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国会前庭とレストラン 霞ガーデン(東京・永田町、喫茶・レストラン)

 国会議事堂周辺を歩いていて、国会前庭を見つけた。何で今まで知らなかったのだろう。
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 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によると、国会前庭(こっかいぜんてい)は、東京都千代田区永田町一丁目にある国会議事堂前にある庭園。洋式庭園の北地区と、和式庭園の南地区からなる。国有地で、衆議院が管理している。
 南北の両地区は国会正門からまっすぐ伸びる並木道を挟んで分けられており、地勢の低い霞が関側の正面から国会議事堂を見あげると、国会議事堂を緑の向こう側に美しく際立たせるようになっている。
 北地区は、江戸時代ははじめ加藤清正の屋敷、次いで彦根藩井伊氏の上屋敷があったところで、幕末の大老井伊直弼はここから内堀(桜田濠)沿いの道を桜田門に向かう途中の路上で桜田門外の変に遭った。明治時代になって当地は国有地となり、はじめ弾正台、のちに参謀本部・陸軍省が置かれた。そして陸軍省が廃止された戦後に衆議院の所管に移され、周囲の土地区画整理や道路拡張の後に洋式の庭園に整備された。
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 「この地の由来」を書いた碑もあった。

 さらに『ウィキペディア)』によると、北地区の中心には三権分立を象徴するとされる時計塔が建てられており、シンボルになっている。また、軍事的な理由から全国の測量を進めた参謀本部陸地測量部(国土地理院の前身)がこの地に置かれていた名残である日本水準原点が園内に存在することが有名。尾崎行雄の業績を称えて建設され、現在は衆議院が管理している憲政記念館も北地区の敷地内にある。
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 時計塔の下には以下の説明があった。
 この時計塔は、尾崎記念会館(現 憲政記念館)建設時に、その施設の一環として、塔前面の噴水池・花壇とともに設計され、昭和35年(1960)7月に完成した。
 三面塔星型は、立法・行政・司法の三権分立を象徴したものである。また、塔の高さは、「百尺竿頭一歩を進む」ということわざの努力の上にさらに努力して向上するの意味から、百尺(30.3メートル)より高くした31.5メートルに設定された。
 時計は、時間を厳守した尾崎行雄を称えてスイスから贈られたものであったが、現在は国産のものに改修されている。
 チャイムは、10時・13時・17時・22時の4回鳴動する。これは衆議院、参議院の会議開会時刻と退庁、就寝時を標準にしたもので、その音響は静寂時には5キロメートル周辺に響き渡った。
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 南地区は、江戸時代は九鬼氏の屋敷、明治期以降は有栖川宮邸を経て、霞ヶ関離宮となった場所であった。現在では和風を基調とした回遊式庭園になっている。
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 左が国会議事堂、道を挟んで右側が国会前庭。

 国会前庭の開園時間は9時〜17時。閉園日は12月29日〜翌年1月3日。今年最後の開園日だったようだ。
 
 前庭の北地区、憲政記念館と同じ建物に「レストラン 霞ガーデン」(千代田区永田町1-1-1、03・3581・1655)があった。
「今日のランチ」(11:00〜14:00、スープ・サラダ・ライス・コーヒー付)はAランチ(850円)がロールキャベツ、Bランチ(1200円)が真鯛のグリル。
 このほか、「シェフのおすすめ」(オムライスハヤシソース=1000円、カツカレーライス=1100円)、「今月のヘルシーメニュー」(鰈のムニエル 白ワインソース=1000円)、「お料理(ライス付)」(海老フライ=1260円、牛フィレ肉ステーキ グラスドビアンソース=2300円、仔牛肉のソテー マッシュルームソース=1400円、ビーフシチュー 温野菜添え=1600円、ハンバーグステーキ フライドエッグ添え=1050円、ポークカツレツ=1000円、ポーク生姜焼き=950円、ハヤシライス=950円)にもランチタイムはスープ・サラダ・コーヒーが付く。
 さらに!
 コーヒーなどは付かないが、安いメニューもある。
 ポークカレーライス=650円、ドライカレー=600円、本日のスパゲッティ(この日はペペロンチーノ)=650円、ミックスサンドイッチ=630円、コンビネーションサラダ=600円、本日のスープ=350円。手作り焼豚麺=850円もおいしそう。

 おつまみまである。
 チーズ盛り合わせ 600円
 ごぼうの唐揚げ 450円
 
 Aランチにした。
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 安いのになんかリッチだ。(^−^)
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 庭園を眺めながら、ゆっくり食事。

 飲み物だけでもOK。
 コーヒー 270円
 紅茶 270円
 コーラ 230円
 オレンジジュース 230円
 ウーロン茶 230円
 レモンスカッシュ 380円
 クリームソーダ 400円
 コーヒーフロート 410円 
 アイスクリーム 280円
 ビール(中瓶) 550円
 日本酒(千福180ml) 400円
 カフェラテ(PM2:00〜) 320円
 
 安い。午後2時からのカフェラテって、どんなカフェラテなのだろう。

 本日のケーキセット 600円
 みつ豆 450円
 あんみつ 500円
 クリームみつ豆 500円
 クリームあんみつ 600円
 営業時間は午前11時から午後5時まで(午後4時ラストオーダー)。土日休み。

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水野和夫著『金融大崩壊~「アメリカ金融帝国」の終焉』(NHK出版 生活人新書)

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金融大崩壊―「アメリカ金融帝国」の終焉 (生活人新書)

 水野和夫著『金融大崩壊~「アメリカ金融帝国」の終焉』(NHK出版 生活人新書)を読んだ。
 アメリカのサブプライムローン問題に端を発した世界金融危機や「アメリカ金融帝国」終焉以降の世界がどうなるかをわかりやすく解説した良書だ。
 
 「16世紀に誕生した資本主義では、資本と国家と国民の三者の利害が、根本のところで一致」していたが、「サブプライムローン問題は、資本が国家と国民に対して離縁状を叩きつけた象徴的な出来事」と水野氏は言う。
 企業が経済活動を活発に行えば、政府の税収が増える。そして、税収を使って福祉政策を拡充していけば、国民はより幸せに暮らすことができるが、「サブプライムローンがつくられ、その証券化商品を売り買いしていた投資家たちは、自分たちの行為がアメリカの国家や国民にとって役に立つよいこととは思っていなかった」と思われるからだ。狙ったのは「利潤の極大化」。そのために、「信用度の低い人たちにも住宅を買ってもらい、なおかつそれがリスクにならないような仕掛け」を考えたのだ。

 そして、資本と国家と国民の三位一体の関係を断ち切ることは、「いままでの資本主義の終わりを象徴する出来事」だと言う。
 「資本主義はそもそもが、常に外へ外へと市場を拡大しないと成長できないというモデルです」。しかし、「75年のサイゴン陥落で、事実上、世界最強の軍事大国が敗北したことによって、膨張主義による資本拡大の時代は終わったのです」。
 「そこで1970年代半ばになって登場するのが、新自由主義」。「市場が決めることは正しい、政府よりも市場のほうが正しい資本配分ができる。だから政府の介入を極力小さくするべきだ」という考え方だ。
 「これはつまり、福祉国家を目指すのをやめるということにほかなりません。そして、労働分配率を下げ、資本側のリターンを増やしていこうとしたわけです」「これが、80年代のロナルド・レーガン大統領の経済政策『レーガノミックス』の基本的な考え方になりました」。
 「レーガン大統領は新自由主義の政策とともに、ソビエトに対しては軍拡競争を展開します。それが一因となって、91年にはソビエトが崩壊し、計画経済を実施していた東側諸国が資本主義の世界市場に取り込まれ、新たなマーケットが一気に広がります」。
 「95年に就任したルービン財務長官が強いドルに方向転換すると、アメリカは経常収支の赤字額を上回る資金を世界中から集めて、それを再び世界へと配分していくようになりました」「このマネー集中一括管理システム」により、アメリカは『アメリカ投資銀行株式会社』となり、『アメリカ金融帝国』となったのです」。
 長い引用になったが、新自由主義とアメリカ金融帝国の誕生について、よく分かるまとめだ。

 さらに、「IT革命はインターネットの拡充によって、世界の情報格差を小さくし、先進国と新興国の市場を一本化させることになりました」「こうして新自由主義の全盛時代が始まり、外国からの対米直接投資が急増していきます」「キャピタルゲインによるリターンを狙う投資先は、市場が整備された先進国中心となり、途上国に対しては実物投資によるリターンを狙うことになります」「その競争は借り入れた資金を右から左に動かして回転率を上げる、いわゆる『レバレッジ』をいかに高めるかという競争になってきました」。

 この間、日本は何をしていたのだろう。
 「バブル崩壊の後遺症とその教訓があり、世界の金融資産の拡大競争には消極的でした。むしろ政策としては、デフレ脱却のためにマネーサプライ(通貨供給量)を増やす方向を選びました」。
 「マネーサプライを増やすために、日銀は99年2月から2000年8月までゼロ金利政策をとり、01年3月から06年3月まで量的金融緩和政策へ移行し、実質的にゼロ金利が続いていきます」「そして、それはほとんど効果をあげませんでした」「むしろ喜んだのは海外の投資家たちで、日本では金利がゼロで資金を調達できるということで、日本から海外へお金が流れ出ていきます」。「日本のとった政策は『オウンゴール』と呼ぶことができると思います」。

 世界金融危機の第一段階は「リーマン・ショック」まで。第二段階は「アメリカの金融業界に起きた大きな変化でした。アメリカの5大投資銀行のうち、破綻したリーマン・ブラザーズを除く残り4つの投資銀行は商業銀行に業態を変え、存続を図りました」。
 第三段階は実体経済への影響の拡大だ。「過剰借り入れの是正プロセスで起きるのは耐久消費財、とりわけローンで購入する割合が高い自動車販売の減少です」。
 アメリカの過剰債務は「07年末時点で3兆8000億ドルです。・・・そのうち約1兆3000億ドルが不良債権ですから、それは返済できないものとしてカウントしないとすると、残りの2兆5000億円ドルをアメリカ国民は消費を落としながら貯蓄率を上げ、その貯蓄で返していくことになります」「それには丸々5年はかかるでしょう」「もやは、アメリカは個人消費主導の景気回復はできなくなったといえます」。
 
 「アメリカ金融帝国」は終焉したわけだが、その後の世界はどうなるか。「もっとも大きい変化は、強いドルの終わりです」「アメリカは外国人が国債を購入しないと、景気対策も金融安定化対策も事実上できなくなってしまいました」「国債の発行のたびに、ドルが下落していく可能性がもっとも高いでしょう」。
 今後、「資本の向かう先の第一候補は、30億人が近代化し、中産階級が形成されようとしているBRICsなどでしょう。次に考えられるのが、脱化石エネルギーへの投資です」。

 アメリカが「アメリカ投資銀行株式会社」なら日本は「日本輸出株式会社」。この二つは“連結会社”なので、アメリカ金融帝国の終焉は日本にとっても「戦後もっとも深刻な事態」と投資家に見られている。
 水野氏は「『日本輸出株式会社』の内実は『日本先進国向け大企業輸出株式会社』だったわけですが、これからは規模の大小を問わず『日本新興国向け企業株式会社』として、進むべき道を模索していく必要がある」と提案する。

 根拠となる事実や数字を明確にして行う水野氏の現状分析や今後の予測は信頼できる。とても勉強になった。

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インド料理)えびカレー、野菜カレー

 先日、カレー鍋を作った時に、様々なスパイスを買った。それらを使ってインドえびカレーと野菜カレーを作った。
 レシピは『はじめてのインド料理』(文化出版局)。
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 まずはサフランライス(4人分)。
 レシピではサフランひとつまみ(約20本)とあるが、用意していたのはサフランパウダー。サフランひとつまみはサフランパウダーだとどのくらいになるのか、分量が分からない。写真を見て小さじ1杯くらいにしてみたが、うまくできた。
 米(3カップ)を洗って水を切る。フライパンに油(大さじ2)を入れて火にかけ、スパイス(レシピではカルダモン、シナモンスティック2cm、ベイリーフ1、2枚だがカルダモンはなし。シナモンスティックはシナモンパウダーで代用)を炒め、はじけてきたら米を入れて軽く炒める。炊飯器に入れ、水3カップ、塩(小さじ1/4~1/2)、サフランを加えて炊く。 

 次が野菜カレー(4人分)。
 じゃがいも(中3個)、にんじん(1本)は皮をむいて3cm角に、なす(5本)、ピーマン(3個)も3cm角に切る。トマト(中1個)はくし型に切る。鍋に油(大さじ2)を入れて火にかけ、ベイリーフ(1、2枚)、シナモンスティック2cm(→シナモンパウダーで代用)、赤とうがらし(1本)を入れて炒め、はじけてきたら玉ねぎ(小1個、みじん切り)、ししとう(1個、みじん切り)を入れて薄いきつね色になるまで炒める。
 じゃがいも、にんじんを加えてさっと炒め、続いてピーマン、なすの順で炒めて、水1/2カップを加えて弱火でふたをして蒸し煮にする。野菜がやわらかくなったら、しょうが(梅干し大、すりおろし)、にんにく(1かけ、すりおろし)、ターメリック(小さじ1/2)、クミンパウダー(大さじ1 1/2)、コリアンダーパウダー(大さじ1 1/2)、レッドチリパウダー(小さじ1/2)トマトピューレ(缶詰のホールトマトで代用)1カップ、塩(小さじ1)とトマト(中1個)水1 1/2カップを加えて10分ほど弱火で煮込む。
 野菜の切り方にもよるが、もう少し煮込んだ方がいい気がした。

 もうひとつ、えびカレー(4人分)
 えび(中20尾)は殻をむき、背わたを取る。
 中華のレシピを参考に、ボウルにえびを入れて塩、酒、片栗粉を少々振り、もみながら洗って臭みを取った。
 えびにターメリック(小さじ1/2)、レッドチリパウダー(小さじ1/4)、塩(小さじ1/2)をまぶし、よくなじませる。
 玉ねぎ(中2個)は縦半分に切って、薄切りにする。鍋に油(大さじ2)を入れて火にかけ、玉ねぎを薄いきつね色になるまで炒める。
 えび、しょうが(梅干し大、すりおろし)、にんにく(2かけ、すりおろし)、ししとう(1個、みじん切り)、クミンパウダー(小さじ1)、コリアンダーパウダー(小さじ1)を加えて炒め、えびの色が変わってきたらトマトピューレ(缶詰のホールトマトで代用)1カップを入れて1分ほど炒め、水1カップを加えて沸騰させ、弱火に5分ほど煮込む。器に盛ってコリアンダーの葉を散らす。

 スパイスの香りが良い、おいしいカレーだった。サフランライスもうまくできた。インド料理に凝りそう。

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水野和夫著『100年デフレ~21世紀はバブル多発型物価下落の時代』(日経ビジネス人文庫)

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100年デフレ―21世紀はバブル多発型物価下落の時代 (日経ビジネス人文庫)

 水野和夫著『100年デフレ~21世紀はバブル多発型物価下落の時代』(日経ビジネス人文庫)を読んだ。2003年発刊の単行本を文庫化したもので、リーマン・ショックより前の著作だが、世界経済の現状をロングスパンで分析しており、現時点でも十分に通用する内容だ。

 水野和夫氏は三菱UFJ証券チーフエコノミスト。彼は本書で、歴史家、歴史学者、作家らが今を「歴史の大きな転換点」と見ているのに対し、経済学者の多くが今が歴史の転換点にあるという認識なしに、伝統的な経済理論によって現在の低迷から脱出しようとしてると批判する。

 人類の歴史を振り返ると、過去に二度の歴史の断絶点があり、91年が三度目の歴史の断絶点であるという。
 「一度目は、紀元前8000年の新石器革命あるいは農業革命である。細石器の出現によって、人類は『食料採取から食料生産』へ移行した」。
 「二度目の断絶は、16世紀か18世紀かという議論がある。近代主権国家と資本主義の誕生によって、中世封建社会の危機を乗り越えたことを重視すれば、16世紀に断絶が起きたことになる。筆者は・・・16世紀説を支持する」。
 「第三の歴史の断絶点は・・・1991年(ソビエト連邦解体)から始まっている」。
 「三度目の歴史の断絶が起きているのだから、16世紀以来の、とりわけ20世紀に有効だった政策は通用しない可能性が高い」と水野氏は主張する。

 そして、「21世紀はデフレの時代」となり、デフレは100年続くというのだ。

 21世紀をデフレの時代とみる根拠は、第一に「大競争時代の到来によって世界の供給能力が飛躍的に伸び、完全雇用水準が極端に高まったこと」。
 「91年に冷戦が終わり東側と第三世界の多くの国々が市場経済へ移行したことによって」「潜在的な生産能力が2.75倍に増えた・・・もし、世界経済が今後も90年代と同じペース(3.6%)で成長すると仮定すれば、2000年時点の生産能力は、33年先の需要まで織り込んでしまったことになる」。さらに試算をすると、「2.75倍の潜在的な需給ギャップは99年後にようやく均衡する」。

 第二の根拠は「デジタル革命、インターネット革命が起きたこと」だ。「IT革命は世界最低賃金の国と世界最高水準の技術水準を結びつけることを可能にした」「IT革命によって、手先の器用さといった日本人の優位性は消滅しつつある。長い時間をかけての伝承を必要といない生産技術が発達し、技術移転が容易に行われるようになった」。

 第三の根拠は「」通貨調整が行われないまま、全地球規模の市場統一が進んだこと」。
 「冷戦終了後、人類史上最大の非連続的な変化が起きたにもかかわらず、為替の調整は全く行われなかった。21世紀が抱え込んだ問題は、先進国に存在する数十%の内外価格差ではなく、先進国と途上国の間に存在する6倍から7倍に広がった内外価格差である」。試算では為替調整には48年かかるという。

 「現在進行中の大競争、グローバリゼーション、IT革命といった現象は、お互いに絡み合い歴史的な断絶を引き起こしている」。それなのに「現在のデフレ現象を『戦後初めて』とか『循環要因』のようにとらえると、処方箋を間違ってしまう」「まずしなければならないのは、このような『20世紀型の遺物』である思考からの脱却である」。
 「デフレは戦後初めての以上現象だ」とみると、「デフレ脱却のためにはどんな政策も正当化される。しかし、こうした何でもありの政策を採ったとしても、デフレから脱却できない」。
 「20世紀型思考に基づき『インフレは貨幣現象』という前提のもと一層の金融緩和を続けても、一般物価のインフレをもたらすことはできない。マネーは過剰になり、資産インフレを引き起こす」。
 「まず何よりも景気を回復させないと構造改革に耐えられない」という考えも間違っているという。「構造問題をかかえているうちは景気回復が持続しないという」問題を無視しているからだ。

 21世紀のデフレへの処方箋は構造改革しかないというのが水野氏の意見だ。「構造改革とは、低収益構造に陥った企業の体質改善を促す一方で、新規サービスや技術革新が生ずるような仕組みを作ることでもある。この両者が揃わなければ、持続的な成長軌道に乗ることはできない」。

 小泉政権の構造改革は掛け声倒れに終わり、痛みだけが残った。民主党政権も「小泉改革こそ諸悪の根源」というスタンスをとっているから、成長力を高めるような構造改革に、まだ前向きに取り組んではいない。
 
 本書は多くの実証データをもとにした分析をしており、「100年デフレの時代」というのは信憑性が高い。こうした歴史認識を政府や企業が共有しないと、日本はさらに迷走するような気がする。

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パティスリーSATSUKI、SATSUKI(東京・永田町、パン&ケーキ、コーヒーショップ)

 今日はクリスマスイブ。クリスマスケーキを買いに、ホテルニューオータニ(東京都千代田区紀尾井町4-1)ロビィ階にあるパティスリーSATSUKI(03・3221・7252、営業時間11:00a.m.~9:00p.m、無休)に行った。
 長い列ができていた。
 ホテルニューオータニのホームページによると、ニューオータニのシェフパティシエ 中島眞介のオリジナルケーキと焼きたてのパン約50種のバリエーションが楽しめるペストリーブティック。
 スーパーショートケーキ(1ピース、1050円、1日40個限定)、スーパーメロンショートケーキ(1ピース、1575円、1日40個限定)などが有名だ。
 ケースに陳列しているショートケーキを見てびっくり。
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 スーパーダブルショートケーキ 2万1000円!
 あとは1ピースのケーキばかり。
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 「丸いのはないんですか?」と聞いたところ、「これならまだあります」といって出されたのが4725円のクリスマスケーキ。ちょっと高いが、一度は食べてみたいケーキなので、買った。

 わざわざニューオータニまで来たので、コーヒーショップ(SATSUKI、03・5275・3177、営業時間は6:00a.m.~0:00a.m.、無休)にも立ち寄った。
 ケーキセット(1260円)を頼もうと思ったが、できれば話題のスーパーメロンショートケーキを食べてみたい。聞いてみると食べられるとのこと(ただ、値段はケーキが1575円、コーヒーは単品扱いで800円だった。高くついたがしょうがない)。
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 ホームページによると、「温泉で育てた糖度14度以上の極上マスクメロンをふんだんに使用したシェフパティシエ中島眞介渾身の作品。全ての素材にこだわり、ふんわりと軽い仕上がりの中に、豊かな風味を凝縮させた最上級ショートケーキ」とのこと。メロンが細かく切ってあって、生クリームとうまくとけあい、おいしかった。
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 ケーキを受け取った。
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 大きなイチゴ。おいしいショートケーキだったが、「驚きのおいしさ!」とまでは言えない。
 やはり2万1000円!?

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映画『AVATAR(アバター)』(3D、字幕版)

 映画『AVATAR(アバター)』を公開初日の初回(9時20分~)に東京・有楽町のTOHOシネマズ日劇で見た。
 CEATEC JAPAN 2009で3D(3次元)テレビのデモンストレーションが家電各社のパビリオンで行われ、パナソニックのパビリオンでは映画『AVATAR』の予告編を流していた。そんなこともあって、1日も早くこの作品を見たいと思っていた。
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 この特殊メガネで映画を見ると3Dで見える。字幕も浮き出ていたので字幕版で良かったと思った。(^-^)
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 すばらしかった。3D映画であることをことさら強調することもなく、もう何度も3D映画を撮った後の作品のように3D表現が映画としっくりいっていた。
 ジェイク・サリーがアバターの肉体を得て活躍するシーンが圧巻。映像の美しさもあって、すっかり、その世界に没入してしまった。
 自然を破壊し尽くした後の地球からやってきた人間たちは衛星パンドラにある屋久島の縄文杉のような“生命の木”もろともパンドラの先住民ナヴィを始末しようとする。アバターとなってナヴィと平和的解決を図ろうとするジェイクだったが――。初めは決して気持ちの良い生き物とは思えなかったナヴィやアバターに途中から観客みんなが感情移入して映画を見てしまったのではないか。
 映画のストーリーやテーマに魅力がなければ特撮技術が素晴らしくても駄作になる。アバターのパンフレットのジェームズ・キャメロン(製作・脚本・監督・編集)インタビューで、キャメロンはこう言っている。
 僕が長編映画でもこの技術(3D)を使いたいんだが、失敗すると怖いし、まずは小作品で試そうと思っているというと、彼(視覚効果の巨匠、スタン・ウィンストン)は「いや、だめだ。3Dで長編を撮るなら、君にとっての『スター・ウォーズ』みたいな、最大かつ最高の映画でやれ」と反対されたよ。僕は彼の意見を受け入れて、僕にとっての最大かつ最高の映画を3Dで撮ったわけだ。
 
 映画『アバター』について。オフィシャルサイトによると、「アカデミー賞を総なめにした『タイタニック』で世界歴代興収記録1位を達成。映画史に金字塔を打ち立てたジェームズ・キャメロン監督が、構想14年&製作4年を費やした入魂作」だという。
 キャメロンが脚本を書き始めたのは1995年だが、思い通りの映画を作るにはまだテクノロジーが追いついていない、ということで、テクノロジーが進歩するのを待ったらしい。
 日本でありがちなのが、テクノロジーができたから、それに合わせて作品を作ろうという発想。やはり、作りたいものが先だと思う。

■■ストーリー■■
 22世紀、人類は地球から遠く離れた衛星パンドラで<アバター・プロジェクト>に着手していた。
 この星の先住民ナヴィと人間のDNAを組み合わせた肉体<アバター>を創ることで、有毒な大気の問題をクリアし、莫大な利益をもたらす鉱物を採掘しようというのだ。
 この計画に参加した元兵士ジェイクは車椅子の身だったが、<アバター>を得て体の自由を取り戻す。
 パンドラの地に降り立ち、ナヴィの族長の娘ネイティリと恋に落ちるジェイク。
 しかし彼はパンドラの生命を脅かす任務に疑問を抱き、この星の運命を決する選択を強いられていく……。
(オフィシャルサイトより)
■■キャスト&スタッフ■■
製作・脚本・監督・編集:ジェームズ・キャメロン
出演:サム・ワーシントン、ゾーイ・サルダナ、シガーニー・ウィーバー、スティーヴン・ラング、ミシェル・ロドリゲス、ジョヴァンニ・リビシ、ジョエル・デヴィッド・ムーア

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上坂徹著『600万人の女性に支持される「クックパッド」というビジネス』(角川SSC新書)

 上坂徹著『600万人の女性に支持される「クックパッド」というビジネス』(角川SSC新書)を読んだ。
 「月間で訪れるユーザーが、616万人(2009年3月現在)」という料理サイト「クックパッド」の成功の秘密を紹介した本だ。
Cookpad
600万人の女性に支持される「クックパッド」というビジネス

 YahooやGoogleなどのポータルサイト、Amazon、楽天などのEC(電子商取引)サイトが話題になっても、こうした専門サイトが話題になることはあまりない。
 けれども、女性の心をうまくつかむと大きなビジネスになるのは雑誌の世界でも証明済み。たとえば『すてきな奥さん』(主婦と生活社)という雑誌は、主婦の節約の工夫を数多く取り上げてブレークした。クックパッドは、『すてきな奥さん』のような、主婦パワーを生かしたサイトなのではないかと思って読んでみた。
 
 クックパッドの創業者は慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス出身の佐野陽光氏。
 ユーザーの使い勝手を重視した作り。肉じゃがだけで2000近いレシピがあるというレシピの充実度。「先進的な技術を徹底的に活用」している点などが紹介されるが、クックパッドのビジネスが軌道に乗ったのはこうしたユーザー本位のサイト作りで集めた多くのユーザーと広告・マーケティングが結びついてからだ。
 そのあたりについて書いている第四章「広告を見た人から『ありがとう』といわれるサイト」が面白かった。
 「1998年、月額500円の有料サービスとしてスタート」、「開始2ヵ月で実際にお金を払って利用してくれるユーザーは百数十人にものぼった」という。しかし、「佐野の事業計画から乖離していた」ということで、有料サービスとして継続することを断念、費用を返還する。
 「まったく宣伝していないのに、ユーザーは数万人、数十万人」と急拡大していたが、「料理を楽しくすることがない、まったく料理と関係ない広告は、ユーザーのためにも入れてはいけないと思っていました」「メディア露出は絶対にしなかった。目立つようなこともしなかった。アクセスが増えてしまうからだ。アクセスが増えれば、サーバーがダウンしてしまう」。
 多数のユーザーを集めて広告で稼ぐというのが一般的なウェブビジネスだが、まずは読者本位という部分は、雑誌の作り方に近い。ウェブは薄っぺらいコンテンツ、刹那的なコンテンツが多いという印象が強いが、クックパッドはしっかりしたコンテンツ作りがまずあったようだ。
 
 「2004年に入り、ユーザーが100万人規模になる」が、まだビジネスとしては浮上していなかった。そこに広告業界に詳しい社員が入社してきて状況が一変する。
 「エバラ焼き肉のたれシリーズ」。売り上げは「安定しているものの、大きな伸びが見られなくなりつつあった」。そこで、「クックパッドで、焼き肉のたれ自体を別の用途で使ってみる、というテーマで」レシピコンテストを実施。150件もののレシピの投稿があったという。
 また、「年間2000台ほどの売れ行きだった」というパナソニックの「電気圧力鍋」。クックパッドユーザーに使ってもらいレポートしてもらったところ、大反響となり、「年間販売台数が、一気になんと26倍の5万5000台に伸びた」。

 さらに、クックパッドは「たべみる」という名称でクックパッド616万人ユーザーが、日々行っている検索のデータを法人向けに販売している。こうしてビジネスが軌道に乗ってきたという。

 真面目にユーザーを拡大してきたため、ユーザーがマーケティングの大きな力になっているのだ。ウェブは広告モデルか有料課金モデルかが議論されることが多いが、有料課金でも人が集まるようなコンテンツを提供し、集めたユーザーを広告だけでなくあらゆるマーケティング手法に活用する、というのがこれからのビジネスの形なのかもしれない。

 佐野氏は「レシピが親世代から伝承されていない」ことを指摘する。『すてきな奥さん』も親世代から伝承されていない家事の知恵を奥さん同士の口コミで補う形で成功した。

 そういえば、今、公開されている「ジュリー&ジュリア」も、ブログでの50年前の料理レシピを生き返らせるというストーリーの映画だ(メリル・ストリープ主演、ノーラ・エフロン監督。アメリカの食卓にフランス料理の一大革命をもたらした、料理研究家ジュリア・チャイルドと、ジュリアに憧れてそのレシピのすべてをブログに綴った現代のOLジュリーを描いた作品)。

 女性パワーの生かし方と、ウェブビジネスの方向性を示してくれる本だった。

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梅むら(東京・浅草、甘味処)

 豆かん(寒天とえんどう豆に黒みつをかけたもの)が有名な梅むら(東京都台東区浅草3-22-12、03・3873・6992)に行った。
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 並ぶお客がいるほどの人気店。
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 みつ豆(450円)。ほどよい甘さ。お茶もとてもおいしい。

 このほかのメニュー。
 御膳志るこ(こしあん、550円)
 田舎志るこ(つぶあん、550円)
 ぜんざい(こしあん、550円)
 あんみつ(550円)
 豆かんてん(450円)
 ところてん(450円)
 クリームあんみつ(700円)
 クリームみつ豆(600円)
 にあずき(600円)
 ゆであずき(450円)
 クリーム ソーダ(550円)
 バニラアイスクリーム(400円)
 ソーダ水(400円)
 氷志るこ(550円)
 氷あずき(550円)
 氷宇治(550円)
 氷宇治金時(550円)
 氷ミルク(550円)
 氷カルピス(550円)
 氷あんず(550円)
 氷いちごミルク(550円)
 氷メロン(450円)
 氷スイ(450円)
 氷豆かんてん(600円)

 あんみつ、みつ豆、豆かんてん、ところてんは土産として持ち帰ることも可能。

 営業時間は月曜日~金曜日 午後1時~午後6時。
 土曜日・祝祭日 午後1時~午後4時。
 日曜日定休。

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浅草寺・羽子板市

 浅草寺で毎年17~19日に行われる羽子板市に行った。浅草の羽子板市は明治中期、毎年歳末に行われる浅草寺「歳の市」の主要商品として販売されていたのが始まりと言われる。戦後、「羽子板市」の名で呼ばれ、歳末の風物詩として定着したらしい。店の数はピーク時よりもかなり減って十数軒だったが、とてもにぎわっていた。Asakusa091219_001
 仲見世。青空がきれいだった。
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 宝蔵門近くに羽子板の店が開店していた。
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 厚紙に布を張り、綿を入れて立体感を持たせた「押絵羽子板」が並ぶ。歌舞伎の人気役者や、浮世絵の美人画の押絵羽子板が定番だが、世相を反映した羽子板などを置いているところもあり、店ごとに品ぞろえに特色を持たせていた。
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 寅年にちなんでうる星やつらのラムちゃんの羽子板も。
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 大河ドラマやマイケル・ジャクソンの羽子板。
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 政権交代、野村監督、クレヨンしんちゃんも登場。
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 「羽子板は景気をハネあげ、邪気をハネ飛ばす縁起物です」という分かりやすい説明。
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 本堂。
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 もうすぐ正月という気分になる。羽子板は安くても1万数千円のものばかり。とても買えず、見るだけ、という感じだったが楽しかった。

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アキバサイネージを見学

 秋葉原で行われているデジタルサイネージを使った献血キャンペーンを見てきた。

 まず、デジタルサイネージとは何か。
 デジタルサイネージコンソーシアムによると―。
 デジタルサイネージとは、屋外や店頭、交通機関など、一般家庭以外の場所においてディスプレイなどの電子的な表示機器を使って情報を発信するものです。
 「時間と場所を特定できる唯一のメディア」として新たな活用が始まっています。
 とのことだ。
 マスメディア、ネットメディアに加え、こうした家の外のメディアが今後広がっていくという。

 デジタルサイネージコンソーシアムは、東京都赤十字血液センターなどとともに、初音ミクのフィギュア展示で話題の献血ルーム「akiba:F」(今年10月オープン)や「アキバ献血ルーム」へのデジタルサイネージによる誘導効果検証実験を行った(17日から19日まで)。
 初音ミク?
 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によると、初音ミク(はつね みく、HATSUNE MIKU)は2007年8月31日にクリプトン・フューチャー・メディアから発売された音声合成・デスクトップミュージック (DTM) ソフトウェアの製品名、およびキャラクターとしての名称である。
 発売直後より初音ミクで作成された楽曲やキャラクターイメージを用いた動画がニコニコ動画をはじめとする動画投稿サイトに次々と投稿されたことで人気に火がつき、DTMソフトウェアとしては異例のヒット商品となった。初音ミクを用いて数多くの作品が発表されており、その一部は音楽CD等の形で販売されている。キャラクターとしての人気も高く、フィギュアをはじめとするキャラクター商品が多数発売されている。
 秋葉原を訪れるアニメファンらに人気のあるキャラクターのようだ。このキャラクターを使った献血キャンペーンをさまざまなスクリーンを使って展開するということらしい。

 JR秋葉原駅構内。あった、あった。デジタルサイネージ機器が並んでいる。
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 初音ミク。セーラームーンみたいな髪の長いキャラクターだった。
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 これはなかなか効果がありそう。常設にすればいいと思う。
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 カメラに映った人物画像に、初音ミクの髪型等をディスプレイ上で自動合成するAR(Augmented
Reality=拡張現実)と呼ばれる手法も披露された。バーチャルコスプレ。
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 可笑しい。
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 UDXビルのオフィス入り口のスクリーンでも献血をPR。
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 同ビル5階にもサイネージ機器を置いて献血をPRしていた。
 この二つは駅構内ほど効果があるとは思えなかったが、いろいろな場所で多面的にキャンペーンを行うことに意義があるのだろう。

 ゲームセンターなどの「Touch!vision」でもPRを流していた。
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 平日の昼間だったので、さすがに人はあまりいなかった。

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 気づかなかったが、秋葉原はすでにサイネージがあちこちに設置され、多数のアニメキャラクターのPRが流されている。初音ミクが目立たない。
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 一番強く訴えかけてくるのは、やはり人。電子機器プラス人、というのが大事なのではないか。

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【オピニオン】新技術はジャーナリズムの脅威ではない=マードック氏 - The Wall Street Journal, Japan Online Edition

 【オピニオン】新技術はジャーナリズムの脅威ではない=マードック氏- The Wall Street Journal, Japan Online Editionを読んだ。ルパート・マードック:ニューズ・コーポレーション会長兼最高経営責任者が、米連邦通信委員会主催のジャーナリズムとインターネットに関する研究会で行った講演に基づく寄稿だという。

 11月24日付日経に「ニューズとマイクロソフト 記事検索で提携交渉 グーグルに対抗」という記事が出ていた。「MSに、ニューズ傘下の米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)などのコンテンツを優先的に確保し、ライバルであるグーグルとの違いを打ち出す狙いがある」らしい。

 Googleなどネットメディアの台頭に脅威を感じた既存メディアの対抗策ということで、注目したが、そのマードック氏が、「ジャーナリズムが死に体なのは、デジタルメディアの勝利が原因だとの声が聞かれるのもうなずける。しかし、私の意見はその逆だ。ジャーナリズムの将来はかつてないほど明るいものだ」という。そして、「ジャーナリズムの可能性が限定されるのは、読者や視聴者のために闘う意志に欠ける編集者やプロデューサー、またはジャーナリズム業界に対し過剰な規制や助成よって締め付けようとする政府によってのみである」と主張するのだ。
 彼は政府の支援を求める立場かと思っていた。

 11月9日付のIT PLUS・岸博幸の「メディア業界」改造計画(リンクは日経電子版創刊後、なくなってしまった)に「ジャーナリズム維持に動き出したドイツ」というリポートが出ていた。「米国での報道によると、ドイツのメルケル政権は、ネットの普及で収益が悪化している新聞社や雑誌社を保護する方策の検討を始めた。まだ問題提起のレベルのようであり、詳細は明らかになっていないが、著作権法を改正して新聞・雑誌などの出版社に著作権法上の隣接権的な権利を付与し、ネット上で記事にリンクを張って収益を上げているグーグルなどのネット企業との競争条件を公平にして、ジャーナリズムを守ることが目的のようである」という。フランスでも、「18歳の国民が1年間無料で新聞を購読できるようにするなど、政府が新聞社に対して直接的な補助を行おうとしている」らしい。
 こうした動きに対し、そんなものは無用、というマードック氏。
 「デジタル時代の現実に適応できない報道機関は消え去ることになるだろう。それを技術のせいにすることは出来ない。視聴者や読者のニーズにより良く応える方法を模索する果敢な報道機関のみが繁栄を続けることになる」。
 「我々が生きる現代社会は、当時よりスピードが速く、複雑化している。だが、根本的な真実は変わらない。情報に基づいた決定を下すには、人々は自分たちの国や生活に影響を及ぼす事柄について公正で信頼できるニュースが必要なのだ。未来の新聞が電子的に届けられようと紙媒体のままであろうと、それほど重要なことではない。重要なのは、報道業界の自由と独立、そして競争が維持されることである」。

 極めて正論だと思うが、その後が、実は本題だ。

 オンライン広告に頼るビジネスモデルが限界に来ていること。ネットのプラットフォーム企業が「タダ乗り」をしているという批判だ。これによりネット課金を正当化する。

 「広告収入に基づく旧来のビジネスモデルはもはや機能しない。主にオンライン広告に頼るビジネスモデルでは、長期にわたって新聞を維持し続けることはできない。理由は単に、数字の問題だ。オンライン広告は増加してきているものの、活字広告の損失額のほんの一部に相当するだけだ」。

 「新しいビジネスモデルでは、ニューズ社のサイトで提供するニュースは消費者に課金していくことになる。人々はニュースに金は払わない、と批判する向きもいる。だが、私はそう思わない。ただし、それは良質で使用価値のあるニュースを提供した場合の話だ。我々の顧客は、ただほど高いものはないと重々承知している」。

 「このことは、オンライン上の『ライバル』にも言えることだ。しかし、一銭たりとも払わず自らの目的のためにニューズ社のニュース・コンテンツを利用する権利があると考えている者がいる」「このような人々は、ジャーナリズムに投資しているわけではない。彼らは、ジャーナリストの労をいとわない努力や投資に『タダ乗り』しているも同然だ。彼らがニューズ社のニュース記事を不正に利用することは、『公正な利用』ではない。言葉は悪いが、泥棒だ」。

 「今現在は、コンテンツクリエイターが全てのコストを負担する一方で、インターネット検索大手は多くの恩恵を享受するという構図になっている。長期的にみて、このようなあり方は受け入れ難い。我々は様々な課金モデルを検討している。原理原則は明らかだ。著名なエコノミストの言葉を借りれば、無料のニュース記事などないということであり、我々が提供する価値に見合う公正かつ適切な金額を得られるようにするつもりだ」。

 政府による支援を受けることはマスメディアの自殺行為であるということ。そして、ネット課金によりジャーナリズムを維持するしかなく、良質のジャーナリズムは「無料経済」の中では生まれないことを理解してほしいという主張。新聞ジャーナリズムの転機となる寄稿だと思う。

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WSJ日本版の有料会員に

 CNET Japanの今日の記事「WSJ日本版が正式にオープン--有料課金モデルで日本のメディアを刺激」を読み、ウォール・ストリート・ジャーナル・ジャパン(WSJJ)が昨日、“電子新聞”の「ウォール・ストリート・ジャーナル日本版」(WSJ日本版)を発刊したことを知った。 記事によると、WSJ日本版は、「The Wall Street Journal」(WSJ)に毎日掲載される200本ほどの記事の中から30本程度を翻訳して掲載するという。WSJ日本版の記事の購読は無料と有料があり、有料の記事にはタイトルに鍵マークが付いている。料金は1カ月で1980円、6カ月で9960円、1年で1万6560円となっている。
 さっそく有料会員に登録した。
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 “電子新聞”なので検索やコミュニティーなどいろいろな機能があるのかと思ったが、シンプルな作りだった(記事へのコメント投稿 、その日の最新ニュースをまとめたニュースレター=平日、朝と夕方の2回=は現在準備中で、2010年1月頃にサービス開始予定とのこと)。昨日創刊なので、昨日の記事も読みたいと思った。有料会員は「過去の記事の閲覧」ができるというが、「アーカイブコーナー」のようなものはなかった。数日掲載される特集記事も多いようで、今日更新された記事がどれで、アーカイブの記事がどれなのかが、すぐにはわからなかった(記事本文には小さく掲載日時が書いてあるが、トップ画面では新旧記事が混在している)。
 ブログやツイッターとの連動性は良い。記事の上のアイコンをクリックするだけで、簡単にツイッターや、はてなブックマークに記事のURLが載せられる。
 Twitterならば、アイコンをクリックするだけで、投稿ボックスに
今、これを読んでいます。http://jp.wsj.com/index.php/Opinions/Opinion/node_9679
 までが入力される。
 はてなブックマークには、アイコンをクリックするだけでURLが表示され、「このエントリーをブックマークに追加」すると、
【オピニオン】新技術はジャーナリズムの脅威ではない=マードック氏 / オピニオン / オピニオン / ホーム - The Wall Street Journal, Japan Online Edition - WSJ.com
 と表示される。簡単にブックマークができ、便利だ。
 そんなに簡単にURLを表に出したら、誰にでも有料の記事が読まれてしまうではないかと思ったが、さすがに対応はしていた。WSJ日本版に登録していない人がURLをクリックするとWSJ日本版へのログイン画面が出て、記事は読めない。登録すると読める。TwitterなどでのWSJ日本版の引用が増えると、WSJ日本版の加入も増えるかもしれない。
 もう一つ、役に立つのが原文(英語)のアイコン。これを押せば、原文で読める。英語の勉強もOK。

 「オピニオン」は読みごたえがある。
 グーグルの最高経営責任者(CEO)、エリック・シュミット氏の寄稿「グーグルはいかにして新聞に貢献できるか」は、「デジタル世代にジャーナリズムの任務を果たすために、メディアは力を合わせていかなければならない」などと新聞業界に協調しようと呼びかける内容でいまひとつだったが、「【日本版特別寄稿】鳩山政権、防衛政策の誤算」(キャロリン・レディ氏=元米国家安全保障会議不拡散戦略部長)は米国側のいらだちの理由がよく分かる論文だった。
 気になるオピニオンは今後このブログでもフォローしたい。
 「【オピニオン】新技術はジャーナリズムの脅威ではない=マードック氏」は正論だった。別項で取り上げたい。

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津田大介著『Twitter社会論~新たなリアルタイム・ウェブの潮流』(洋泉社)

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Twitter社会論~新たなリアルタイム・ウェブの潮流

 Twitter(ツイッター)というものがあることは知っていたが、このツールが何の役に立つのか全く分からなかった。しかし、津田大介著『Twitter社会論~新たなリアルタイム・ウェブの潮流』(洋泉社)を読み、実際にツイッターに登録してつぶやいたりしてみて、徐々にこのツールの性格が分かってきた。

 ツイッターを体験してみようかなと最初に思ったのは8月5日付日経朝刊の記事。「『ミニブログ』米ツイッター 来月にもサービス開始 携帯用サイト 利用登録手軽に」という見出しの記事だった。
 今、改めてこの記事を読むと、「米ツイッター(サンフランシスコ)はデジタルガレージと組み、9月にも日本の携帯電話に対応した専用サイトを立ち上げる」という内容なのだが、そのときは、ツイッターそのものが日本に上陸する、という記事と勘違いしていた。『Twitter社会論』によると、08年4月から日本語版のサービスが始まっていた。1年半、ノーマークだったわけだ(^_^;)

 そんな中、11月に慶應大学であったシンポジウムでツイッターによるシンポジウムの実況中継(と言っても文字でだが)が行われ、シンポジウムへの感想も同時に書き込めるということを知った。後でGoogleに「#gie2009」というハッシュタグを入れて検索すると、なるほど、実況や意見の投稿が一覧できる。なかなか便利だな、と思ったのが最初のツイッター体験だった。
 
 ツイッターはミニブログというよりミニSNS(Social Networking Service)だろうと思っていた。ブログは出版物のような部分があって、反応がどうであろうと、自分の書きたいことを書くものだと思うが、ツイッターは140文字程度なので、他の人の意見に賛同したり、引用したりするなど、コミュニケーションを前提とせざるを得ないからだ。
 しかし、仲良しの集まりになりがちな日本のSNSとは違い、ツイッターは非常にオープンである。
 この点は評価できるのかもしれないが、一方で、何で知らない人(というか世界中)につぶやきを発信しなければならないのか。怪しい人にフォローされたら怖いではないか。女性がツイッターを始めたらストーカーのような人にフォローされてしまう恐れがあるのではないか、などとネガティブな面を感じてしまう。
 そもそも、いつもつぶやいていないとコミュニケーションについていけないとしたら、相当暇な人しか参加できないのではないかと思ってしまうのだ。

 『Twitter社会論』(第1章)を読んでも、米調査会社の調査結果を引用、「ツイッターでは『今サンドイッチを食べてる』のような『意味のないつぶやき』が投稿の40.55%を占めるという」と、意味のないつぶやきが多いことを認めている。

 やはり、どうでもいいツールのようだ。そう思いながら読み進めていると、津田氏は「とにかくユーザーのアイデア次第でツイッターはどんな目的でも使うことができる。単なる日常生活の報告ツールという枠組みで捉えていると、ツイッターの本質は見えてこない」という。

 では、どんなふうに使うと「ツイッターはすごい!」ということになるのか?

 第2章「筆者のツイッター活用術」でだんだんツイッターの本質が見えてきた。
 当初は使い方に悩んでいた津田氏は「多彩なつぶやきの中、特に筆者の興味を引いたのが、何かの現象や出来事、ニュースを前にしたときに、そこから派生して感じたことや普段から考えていることをメモ的につぶやくというものだった」「自分でもツイッターに日々の生活の中で思いついた提案や教訓、仕事をしていて知ったちょっとした豆知識などを積極的につぶやくようになった。するとツイッターの使用感がガラッと変わったのだ」。
 こうしたつぶやきを津田氏が始めてから、フォロワーが増えていったという。

 津田氏は「おわりに」で、「ツイッターの独自性が理解できるのは、知り合い以外も含めて100人以上フォローするあたりからだ」という。「そして、タイムライン(自分自身とフォローしている人のつぶやきが表示される)の景色が変わるのが、フォロー数300~500を超えるあたりだ」とする。

 津田氏のツイッターの使い方として最も有名なのがツイッター中継。ツイッター中継することが「tsudaる」と呼ばれるまでに有名になった。

 ツイッターの情報発信のパワーはどんどん強まっており、海外では08年5月に中国・四川省で起きた大地震、08年11月のムンバイ同時多発テロ、日本では08年6月の秋葉原連続殺傷事件などがツイッターが大手メディアに先駆けて速報したという。

 津田氏は投稿された不確かな1次情報を0.5次情報と呼び、これを確かな1次情報にするのがマスメディアの一つの役割という。同じハッシュタグを使ってジャーナリストたちが協調して事件を報道する事例も出てくるなど、ツイッターは新しいジャーナリズムも生んでいるという。

 本書はさらに政治、ビジネスなどのジャンルでもツイッターが社会的に大きな広がりを見せていることを紹介する。

 ツイッターは、津田氏のツイッター中継のようにメディアの役割を果たそうとするものがある。さらに、著名人のつぶやきのようにもともと発信力の強いものがある。それらをフォローし、さらに引用することで情報が広がっていく様も興味深い。
 
 ツイッターは、2ちゃんねるやブログ、SNSが実現したくてできなかった、リアルな人々の脚色のない生の声を集め、広く伝えていく機能には優れているようだ。ツイッターを通じて人々が何を欲しているか、どう感じているかなどを見ていくというのは面白いかもしれない。

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つく志(逗子市、お食事・お酒)

 下山後の楽しみはおいしいビール。16時20分に逗子の居酒屋に入った。
 つく志(逗子市逗子5-1-22、046・871・2914)。

大きな地図で見る

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 さっそく生ビールの中。中なのに800cc(930円)もあって大のよう。味の素の瓶の比べてみて。 
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 冷奴やポテトサラダなども頼んだが、やはり、お薦めの品がおいしかった。
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 平目えんがわ刺(680円)。
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 かんぱち刺(950円)
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 これが抜群にうまく、おかわりした。ジンダ唐揚げ(500円)。マメアジだ。
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 鱈チリ鍋(1人前750円)。

 なかなかいい店だった。営業時間は午前11時から午後11時まで。月曜定休。

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三浦アルプス

 山歩きの師匠のMさん、Mさんのもう一人の弟子、Oさんと3人で、三浦アルプスに登った。
 Mさんの登山計画書(いつもこうした綿密な計画を立てて登っている。一人で行くときも、こうした計画書は作らなければ、と反省)を引用する。
 三浦アルプス周回コース
 2009年最後の山行は、三浦半島を南北に走る通称「三浦アルプス」です。わずか200mクラスの山々ですが、相模灘を望む仙元山から緩やかながら複雑な稜線をたどり、乳頭山を経て森戸川の源流沿いに下る変化に富んだお薦めコースです。下山後には逗子の居酒屋で、今年の山の打ち上げを兼ねた忘年の宴でも開きましょう。

【日時・集合場所時間】
12月13日(日) JR横須賀線『逗子駅』南口(バスターミナル側)改札9時35分集合。

【行きの交通】
◎JR横須賀線で直接来るか、湘南新宿ラインや東海道線を横浜か大船で乗り換えてお越しください。逗子駅に9時20分着もしくは9時32分着の電車があります。バスの本数がありますので多少遅れても大丈夫です。
◎バス
 逗子駅⇒風早橋バス停 ※15分置きくらいに発車しています。

【コースおよび標準タイム】
風早橋バス停(→15分)仙元山(→45分)観音塚(→1時間40分)乳頭山(→30分)南中峠(→20分)森戸川林道終点広場(→40分)林道入口ゲート・ここからは一般道(→40分)JR逗子駅
※歩行合計タイムは約4時間50分(休憩時間を含まず)。
※森戸川林道は林道という名前とは全く違う、豊かな自然の中の道です。
※乳頭山から緊急時には田浦梅林方面、東逗子方面と尾根伝いに下山できます。

【その他】
※天気予報で雨が降りそうなら中止にします。その場合は前夜9時までに電話連絡します。
※標高が低い割に尾根や谷筋は複雑です。予定のコースは中級者向けですが、休憩をとりながらゆっくり歩きましょう。
※防寒着と着替えを持参すると登山中、下山後快適です。
※昼食は、逗子駅周辺にあるコンビニでも調達可能です。後半は沢コースですが源流の水が飲めるかどうか不明です。水の用意をお忘れなく。    

 三浦アルプス。
 そもそもアルプスとは?
 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によると、「アルプス山脈(アルプスさんみゃく、仏:Alpes, 伊:Alpi, 独:Alpen, 英:Alps)は、アルプス・ヒマラヤ造山帯に属し、ヨーロッパ中央部を東西に横切る『山脈』である。オーストリアを東端とし、スロベニア、イタリア、スイス、リヒテンシュタイン、ドイツを経由してフランスに至る。詳細には、幾つかの山脈に細分される。英米語ではalp,フランス語ではalpe(女性),ドイツ語ではAIpe(女性)、スイスの高山山腹の夏季放牧場のことでアルプがいっぱいでアルプスである説と、ケルト語の alp「岩山」を語源とし、ラテン語を経由したと考えられる説がある。最高峰のモンブランは標高4,810.9m(2007年)で、フランスとイタリアの国境をなし、ヨーロッパの最高峰でもある」。
 
 山々が連なっているところが「アルプス」なのだろう。「200mクラスの山?」と少しあなどっていたが、手ごたえのある面白いコースだった。
 三浦アルプストレッキングガイド(京浜急行)

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 風早橋バス停から少し歩くと仙元山ハイキングコースの案内板。坂を上ると―。
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 葉山協会がある。ここで準備体操をして―。
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 出発<9:58>。
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 ゆるやかな道を少し歩くと―。
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 仙元山に到着<10:07>。
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 眺めがいい。
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 江ノ島も見える。
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 アップダウンが続く。
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 適宜、休憩をとることができる場所があるのがいい<10:36>。
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 このあたりから分岐が多く、迷いやすいので丁寧に、再現。「ハイキングコース」を行く。<10:52>。
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 案内がわかりにくいが、ここで左に行く。
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 左から来た。右の道にV字に折れる。
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 けもの道のような道が続く。
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 ちょっといくとまた分岐。紅いリボンがある方に行くのが正解。
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 観音塚に到着<11:06>。
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 その後も紅いリボンを頼りに進む。
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 こんな感じの案内板が増えてくる。田浦方面に<11:29>。
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 ここの分岐は分かりにくい。女性が「左に行ったら間違いだったと教えてくれた。オレンジ色のリボンがある方が正解。
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 鉄塔の下で休憩、昼食<12:45>。
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 休憩を終えて、出発<13:32>。
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 しばらく行くと、乳頭山に到着。眺めがいい。田浦方面が見渡せる<13:38>。
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 遠くに横浜のランドマークタワーも見える。
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 悩ましい案内表示だが最終的に南沢に向かう。ここでは中尾根をさらに進んだ<13:51>。
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 中尾根をさらに行ってもいいが、南の沢方面に<14:04>。
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 沢沿いの道に。密林のようになってきた。沢も歩くし、道が滑るので注意が必要だった。
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 密林のようだったが休憩場所もあった<14:26>。
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 森戸川林道終点広場<14:48>。
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 ここから林道を下った。
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 入り口ゲートに到着<15:37>。
 ここから一般道を歩き、バスも使って逗子駅へ。

 ふつう、山は頂上まで上りが続いて、あとは下り。登る時は太ももに負担がかかり、下山時は膝に負担がかかる。三浦アルプスは登ったり、下ったりなので、脚の同じ部分にずっと負担がかかることがなく、本格的な山歩きのトレーニングに最適だった。
 また、ふつうは頂上に着くと、後は盛り上がりにやや欠け、安全に下りることだけを考えるのだが、三浦アルプスは下山時もジャングルのような道を歩くなど、刺激が多く飽きなかった。さすがMさん、今年の総決算では山のいろいろな楽しさが一度で味わえるコースを選んでくれた。
 来年もいろいろ連れて行ってください、師匠!

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甲斐芙蓉カントリー倶楽部(山梨県甲斐市)

 甲斐芙蓉カントリー倶楽部(山梨県甲斐市団子新居1927-4、0551・23・0222)でラウンド。広いコースで、いくつかのホールでは富士山も良く見える気持ちの良いゴルフ場。アウト(パー543444354)が3250ヤード、イン(パー543445344)が3117ヤード。
 雨が上がってぽかぽか陽気の中の今年最後のゴルフだった。
 イン10時スタート。
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 インのスコアは+5+3+2+0+2+2+0+1+2=+17で53。パット数は332122232。
 アウト13時55分スタート。
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 (この後、景色がきれいなホールが多々あったが、デジタルカメラが故障で撮影できず。残念)
 アウトは+1+3+1+4+2+2+3+1+2=+19で55。パット数は122232223。
 練習の成果もあり、ダフりは激減した。(^-^)
 ところが10番ロング3打目でシャンク=0B。2番ミドルティーショットで右にOB。
 7番ショートでシャンク=OB。今度は右に打つ病気(・。・;
 パットも3パットが5回。
 昨日の雨でグリーン手前に落として転がそうと思ったボールが芝生にズボッと食い込む・・・などのアクシデントもあり、またまた108も打ってしまった。 
帰りに、ゴルフのうまい友人に言われた。フェードとフックが自由に打ち分けられるようになると、左にOBゾーンがあるなど危険な時はフェードボールを打つといった対処ができる、と。なるほど。今年最後のラウンド後は練習もしばらく休もうと思っていたが、フェード、フックが自由に打てるような練習も実戦には必要。こうした実戦的練習で来年に備えよう。

 結局今年の平均スコアは105.5。再び最少スコアを更新。来年は一気に100にしたいものだ。

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ひろゆき(西村博之)著『僕が2ちゃんねるを捨てた理由~ネットビジネス現実論~』(扶桑社新書)

 中川淳一郎著『ウェブはバカと暇人のもの―現場からのネット敗北宣言』(光文社新書)を読んで、頭に浮かんだのは「2ちゃんねる」だった。
 玉と石の書き込みが混じり合う2ちゃんねる。トイレの落書きのような無意味なコメントや誹謗中傷も書き込まれるが、一方で、企業などが不祥事を隠蔽できなくなったのは2ちゃんねるへの内部告発があるからだったりする。「集合愚」であり、マーケティングには役に立たないのかもしれないが、ネットの存在意義をそれなりに示したのが2ちゃんねるだろう。
 その2ちゃんねるを作ったひろゆき(西村博之)が既存メディアやネットをどう見ているのか。気になって、『僕が2ちゃんねるを捨てた理由~ネットビジネス現実論~』(扶桑社新書)を読んだ。
Hiroyuki
僕が2ちゃんねるを捨てた理由

 「あとがき」を読むと分かるが、「もともとが『テレビはすでに死んでいる』(仮題)みたいな感じのテーマで進んでいた話で、既存メディアであるテレビ、雑誌、新聞、ラジオみたいなのと、新しくメディアになりはじめているネットのサイトの対比みたいな話をしていた」のがこの本の執筆のきっかけだ。

 動画コミュニティーサイト『ニコニコ動画』管理人で、元『2ちゃんねる』管理人のひろゆきは、まずネットビジネスの「大いなる勘違い」を糾弾する。
 Web2.0やクラウドコンピューティングという言葉は、「婚活」のように「命名することによってそのビジネスを生み出しているだけ」とばっさり。
 集合知についても「企業がユーザーに商品を宣伝するブログを書かせてネット上に口コミで情報を増やし、その商品の認知度を広めようというマーケティングが流行」った結果、「まっとうな情報が広告情報に紛れてしまい、探しづらくなっ」たと、悲観的だ。
 ネット広告の広告料は安い、というのが常識だが、ひろゆきは「ネットの広告単価がちょっと高いのではないか」と感じているという。仮にネット広告費が安くなってネット企業の経営が苦しくなっても「売り上げの規模が下がったときは下がったなりで経営していけばいい」とクールだ。
 ひろゆきはネットビジネスに対して何ら幻想を抱いていないようだ。

 逆に既存メディアがネットを敵視する傾向があることに対して「ネットというものは、雑誌であろうがテレビであろうが、やろうと思えば誰でも参入できる単なる手段。その手段を敵だと見ている時点で、たぶん物事の捉え方が間違っている」と批判。テレビ業界に対しては、現在の映画業界がテレビをうまく活用して共存しているのを見習い、「ネットのオイシイとこどり」をすればいいだけ」と提案する。
 具体的には、テレビも世界に目を向けよ、という。「日本人相手の商売では、売り上げ単価が下がっていくのは目に見えてい」る。「世界にモノを売る手段として便利なのが、実はネットなのです」。そして「動画業界における映画やテレビは、ネットをツールとして利用することで、お互いが共存共栄していくようになればいい」としている。

 国から電波という限られた資源を与えられ、それを受信する機械=テレビが日本中に1億台以上もあるなど、「儲けるためのお膳立てが整っている」のに、赤字を出すテレビ局は、「どう考えても経営陣が無能なだけ」と厳しい。人件費の高さや、他のチャンネルだけを意識し、「相対的な質の戦い」しかしていない制作現場などを例に挙げ、明らかにテレビの経営は間違っているという。

 新聞に対しては、「組織だって取材をし、そこに一般市民が思いつかないぐらいの見解が入っていたり、一般市民が知り得ることのない情報が入っているからこそ、初めてお金を払ってもいいだけの価値のある記事になるわけ」だが、「首相が通うホテルのバーの値段がいくらだとか、どの漢字が読めないだとか、カップラーメンの値段がどうだという・・・どうでもいい情報に喜んでいる頭の悪い読者ばかりを相手にしているから、本当に情報を取捨選択できる人からは、いらない情報を流しているメディアだと思われてしまう」と反省を促す。

 雑誌に対しては期待が大きい。「短時間で中立的な情報をひと通り網羅したいと考えた場合、ネットですべての情報を網羅することは、今となっては検索結果から広告などの無駄な情報検索結果を引き算しなければならないなど、すごい労力が必要になる」から、「すべての情報が公正ではないにしろ、ある程度中立的な視点で作ろうと情報がまとめられて」いる雑誌は有用だというのだ。

 ひろゆきはインタビューがうまい。「第2日本テレビ」を立ち上げた日本テレビの土屋敏男氏との対談では、面白いコメントを引き出している。
 「テレビの存在価値が高まったのは、何も映画を放送していたからではなく、ワイドショーとか野球中継とかテレビでしかできないものを放送したからなんだよ・・・ネットってテレビにできないことをやるから存在価値があるわけで、それがおもしろいわけじゃない」
 「ネットビジネスのプロフェッショナルはものすごい人が世界中にいるし、ネットテクノロジーをやっている人もたくさんいるけれど、ネットコンテンツのプロフェッショナルという人は世界中にいないんじゃないかな」
 「999対1の999ばかりを採用してしまうと、ずっと変わらない。テレビとかいろいろなものが変わらないのは、それが理由。数字を追っていってしまうと、物事って変わらないんだよ」
 そして、「昔から、あんまりテレビを観ない」という土屋氏は「今のテレビ局が見ているネットというのは、テレビでやったもののスピンオフなり、見逃したものを視聴できるセカンドウィンドウなんですよ。でも僕がやっている『アースマラソン』なんかは、基本ネットがファーストウィンドウで、テレビがセカンドウィンドウという考え方」だという。

 読みごたえのあるメディア論だった。

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ジャンカレー鍋

 dancyu2009年2月号の特集「家庭鍋」グレードアップ計画の最初に紹介されているのがカレー鍋。いつか作ろうと思っていたが、寒くなって、まさに作り時。
 しかし、カレーはスパイスから作ったことがない。まずは伊勢丹新宿店にスパイスを買いに行った。
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 dancyuのカレー鍋は3種類。すべて作れるようにと、レシピで紹介しているスパイスを買い込んだ。
 スパイスが余ってしまうともったいないので料理本「はじめてのインド料理」(文化出版局)も買った。
 コリアンダー、ターメリック、チリパウダー、クミンパウダー、ガラムマサラ、これに黒コショウがあれば、基本的なインド料理は作れるようだ。
 
 紹介されていたカレー鍋は、創作意欲にあふれた鍋だった。
 インド・スパイス料理の魅力を探求する「東京スパイス番長」というユニットがあり、「わが家でできる本当に旨いカレー鍋が出てこないと最近のカレー鍋ブームも短命に終わる」と危惧して、自ら創作カレー鍋に挑戦するという企画だったのだ。そのレシピが紹介されている。どこにもないカレー鍋。さっそく作ってみた。

●カレージャンをつくる(材料はジャム瓶約1個分)
①サラダ油(大さじ6)とクミンシード(小さじ1)を弱火で熱する。中火にして玉ねぎのみじん切り(小1/2個分)を炒める。黄色く色づいてきたら、すりおろしたニンニク(大さじ2)、すりおろしたショウガ(大さじ1)を加えてさらに炒める。全体がほんのり茶色く色づいてきたら、干しエビ(3g、 水大さじ2で戻してみじん切り)とだし昆布(2g、水大さじ2で戻してみじん切り)を加えてさらに炒める。
②パウダースパイス(コリアンダー大さじ1、ターメリック小さじ1、チリパウダー大さじ1、クミンパウダー小さじ1、ガラムマサラ小さじ1)を加えて混ぜる。干しエビとだし昆布の戻し汁、酒(大さじ1)、みりん(大さじ2)を加え、強火で煮立てて水分をとばす。水っぽさがやや減ったら火をとめて、アーモンドプードル(お菓子の材料、大さじ1)と合わせみそ(大さじ4)、塩(小さじ1)を混ぜ合わせて完成。 
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●カレーだしをつくる(材料は4人分)
①大鍋に水(3ℓ)を入れ、沸かす。沸騰したら鶏肉(骨付きぶつ切り900g)を入れ、長ねぎ(青い部分)を葉元を手でつぶして入れ、ショウガ(皮付き、厚めのスライス4片)、米を加えて煮立てる。
②アクを取り、中~強火のまま蓋をして1時間煮込む。
③鶏肉を取り出し、だしをザルで漉す。カレージャンを加え、よく混ぜながら熱する。

★だしは1ℓ強がレシピだったが2ℓくらいできたのでジャンをすべて入れて、ふんだんに作った。好みでジャンの量は調整すればいいと思う。

●鍋をつくる
鶏肉(だしに使ったもの)全量、キャベツ1/2個、長ねぎ(白い部分)、レモン(1個)。カレーだしの中に具をすべて入れる。粗挽きブラックペッパーをまんべんなくふってフタをして軽く煮込む。
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 写真をみるとイマイチだが、とにかくスープがおいしい。飲めば飲むほど、深みを感じ、味わいが増す。材料がシンプルなので、このスープの味を変えないように、若干具を増やしてもいいのかのしれない。

●雑炊
鍋の残りに、漉した米とご飯を加えて混ぜ合わせる。ピザ用チーズ(50g)を加えて、とろみが出てきたら、ミニトマト(10個、4等分)とあさつきのみじん切り(1/2カップ)を加えて軽く混ぜ合わせ、仕上げに粗挽きブラックペッパーをふる。
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 インド料理に目覚めた。いろいろ作ってみたい。

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ダフり解消へ、ファーストゴルフ・打ち放題

 12月12日に今年最後のゴルフ。できるだけ悪いところを直そうと、ファーストゴルフ・打ち放題に行った。
 最近目立つのが左への打球だが、それ以上に、実はミスが多いのがダフり(インパクト時にボールの手前にクラブヘッドが接地して、ボールとクラブフェースの間に芝が噛む状態)。
 ロングアイアンはトップ(インパクト時にボールの上部を打ってしまうミス)も多かったが最近はダフりがとても多い。アプローチでもダフって、一度でグリーンに乗せられる距離で、二度、三度と打ってしまう。
 おれはダフ屋か(注・ダフ屋とは、スポーツやコンサートなどの人気チケットを入手し、会場付近で、高い値段で転売する業者を指す。念のため(^^ゞ)。
 今日はダフり解消の練習を行った。
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 ダフりの原因について、インターネット上にこんな記述があった。
 カットスイングが悪い、というものだ。
 「ボールを払うゴルフスイングと違いカットスイングはヘッドが鋭角に降りてきますから『インパクトゾーンが非常に狭い』のです。インパクトゾーンが圧倒的に狭いということは当然ミスヒットもうまれます。・・・ダフることが多くなります」。
 こういう原因の人も確かにいるのだろう。しかし、むしろカット気味に上からしっかりボールを打てば、ダフらない、というのが練習で得た実感だった。
 ロングアイアンの場合、当然、遠くを狙う。飛ばそうと思いすぎると、すくい打ちになりやすい。すくい打ちをしようとすると、外れて地面を打つことが多くなる。
 手前からすべるように球をとらえる方法もあるが、ラフなどではそんな打ち方はできない。むしろ、遠くに飛ばそうと思わず、上から叩くとクラブで球をしっかりとらえられ、高い弾道の勢いのある球が打てる。
 これについてはカシオワールドオープン2009で石川遼を抑えて優勝した小田孔明選手の打ち方を見て、そう確信した。
 練習場ではショートアイアンのようにしっかり上から打つ打ち方で、ロングアイアンでもいい当たりが出た。
 アプローチショットでのミスはシャンク(極端に右に飛ぶ当たり)もたまにあるが、多いのはやはりダフり。
 
 練習してみてわかったのはショートアイアンでも、手打ちになるとダフりやすい。
 ボールを良く見て当てにいくとかえって当たらない。アプローチとは言え、しっかり腰を使って打つと、強い、スピンのかかった球が打てる。ショートアイアンの場合は打ち損じを避けようと体全体を使わないことが、かえって不自然な体の動きを生み、ダフりを生じさせていた。
 
 今日は7I→5I→4I→5W→ドライバーを1カゴずつ打ち、最後にLWを4カゴ打った。
 グリップは石川遼が左手の人差し指と右手の小指を絡ませるインターロッキンググリップをしていたのをテレビで見て、インターロッキンググリップに変えた。
 最後のラウンドでは自然体→しっかり捻転・右足体重→ボールをしっかり見る(ベン・ホーガン)→ドライバー以外はしっかり上からボールを叩く、を頭に入れて打ちたい。

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日経コミュニケーション編『NTTの深謀』(日経BP社)その2

 日経コミュニケーションはNTTに関する多くの本を出している。宗像誠之(日経コミュニケーション記者)著『NTTの自縛 知られざるNGN構想の裏側』、日経コミュニケーション編『2010年 NTT解体 知られざる通信戦争の真実』、同『風雲児たちが巻き起こす携帯電話崩壊の序曲 知られざる通信戦争の真実』、同『光回線を巡るNTT、KDDI、ソフトバンクの野望 知られざる通信戦争の真実』『知られざる通信戦争の真実 NTT、ソフトバンクの暗闘』などだ。
 これらのいくつかを読んで「知られざる通信戦争の真実」を知ったのだが、今回の『NTTの深謀 知られざる通信再編成を巡る闘い』は、どちらかというと知られざる部分をえぐったというよりも、日本経済の新しいリーダーとしての自覚を持って通信業界を引っ張っていってほしいというNTTに対する強い願いが随所ににじみでていた。
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NTTの深謀 知られざる通信再編成を巡る闘い

 民主党政権になり、総務省は「グローバル時代におけるICT政策に関するタスクフォース」を発足させた。国際競争力強化の視点を取り入れながらNTTの再々編が議論されることになるのだろう。
 『NTTの深謀』はこのタイミングで読むのにぴったり本だと思った。

 「勝ちすぎてはいけない特殊な企業――。それがNTTだ。莫大な利益を上げれば、もうけすぎと批判される。圧倒的なシェアを持てば、総務省からより厳しい規制をかけられる。だから、NTTグループは、自社のマイナス面を強調する不思議な企業になった」。
 NTTグループが非常に恐れるのが「2010年問題」。NTTグループの組織問題については「2010年の時点で検討を行い、その後速やかに結論を得る」とする「通信・放送の在り方に関する政府与党合意」があり、「NTTとしてはこの2010年問題をどう乗り切るかが最大の懸案になった」のだ。

 その後、政権交代が起こり、加えて「NTTグループには追い風が吹いてる。今後の景気の行方を考えれば競合事業者が望むような『NTTの支配力を弱めよう』といった論調はトーンダウンが濃厚なのだ」。
 それにもかかわらず、相変わらずNTTグループは組織防衛に走っていると本書はいう。

 たとえばNTTグループの次世代の通信ネットワーク基盤「NGN」。規制回避やNGNサービスへの乗り換え回避など目先の都合を優先させてNGNをスモールスタートさせた」。この結果、「NGNという信頼性の高いインフラの上で、多くの事業者が成長を見込めるプラットフォーム事業を展開できる環境を実現」できずにいる。これが「日本経済全体にとっての損失につなが」っていると指摘する。
 また、NTTの国際戦略は「日本企業向けの通信サービスを拡充する」ことにとどまっている。「海外展開は現地で大きな収益を上げるためではなく、国内市場での競争を優位に展開するための手段でしかない」。本書は黒川和美法政大学大学院教授の次のようなコメントを引用して、国際戦略の必要性を強調する。「余力があれば海外に進出するなどして、組織の規模に見合った収益力を付けてほしい。国際的な競争力を意識すれば生産性の向上にもつながります。国内だけに閉じて小さな市場でぬるい競争をしているだけでは、いつまで経っても生産性は高まらないんです。その結果ユーザーは高い料金を支払い続けなければなりません。海外進出は、日本全体にとっても利益になるのです」。

 NTTの再々編について本書は「ある業界関係者」の言葉を借りて、予想する。「同氏によると、通信サービスのレイヤー(通信レイヤー)と、コンテンツ・アプリケーションを含めたプラットフォーム以上の上位レイヤーでグループを分けるのではないかという。地域、長距離・国際、移動という現在の縦割りの構造を、通信レイヤーと上位レイヤーの横割りにするわけだ。なぜならIP化の進展で構造変化が起こっているから。電話中心の現在の分け方が時代遅れなのは明らかである」「上位レイヤー単独で切り離せている方が海外展開もしやすくなる」。
 
 本書は「今こそNTTグループは、自社の都合を優先させるために深謀をめぐらせるのではなく、自ら描く通信業界のグランドデザインを世に問うべきでないか。成長を望める上位レイヤーにどのような体制で臨むのか、NGNと代替わりする固定インフラでは今後も、加入電話時代の開放政策を甘んじて受け続けるのか。このような通信業界全体の将来を左右するテーマについて、NTTグループとして考える立ち位置を明らかにしてほしい」と結ぶ。

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日経コミュニケーション編『NTTの深謀』(日経BP社)その1

 日経コミュニケーション編『NTTの深謀』(日経BP社)を読んだ。
 この本を理解するためにはNTTの民営化や分割論に関する知識が必要だ。
 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によると、「中曽根内閣の民活路線のもと、1985年に3公社(日本電信電話公社、日本専売公社・・・の民営化が決定した。その一環として日本電信電話株式会社法(現在の日本電信電話株式会社等に関する法律、以下『NTT法』・・・)が施行されたことにより、旧日本電信電話公社の業務を承継し」日本電信電話株式会社(NTT)が設立された。「同法はNTTの常時発行済株式総数の3分の1を日本政府が保有しなければならないと定めている」。
 「1987年2月9日に株式公開した。・・・民営化後もその事業範囲の広大さと経済への影響力の大きさから、米国の圧力により国鉄分割(JR7社)のような地域分割論が噴出し政治問題化した。NTTは地域分割を回避すべく、ソフトウェア開発のNTTデータや移動体通信のNTTドコモなど、固定電話事業以外での子会社を設立し議論をかわしてきた。しかし、1997年に改正NTT法が国会で成立し、4社分割による再編成が決定した。1999年に固定電話事業は都道府県間電話部門として東日本電信電話(NTT東日本)、西日本電信電話(NTT西日本)に分割された。また長距離部門はNTTコミュニケーションズ(NTTコム)が設立され引き継いだ。そしてNTT自身は東西NTTとNTTコムに加え、NTTドコモとNTTデータを傘下に置く持株会社となった。NTTコムは法律上完全民営化を果たし、悲願だった国際通信に参入した」。

 さらに、「通信・放送の在り方に関する懇談会」の報告書の内容も知っておく必要がある。
 『ウィキペディア』によると、「通信・放送の在り方に関する懇談会(つうしん・ほうそうのありかたにかんするこんだんかい)は、竹中平蔵総務大臣のもと総務省に設けられた、通信と放送の融合時代における情報通信政策の在り方を幅広く討議するための懇談会。 ・・・平成18年1月より開催され、6月に最終報告書がまとめられた」。
 ウィキペディアにはこれしか内容がないので、ITproが報じた過去の記事を引用する。日経コミュニケーションの宗像誠之記者の2006年3月22日付の記事だ。

【詳報】NTTのアクセス部門分離を巡り議論紛糾,竹中懇の公開ヒアリング
 竹中平蔵総務大臣が主催する「通信・放送の在り方に関する懇談会」が3月22日,第7回会合を開催。NTTの和田紀夫社長,KDDIの小野寺正社長兼会長,ソフトバンクの孫正義社長といった大手通信事業者トップがそろい踏み,公開ヒアリングに挑んだ(写真)。会合は2時間半の予定時間を約30分もオーバーし,熱い議論が続いた。最も盛り上がったのは,NTT東西地域会社のアクセス部門の分離問題についてである。・・・NTTの和田社長が,NTTの中期経営戦略の推進について説明。懇談会から投げかけられていた,独占回帰への懸念や,アクセス部門分離の見解については,有馬彰取締役が「ブロードバンド市場では各レイヤーで競争が進展しており,中期経営戦略によりNTTの一社独占に戻ることはあり得ない」,「インフラの円滑な構築やサービスの安定供給が損なわれる恐れが大きく,構造分離に伴う多大な労力や混乱が生じるため,諸外国でもアクセス部門の分離を実施した例はない」などと回答した。

 続くKDDIの小野寺社長は,IP化時代の公正競争には,「NTT持ち株会社の廃止とグループの完全資本分離,アクセス部門の分離,当面の措置として,NTTグループ内の人,モノ,カネ,情報の共有を遮断するファイアウォールの設置が必要」と,従来の主張を改めて懇談会のメンバーに訴えた。
 最後のソフトバンクの孫社長は,「一番大切なのは,国民一人一人にとって何が有益かという視点。ブロードバンドは競争により安く,速くなったが,次はそれを国民すべてに提供すること」と切り出した。・・・孫社長は,NTTの垂直分離だけでなく,民間企業として光ファイバを引く「ユニバーサル回線会社」の設立を提言。この回線会社が引いた光ファイバ上で,NTTも含めてサービス競争を展開すべきと訴えた。孫社長は,「NTTの中期経営戦略は2010年までに光3000万回線というが,残りの3000万回線はどうなるのか,いつになったら光化されるのか」と問題提起。併せて,NTTのアクセス部門に代わるユニバーサル回線会社により,月額約690円で全国6000万回線の光化が可能という,別の懇談会で披露した孫社長の試算結果を説明した。今回は,ユニバーサル回線会社は全国で一社ではなく,電力会社のように地域ごとに分け,互いに競争させる案も新たに付け加えた。

 通信事業者3社へのヒアリングが一通り終了すると,「KDDIとソフトバンクの主張は明確で,NTTのボトルネック性とドミナンス性をどう考えるかという点に論点は絞られてきている。NTTは反論ありますか」という,懇談会座長である松原聡東洋大学教授によるNTTへの問いかけを皮切りに,NTTのアクセス部門分離の是非に焦点が当たった議論が始まった。

 NTTの和田社長は「(ボトルネックとされる)電電公社時代に敷設した設備は,民営化する際に,複数の専門家により株式に算定し国に返した(形になっている)。しかも,光ファイバは民営化後に本格的に着手したものだ」とKDDIとソフトバンクの主張に真っ向から反論。有馬取締役も「電柱を開放し光ファイバを敷設する実験も始まっている。光ファイバは,今でも引こうと思えば引けるはず」と援護射撃した。

 だが,KDDIの小野寺社長は「有馬氏は,『引こうと思えば引ける』と言ったが,それはその通り。問題視しているのは今の手続きでは時間的にNTTと比べて我々が不利だといっている。『ボトルネック』という考え方が違うのではないか」と切り返し,ソフトバンクの孫社長も「NTTは,政府保証債で引いた国民のものである電話線を光ファイバに張り替えている。光ファイバを張り替えるベースの設備が国民のものなのに,光ファイバを引く引かないをNTTの主観で決めるのはいかがなものか。690円で6000万回線を光化できる可能性があるのに」と完全にNTT対KDDI+ソフトバンクという構図で議論が続いた。

 途中,「(電話設備について)『国民のもの』という言い方はやめていただきたい。今は株主のものです」と和田社長が孫社長の主張に声を荒げて反論し,「政府保証債で引いたものを『国民のものと言うな』というような会社に,将来のインフラを任せてもいいのだろうか」と孫社長が切り返すなど,強烈な応酬が続いた。このやり取りに際し,松原座長は「株式会社といっても,NTTは政府設立の株式会社ですからね」と株主の存在を主張するNTTをやや突き放すようなコメントを放つなど,議論はKDDIとソフトバンクにNTTが押され気味となった印象を残した。

 さらに懇談会の最終報告書に関する宗像記者の2006年6月19日付の記事を引用する。
どうなるNTT?,混沌とする“2010年問題”の行方
 6月6日,竹中平蔵総務大臣が主催する「通信・放送の在り方に関する懇談会」(竹中懇談会)が,6カ月間にわたる議論に終止符を打ち,最終報告書を完成させた。その中で懇談会は,政府がブロードバンド・ゼロ地域の解消を目指す2010年度と,地上波放送のデジタル化が完了する2011年を見据え,2011年を「完全デジタル元年」と命名。そのために,通信・放送改革に今すぐ着手すべきだと訴えた。

 竹中懇談会の通信分野における重要な論点となったのが,2010年に向けたNTTの在り方だった。NTTグループが今後のブロードバンドの主役であり,放送コンテンツを流す媒体にもなる光ファイバを大量に敷設する能力を持つからだ。報告書では,NTT東西地域会社のアクセス部門を,会計だけでなく人事交流なども分ける「機能分離」を短期策として実施するよう強調。さらに,「2010年には」通信関連法制を抜本的に見直すため,NTT持ち株会社の廃止などを含む検討を「速やかに」始めるべきとも提言している。

 ただし報告書は,アクセス部門の機能分離やNTT法の廃止を提言するなど,NTTに厳しい要求を迫るだけではない。東西NTTの業務規制の撤廃にも言及するなど,東西NTTの自由度を高める新たな施策を打ち出しているのだ。つまり2010年以降,現NTTグループ企業同士の再統合が可能となり,東西NTTが放送局を買収することさえ自由になる可能性がある。

 報告書の提言が実現すれば2010年には,現在とは全く異なったNTTの姿が形作られ,日本の通信・放送市場に今だかつてない競争環境が訪れる。だが,これが本当に実現するのかどうかは全く不透明な状況にある。

「2010年までに光3000万回線」を宣言したNTTの猛反発
 「“2010年問題”は一体どうなるのか」---。通信業界では最近,このような言葉がささやかれ始めた。竹中懇談会が打ち出した2010年に向けた提言に,NTTの競合事業者が期待する一方で,その実現性をいぶかる声もあるからだ。実際,2010年に向けた通信市場の競争環境の在り方について,NTTや政権与党である自由民主党(自民党)の意見は,竹中懇談会と食い違う。

 アクセス部門の機能分離やNTT法廃止については,当のNTTが猛反発している。というのもNTTグループは,2005年11月に中期経営戦略のアクションプランとして,光アクセス回線の構築計画を公開済みだからだ。具体的には,2010年までに次世代IPネットワークを構築し,光アクセス3000万回線を普及させるという計画を達成するため,現在のNTTグループの一体化を進めるというもの。NTT持ち株会社の配下にある東西NTTやNTTコミュニケーションズ,NTTドコモなどの主要通信事業会社の役割分担を明確にし,重複事業の解消を目指している。このための布陣を敷いた矢先に,持ち株会社の廃止も視野に入れる竹中懇談会の報告書が出てきたわけだ。

 NTT持ち株会社の和田紀夫社長は,竹中懇談会の報告書が出来上がる前から,懇談会の議論をけん制する発言を繰り返した。「アクセス部門の機能分離など受け入れられない。最終報告書は出ていないが,仮にNTTとして納得いかない内容なら,明確に抗議する」と発言。NTTの有馬彰取締役も,「現状のNTTの組織形態に問題があるとしても,だから機能分離をしろというのはあまりに乱暴な議論」と非難する。

 同時に有馬取締役は,「そもそも懇談会は通信と放送の融合について議論すると言っていたのに,なぜNTTの組織論に焦点が当たったのか。議論の経緯を見ながら,嫌な予感はしていたのだが」とぼやく。独自に3000万回線の光アクセスを引くことを宣言したNTTにとって,竹中懇談会の報告書はまさしくその方向性をひっくり返すもの。東西NTTなどの規制緩和という“アメ”が用意されているとはいえ,すんなりと受け入れられる内容ではない。

「速やかに始めるべき」か,「2010年ころに検討すべき」か

 一方,自民党はNTTと重なる部分が多い意見を明らかにしている。片山虎之助氏が委員長を務める「電気通信調査会 通信・放送産業高度化小委員会」(片山委員会)がまとめた案では,NTTの組織問題について「拙速に結論を出すべきでない」と提言。「2010年ころに」NTT法などの関連法令の改正を検討するべきだ,としている。

 片山委員会は竹中懇談会とほぼ同時期に始まり,竹中懇談会と同様に放送と通信の在り方について議論を進めてきた。NTTは竹中懇談会の報告書案が見え始めたころから,片山委員長にも相談に行っていたようだ。こうした動きが奏功したかどうかは不明だが自民党案は,NTTが次世代ネットワークを完成し,3000万回線の光アクセスを引き終わるまでは様子見をする案となっている。

 NTT法廃止の議論は,竹中懇談会の提言通り「速やかに始めるべき」なのか,自民党案の「2010年ころに検討すべき」なのか---。7月初めにも政府が基本政策としてまとめる「骨太方針」への反映に向け,竹中懇談会と自民党の調整は水面下で続いている。2010年のNTT像と通信・放送市場の競争環境を左右するこの「2010年問題」の行方を,業界全体が見守っている。


 そして、2006年6月20日に、通信・放送の在り方に関する政府与党合意がまとまる。宗像記者の2006年6月22日付の記事を引用する。
【特報】「NTTの組織問題は『2010年時点』で検討」,政府与党が合意
 通信・放送分野の改革案について,政府・与党が6月20日時点で合意していたことが明らかになった。焦点となっていたNTTの組織問題は,政府・与党の合意文書に「2010年の時点で検討を行い,その後速やかに結論を得る」と明記している。

 合意文書である「通信・放送の在り方に関する政府与党合意」には,最終調整に当たった竹中平蔵総務大臣や片山虎之助自由民主党参院幹事長などが既に承認のサイン済み。22日現在,自民党や公明党,総務省など関連部署の幹部の承認を待っている状態で,これらの承認がすべて取れ次第,合意内容は来週にも正式発表される見込みだ。この政府与党合意の内容が,7月上旬にまとめられる経済財政運営の基本方針「骨太方針」に反映される。

 竹中総務大臣は,自身が主催した「通信・放送の在り方に関する懇談会」(竹中懇談会)で,「『2010年には』通信関連法制を抜本的に見直すため,NTT持ち株会社の廃止などを含む検討を速やかに始めるべき」(『』は編集部による注記)と提言する内容の報告書を発表していた。一方,与党である自民党の片山参院幹事長が委員長を務める「電気通信調査会 通信・放送産業高度化小委員会」(片山委員会)は,NTTの組織問題について,「拙速に結論を出すべきでなく,『2010年ころ』にNTT法などの関連法令の改正を検討するべきだ」と提言していた。NTTの在り方に関しては,竹中懇談会と片山委員会の見解が一致せず,骨太方針への反映を巡り調整を続けてきた。

 今回の政府与党合意に明文化される「『2010年の時点』で検討を行い,その後速やかに結論を得る」という表現は,竹中懇談会と片山委員会の折衷案と言える。最後まで議論となったのは,「2010年の時点」という文言だった。

 片山委員会の案ではNTTの組織見直しを「2010年ころに」としていたが,この文言であれば,検討開始は2010年に限定されず,2012年や2013年に検討するという解釈も可能。だが,「2010年の時点」と明記することで,4年後の検討開始が約束される。合意文書の表現は一見すると,「2010年までに」と主張してきた竹中懇談会が大幅に譲歩したように見えるが,もともとの片山委員会の案からも時期が前倒しとなる格好。「2010年の時点」という明確な表現は,2010年までの検討開始を求めた竹中懇談会と,2010年以降の検討開始を提言した片山委員会の,最終調整における落としどころとなった。

 NTTの組織問題について「2010年の時点で検討」と,議論の時期を明確化することには,NTTからの猛反発があったとされている。竹中懇談会と片山委員会の意見のすり合わせに時間がかかった背景には,当事者であるNTTとの調整にも時間を費やした事情も絡んでいるようだ。


 これでようやく『NTTの深謀』が理解できると思う。(^^ゞ

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