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必見!「アルフォンス・ミュシャ展」~2011年まで各地を巡回

 三鷹市美術ギャラリーで開かれている生誕150年記念「アルフォンス・ミュシャ展」に行った。
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 オーストリア帝国の支配下にあったモラヴィア地方(現チェコ共和国)のイヴァンチッツェで生まれたミュシャの美術作品は、プラハ旅行中、市民会館の市長ホール聖ヴィート大聖堂で見学した。ミュシャ展のカタログにある年譜を見ると、市民会館の市長ホールの装飾を手がけたのが1910年。聖ヴィート大聖堂のステンドグラスをデザインしたのが1931年。ミュシャがプラハに腰を落ち着けて仕事を始めたのが1910年だ。ミュシャは1860年生まれだから、50代になってから、祖国チェコで『スラヴ叙事詩』などチェコを題材にした作品を手がけたわけだ。

 ミュシャ展では、チェコで祖国をテーマに絵を描き始めてからの絵画、パリ時代のミュシャの華麗なデザイン、そんなデザイン画を描く前の、デッサン力を高めていた時代の作品を、一堂に集め、紹介している。ミュシャの生き様と作品の全容が分かるすばらしい美術展だと思う。

 この美術展は、日本全国を巡回する。
 すでに終わったのが【岩手】岩手県立美術館 2010年4月10日(土)~5月16日(日)
 開催中なのが【東京】三鷹市美術ギャラリー 2010年5月22日(土)~7月4日(日)
 その後は、以下の予定。
 【福岡】北九州市立美術館 2010年7月17日(土)~8月29日(日)
 【群馬】高崎市美術館・高崎市タワー美術館 2010年9月18日(土)~11月7日(日)
 【大阪】堺市美術館 2011年2月5日(土)~3月21日(月)
 【福島】いわき市立美術館 2011年4月9日(土)~5月22日(日)
 【石川】金沢21世紀美術館 2011年5月28日(土)~6月26日(日)
 
 三鷹市美術ギャラリーには初めて行った。
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 ホームページによるとーー。
 三鷹市美術ギャラリーは、「人にやさしいまちづくり」の実現を目指すための文化ネットワークの一環として、交通至便な三鷹駅前(南口)の N・E・O CITY MITAKA 商業棟CORAL(コラル)5階に平成5年10月に開館しました。
 当ギャラリーは、お勤め帰りにも立ち寄っていただけるように開館時間を午後8時までとし、施設内も外光を採り入れたオープンロビーと展示室とを割肌ストーンの大きな曲面壁で仕切り、自然に展示スペースへと誘導されるようにしました。
 近現代美術を主とした企画展示を開催し、優れた美術作品にふれ親しんでいただくとともに皆様の美術作品発表の場としてお役に立てれば幸いです。

 予想外に良い美術館だった。9-11月にミュシャ展を開催する高崎市美術館とコンセプトが似ているかもしれない。

 展示された作品を見る。
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(画像をクリックすると大きな画像で見られます)
Mucha2s
(画像をクリックすると大きな画像で見られます)

 「1.絵画とデッサン」を見ると、パリの自由画塾アカデミー・ジュリアン入り、さらにアカデミー・コラロッシに通ったミュシャの実力が良く分かる。
 しかし、ミュシャはパトロンからの資金援助を打ち切られ、絵画の勉強を諦めざるを得なかったという。そして、本屋や雑誌の挿絵をパリやプラハの出版社に送って生計を立てなければならなくなる。
 挿絵を描いて生計の足しにするような生活から脱することができたのは、舞台女優サラ・ベルナールのためのポスターを制作したのがきっかけだったという。

 その後、アール・ヌーヴォーの時代を代表するデザイナーとしてミュシャはパリで数々の女性をモデルにしたポスターを手がけるが、女性それぞれが個性的で、それぞれに惚れ惚れするほど美しい。デッサン力と構想力が合わさって、完成されたポスターができるのだと感じた。

 ところがアメリカ時代を経て、チェコに戻ったミュシャは、チェコ民族意識を高揚されるような絵を描き始める。この画風の違いが面白かった。

 美女の微笑みはチェコ人の厳しい眼差しに変わる。

 絵画と言うものの奥の深さを感じさせてくれるミュシャ展だった。

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