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「放送と通信の融合時代」に読みたい、ニコラス・ネグロポンテ著『ビーイング・デジタル』

Being_digital
ビーイング・デジタル

 ニコラス・ネグロポンテ著『ビーイング・デジタル』(アスキー)を読んだ。1995年7月に書かれた本で、2001年12月に買っていたが積読状態だった。
 最近になって、読んでみて、「デジタル化」に対する説明は、今出ているどんな本よりわかりやすく、本質的であることが分かり、感動を覚えた。
 ネグロポンテ氏はMITメディアラボの創設者。
 「私は毎日インターネットを使っているが、・・・電子メールしか使わない」「世界で最も歴史ある電話会社の重役たちは、『なんでも、いつでも、どこでも(Anything,Anytime,Anywhere)という標語を、まるで人の移動が盛んな現代を象徴する詩句のようによく口にする。しかし、タイムリーで重要性があり、面白く、有意義で、こちらの想像力に訴えかけるものでない限り、『なんであれ、いつであれ、どこであれ』使いたくないというのが私の信念だ」
 「メディア・ラボ創立のコンセプトは、ヒューマン・インターフェイスと人工知能の研究を新たな方向に進めることだった」というように、決して人間が今のコンピュータに合わせることをよしとせず、人間の表現力、創造力を高める方向でコンピュータを利用したいと考えている。
 今、混乱が起きている言葉に、「放送と通信の融合」という言葉がある。ある人はITベンチャーが古い特権体質の放送局を飲み込むことを指すと思っているし、別の人は単にインターネットでテレビが見られることだと解釈している。
 しかしPART1 ビットはビットを読むと、デジタル化により放送と通信がどこへ向かうのかが見通せる。
 テレビ局はデジタル化によりきれいな画質が実現したとし、HD(high definition、ハイビジョン)化がデジタル化の最大のメリットと喧伝する。
 ネグロポンテ氏も「デジタル化することは多くのメリットがある。データ圧縮や偉ー訂正が可能になるのは明らかな利点で、これは伝送コストの高い、あるいは雑音の多い通信路を使って情報を送る場合に重要なポイントとなる。それによって、例えば放送局は費用を節約できるし、視聴者はスタジオなみの品質で画像や音声を楽しむことができる」と高画質をメリットの一つとしてあげる。
 しかし、同時に「あらゆるメディアがデジタル化するとき――すべてが等しくビットとなることから――次の二つの根本的、直接的な結果が生じてくる。第一に、ビットはたやすく混じり合う。混合したビットを、混じり合ったままでも、また、別々にしても扱えるし、繰り返し使うこともできる。音声、ビデオ画像、データが組み合わさったものをマルチメディアと呼ぶ。・・・第二に、新しい種類のビットが誕生する。それはほかのビットについて教えてくれるようなビットで、・・・こうしたビットは目に見えず、音もしないが、ユーザーに対して、あるいはコンピュータや専用の娯楽機器に対して、それがどういう信号であるかを知らせる働きをする」
 デジタル化によって、あらゆるコンテンツが混じり合って、メディアの利用者は必要な情報を同時に受け取れる。これが放送と通信の融合の帰結だと思うのだが、新聞社とテレビ局はあまり仲が良くないようで、今のところ、あまり情報は混じり合っていない。
 また、電波の利用について彼はこう述べている。「エーテル(空中波)の利用法はますます巧妙になっていくが、最終的には移動するもの――つまり飛行機、船舶、自動車、ブリーフケース、腕時計など、つないでおくことが不可能なもの――との通信用に、すべての周波数スペクトルをとっておくべきだろう」。
 最近、NTTぷららの「ひかりTV」に代表されるIPTVが普及し始めたが、本来はテレビ放送などは光ファイバーで提供すればよく、カーナビやケータ用に電波は割り当てるべきなのだ。
 ネグロポンテ氏は10年以上も前に、放送と通信の融合時代に何をすべきかを提案していたのだ。

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