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映画「阿弥陀堂だより」ロケ地をめぐる・その4阿弥陀堂と棚田

 いよいよ阿弥陀堂のある「福島さんべの里」へ。
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 休憩小舎さんべにクルマをとめ、福島さんべの里を回る。
 休憩小舎さんべはふだんは営業はしておらず、単にクルマをとめる目印に過ぎないが、なんと、ゴールデンウイークだけは地元の農家のおばちゃんたちによる石臼挽きの手打ちそばが食べられる。
 1年に1度の貴重なそばが味わえる!
 山菜の天ぷらが付く天ぷらそば(850円)を頼んだ。
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 サービスでコゴミと野沢菜を出してくれる。素朴な味。おいしい。
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 太めの麺と山菜(写真は山菜のみ2人前)。
 菜の花、ユキノシタ、サンショウ、コゴミ、ヨモギ、ノビル、ウド。今でなければ食べられない旬の天ぷらそばだった。シアワセ。
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 福島棚田。休憩小舎さんべにあったパンフレットによると――。
 全国棚田百選に選ばれた「福島棚田」は、石組みが特徴です。開田した江戸の初めは、戦国時代に、各地で城の石垣を積んだ石工の名人たちが多く失業した時代でした。その名人たちやその流れをくむ人たちが福島集落にやってきて、城の石垣と同じ工法で積んだのだといわれています。加藤清正の名城・熊本城の石垣のように扇型の弧を描いた石組みで石垣にトンネルを作って水路にしたり、上の田と行き来するのに石垣に階段を付けたり、水田とは思えない精緻な構造を「まるでインカの空中都市のようだ・・・」と評した人もいます。開田の後、自然災害にも何度か見舞われ、一時放置されて荒れた田もありましたが、当時の石垣は、頑として崩れませんでした。水田を守り伝えてきた福島集落の人たちや最近は福島棚田保存会の皆さんが水田に復元して大切にしています。堅固な石垣に米作りにかけた先祖たちの熱意が偲ばれ、一見の価値以上の価値があります。
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 棚田から、阿弥陀堂に向かう。
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 阿弥陀堂。さんべにあったパンフレットによると――。
 映画「阿弥陀堂だより」=2002年公開・小泉堯史監督=に使用されたロケセット「阿弥陀堂」は、まるで200年前からそこに佇んでいたかのように、周囲の風景に溶け込んで、棚田やはるか眼下を流れる千曲川を静かに見守っています。
 お堂の障子戸を開けると、そこにおうめ婆さんの暮らしの匂いが漂っているような懐かしささえ覚えるのです。「あっ、おうめさん留守かね。また出直してくるか」とそんな独り言が自然に口をつきます。映画であって、映画を超えた世界…。それは、「作りごと」であっても、本物を分かりやすくするための作りごととこだわった制作姿勢が生んだ世界だったように思えます。
 いまは本物の阿弥陀様が安置され、地域の人たちが大切にお守りしています。
 毎年、おうめ婆さんに会いに全国から、多くの人が訪れます。お堂は冬期間を除き、自由に見学できますが、静かに流れる時間を大切に、マナーを守って見学しましょう。

 なかなか良い解説。

 ここは、万仏山三十三観音が並ぶ土地としても知られている。
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 万仏山三十三観音。パンフによると――。
 道沿いには33本の石の観音像が並び、万仏山の洞穴に安置された大日如来像と弘法大師像へと、案内します。中には、さざれ石に似た岩の上に安置された観音様もあって、それぞれが絵になる表情、姿です。嘉永元年(1848年)に福島や近在の人たちが奉納した西国三十三観音といわれています。

 秋にまた訪れるのもいいかもしれない。

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