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清澄庭園(きよすみていえん、東京・清澄)~名石と動植物が来園者を歓迎

 岩崎彌太郎ゆかりの都立公園として、旧岩崎邸庭園(東京・池之端)六義園(東京・本駒込)に続き、清澄庭園(江東区清澄3-3-9、03・3641・5892、入園料150円、開園時間午前9時~午後5時)に行った。岩崎家が集めたという様々な形をした名石をはじめとする「石」が印象的な庭園。庭園の鯉やカメと戯れるのも楽しい。

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 チケット裏の説明。
 本園は、初め江戸の豪商紀ノ国屋文左衛門の別邸であったといわれ、その後、諸大名等の下屋敷として用いられてきましたが、明治十一年にいたって岩崎家の所有とするところとなり、同二十四年和洋両館を含む大庭園となりました。
 池泉には、隅田川から水を導き、潮の干満により庭趣に変化をもたせた(パンフレットによると、現在は雨水でまかなわれているという)潮入りの回遊式築山泉水庭で、大小の島や磯渡りを造り、池辺には岩崎家が全国各地より蒐集した奇岩珍石が巧みに配置してあります。
 大正十二年の関東大震災後、現在の庭園部分を東京市が寄附を受けて修復し、昭和七年一般に公開しました。また、この間には皇室より下賜された大正天皇葬場殿を現在地に移設修築し、大正記念館と命名、集会場として一般に公開しています。
 昭和二十年三月、本園は全域にわたり戦火を受けましたが、戦後は記念館の再建と併せて、奇跡的に焼失を免がれた涼亭や池辺の庭石等をもとに逐次園景も修復され、今なお明治時代の代表的庭園として知られています。
 開園年月日 昭和7年7月24日
 面積(庭園部分) 38,967㎡
 休園日 年末年始(12月29日から翌年1月1日)

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 岩崎家は自社の汽船で全国の名石を各地から集め、園内に配置したという。写真は「伊豆磯石」のひとつ。

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 生駒石。

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 アケビがきれいだった。

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 伊豆式根島石。

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 現在は採取が禁止されている幻の石、佐渡赤玉石。

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 相州真鶴石。

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 これも生駒石。

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 加茂真黒石。

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 讃岐御影石。

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 これまた、生駒石。生駒石が好きなのかもしれない。(^^ゞ

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 若々しい松。

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 京都保津川石。

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 磯渡り。池の端に石を飛び飛びに置いて歩けるようにしたもの。広々とした池の眺めが楽しめる。

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 甲羅干しをするカメ。体を温め、血の循環をよくしているそうだ。

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 中の島へ。

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 秩父青石。

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 鮮やかなツツジ。

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 桜はわずかに花を残すのみだった。

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 鯉の餌(麩、1袋150円)を持ち歩いていると楽しい。カメも好きなようで必死に餌まで泳いでパクリ。競争相手が来ると、水中にもぐるのだが、一口では食べられず、食べ残しが水面に浮く。それに気づいて鯉も集まり、最後は鯉が大きな口で一のみ。

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 石仏群。

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 その説明。写真をクリックしてください。

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 表情のよいお地蔵様。

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 南から見た庭園。

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 世間話をする?カメ。

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 伊予青石。

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 紀州青石。

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 根府川石。

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 自由広場は八重桜(サトザクラ)が満開だった。

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 女の子も撮影。

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 牡丹のような花の形。

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 フキ。

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 シャガが一面に咲いていた。

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 近くでみたシャガ。

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 花菖蒲田。

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 芭蕉の句碑。
 説明があった、
 当庭園より北北西400m程の所に深川芭蕉庵跡(江東区常盤1丁目3番・都指定旧跡)があります。
 松尾芭蕉は、延宝8年(1680)から元禄7年(1694)まで、門人の杉山杉風の生簀の番屋を改築して、芭蕉庵として住んでいました。
 かの有名な「古池の句」は、この芭蕉庵で貞享3年(1685)の春、詠まれています。
 この碑は、昭和9年に其角堂九代目の晋永湖という神田生まれの俳人が建てたものですが、芭蕉庵の改修の際、その敷地が狭いので、特に東京市長にお願いをしてこの地に移したものです。従って、この場所が芭蕉庵と直接ゆかりがあると言うことではありません。
 なお、当庭園の南東側、海辺橋緑地に採茶庵跡がありますが、芭蕉は元禄2年(1689)に「奥の細道」の旅をここから出発しました。

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 涼亭。 明治42年に国賓として来日した英国のキッチナー元帥を迎えるために、岩崎家が建てたもの。和60年度に全面改築工事を行った。集会場として利用できる。

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 伊豆川名磯石。

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 南から見た石橋。

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 讃岐御影石。

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 サギが1羽いた。

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 魚を狙っている様子。

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 飛び立とうとするサギ。

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 飛んでいるサギ。

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 石橋は鯉に餌をやりやすい場で大勢の人が立ち止まる。

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 鯉のぼりのような大きな口の鯉。

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 伊豆網代磯石。

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 隣にある清澄公園に行くと、「深川親睦園」当時の建物の写真がある(クリックすると拡大した画像で見られます)。この公園の場所に西洋館があったらしい。
●西洋館 Western-style house
英国人建築技師ジョサイア・コンドルの設計監理によるもので、明治19年(1886)に着工して明治22年(1889)に竣工しました。鹿鳴館時代の建築技術が生かされた建坪782坪(約2581㎡)で、鋳鉄製テラス、イスラム風ドーム、オランダ風の装飾破風などのデザインを有していました。しかし、大正12年(1923)の関東大震災の際に焼失してしまいました。

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●深川親睦園当時 Hukagawashinbokuen(The 1880's)
庭園の主な施設として河田小三郎が設計監理した日本館、英国人建築技師ジョサイア・コンドルの設計監理による西洋館がみられました。これらの建造物は鹿鳴館時代の明治文化を反映した豪華さにおいて、岩崎家の権勢を天下に誇示したものでした(クリックすると拡大した画像で見られます)。

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●現在(The present)
対象12年(1923)の関東大震災により、西半分を中心として壊滅的被害を受け、岩崎家が翌13年に破損の少なかった東半分を公園用地として当時の東京市に寄付しました。昭和7年(1932年)より清澄庭園として一般公開されました(クリックすると拡大した画像で見られます)。

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