石ばし(東京・江戸川橋、うなぎ)
うなぎはぜいたくな食べ物なので、今まではどこの店であろうが、うなぎを食べるだけで満足していたような気がする。
うなぎのおいしさを追求したくなり、東京の老舗、石ばし(東京都文京区水道2-4-29)に行った。
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メニューにあった説明。
石橋
石ばしは明治43年、故根本良により創業。
戦前は江戸川(現在神田川)の中之橋の袂に店を構えておりました。
昭和20年の東京大空襲により一帯は焼け野原になり、戦後場所をこの地に移し、今に至っております。
建物は戦前の材料を使っている個所もあり、玄関の煉瓦塀は空襲にも耐え、 今では石ばしの顔にもなっております。
鰻
静岡県産吉田町の鰻を使用、すべて目方の違いでお選び頂いております。
蒲焼きは捌いてから目方に振り分け串打ちをし、一旦白焼きをします。
蒸し器に入れて待つこと1時間、身が柔らかくなったことを確認し、備長炭で蒲焼きにし、輪島塗りの重箱に収まります。
このようにすべての工程にはお時間をいただきます。
御予約の際、御注文を確認することを御考慮下さいませ。
『串打ち3年、裂き8年、焼きは一生』と鰻料理は奥深いものです。
余裕を持ってお越し下さい。
いつも御贔屓にありがとうございます。
鰻のあれこれ・・・
鰻の料理法
鰻には蒲焼・白焼きなどがあり、関東と関西ではまず料理法が違います。
関東では、背開き→素焼き→蒸し→焼き(淡泊で柔らかい)
関西では、腹開き→素焼き→焼き(パリっとして香ばしい)
蒲焼は元禄時代初期、関東では背開きにして竹串を打ち、素焼きにして、何回も裏返した後、蒸し器に入れて蒸してから、タレを付けて焼いたのが始まりとされています。一方関西では腹開きにして、5~6尾を一緒に金串を打ち、タレをかけながら焼き上げ、頭と尾の部分を切り落とし、食べやすいような大きさに切ったのが始まりとされています。
関東の背開きは腹切り(切腹)に通じる事から忌み嫌われたといわれます。
鰻・蒲焼きの名前の由来
『う』が長くなった形に似ているから、ではなく鰻の胸のところが黄色みをおびていることから『胸黄』が『うなぎ』に
転化したのが由来、『蒲焼き』は鰻を縦に串刺しにして丸焼きにしていた形が蒲の穂に似ているのが由来です。
鰻の栄養分
鰻の脂肪量は100g中24gと多めです。魚類に含まれる脂肪の成分は不飽和脂肪酸でコレステロールを抑制する効果があります。
またエイコサベンタエン酸などの血液中の中性脂肪やコレステロールを抑える成分も含まれています。うな重のカロリーは493cal.一食分としては低カロリーです。
土用の丑
土用の丑に鰻を食べるのは江戸期の学者、平賀源内がある鰻屋に看板を書く事を依頼された時、『本日土用丑の日』と大書きしたところ大いに当たったからという一説があります。鰻はビタミン含有量が多く、1年で最も暑気が強い土用の頃鰻を食べれば夏負けしないといいます。
しかし『石ばし』は土用の丑は鰻の供養の日としお休みになります。
夏よりも・・・1年中で脂が乗っている鰻の旬は冬の時季になります。
うな重(香物。肝吸い付き)は特上(3800円)、上(3000円)、並(2500円)、蒲焼重(3800円)。
追記2015.10.16)うな重の特上が5000円、上が4000円、蒲焼重が5000円に。
この日は、ゆっくりうなぎを楽しもうと思い、「8000円より」のコース(「1万円より」のコースは白焼きが追加になる)を頼んだ。
トップバッターは大好きなざる豆腐。
突出し。
刺身(鯛、マグロ、甘エビ)。刺身は、料亭に卸している神楽坂の魚屋から仕入れているという。
鰻茶碗蒸し。香りが良い。
うざく(うなぎの三杯酢和え)。
老舗の座敷はいい。ゆっくりと時間が流れる。
うな重(香物・肝吸い付き)。うなぎは柔らかく、上品な味。
デザート。
いくつかの老舗のうな重を食べ比べてみたいと思った。値段は高いようだが、それだけの価値は感じた。
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Comments
うなぎはおもしろいよねえ。老舗がよいもさることながら、地方のウナギ屋めぐりのほうがおもしろいと思う。料理の仕方とか、ウナギに対する感覚とかがずいぶん違う。
Posted by: さいのめ | 2009.08.30 01:51 PM
2007.4.7、一緒に行ったうなぎ小堀(群馬県邑楽郡大泉町)は確かにおいしかった。
Posted by: フーテンの中 | 2009.08.31 10:49 AM