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まやかしではない人生論・桜井章一『負けない技術~20年間無敗、伝説の雀鬼の「逆境突破力」』

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負けない技術~20年間無敗、伝説の雀鬼の「逆境突破力」

 桜井章一『負けない技術~20年間無敗、伝説の雀鬼の「逆境突破力」』(講談社+α新書)を読んだ。

 内容について語る前に、桜井章一とはどんな人なのか。

 桜井章一略歴。
 東京都に生まれる。大学時代に麻雀に触れ、のめりこむ。昭和30年代後半、裏プロの世界で勝負師として瞬く間に頭角を現す。以来、20年間「代打ち」として超絶的な強さを誇り、「雀鬼」の異名をとる。その間、一度も負けなしの無敗伝説をつくった。現役引退後、著者をモデルにした小説、劇画、映画などでその名を広く知られるようになる。現在、麻雀を通して人間力を鍛えることを目的とする「雀鬼会」を主宰し、全国から集まった若者を指導している。著書には『超絶感性』(竹書房文庫)、『運に選ばれる人 選ばれない人』(講談社+α文庫)、『人を見抜く技術』(講談社+α新書)、『賢い身体 バカな身体』(共著、講談社)などがある。

 裏麻雀の世界で不敗だった雀鬼。勝つためにはイカサマでも何でもするのかと思っていたが、桜井は「勝ちたい」という気持ちは「欲望と同じで限度がない」として、「負けない」という気持ちの大切さを強調する。
  「『負けたら終わり』という競争意識は、人間だけでなく、動物も持っている。彼らは、必要以上の争いはあまりしない。本能的な競争意識とは、必要に迫られたときにだけ出てくるものなのだ」
 「ところが今の人間は、必ずしも必要でない力や能力といったものをふんだんに身につけ、しなくてもいい争いをしているようにしか見えない」
 「『勝ちたい』という気持ちは、欲望と同じで限度がない。限度がないからそれを達成するために汚いこと、ずるいことなども平気でするようになってしまう」
 「『勝ち』を求めてしまう人は、どこまでもプレッシャーにつきまとわれることになる。『勝ち』ばかりを追いかけると視野は狭まり、自分の技量以上のことをしようとするようになってしまう。それがやがて、大きなプレッシャーを生み、そのプレッシャーに足を引っ張られて負けてしまったりするのだ。『負けない』は『勝ちたい』より純粋なぶん、余計は考えも入らずプレッシャーを感じることもなくなる」

 それでは、「負けない」ようにするにはどうすればよいのか。
 「人が『負けない』力をつけるには、自然界の中にいる動物たちのように変化に対する動きと感性を磨くことである」
 
 ①二兎どころか百兎を追え
 「ひとつのことしかやれないというのなら、それは気持ちに余裕がない証拠だ」
 「キャパシティを増やしていけば余裕も生まれ、気づくことも多くなってくる。そして、勝負事はこの“気づき”の多さでその勝敗が決するといってもいい」
 ②スルーする感覚で強くなる
 「たとえば、“いいもの”は自分の中に留めておきたいものだが、私は必要以上に留めることをせず、そのままスルーする。反対にそれが”嫌なもの”であっても、放り投げたり、無視したりせず、必ずスルーしてその存在を確かめる」
 「どんなに“いいもの”であっても、それを自分の中に溜め込んでしまえば、そこに“囚われ”が起こる。そうなると、もはや等身大の自分ではいられなくなる。“嫌なもの”もまったく無視してしまうと、なぜ嫌なのか、なにがダメなのかわからないままに終わってしまう」
 ③シンプル・イズ・ベスト
 「『言葉』もそうだろう。なにかを伝えようとするとき、長々としゃべり続けるより、必要なことだけを簡潔に伝えた方が相手に届くものだ」
 「『負けない』攻めとは、テクニックのようなものではなく、シンプルに全身全霊を込めて向かっていくときに、初めて生まれるものなのだ」
 ④勝機との相性
 「“勝機との相性”とは訪れた勝機を自分が合っているか合っていないかということ。勝機と合わないときは『どうやったら合うようになるのか』を模索していく」
 「この合わせる感覚を掴むには、いろいろなことに対して“合わせていく”ことが大切だ。目の前にバカがいたらバカに合わせる。そういうところから始める」
 「“その場に合わせる”というのは、都合のいいもの、悪いもの、すべてを含めて“合わせる”ことを指している。日々、“合わせる”ことをやっているうちに、いつも素の状態でものごとを見ることができるようになり、それが強さとなるのである」
 ⑤「気づき」の度量で勝負は決まる
 「自然界というのは本能の世界でもある。だから、自然に近づいていくと人間も本能が目覚めてくる。すると、それまで眠っていた本能が磨かれたり、働いたりするようになる。そういう相互作用を繰り返すことで、本能の部分から”気づき”が生まれてくる。
 「“気づく”ことができるようになると、人は元気や勇気などさまざまな気”を“自分の中に持つようになる。そ
して多彩な“気”を持っている人は、やがて気遣いのできる人間になるものだ」
 ⑥「守る」のではなく「受ける」
 「人間は言葉に囚われる生き物なので、『守り』という意識を持つと、もろい部分や欠点を守ろう、隠そうとしてしまうことになる」
 「“攻める”気持ちで相手の攻撃を受けているかぎり“守り”はどこにも存在しない」
 「逆境に追い込まれたとき、人間はかえって攻めの気持ちになっていくことがある。そうなると、今度は『火事場の馬鹿力』のような秘められた力が出やすくなる」
 ⑦「心構え」と「体構え」の一致
 「人間は『精神ありき』ではなく、『肉体ありき』の存在なのだから、心構えの前に気をつけるべきは体構えであろう」
 「しっかりした体構えとは・・・柔らかくてどこにも力が入っていない状態である。力が入っていない状態をつくりだすのは難しい。そういう状態をつくりだすには、極力、意識をしないことだ。変え込むから、そこに囚われ、心も体も硬くなる」
 ⑧目に見えないものを感じる
 「じつは、勝負に負けない秘訣は“目”ではなく“耳”にある。相手や全体の流れを目で見るように追うのではなくて、耳を澄ませるようにして感じるのである」

 麻雀だけでなく、ゴルフなどのスポーツ、生き方にも通じる言葉に感動した。
 うわべだけのハウツーとは違った桜井章一の言葉には力がある。

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Comments

なるほど……。
動物流はいいですね。

Posted by: mhrl | 2009.11.21 at 09:27 PM

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