和合の徳を施す心を持った歓喜天、白狐に乗り、先を見通す力を授ける荼吉尼天、さらに、五穀豊穣、商売繁盛、福寿円満、などを授ける宇賀神と弁財天のそれぞれの相を合わせ持った御本尊様なのでございます。
とても欲張りな仏様のようだ。(^_^;)
右側に大天狗。
左側には烏天狗。
いろいろな神様、仏様、そして天狗にお目にかかれる楽しい薬王院。こんなところもミシュランに評価されたのだろう。
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