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COREDO室町オープン! 魚河岸にいるような気分が味わえる居酒屋・日本橋 紀ノ重へ

 「日本橋室町東地区開発」の第1号プロジェクトとなる室町東三井ビルディング(東京都中央区日本橋室町二丁目2番1号)が完成。27店舗が出店する商業ゾーン「COREDO室町」が10月28日、オープンした。

 三井不動産のホームページによると、「三井不動産株式会社は『残しながら、蘇らせながら、創っていく』をコンセプトに、官民地元と一体となって日本橋地域の活性化と新たな魅力を創造する活動『日本橋再生計画』を推進」しており、その中核的存在となるのが「日本橋室町東地区開発」だ。
 「 本開発は、日本橋室町東地区の5つの街区(合計敷地面積:約11,900m2)における街づくり型の大規模再開発で平成26年に全体竣工予定」。
 「『通りの特徴を活かした街の再生』を目指して、『中央通り』に面する低層部のスカイラインの統一や、神社と参道の新設、桜並木や石畳を配した通りの整備、江戸情緒あふれる街並みづくりなど、街区を取り囲む『通り』の景観形成」を行う。「また、オフィス・商業・住宅および芸能文化の情報発信拠点などを設けることにより、江戸時代に活況を呈した日本橋の賑わいを再生していくプロジェクト」だ。

 室町東三井ビルディングは、地上22階、地下4階建てのオフィス・商業・多目的ホールからなる複合施設で、地下1階から4階が飲食店と物販店の商業エリア、5~6階が多目的ホール(名称:日本橋三井ホール)の「COREDO室町」と10階から21階までのオフィスで構成。

 「COREDO室町」については詳しい説明がある。以下に引用する。

 江戸時代、日本橋室町周辺は三井越後屋など江戸を代表する商家が立ち並び、日本橋川北岸から中央通りの沿道にかけては魚河岸をはじめ、鰹節問屋、海苔問屋のほか、幕府御用達の菓子店、芝居小屋や茶店が軒を連ね、五街道の起点として、世界有数の賑わいを見せていました。
また、長崎からオランダの商館長一行が江戸参府をする際の宿泊所であるオランダ宿「長崎屋」があり、海外文化の受発信拠点となっていました。

 「COREDO室町」は「日本を賑わす、日本橋」をコンセプトに、日本橋の歴史を活かしつつ、新しさを取り入れた飲食、物販店舗を集積させた商業ゾーンと、日本橋地域に新たな賑わいを創出する現代の芝居小屋「日本橋三井ホール」で構成しています。周辺のオフィスワーカーや日本橋地域を訪れる来街者の多様なニーズに応えるとともに、女性グループ、カップル、シニアなど幅広い世代のお客様にお越しいただける施設づくりを行い、江戸時代の活況・賑わいを取り戻し、日本橋地域の活性化に貢献してまいります。

 地下1階から地上4階までの商業ゾーンでは「にんべん」「木屋」などの老舗店舗や、東京初出店となる金沢の箔専門店「箔座日本橋」、江戸時代の茶屋や菓子店をイメージしたカフェブラッスリー・パティスリー「エメ・ヴィベール」などの物販店舗を誘致。また、日本橋魚河岸に因んだ江戸前鮨「鰤門(しもん)」や魚料理「日本橋 紀ノ重(きのしげ)」、お米が主役の和食「米祥」の他、中華の人気シェフ陳建一氏の「四川飯店」の新業態店や行列のできるビストロ「BISTRO 石川亭」などの魅力的な飲食店舗を誘致します。

 内装環境デザインは、ラグジュアリーホテルの「パークハイアット ソウル」や「ハイアットリージェンシー 京都」などを手掛けた杉本貴志氏率いる株式会社スーパーポテトを起用。素材に自然石や再利用の鉄材を用いるなど細部にまでこだわり、日本古来の茶室や古い家屋の風合いを表現し、日本の風土や伝統の中に「新しさ」を感じられるようなデザインとしました。

 仕事で遅くなったが、さっそく28日にCOREDO室町に行ってみた。
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 地下鉄の連絡通路から入る。
 地下1階には地元の書店、「タロー書房」(営業は月~金8:00~21:00、土・日・祝10:00~20:00、03・3241・2701)がある。

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 削りたての本枯鰹節だしのスープなどが楽しめる「だし場(バー)」などがある「にんべん 日本橋本店」(営業時間は10:00~20:00、03・3241・0968)は残念ながら、もう閉まっていた。

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 レストランの中では一番日本橋らしい店に行った。エー・ピーカンパニー(本社東京都港区芝浦3-13-16)が出店した居酒屋「日本橋紀ノ重(きのしげ)」(東京都中央区日本橋室町2-2-1 COREDO室町2階、03・3548・9917)だ。
 
 同社のホームページによると、こんな店だ。

 日本橋の新スポット「COREDO室町」内に今朝ドレ鮮魚と原始焼きの店「日本橋紀ノ重」が10月28日(木)オープン
 この度、日本橋の地に居酒屋「日本橋紀ノ重(きのしげ)」を、古きよき日本橋の再生をイメージした「COREDO室町」に出店いたします。「紀ノ重」は日本橋の魚河岸で慶長年間に開業した老舗の仲卸。創業の地に「今朝獲れ鮮魚を出す居酒屋」として戻る、記念の店舗となります。

通常、築地市場経由で入る魚は
DAY+1もしくは+2以上経ったもの

 紀ノ重は、日本橋に魚河岸ができた慶長年間に創業し、今でも築地で仲卸業を続けています。冷凍技術や流通の発達で、大手スーパーなどを中心に市場外流通が増えており、築地でも廃業する仲卸が後を絶ちません。時代のニーズが変わる中で、仲卸も新たな存在価値を見出さなければいけない。そんな想いで、通常の築地を介したものよりも1-2日以上鮮度の良い魚が扱える「今朝ドレ」の流通経路を新たに開発しました。

全国の漁港で朝揚がった魚を、
その日のうちに東京で消費

 「東北の漁港で朝揚がった魚を、その日のうちに東京で消費する」ことは、東北水産関係者の長年の念願でした。しかし、流通経路の確保が難しく、従来の市場での競りを通すと丸一日以上のタイムラグが発生します。この度新たに構築した独自の配送システムと、紀ノ重が培ってきた魚の仕入れ・流通ノウハウを用いることで、三陸海岸からの夢の「DAY+0(デイプラスゼロ)便」が実現しました。

「原始焼き」は、炭が主な熱源だった時代の知恵
 焼き魚の調理のコツは「強火の遠火」と言われ、火力の強い炭火が理想です。「原始焼き」は、炭火と焼き物との距離で火加減を調節する昔の生活の知恵であり、最も原始的な焼き方であることがその名の由来になっています。また、炭の回りを囲んで輻射熱を利用して焼くため、きれいな焼き色が付くだけでなく、魚の脂が炭に落ちず煙がたたないため、魚が燻されずに新鮮魚貝そのままの凝縮した旨味を味わうことができます。さらに、2種類の炭を使うことで、表面はパリッと香ばしく、中はふっくらしっとり仕上がります。最高の魚が一番美味しく食べられる、究極の焼き方です。

日本人が誇るべき魚食文化を継承する
 魚は日本人にはとてもなじみ深い食材であり、健康食としてのイメージも強いですが、料理に手間がかかることが敬遠され、近年国内の魚の消費量は減少傾向にあります。スーパーなどの魚売場では、サーモンやブリなど切り身の魚が多く、一匹まるごとの焼き魚を食べる機会は減りました。紀ノ重では、鮮度良い丸の魚の美味しさをお客様に味わっていただき、まずは大人が魚の美味しさを再認識することで、古くより育まれてきた日本の豊かな魚食文化を、次の時代へつなげていけると信じています。

おいしい魚には、おいしいお酒を
 「日本橋紀ノ重」のオープンに際し、天狗舞の醸造元である老舗の酒蔵「車多酒造」の協力の下に、「せっかく美味しい魚を食べるのだったら、美味しい日本酒を飲んでほしい」という想いでメニュー作りを進めてまいりました。日本酒の消費量が落ち、日本酒を飲む機会が減る中で、美味しい魚と美味しい日本酒で、日本酒文化を再度広められれば。とも考えています。

全国でも2店舗でしか飲めない生酒を、
氷温蔵出し直送

 金沢の料理店1軒以外では、当店でしか飲めない天狗舞の限定酒「純米酒+純米吟醸酒」のブレンド生酒をはじめ、月替わりで1種ずつ蔵元から氷温輸送した生酒を用意します。生酒とは製造からお店に並ぶまで一切火入れ(加熱処理)を施していないお酒のことで、出来たてそのままのフルーティな味わいを楽しむことができます。ただし、殺菌処理をしていないため、味の変化が起こりやすく、蔵元からの輸送時だけでなく、店舗でも最高の保存状態で管理しています。

 店頭にもあるこの説明。なんかとても奥の深そうな店だ。

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 水産仲卸棟を再現した店。

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 水がまったくないのに、水をまいたように見える床。面白い。

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 突き出し。パブリカ、豆腐の粕漬け。

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 サワラの天狗舞粕漬け。天狗舞の酒粕を100%使用した粕漬け。
 
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 魚だけでなく、普通のつまみもある。燻製ポテトサラダ(580円)。
 燻製したじゃがいもに、燻製のローストポークを和えた特製ポテトサラダ。

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 この店の売り「原始焼」を頼む。
 「本日の原始焼」のメニューを見ると、きんき(4500円)のように高いものもあるが、さんま(780円)、にしん(1200円)、かます(1000円)、いわし(600円)、大海老(980円)などは手ごろだ。ところが全部売り切れ。
 
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 しかたなく、ハーモニカ(1200円)を頼んだ。
 かじきまぐろの背びれのつけ根。魚のステーキのようだった。ソースをつけて食べる。これだけでいいくらい量が多かった。

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 〆では紀ノ重名物の鯛茶漬け(980円)が食べたかったが、売り切れで、代わりにサバの棒寿司(750円)を頼んだ。

 江戸の気分を味わうにはなかなか良い店。今回は売り切れが多かったので、また来たい。

 営業時間は月-金が11:00-23:30(LO 22:30)、土・日・祝が11:00-23:00(LO 22:00)。

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佐々木俊尚著『本当に使えるウェブサイトのすごい仕組み』(日経ビジネス人文庫)

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本当に使えるウェブサイトのすごい仕組み

 佐々木俊尚著『本当に使えるウェブサイトのすごい仕組み』(日経ビジネス人文庫、2010年9月1日発行)を読んだ。
 ブログ、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)、Twitterなどのソーシャルメディアには縁がないと言う人も「食べログ」のお世話になったことはあるのではないか。口コミのサイトまで含めるとソーシャルメディアはわれわれの生活に欠くことのできないものになっている。

 そんなサイトを集め、紹介しているのが本書だ。
 
 「はじめに」に佐々木氏は次のように書いている。

 「これまで『何を買うのか』というような商品情報は、テレビや新聞、ラジオ、雑誌などのマスメディアを経由して集めるのがごく普通でした。しかしこれからは、そうした消費のための情報はすべてソーシャル化していきます。われわれの生活文化がどんどん高度化し、その結果として文化圏域が細分化していく中では、そうした情報をマスメディア経由で一元的に受け取るようなやり方は、もう間尺にあわなくなってきています」「そうした高度化して細分化した圏域に対応するかたちで、インターネットの中には細分化された圏域をきちんと捕捉することのできるソーシャルメディアがたくさん立ち上がってきています。これからはソーシャルメディアなしには成り立たないようになっていくでしょう。私たちの文化は、今そういう転換点に位置しているのです」。

 カバーするジャンルは「おしゃれ」、「食生活」、「家探しや家具選び」、「エンタテインメント」、「レジャー」、「生活の悩み」、「人と人のつながり」。合計28のウェブサイトが紹介されている。

 人気サイトには、必ず独自の工夫がある。

 ネット上の人形を着せ替えて楽しめる「プーペガール」は「50枚まで重ね着できるようになっているので、…自分のファッションに近い感覚で着せ替えを楽しむことができる」のが特長。
 「着せ替えアイテムを入手するには、仮想通貨のリボンが必要」。「リボンを獲得する…メインの方法は自分が実際にリアルの世界で持っているファッションアイテムの写真を撮影し、それをアップロードすること」なので、「リアルに所有しているファッションアイテムを確認することができ」、「そのユーザーがどのようなファッションセンスの持ち主なのかを感覚的に理解でき」る。それゆえに、「他のユーザーたちのコーディネートを学ぶこと」ができるのだ。

 「食べログ」は「サクラと思われるクチコミは評価点数に加算」せず、「たくさんの店のクチコミを書いている人の評価は、より多く加点される」ようにして、組織票を排除している。
 食べログの上手な使い方は「自分と舌が似ているお気に入りのレビュアーを見つける」ことだという。そうして「その彼や彼女が高評価している店を訪れれば、『ハズレ』になることはないでしょう」。食べログというシステムは「集合知であるのと同時に、自分とマッチする『個人』を見つけるソーシャルな場所でもある」。

 インターネットで映画などのDVDを借りられる「オンラインDVDレンタル」を手がけるTSUTAYA DISCAS(ツタヤ・ディスカス)の「最大の醍醐味は、実はクチコミレビューにあります」と言う。
 「ディスカスの『レビュー広場』というクチコミコーナーにレビューを書き込んでいる人は、5万人近く。レビュー数は合計47万件にも達しています」「ここに載っている優秀なレビュアーの記事は、きわめて質が高いことで有名です」。
 「会員からレビュアーに対する評価も行われ、そのランキングは常時サイトに表示されています」。

 国内最大のQ&A掲示板である「OKWave(オウケイウェイヴ)」。
 「オウケイウェイヴにはこれまで約500万件もの質問が寄せられ、それに対して1700万件以上の回答が送られています。登録ユーザー数は約165万人に上っています」。
 「90年代の企業のナレッジマネジメントは、社員の持っている『知識』をすくい上げるため、『自分の営業ノウハウを書き込みなさい』『自分の仕事のやり方を書いてファイルにしなさい』と社員に求めました。でもこのような方法では、社員は何をどう書いていいのかわからないし、『知識』をテキストにする方法も各自バラバラになってしまい、あまりうまくいきませんでした」
 「しかし質問を広く募って、それに対する回答を書いてもらうという方法であれば、『知識』はすべて『質問・回答』というフォーマットで蓄積されるから、後から探しやすいというメリットがあります」「人々は『自分が知識データベースに知識を蓄積しているのだ』ということを認識することなく、ただ質問したり、それに対する回答を書いているだけなのです。でもそういう人々のごく自然な行いが、知らず知らずの巨大な知識データベース生成へとつながっていくのです」。

 この本を読み、ソーシャルメディアは工夫次第で、社会のあらゆるジャンルをカバーしていくのだろうと確信した。

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日経BP社 出版局編集、枝 洋樹、林 信行、小林 弘人、津田 大介、武田 徹、高須賀 宣、岡野原 大輔、片瀬 京子、高橋 秀和、亀津 敦著 『Twitterの衝撃~140文字がビジネスからメディアまで変える』(日経BP社)

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Twitterの衝撃

 日経BP社出版局編集、枝洋樹、林信行、小林弘人、津田大介、武田徹、高須賀宣、岡野原大輔、片瀬京子、高橋秀和、亀津敦著 『Twitterの衝撃~140文字がビジネスからメディアまで変える』(日経BP社、2009年11月9日発行)を読んだ。

 本書の「はじめに」でも書いているが「Twitterは、使い方次第で見え方が大きく違うサービスである」。
 そのためか、10人の著者が10章を分担している。
 
 第1章 Twitterとは何か? 枝洋樹(株式会社DGインキュベーション 投資・事業開発本部 マネージャー)
 Twitterの基本をまとめてくれている。
 「米グーグル社が提供しているような既存の検索技術を使っても、個人が発信する情報を検索することは可能だ。ただし、得られる情報はTwitterのようにリアルタイムではない。このため…『場の共有』は難しい」。

 「既存の検索技術の場合、検索対象となる情報をあらかじめ全世界のサーバーから集めておく必要がある上、ブログやSNSを通じた個人の情報発信の頻度はそれほど高くはないからだ」。

 「Twitterの場合は、世界中のユーザーのつぶやきがまずTwitter社のサーバーに集まり、そこから配信される仕組みになっている。…さらに、思ったことをひと言『つぶやく』だけでよいので、投稿のしきいが低いぶん更新頻度が高い」。

 「たったひとつのつぶやきから始まるほかのユーザーとの“ゆるい”つながりが、Twitterをさらに面白くする」「ほかのユーザーのつぶやきの中に、自分が反応したいものがあった場合に、『@相手のユーザー名 それってすごいね!』といった具合に、そのユーザーに向けて自分のつぶやきを発信すればよい。それだけで自然に対話が始まる」。

 「こうした“ゆるい”つながりを生む仕組みを機能として具現化したのが『ReTweet』(リツイート、RT)である。リツイートは自分のタイムラインで見つけたほかのユーザーのつぶやきをもっと多くのユーザーに紹介したい場合に使う」。
 「一つのつぶやきを複数のユーザーが連鎖的に共有することを通して、ねずみ算式に多くのユーザーがつながる」。

 第2章 Twitter×iPhoneが切り開く新情報時代 林信行(ITジャーナリスト)
 「時間軸」「親密軸」「空間軸」の三つの軸がTwitterの魅力だという。

 時間軸。「『新しい情報が上』という構造を取り入れている。TwitterがブログやこれまでのSNSと違うのは、情報を140文字単位に区切ったことだ。短く区切ると、さらに情報の鮮度が上がる」。

 親密軸。「Twitterは、まるで食べ物に入れる薬味を選ぶように、自分の好みで一方的に友達を登録(フォロー)できる」。

 空間軸。「実はiPhoneでは、Twitter用クライアント(Twitterを閲覧したり、投稿したりできるアプリケーション)が数多くある。その多くが、位置情報を活用している」。

 第3章 既存メディアを脅かす個人ジャーナリズム 小林弘人(インフォバーンCEO)
 これからのジャーナリズムとして、「リンクジャーナリズム」「コラボレーティブ(協調型)ジャーナリズム」「オープンソース・ジャーナリズム」「プロセス・ジャーナリズム」の4つがあるとし、Twitterはこれらの受け皿になるという。

 「Twitterでのジャーナリズムは140字の制限があるから、書けることが限られています。そこで活用されるのはリンク…これは従前より言われているリンクジャーナリズムです」。

 「リンクが組織の垣根を越えて、いまのニュースが組成される枠組みが壊れていくことになるでしょうね。プロセス・ジャーナリズムの台頭です。これまでは、完成品ジャーナリズム。後者は作品のように磨き込んでから報道するのに対し、前者は過程を報道します。そこでは間違いがあれば訂正し、他者による補足や伝播によって上書きされていく新たなジャーナリズムの形です」。

 「プロもアマも協力し合うという点でコラボレーティブ(協調型)ジャーナリズムになるし、個人サイトやさまざまな報道機関、研究機関が協力し、その情報が誰にでも無償で公開されることでオープン・ソース・ジャーナリズムになります」。

 第4章 プロと素人の差を縮める属人的メディアの誕生 津田大介(メディアジャーナリスト)
 「tsudaる」という言葉にもなった「社会問題上重要度の高いカンファレンスにオンライン状態で出席し、現場で発表された発言の140字の要約ポストをTwitterのタイムライン上に送り続ける行為」で知られる津田大介氏がこの章を担当する。

 「Twitter中継の良いところは、記者として手離れがいい」点。「文章の巧拙は起承転結の流れが重要になる文字量の多い文章では如実にわかるが、短い文章の場合はそうした文脈がないので、それほど気にならない。しかも、Twitterの場合、話者の発言を元にしているため、そもそもがロジカルな日本語でなくても『会話』のニュアンスとして読者が受け入れられるという特徴がある」。

 「実際のところ3分の話のうち本当に重要なのはわかりやすく言い換えたエッセンス1分間ぐらいであり、凝縮された1分をいかにして140字というフォーマットで要約していくかというところがTwitter中継の本質である」。 

 第5章 同時多発の声が生む「信仰」 武田徹(評論家、ジャーナリスト)
 「140文字しか書けないTwitterは散文的というよりも韻文的、詩的なコミュニケーションに近い。それは時に迫真の言葉となり、時に感動的であろう。しかし、詩は行間を読む物だ。そこに自由なイメージを投入できる。そうした余白を埋めていく読解スタイルは、事実の輪郭を定めつつ報じる報道には、実はなじまない。Twitterは報道の新しいシステムではなく、世界をひとつの声で同時につなぐ、巨大なミサのような『信仰』の空間をつくったのではなかったか」。

 「可能性は感じるが、Twitterを報道のメディアにしていくにはまだ何重ものハードルがあるだろう。それを一つひとつこなしつつ、報道の信頼性を、実質を伴うかたちで新しいメディア空間で構築していく必要があるはずだ」。

 第6章 Twitterが未来の会社を象徴する 高須賀宣(サイボウズ創業者)
 高須賀氏は「コミュニケーションの無駄を省ける点」をTwitterの利点としてあげる。米国では電子メールの代わりにTwitterを使う若者が増えていると言う。

 第7章 ベンチャーを支えるツール 岡野原大輔(プリファードインフラストラクチャー 特別研究員)
 「私たちも各地の優秀なプログラマーや研究者との情報収集には、Twitterやブログなどを利用している」。
 ただ、「離れたところにいる社員とのコミュニケーションに主に使っているのは。Skypeだ」「Twitterはどうかというと、リアルタイムのコミュニケーションツールとしては向いていないと考えている」「Twitterは、発信自体はリアルタイムだが、それに対する反応は非リアルタイムだ。大抵の場合は『つぶやく』だけで、つまり反応を強制しない」。

 「Twitterに書きたくなることはある。たとえば、ブログでは書けないようなことだ」。

 「一次情報でもなく、二次情報でもない、三次情報を収集する場として使っている」。

 第8章 仕事にTwitterを駆使するiPhoneアプリ開発者 片瀬京子(ライター))
 Twitterが最も有用に活用されているのは、iPhoneアプリ開発者の間ではなかろうか。
 「Twitter上に『iphone_dev_JP』という情報交換用のアカウントがつくられている。…このアカウントをフォローした上で、このアカウントに対してつぶやくと、そのつぶやきがフォローしている全員で共有される」。

 「無事に商品としてリリースした後に、ユーザーサポートにTwitterを利用している開発者も多い」。
 
 「さらに、新しい仕事もTwitterで生まれている」。

 「わざわざ言うほどでもないことを『つぶやく』場なのだから、これまでは耳に入れることができなかった声が聞こえてくる」。

 第9章 Twitterを支える技術の現在と未来 高橋秀和(日経BP社 ITpro 記者)
 「Twitterは外部サービスに、代表的なクラウドコンピューティング・サービスである『AmazonS3』を採用している。使い道は、ユーザーが設定するアイコン画像やウェブブラウザで実行するプログラム・ファイル(JavaScript)の置き場所だ」。

 第10章 Twitterの将来を見通す6つの視点 亀津敦(野村総合研究所 情報技術本部 技術調査部 主任研究員)
 6つの重要な視点。
 (1)ソーシャルハブとしてのTwitter
 「Twitterには『ソーシャルメディアとソーシャルメディアをつなぐ』という、もうひとつの顔がある」。
 「Twitterを介したソーシャルメディアの間でのユーザーのライフストリームの共有が現実のものとなった背景には、2007年頃に始まったソーシャルメディアのオープン化の流れがある。引き金を引いたのは、Facebookとグーグルだ」。

 (2)ライフログへの進化
 「ソーシャルメディアでのユーザー行動の履歴は『アクティビティストリーム』や『ライフストリーム』と呼ばれているが、これらの蓄積されたデータがリアル・バーチャルを融合しつつ、ある量と緻密さを超えると、それはユーザーの生活を反映した『ライフログ』という価値の高いものに成長していくのだ」。

 (3)Twitterが先導するリアルタイムウェブ
 「Twitter社は、リアルタイムに近いタイミングでつぶやきをを取得できる『Twitter Streaming API』を2009年4月から公開している」。

 (4)マーケティングでの活用
 「①顧客サポートのためにつぶやき監視、②ブランド・評判の把握のための分析、他のマーケティングプラットフォームとの統合――の3つがある」。

 (5)情報管理が課題に
 「つぶやきの公開範囲は『パブリック』(公開)か『プライベート』(非公開)のどちらかでしかコントロールできない」「自分がプライベートに設定していたとしても、フォローされている友人が非公開のつぶやきを転送すると公に伝わってしまう」。

 (6)企業向けのソーシャルソフトウエアに拡大
 「Twitterはオープンな場であるため、本格的に業務コミュニケーションに使うのには限界がある。そこで、企業内でTwitterと同等のコミュニケーションを実現するための、企業向けマイクロブロギングサービスが登場した」。


 CGM(Consumer Generated Media、インターネットなどを活用して消費者が内容を生成していくメディア)と言われるメディアのなかでも、ブログやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)でものを書くためには、書きたいという強い思いや根気が必要だが、Twitterは「投稿のしきいが低いぶん」、誰でも参加できると思う。140文字で表現するためには簡潔な表現にせざるを得ず、結果的にコミュニケーションは円滑になる。Twitterが広がるわけが分かった。

 もっとも、どんな意義、効果があるのだろうかと考えると、まさに人それぞれなのだろう。
 「疲れた」というようなつぶやきでも、そうしたつぶやきが多く流れれば、Twitter全体としては、それなりの意味を持つかもしれない。しかし、主体的で有意義な使い方は、iPhoneアプリの開発者たちの助け合いのような使い方以外は、そんなにないのではないかと思う。
 
 気になる人の近況を知ることができるのは便利だが、自分をフォローしている人にしか一次的には自分のつぶやきが届かないのであって、伝播力はそれほど強くはない。一番言いたいことは、Twitterでは言わないのではないか。

 フォロワーが多い有名人たちにとっては間違いなく有力なメディアであるため、Twitterは有名人たちの“ファンクラブ”が錯綜するネットワークのような感じもする。

 Twitter、SNS、ブログ、あるいは口コミサイト全体をみると、ソーシャルストリームのパワーは無視できない大きさになっている。自分がこれらにどうかかわるかは別として、たまにはTwitterを初めとするソーシャルメディアの流れを追うことが現代的なITリテラシーを養う上では必要なのだろう。

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restaurant YAMAGATA(レストランヤマガタ、東京・銀座、洋食)

 restaurant YAMAGATA(レストランヤマガタ、東京都中央区銀座8-5-1 プフラザG8ビル2F、03・3575・1553)に行った。
 dancyu2007年5月号「日本一おいしい街 『銀座』美食案内」での紹介文の冒頭のくだり、同感だ。
 「おや、こんなところに、という店が数々隠れているのが銀座という街の面白さだ。クラブがひしめくビルの2階で営業している。この洋食店は、なんと大正13年の創業という。調理場では三代目の主人である山形直之さんが、自らフライパンを振っている」。


 
Yamagata1
 本当に、「こんなところに!」という店だ。人気があるというメンチカツを頼んだが、確かにおいしい。立地がよければ列ができるのでは、と思うようなおいしい店だが、銀座のはずれにあるので、予約なしで行っても、すぐに座ることができた。

Yamagata3
 つまみになるものも頼んでみた。ジャーマンポテト(840円)。
 今日は食事に来たのだが、ワインにおつまみ、でも十分満足できる店だ。

Yamagata2
 おいしいメンチカツ。dancyuから引用しよう。「よくこねた合挽き肉に、牛スジからとったゼラチン質が多いゼリー状のスープを混ぜてある。だから、さっくり揚がったメンチカツに箸を入れると、熱で溶けた肉汁がジュワッとあふれてくる」。
 
 この店、食べログの評価は★3つ。そうなのかなあ?★4つ、メンチカツなら★5つでもいいと思う。
 また行きたい店だ。

 営業時間は11:30~14:30、17:30~21:00(ラストオーダー)。
 定休日は、土・日・祝。

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美里ロイヤルゴルフクラブで高校同期のコンペ

 7月12日以来の高校の同期のコンペを美里ロイヤルゴルフクラブで行った。このゴルフ場は昨年1月17日以来。
 晴れたのだが、ちょっと寒かった。
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 成績はアウトが+1+1+1+1+3+0+3+0+1=+11で47。パット数は112341222。
 インが+2+2+1+1+0+3+3+3+3=+18で54。パット数は322222223。
 コンペの成績は13人中8位。
 2打目に1回、3打目に2回OBを打ったが、それぞれリカバリーはきちっと打てた。
 今日というか、最近の反省点はパーオンチャンスをものにできないこと。今日も100~150ヤードをきちっと打てばパーオンという場面で、すべて失敗した。ラフから打ったとき、グリーンに届かないことが多く、届かせようと強く打つと左方向に打ってしまう。
 同じ残りの距離でも、ラフとフェアウエーでクラブを変えるといった細かい対応が必要なのかもしれない。

 パットは距離感は良かったが、顔が早く動いたときは外した。4番、5番などがそれだ。
 
 ドライバーは弧を描くように大きく打つことを心がけたら、だんだん調子が良くなり18番ロングはドラコン賞を取れた。

 今年のここまでの平均スコアは昨年と同じ105.5。
 
 11月のラウンドはすべて100を切りたい。


 

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高校同期コンペ前日に赤羽ゴルフ場で朝練

 明日の高校同期コンペを前に、赤羽ゴルフ場に早朝練習に行った。
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 5時25分。まだ暗い。月が明るい。

Akabane101023_02
 5時35分。インの最初の組でスタート。ティーショットも一番。写真のように、まだ、完全に起きていないような状態で、一打目を打った。

 スコアは+1+0+4+1+1+1+3+1+2=+14で49。
 パット数は114221222。
 12番はティーショットがペナルティー。グリーンに乗ってからは、行ったり来たりの4パット。
 16番はアプローチが乱れ、+3に。
 18番は、それまで軽く打てていたアイアンがざっくり、打ち直しも左に行って+2。
 ボギープレーを目指したが、グリーンを狙うアイアン、グリーン周り、グリーン上で乱れた。

 ただ、パットは12番を除き、良い感覚で打てた。

 『書斎のゴルフ』(日本経済新聞社)VOL.3の北野正之プロの誌上レッスンが役に立った。

 カップから1mのところにあるボールは7回転ほどでカップに届く。その程度で入ってしまうのだ。7回転だけするようにボールを打てば、「打ち過ぎ」が避けられる。

 さらに2m、3mくらいの距離は1mの打ち方プラスフォロースルーでちょうど打てる。

 カップにまっすぐ打つためにはフォロースルーでヘッドをカップに向ける。

 次にロングパットの打ち方。
 ラインは描かない。仮想のカップを作って、そこに向かって直線的に打つ。

 ベストスコアを伊香保で出した時はまさに仮想カップに向けて打っていた。

 「打つ前に力を抜く」とうまく打てた。ただ、打つ時は意識して大きなフォームでしっかり打たないと、方向は乱れ、距離も出ないことが分かった。
 コツは「脱力→カッコ良く(フォームを意識)」かもしれない。

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箱根暁庵 銀座三越店(東京・銀座、そば)

 山梨県・長坂の「翁」などの店を手がけた蕎麦の巨匠・高橋邦弘氏監修の蕎麦処「箱根暁庵」が銀座三越に出店した。
 箱根暁庵のホームページによる、「箱根暁庵」の蕎麦の説明――。
 「箱根暁庵」では「蕎麦は原材料で決まる」との信念から、「吟味された素材」、「職人の技」、更にその味を引き立てる「おいしい水」にこだわっています。厳選された国内産の上質の蕎麦の実を石臼で自家製粉し、箱根・観音沢の水を使って、日々香り豊かな蕎麦を打っております。
 箱根店では、四季折々に変化を見せる観音沢を望みながら各種手打ち蕎麦と、「箱根山 暁豆腐」もご賞味頂けます。

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 箱根暁庵 銀座三越店(03・6228・6918)は11階のレストラン街にある。昼時に行ったので、混んでいたが、客の回転はいいようで、それほど待たなかった。
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 私が「暁」(2300円)、連れが「箱根」(1900円)を頼んだ。
 どちらもざる蕎麦・暁豆腐・焼き味噌はセットになっていて、「暁」は「暁」天(海老真丈の椎茸裏白揚げ)と車海老と季節の天ぷら、「箱根」は桜海老ときのこのかき揚げが付いてくる。

029
 二八そばはとてもおいしかった。

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 かき揚げ。

 お酒と暁豆腐、焼き味噌でくつろいだ後、ざる蕎麦。なかなかいい時間だった。

 喫煙不可。営業時間は午前11時~午後11時(ラストオーダーは午後9時30分)。


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主水(もんど)日本橋店(東京・日本橋、居酒屋)

 にほんばし島根館(東京都中央区日本橋室町1-5-3 福島ビル)内にある「主水(もんど)日本橋店」(03・3231・2213)に行った。

 ホームページによると、「食材の宝庫島根から、大自然にはぐくまれた豊富な食材を毎日直送し皆様に、島根の旬の味を提供させていただきます。山陰沖日本海の幸や、日本一のしじみの産地宍道湖の幸、自然豊かな山の幸も豊富に取り揃え、素材を大切にシンプル調理を心がけております。また島根は日本酒発祥の地、島根の杜氏が丁寧に仕上げた日本酒も豊富に取り揃えております」とのことだ。

 予約がなかなか取れない人気店だが夜9時過ぎに訪ねたので、少しだけ待って、入ることができた。
 
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 島根のブランドトマト、セレブトマト(680円)。
 与える水分をギリギリまで減らし、トマトの実のみに栄養を送ることで果肉ぎっしり、酸味と甘みのバランスのとれたトマトができたという。

017
 秋さばフェアでさばが安くておいしかった。さばの味噌たたきとさばのごま和え(どちらも950→780円)。
 う、うまい!酒に合う。

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 創作豆富料理。豆富ステーキ(580円)。

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 大山鶏の黒こしょう焼(780円)

 島根の味、good!
 群馬県も、ぐんま総合情報センタ-「ぐんまちゃん家」(東京・銀座)に、こうした店をぜひ併設してもらいたい。

 営業時間は昼11:00~15:00、夜17:00~23:00。
 無休。

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デジタル教育は是か非か?その(3)『デジタル教育は日本を滅ぼす』vs『デジタル教科書革命』

 田原総一朗著『緊急提言! デジタル教育は日本を滅ぼす』(ポプラ社)と、中村伊知哉、石戸奈々子著『デジタル教科書革命』(ソフトバンククリエイティブ)。2つの本は真っ向から対立する内容のようだが、よく読めば、相容れる部分が多いのではないかと感じた。

 中村伊知哉、石戸奈々子両氏は、NPO法人「CANVAS」の副理事長を務めている。
 CANVASは、「こども向け参加型創造・表現活動の全国普及・国際交流を推進するNPO」だ。本書でもアニメ教室、映像編集プロジェクト、音楽編集プロジェクトなどの紹介をしている。パソコンソフトやインターネットなどを使って、デジタルコンテンツを生み出していく子どもたちの様子を見ながら、二人の著者は、「デジタル・ネット時代のコンテンツは、この世代が生み出していく」と確信する。
 それだけに、デジタル教科書に対しても「恐らく詰め込み・暗記型の教育から、思考や創造、表現を重視する学習へと教育の中身にも変化をもたらすのではないか」と強い期待を抱く。

 だから、『デジタル教育は日本を滅ぼす』の中で田原氏がデジタル教科書について「音楽も聴けるし、算数の解き方もレベルに合わせて音声で解説してくれるだろう。それでもまだわからないことがあれば検索すればよい…つまり、問題を解く、正解を出すという作業が自己完結してしまうのである。これは便利で効率がよい。だが、実はこのことこそが問題なのである。…ネットの上で自己完結するこいうことにより、教師も学校もいらなくなってしまうのである」と述べていることに対して、強く批判する。
 「『デジタル教科書=ドリル』と『情報端末=電卓』で自習、という観念に縛られている」と。
 そして「コンピューターはとうに電子計算機を脱し、映像・音楽の創作・表現ツールになっている。コンピューターは世界中とつながるコミュニケーションツール。教育情報化は、これまでできなかった自己表現や創作を可能にして、先生や生徒が常時つながる中で、新しい教科書や教材で学ぶというものだ」と主張する。

 ただ、田原氏はデジタルメディアに疎いわけではない。iPadも購入し、使っている。
 「ネットニュースでは、同列に並んだトピックスの中から、自分の読みたい記事を選び指で大きくして読むことができる。…さらにニュースを読みながら、その感想をコメント欄に記入して他人に読ませることができる。他人の意見を聞くことができる。自分自身のブログとリンクさせて関連情報を書き込んだり、最近ではツイッターで感想を“つぶやく”人も多いだろう。このように『誰もがニュースを発信できる』というのもネットならではの特徴である」と、ソーシャルメディアにも言及している。
 
 そして、「デジタル教科書推進者は、単に映像や音声による学習内容の配信だけでなく、チャットやツイッターを交えて教師と生徒、または子ども同士が話し合い情報交換し合うこと。そのことによる効果的な学習というものを想定している」と、デジタル教科書が有力なコミュニケーションツールになりうるという意見があることもよく知っている。しかし、チャットやツイッター、メールなどのデジタルなコミュニケーションには限界があることを指摘するのだ。

 田原氏は司会を務めるテレビ朝日の「朝まで生テレビ!」のようにぶつかり合うことが本当のコミュニケーションであると言っている。
 「私は発想とかアイデアはぶつかる中でしか出てこないのではないかと思っている。ぶつかりは何かといえば、それがコミュニケーションであり、討論でもあるのだ」。
 田原氏はネットでなければコミュニケーションできない日本人が急増していることを指摘。フェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションの大切さを説く。

 ネットコミュニケーションはできても、面と向かって発言できない、フェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションが苦手な人がいるのは事実である。デジタル教育を推進する人たちは、こうした一般の人が持つような素朴な意見に反論できなければ、万人を納得させられないだろう。

 田原氏は「もし前向きに考えるなら、デジタル教科書の導入は教師のあり方を変えるチャンスでもある」とも言っている「『はい、正解』『間違い、次』とやっているならデジタル教科書があれば事足りてしまう」からだ。

 中村氏らも世の中に教育のデジタル化に対する不安があることはよく理解している。
 「急激な変化に対する不安もある。学校現場は対応できるのか、忙しい先生の負荷を増やすことにならないのか。情報化の予算は大丈夫か。そもそも情報化は子どもたちの学力向上に効果があるのか。子どもたちの成長にとってデジタル機器に危険なことはないのか。画一的な教育、無味感想な教育がはびこるのではないか。紙の教科書と黒板と先生による授業に勝るものはないのではないか……」。

 そして、「デジタル技術も、その上で使われる教科書や教材も、それを使った授業の手法も、開発途上だ。開発しながら、学校の現場で先生たちに試してもらいながら、生徒たちにも使ってもらいながら、よりよいものに進化させていく必要がある。不安を取り除いていく必要がある」と述べている。

 中村氏らはまた、「教育についての議論がされないまま教科書のデジタル化だけが一人歩きを始めています。今こそ、教育について真剣に考えようではありませんか」との田原氏の指摘も認め、「デジタルの技術うんぬんの前に、学校をどうする、教室をどうする、先生をどうする、教科書の中身をどうする、といった『アナログ』の問題が大事になる」とも書いている。


 中村氏らはデジタル教育の理想形を描くのに対し、田原氏は、「ゆとり教育」でさえ混乱した教育現場を見て、極めて現実的な意見を述べている、と見ることもできる。

 たとえば、中村氏らは「デジタル教科書+情報端末」は1.自ら作って表現する創造力・表現力を養う、2.教室でも校庭でも先生・生徒とつながって共有する、3.世界とつながり多様な知識と価値観を得る、というメリットを追求するもの」と言うが、「検定・採択」といった仕組みがデジタル教科書にも引き継がれれば、自由に世界とつながることはできないだろう。検定でOKの出た情報とだけつながるという閉鎖的な世界がむしろ構築されるのではないか。
 また、現場の教師の力量が伴わなければ子どもたちに「創造力・表現力」が養われるかどうかも疑問だ。
 予算も限られた中では田原氏が想定するような「電卓のような」電子教科書が出現する恐れは十分ある。

 中村氏らが描くデジタル教科書の理想形を実現するためには、関係者の理解、熱意を得たうえで莫大なおカネを投入する必要がある。中途半端な形で電子教科書が導入されると、とんでもないデジタル教育になってしまうのではないだろうか。


 『デジタル教科書革命』については、はっきりしない点もあった。ITリテラシーを養うデジタル教育は必要だと思うのだが、それがどう電子教科書とつながるのかが、明確ではない。

 世の中の本がすべて電子書籍にならないであろうと予想されるように、教科書をすべて電子に置き換える必要が本当にあるのか(中村氏らは並存を認めているが)。ITリテラシーを養う教育と電子教科書がどうつながってくるのかが、いまひとつ分からなかった。

 しかし、「ゆとり教育」でさえ混乱した教育現場だ。デジタル教育と言われて慌てふためかないように、さまざまな実験を繰り返す必要はあるだろう。
 そうした実験をも否定するような「デジタル教育は日本を滅ぼす」といった本のタイトルは、いただけない。
 恐らく本を売らんがために出版社がつけた営業的色彩の濃いタイトルなのだろう。このタイトルが一人歩きすることを中村氏らは危惧したのだと思う。
 
 このタイトルを除けば、建設的な内容の2冊だった。
 教育や教育分野でのデジタルの活用に大いに関心を持つことができた。

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デジタル教育は是か非か?その(2)中村伊知哉、石戸奈々子著『デジタル教科書革命』(ソフトバンク クリエイティブ)

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デジタル教科書革命

  中村伊知哉、石戸奈々子著『デジタル教科書革命』(ソフトバンク クリエイティブ、2010年10月7日発行)を読んだ。
 
 本書によると、「2010年、教育の情報化が急速に動き始めた」。
 「きっかけは2つある。まず、政権交代後、政府が力を入れ始めたこと」「もう一つは、新しいデバイスが一斉に登場してきたこと」だ。

 とはいえ、「日本は動きが遅かった。デジタル教育の後進国と言ってもよい。アメリカ、イギリス、ポルトガルなどが力強い足取りを見せている。さらに、韓国やシンガポールは2012~2013年にデジタル教科書の本格利用を予定しており、世界をリードする。日本の7~8年先を行く」。

 「そこで2010年7月、教育のデジタル化を推進する母体『デジタル教科書教材協議会』が発足した」「本書の著者である中村・石戸らが事務局を務める同協議会は、文部科学省や総務省など政府関係者と意見を交換するとともに、内外の教育分野の研究者や全国の学校の先生たちとも連携して活動していく」と言う。

 「紙には紙のよさがある。黒板には黒板のよさがある。そろばんには電卓にないよさがある。だが、デジタルにはデジタルにしかできないことがある。それを使いながら、次の世代の教育を作ることはできないか。日本は今、その入口に立つのかどうか、ということが問われている」。
 それを考えるきっかけとして、両氏は本書を執筆したと言う。

 本書によると、前東京大学総長の小宮山宏デジタル教科書教材協議会会長は「知識が爆発的に増加して、処理しきれなくなっている。これが教育に影響を与えないわけがない。その多くがICTを活用することで解決される。デジタル教科書は理科、英語、芸術などの教育に有効だ」とし、「世界でデジタル教科書の取り組みが進む中で、ピッチを上げないと間に合わない。せめて2015年には全国の小中学生に普及させるべきだ」との考え方を示していると言う。

 教育情報化のメリットの第一は、「コンテンツやアプリケーションがデジタル化することでもたらされるメリット」。
 ・わかりやすくなる。
 ・楽しくなる。
 ・繰り返せる。
 ・創作、表現がしやすい。

 第二は、「情報端末とネットワークがもたらすメリット、『つながる』ことの効用」。
 ・共有できる。
 ・世界の知識を得られる。
 ・世界とコミュニケーションできる。
 ・どこでも学べる。
 ・個別に対応できる。

 「効率性」に着目する意見もあると言う。
 「黒板を電子黒板に変えることによるマルチメディア性と高速性、教科書やノートをタブレット端末に変えることによるハイパーリンク性といったものを活かし、授業を非常に効率化できる」。

 本書では、世界でのデジタル教育がどこまで進んでいるかをリポートした後、日本での先進的な取り組みも紹介。デジタル教育に必要な電子書籍端末や電子機器、教育用アプリケーション、デジタル教材についても概観する。

 たとえば、電子黒板。
 「電子黒板は、海外では一般的に『インタラクティブボード』と言われている。黒板ではなく、白板、ホワイトボードの進化の中で誕生してきたものである」「電子黒板市場が拡大する大きな契機となったのは、イギリスが国を挙げて電子黒板の導入に力を入れ、実際に学校導入数でほぼ100%、教室導入数で言えば8割以上の教室に導入したことであった」。
 「電子黒板を中核に置く意味は、電子黒板が授業で先生と生徒の『対面コミュニケーション』を活性化するところにある。タッチ・インタフェース。手書きで板書ができる。教科書や資料、児童のノートまで、ありとあらゆるものを教材として大きく映し出せる。画像や音声、動画、アニメーション、3Dなどマルチメディアを駆使できる。教師が自分でマルチメディア・コンテンツを作成できる。電子黒板のスペースは無限にあり、どんどん記録し、再利用することができる」。
 
 ここまで読み進んでくると、電子教科書が教育現場に入ってくるイメージがかなり鮮明になってくる。
 では、どのように教育情報化を推進していく考えなのだろうか。
 
 課題はたくさんあるようだ。

 まず、開発面。
 「基本的な課題は、子どもたちが使う情報端末も、デジタル教科書や教材も、学校におけるネットワーク環境も、いまだ圧倒的に不足しているか、そもそも存在していない、という点だ。端末も教材もクラウド環境も、これから創り出し、改良に改良を重ねていかなければならない」。

 普及面の課題。
 「まず、デジタル教科書・教材を指導にうまく活用できない教員への対応だ」「教員サポート体制も重要な課題だ」「校務の情報化も大切」。
 「現場に普及のドライブがかかるためには、現場から『是非とも情報化を』という声がわき上がらなければならない」。
 「制度の問題もある。既存の諸制度、特に教科書検定制度や教科書無償供与制度、著作権の問題については、デジタル教科書教材を普及させるに当たり、処理しなければならない課題となる」。

 おカネの問題。コスト負担。
 「学校のICT基盤の整備が遅れた原因は予算措置のあり方にあるという意見が強い。整備予算が『地方交付税交付金』であり、ヒモつきでなく地方自治体の裁量があるため、もともと積算されている額のとおりに実行されず、他の用途に振り向けられてしまうという実情がある」「地方のことは地方に任せよ、という地方分権のトレンドの中で、どう全国版との折り合いをつけていくか。悩ましい問題だ」。
 「予算制度の問題もある。日本は物品購入には予算がつくが、通信費・保守・メンテナンスには極めてハードルが高い」。
 「1台数万円はかかる情報端末を整備し、学校のネットワークを整備し、たくさんのデジタル教科書を配布する。相当な金額の予算措置が必要だ」。

 こうした課題をクリアするためには、何よりもまず、デジタル教育やデジタル教科書に対する社会全体の理解を深める必要がある。

 ハードルは低くない。

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デジタル教育は是か非か?その(1)田原総一朗著『緊急提言! デジタル教育は日本を滅ぼす』(ポプラ社)

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デジタル教育は日本を滅ぼす

 田原総一朗著『緊急提言! デジタル教育は日本を滅ぼす』(ポプラ社、2010年8月25日発行)を読んだ。
 本書の狙いは「教育についての議論がされないまま教科書のデジタル化だけが一人歩きを始めています。今こそ、教育について真剣に考えようではありませんか」という田原氏の言葉に言い尽くされている。
 「デジタル教育は日本を滅ぼす」というセンセーショナルなタイトルがついているが、「デジタル教科書が導入される前に、あらためて教育とは何か、教育論を徹底的にやらないと、これからの日本はもっと大変なことになる」と田原氏は言っているのであって、デジタル社会やそれへの対応を必ずしも否定しているわけではない。

 第3章「迷走した戦後の教育改革――『詰め込み』から『ゆとり』へ」、第4章「見直される教育改革――21世紀型新時代の教育へ」はデジタル教科書や教育のデジタル化の前提となる教育について考えを深めるための役に立つまとめとなっている。

 77年6月、文部省は新しい学習指導要領を発表する。「これまでとは大きく方向性を変え、偏差値至上主義ともいえる『詰め込み型』から『ゆとり型』へと転換するものであった」。
 しかし、84年8月に中曽根首相が「臨教審」を発足させる。「77年に学習指導要領を改訂したものの、教育の現場が何も変わっていない。文部省に任せていたら、何もよくならない。そこで臨教審は文部省のやりかたを根本的に変えて、もっと自由で、個性に応じた教育をやらせようというのが意図だったのである」。

 ところが「『臨教審』による教育改革は、結局、文部省にも、日教組にも、教育委員会のあり方にも手をつけない。つまり制度には触らず、『子どもの個性を重視する』というところだけが、進められていったのである」「最初は規制緩和でいろんな個性的な教育をする、そのために制度も変えるという趣旨だったのが、いつの間にか生徒個人の個性尊重ということになってしまった」という。

 1989年2月、文部省は小・中・高校の新しい「学習指導要領」を発表。「画一的詰め込み教育の批判に応えて、個性重視で生徒の適性や希望に応じた時間表の編成やきめ細かな指導が指示されていた」。

 1998年11月に、文部省は2002年度から実施される「学習指導要領」案を公表した。「教える内容を約3割減らし、年間授業の8割ぐらいの時間で指導できるようにすること、多様なテーマに目を向け、自ら考える力を養う『総合的な学習』の時間を、小学校3年生以上に新設すること、課題・教科選択を小学校高学年の段階から拡大すること、特色のある教育ができるように、授業時間を伸縮できるようにする。そして『週5日制』にすることを前提としたものであった。つまり『新学習指導要領』は89年版をさらに大きく発展させたわけである」。

 「だがまさにこの時期から、まるで『新学習指導要領』の公表を待ちかねたように、『ゆとり教育』批判の火ぶたが切られたのである」。
 
 「2001年4月、小泉純一郎氏が首相になって、文部官僚出身の遠山敦子が文部科学大臣に任命された。そして02年1月17日、全国都道府県教育委員会連合会の総会で、『学びのすすめ』というアピールを発表した。その内容は、まさに新学習指導要領の方向転換であった」。

 中曽根『臨教審』から18年間の教育改革について、田原氏は教育現場に近い人たちの評価を聞く。
 「政策転換自体は間違っていないが、それがゆとりと表現され、個性化とか多様化とか、子どもの主体性とかいう一面的な方向に行ってしまった。それは文部省や審議会委員の政策転換についての理解が非常に浅かったためです。しかもその一面的な理解が、さらに歪んだ形で教育現場に下がってしまった」(中井浩一氏)。
 「総合的な学習の時間という理念は優れているが、現場ではまったく対応できていない」(北村則行氏)。

 「2006年9月、安倍晋三首相が誕生。同年12月15日に、新教育基本法が成立した」。
 「翌07年、教育改革の具体策として、教育3法が成立した。中核となったのは、教育再生会議である」。
 「2007年8月30日、文部科学省は学習指導要領改定の基本的な考え方を、中央教育審議会の教育課程部会と小学校部会にそれぞれ示した。学習指導要領の主な狙いは、まさに『脱・ゆとり教育』だった」。

 この教育改革に対しては批判が多い。

 京都造形芸術大学の教授を務める寺脇研氏は言う。
 「小渕さんは途中で挫折してしまった中曽根臨教審を引き継いで、徹底的に詰めようとしていたのですが、教育改革国民会議を3回開いただけで不幸にして倒れてしまい、無念の死を遂げてしまった。中曽根臨教審に欠けていた『公』という最も大事な要素を入れようとして果たせなかった。そして、森喜朗が首相となり『公』があっという間に『国』となり、森首相は若き頃からの政治信条である、教育基本法改正に突っ走ってしまった」。
 
 「百ます計算」などの陰山メソッドで全国的に名前を知られる立命館大学教授兼同小学校副校長の陰山英男氏は「教育に関することはリアリズム、つまり現実主義でなければならないのに、実態をわかっていないままに改革などをやってしまうから、とんでもないことになってしまう」と語る。

 田原氏は日本の教育改革と現場の混乱を振り返りながら、「今の教育は『正解』のある問題を解くことを求めるばかりである。小学校、中学校、高等学校や大学まで正解を求め、誤りを排除するという教育ばかりをやっている。実はこの教育こそ大きな誤りで、社会に出れば正解などほとんどない」とする。

 しかし、本来、ゆとり教育と言われていたものを、ようやく教育現場が理解し、コミュニケーションや想像力をかきたてる教育が現れてきたと田原氏。ところがそのタイミングに、電子教科書の導入という話が出てきたため、「下手をするとまったく逆効果になりかねない」と危惧する。

 田原氏がデジタル教科書に対して危惧を抱くのは「問題を解く、正解を出すという作業が自己完結してしまう」「ネット上で自己完結するということにより、教師も学校もいらなくなってしまう」という点だ。

 田原氏は電子教科書について深く考察しているわけではなく、教育のデジタル化が今の「誤りを排除し、正解を求める教育」のデジタル化であれば、流れと逆行すると説いているようだ。
 
 教育のデジタル化、電子教科書について前向きな評価をする人たちにとっては、田原氏の電子教科書に対する見方が一面的との批判もあろう。だが、売れない雑誌をそのままデジタル化しても売れないように、デジタル化が効果をもたらすのは、デジタル化の対象自体をデジタル化を契機に意義のあるコンテンツ、サービスに改革していくことが大前提になる。

 教育のデジタル化を成功させるためには教育改革について真剣に考えることが、やはり、必要なのだと思う。

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銀之塔本館(東京・銀座、シチューとグラタン)

 銀座の老舗洋食店、銀之塔本館(東京都中央区銀座4-13-6、03・3541・6395)に行った。

 銀之塔のホームページによると――。
 銀之塔は昭和30年開店のシチュー専門店です。
 現在に至るまでメニューはシチュー、グラタンのみ。歌舞伎座近くに店を構え、多くの役者がひいきにしてきたシチューは創業当時から変わらぬ味です。
 手間をかけて丁寧にアクを取り、何時間も煮込んだシチューは、お肉が箸で切れる程やわらかく、コクがあるのにしつこくないすっきりとした味に仕上げております。テーブルにはグツグツ煮立った土鍋でお出しします。パンではなく、ご飯と小鉢3品、お漬け物が添えられた、あくまで「和」な味わいのシチューです。
 シチューはミックス、ビーフ、タン、野菜の4種類をご用意しております。
 そしてもう一品。グラタンは、エビと椎茸が入ったクリーミーなホワイトソースの上に、パルメザンチーズをたっぷりのせて香ばしく焼き上げております。
 おすすめは”ミニセット”。シチューと一回り小さいグラタンをセットにした、女性でも気軽に食べていただけるメニューです。
 蔵を改造した店内は落ちついた和風の空間です。かつての金庫の鉄扉がそのまま残されたレトロな雰囲気の中で、心ゆくまでお食事をお楽しみください。

 dancyu2007年5月号「日本一おいしい街 『銀座』美食案内」によると、「店名をフランス語にすると”トゥール・ダルジャン”。1955年創業のこの店は、当時三ツ星だったパリのレストランにあやかり命名された」という。

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 小鉢3品とお漬物。シチュー(2500円)にもグラタン(1800円)にも必ず付く。

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 ビーフシチュー。3日ほどかけて仕込まれたデミグラスソースを元に、伝統の味をそのままに丹念に作っている。
 肉がやわらかい。懐かしい味。

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 グラタンは小さいが味が濃厚でおいしい。

 飲み物は、ビール<中>600円、ワイン<赤・白/フルボトル>3000円~、ワイン<赤・白/グラス>500円、日本酒600円。

 営業時間は11:30~21:00(ラストオーダー 20:30)。
 年中無休(年末年始除く)。

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茶・銀座 うおがし銘茶銀座店(東京・銀座、日本茶専門店)

 東京・築地の日本茶専門店、うおがし銘茶が、銀座でお茶を楽しめるスペースを確保してくれた。
 茶・銀座 うおがし銘茶銀座店(東京都中央区銀座5-5-6、03・3571・1211)だ。
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  2階で煎茶、3階で抹茶が楽しめる。1階では茶葉を販売する。

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 今回は2階で煎茶を楽しんだ。500円で煎茶とお菓子が楽しめる。

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 この日は秋出し茶。
 説明書きをいただいた。
 春先に厳選して摘んだ宇治の茶葉を
 涼しい環境で大切に保管しておきました
 さわやかな若々しい新茶の香りは 
 夏を越え 秋には花のような甘い香りに変化します
 やさしい やわらかいという印象の宇治茶ですが
 うおがし銘茶がつくると宇治茶はこうなります
 春には味わえない 秋出しのとっておきにお茶です。

 10月16日(土)発売
 宇治茶特等「はんなり」 70g 1,050円

 喫茶室ではこのお茶と、京都松屋常盤のお菓子「紫野 味噌松風」を楽しむことができた。
 おいしかった。帰りに買って帰った。1回(二人分)5gなので、結構飲める。

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 デザインはモダンだが、茶店のようにくつろげる。
 
 たまに本を読みに来たい。

 営業時間は11:00 - 19:00(喫茶室は18:00まで)
 月曜定休。

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増田幸弘著『プラハのシュタイナー学校』(白水社)

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プラハのシュタイナー学校

 増田幸弘著『プラハのシュタイナー学校』(白水社、2010年6月30日発行)を読んだ。

 著者の増田氏の家族4人は2006年4月、チェコの首都プラハで暮らし始めた。プラハで子どもたちを通わせる学校として選んだのが日本ではシュタイナー学校として知られるヴァルドルフ学校だった。
 子どもたちにとっては言葉がまったくわからないチェコの学校に入ることだけでも相当なプレッシャーだったと思うが、さらにシュタイナー学校と言われる個性的な学校に通うことになった。
 「思春期を迎えた子どもたちの教育環境を変え、ばらばらになりかけた家族を再生する舞台として、この街をあえて選び、移り住んだ」という著者の勇気、父親としての責任感の重さには敬意を表するが、それ以上に新しい環境に順応し、さまざまな問題を乗り越えていった、子どもたち二人に敬服する。

 この本はそんな「信じられないドラマ」をありありと伝えてくれるものの、決してプラハのシュタイナー学校の珍しさだけをリポートしているわけではない。教育の本質や日本の教育のあり方を深く考えさせてくれる。
 
 シュタイナー教育は、「人間の成長を7年周期でとらえたうえ、年齢に応じた教育をすべきであるとする」「第一期は0~7歳で、人間にとって意志の成長が育まれる時期とされる。同様に第二期(7~14歳)は感情の成長、第三期(14~21歳)は思考の成長の時期にあたる」。

 「プラハのシュタイナー学校では小等部の5年間は第二期に、中等部の4年間は第二期のまとめと第三期への移行期にあたるわけだ」。
 
 長男のヒラク君が日本と同じ学年にあたる7年生、長女のツドイちゃんが1学年下げた4年生に転入した。
 
 「シュタイナー学校には教科書というものがない」「黒板に先生の書く文章や図、絵などを写すノートがそれに代わる」「このノートは多彩な色画用紙を表紙に、罫線のないわら半紙をホッチキスで綴じたシュタイナー学校特製のものである」「あたらしいエポック(集中授業)がはじまるときなどに、先生から配られる」。

 「シュタイナー学校では最初の1時限目、エポックと呼ばれる独特の授業ではじまる」「算数なら算数、歴史なら歴史と、同じ授業を毎日、1ヵ月程度続けるのである」「エポックの授業は8時30分から10時30分までのたっぷり2時間」。

 日本の授業では「公式や年号、人名、漢字など、授業を通じて多くのものを覚えていく必要がある。学習する内容をしっかり覚えなくてはならない『記憶型』と呼ぶべき授業」「学んだことをきちんと覚えているかどうかのテストがあり、その結果にもとづいて成績がつけられる」。
 しかし、「シュタイナー学校で導入されているエポックは、その逆に『忘却型』というべきものである」「子どもたちが忘れてしまうことを前提に授業をしているのだ。授業中もなにかを覚えておくようにとは言われないし、覚えたかどうかを確認するためのテストもない。忘れていくなかでも、本当に大切なことや興味深いことなどはしっかりイメージとして記憶に刻み込まれる」「大切なのは、ずっとそれを忘れないようにすることではなく、いかに思い出すことができるかである」。

 例えば、古代ローマ帝国の歴史を学ぶエポック。「小学校6年生の授業なのでローマ帝国の大枠が伝わればそれでよさそうなものだが、日本で使われている高校生向けの世界史の教科書よりも細かく、深い内容まで教えている。それでも生徒は音を上げることはなく、興味を持って授業を受けていた。…授業に出てくる年号や人名、地名などを記憶することは求められていないからだろう。…あくまで歴史の流れがつかめればそれでよいのだ」。

 「シュタイナー学校の教え方は、先生に求められるものがおのずと大きくなり、レベルも高くなる」「教科書を使わないため、内容も質も先生次第だ」「うまくいけばイメージが流れるように子供たちの頭の中を駆け抜けていくことだろう。しかし、もし中途半端な付け焼き刃の知識で授業に臨んだら、授業の内容は支離滅裂なものになりかねない」「一筋縄ではいかない、むずかしい授業なのである」。
 「こうした困難に立ち向かう原動力は、教師と言う職業に対する高い意識と、親が子どもを育てるような熱意や信念にある」。
 「シュタイナーの考えた教育論とは、結局、教師という職業の心髄なのではないだろうか」。

 シュタイナー学校は生徒を数字で評価しないのも特徴だ。
 「通知表にも数字による評価はなく、なにをどのように理解し、問題はどこにあるかなどが具体的に言葉で示される」
 日本のように「テストで何点とるかよりも、なにをどのように理解したのか、そして理解していないのか、自分で知ることを重視しているのである」。
 日本では二人の子どもはテストの点数が悪いと、親に隠していたらしいが、「本当はできなかったテストを見直し、なぜ間違えたのか、なにが理解できていないのか、確認していくべきなのである」。

 シュタイナー教育では父母が積極的に教育に参加する。
 父母会は、「この学校では月1回という、父母会にしては頻繁と思えるペースで開かれ、しかも時間をかけていくつもの話題について話し合う」。

 増田氏は「シュタイナー学校というのは実は教師と親のための学校ではないかと感じることがある」と振り返る。「それはシュタイナー教育というものが、学校や教師からなにかを一方的に与えられるものではなく、学校という場で教師と親と子どもが一体となってつくっていくものだからなのだろう」。
  
 なぜ、日本を離れてプラハで学ぶことになったのか、チェコ語にもがき苦しみながらも克服していく二人の様子、理想と現実のズレとそれを埋めようとする教師の努力などにも心が動かされた。

 増田氏は最後に言う。「いつしかなかなか先の見通せない時代になった。そんななか、ぼくら4人の家族が日本を離れ、プラハの街で一緒に暮らした日々は、かけがえのないものだったはずだ。ヒラクとツドイの2人がプラハのシュタイナー学校で学んだことは、これから先、きっと生きる支えになっていくことだろう」。

追記2015.5.5)増田氏の著書『棄 国ノススメ』(新評論、2015年3月11日発行)を読むと、すべてがうまくいったわけではなかったことがわかる。

 「クラスに溶け込んだのは喜ぶべきことのはずだった。しかし、実際にそうなってみると、思ってもいない事態に陥った。子どもたちはまるで自分がチェコ人になったかのように振る舞いはじめたのである」「なにをするのも自由だとばかりに、勝手気ままに自己主張を繰り返したのである。チェコのよさだと思っていた素朴さは、裏を返せばワイルドで、粗雑なことだった」。

 「プラハという街と、シュタイナー学校のもつ自由な雰囲気が子どもたちにうまく作用し、日本の学校に通ううちに萎縮していった心が少しずつときほぐされ、のびのびしはじめた。しかし、いつしか自由のもつ毒牙にすっかりあてられ、自分で自分を抑えられなくなっていた」

 増田氏自身も、ストーカーに執拗に追い回され、外国人ということで、仕事で理不尽な扱いを受け、プラハを離れ、スロヴァキアのブラチスラヴァに移り住む。そこで、「第三の目」を持ち、『棄 国ノススメ』を書くに至る。『棄 国ノススメ』の冒頭にある10の『棄 国ノココロガケ』は彼でなければ書けないリアリティのある見方であると思った。 

 しかし、国に対峙することもなく、会社でのうのうと定年まで勤め上げようとしている私には、増田氏の書いていることをきちんと理解する経験が不足していると思わざるを得ない。これから定年を迎え、会社という「保護者」を失って、はじめて、見えてくるものがあるのかもしれない。 

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坪田知己著『人生は自燃力だ!! 私の日本経済新聞社生活37年』 (現代プレミアブック)

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人生は自燃力だ!! 私の日本経済新聞社生活37年

 坪田知己著『人生は自燃力だ!! 私の日本経済新聞社生活37年』 (現代プレミアブック、2010年10月7日発行)を読んだ。

 坪田氏は、2009年12月末、日本経済新聞社を定年退職した。37年と9ヵ月、日経に勤めた。
 「私は1994年からの約16年間、会社の枠組みを上手く使いながら、やりたいことをやり抜きました。会社から押し付けられたものではなく、すべて自分の考えで自分の仕事をしてきました」と坪田氏。「何事にも前向きになれるよう、自らを促し、その気持ちを持続・発展させることができました」と言い、この推進力を『自燃力』と名付け、この本のタイトルとした。
 「この本では『創造型サラリーマン』になるための『自燃力』を得てもらうために、私が学んだこと、経験したことを書きます」と言う。

 坪田氏を個人的にも知っているので楽しく読むことができた。
 
 第一章で、坪田氏はデジタルメディアにかかわるようになったきっかけを次のように語る。
 「私の転機は、1981年にアルビン・トフラーの『第三の波』を読んだことです。同書には『メディアは全てデジタルの世界に入っていく』と書かれていました。実際、1986年にパソコン通信に出会い、『第三の波』で受けた衝撃は確信に変わりました」「さらに1989年から2年間、私は日経BP社で『日経コンピュータ』誌の副編集長を務めました。その間、ハイパーテキストの概念をまとめた情報工学の開拓者、テッド・ネルソンらデジタルメディア界の巨人たちにインタビューをするなど、デジタル世界の地検を深めました」「1994年に日経新聞に復帰して経営計画の担当になってからは、デジタルメディアに関する自分の確信と知識をフルに使って、日経新聞という経済メディアがデジタルで発展する基盤を創ろうとしてきました。そして『日経新聞・電子版』の前身と位置づけられるニュースサイト『NIKKEI NET』の立ち上げや、米国のインターネットプロバイダー、AOL(アメリカ・オンライン)との提携を手がけました」。

 NIKKEI NETはさらに電子新聞へとつながっていく。
 2005年8月中旬、杉田亮毅社長(当時)から「デジタル事業の核として有料制の電子新聞をスタートさせなくてはならない、と私は考えている。ただ、ひとつ悩んでいることがあるんだ。電子新聞の立ち上げにあたって、現在の『NIKKEI NET』の部隊にやらせるべきか、電子新聞の新しい部隊を創るべきか――」と相談を受けた坪田氏は、「編集局を軸に、新しい部隊を創るべきです」と答えたという。
 「電子新聞プロジェクトは、年間数百億円の収入を生む、今後の会社経営の命運を握る一大計画だと私も社長も考えていました。この『社運が懸かっている計画』という意識を社内に浸透させるためにも、ものづくりの中核である編集局の記者がプロジェクトに参画することは必須でした」。
 「私が社長に呼び出されてから7ヵ月後の2006年3月、無料の『NIKKEI NET』を発展・継承させた有料の電子新聞プロジェクトがスタートしました」「開発スタッフは当初十数人でのスタートでしたが、『日本経済新聞・電子版』創刊時は200人近くになりました」。

 この章で、坪田氏は、いま話題になっている日経電子版とのかかわりを中心に、日経でしてきた仕事について語っているが、「日経デジタルコア事務局代表幹事、日経メディアラボ所長」の印象も強い。社外で幅広いネットワークを構築して、新聞記者としての活動だけでは得にくい種類の情報や知見を集めていたからだ。
 2003年から2010年3月まで慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特別研究教授も務めるなど、その目はいつも、社内よりもむしろ、社外に広がる世界を見ていた。
 
 坪田氏のこうした経歴も知ったうえで、本書の大部分を占める坪田氏の「創造型サラリーマン論」を読むと、実践に裏打ちされた坪田氏の言葉が力強く伝わってくる。

 会社と社員との関係はどう変わっていくか。
 「企業が情報を独占できる時代は終わりを迎えつつあります」「トップを頂点にしたピラミッド型の構造は今後、現場の社員を頂点にした逆ピラミッド型の構造へと『さかさまになっていく』」。
 「個人が会社に対して優位に立つ時代は来ると思います。会社が上で社員が下、という常識は会社が『さかさまになる』これからの時代、必ずひっくり返るでしょう」。
 
 第二章で、坪田氏は「人生を貫く『覚悟』がなければ『自燃力』は維持できません」とし、その覚悟をどう形作っていったかを語る。
 「世に生を得るは事を成すにあり」という坂本龍馬の言葉を引用し、「『自分なりに成果を挙げた』という満足感で、世を去りたい」と言う。 

 「会社に命じられるもの」が仕事なのではなく、「生きていることが全部仕事」であるとも言う。
 同時に「生きていることの全部が遊びだ」とも本音を漏らす(笑)。

 第三章「『信念力』で仕事をする」では、なぜ「44歳の時から定年までの約16年間を『自分の好きなことだけやる』で通せた」かの秘密を明らかにする。
 「広く世界をながめ、時代を認識する。…そこに布石を打っていけばいいのです。やがて会社は、自分が布石を打ったところに入ってきます」。
 「命をかけるべき信念を築き、信念に沿って仕事をしていればチャンスが訪れる。チャンスを最大限活かすために、勉強をしてポジションを確立する。一度ポジションを確立しさえすれば、仕事は抜群に楽しくなります」。

 第四章「『知識力』を磨け」
 「『会社』ではなく『自分』との関係を作り上げる上で『知識力』は不可欠」で、知識力をつけるためには、いい本を厳選して読むことが必要と坪田氏は言う。そして、7冊の「人生の書」を紹介する。
 
 「『知識力』がどこまでついたかを確認する」ために、論文や本を書いたと言う。
 「本や論文を書くには、論理構成がしっかりしていて、事実確認ができていなければなりません。単に『知っている』程度の知識ではダメなのです。こうした訓練が、知的能力を向上させますし、それを世の中に問うことで、自信がつきます」。
 
 「また、講演などを聞く時に、ノートの左側には講演内容の要点をメモしますが、右半分には、そこで思いついたこと、講師への反論などを手短に書いています」「このようにメモのとりかたひとつでも、自分らしく独自の工夫を加えて、自分のスタイルにしていくことは、知識力をつける基礎になる」。

 第五章「『つながり力』を拡張しよう」
 「『つながり力』の強みは、人を介して仕事がどんどん広がっていくこと」。 
 これこそが坪田氏の最大の強みではないかと思う。

 第六章「豊かな人生のために」
 会社が与えてくれる役割に満足し、「自燃力」を持たないサラリーマンは退職すると行き場がなくなると坪田氏。
 「自分らしい仕事の仕方、生活スタイルを作った『自燃力』のある人が豊かな老後を楽しめるのです」。
 
 坪田氏は定年退職を機に、「フリーエージェント宣言」と銘打ち、仕事を受けるためのホームページを立ち上げたと言う。「自分の過去の経験を活かして、①メディアビジネスについてのアドバイス②地域活性化のアドバイス③商品開発のアドバイス④本の編集⑤『創造型サラリーマン』への研修・講義――を『できること』として列挙しています」。定年退職者はみなフリーエージェント宣言をすればいいと思う。

 カバーデザインは、出版社が新聞をこよなく愛していた坪田氏のためにデザインしたのだろう。
 ただ、坪田氏のような生き方をする人は、個性あるジャーナリストが多いと思われている新聞社の中でもそう多くはないと思われる。

 しかし、これから時代が大きく変わり、坪田氏が予想するように会社と社員の関係が逆転する時代が来れば、坪田氏流の自分を活かす生き方こそが、サラリーマンのスタンダードになるに違いない。

 そんな世の中になることを私自身も期待してしまう。

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夏野剛著『グーグルに依存し、アマゾンを真似るバカ企業』(幻冬舎新書)

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グーグルに依存し、アマゾンを真似るバカ企業
 夏野剛著『グーグルに依存し、アマゾンを真似るバカ企業』(幻冬舎新書、2009年7月30日発行)を再読した。
 
 この本で夏野氏が言いたいことは、「まえがき」でほぼ言い尽くしている。
 「アマゾンやmixiのように成功する企業が現れると、同じように、新しいウェブの技術を駆使しさえすれば、自分たちのビジネスもうまくいくに違いないと思ってしまう企業が多すぎる」「確かに、IT革命がもたらした情報流通の超高速化は経営環境の変化を加速させた」「だからといって、『ビジネスにインターネットを使えば何もかもが成功する』と考えるのは大きな間違いだ」「世界有数のネットワークインフラを持ち、高機能なケータイ端末を使いこなす日本人が、ITビジネスの世界ではアメリカにいかに後れをとっているか。ひとえに、ITビジネスを理解し、牽引していくリーダーが各々の会社に存在していないからだとしかいいようがない」。

 第一章で夏野氏は「日本ではウェブの価値、そしてウェブビジネスの本質を誤解している企業があまりにも多かった」と指摘する。
 「一番ありがちで大きな過ちは、『リアルビジネスとウェブビジネスは別物』という考え方だ。実は、ウェブやITというのは、単なるツールにすぎない。つまり、自分が手がけている商売の本質は、ウェブになっても何ら変わらないのだ。なのに、世の中はインターネットが一般的になったから何かやろうという安易な発想でウェブビジネスを始める企業が多すぎる」「ウェブで儲からない人は、もともとリアルビジネスも儲かっていないケースが多い」。

 「既存の商店から、ウェブでも事業を始めたい、と相談を受けた際、私は必ずこう言うことにしている。『まずは、リアルの世界でやっていることは、すべてウェブでもやってください』 その上で、ウェブは実店舗でできないようなことがたくさんできるので、それを志向してくださいと」。
 例えば、個人情報を先に登録させるサイトはダメ。「リアル店舗であれば、先に買い物をさせて『こういった特典があるからメンバーになりませんんか』と勧誘するのが当たり前だというのに、ネットはその工程が逆になっている」。
 
 カニバライゼーションを恐れてインターネットビジネスに二の足を踏む企業も多いことも問題だという。「経営者としての視点が圧倒的に狭すぎると言わざるを得ない。自分の会社の商品の中で、自分の会社の売り場との比較でしかものを考えていないからだ」。

 夏野氏はさらに、iPhoneのようなプロダクトは日本で生まれないと言う。iPhoneのようなプロダクトはハードウェア技術者の発想からは生まれないから、「その上のリーダーがプロダクトの使命を知り尽くした指令を出す役割を追うべきなのだ」が、「日本企業の場合、リーダーがビジネスのディテールを知らない、あるいはディテールを知らなくてもリーダーが務まってしまう組織構造だから」、「ソフト、ハード、そしてビジネスモデルも含めて、ユーザーのための価値を最大限にするための設計がほどこされている」iPhoneのようなプロダクトは実現しない。

 第二章で、夏野氏は「ウェブビジネスを成功させる鉄則」について述べる。
 「ウェブビジネスの大きな特徴は、『参入障壁が低い』ことだ」「自分が一番になったら、とにかくひたすら全速力で走り続けるしかない。…『ウェブ上に情報を提示すること=裸と等しい状態』なのだから、立ち止まってしまえば現在やっている内容が全部見えて、研究され尽くしてしまう」「自分たちの事業を真似された上に、プラスアルファの価値を追加されれば、ライバルが勝つのが当たり前」「参入障壁が低いということは、誰にでもチャンスがあるということだ。だから、人の『底力』が露呈しやすい」。

 「底力とは、言い換えれば『自分が得意とする分野の知識、経験、興味』のこと。…ウェブビジネスで走り続けるには、知識、経験、プラス本当に興味があるかどうかが鍵」。
 
 ウェブビジネスの厳しさを語った上で、夏野氏はEコマースのノウハウについて詳しく解説する。

 第三章「ウェブビジネスの未来」ではウェブ広告、電子マネー、デジタルコンテンツについて考察する。

 そして第四章。「旧来型日本企業への提言」。
 夏野氏は、「ウェブは正しく使いさえすれば、これまでアクセスできなかった顧客へリーチできる強力な武器になる。とりわけ『飛び道具』としての性格が強い。地方からでも東京、あるいは日本全国、さらには世界を相手にして商売ができる」と強調。「ビジネスのドメイン、顧客、マーケット、ビジネスのやり方、在庫の持ち方――これらすべてのプロセスを見直すことが、飛び道具を使いこなすコツだ」と語る。
 どう使いこなすか。
 「新機軸ビジネスに向いた人材を集め、チームを組むことから始めなければ、うまく回るはずがない」。
 「自分の会社の強みや弱みは何かをきちんと考え、強いところをどんどん伸ばして」いくことを考えて、ウェブビジネスに取り組む。
 そして「IT時代、新しい商品開発を含めたすべての権限をリーダーに任せよう!」と夏野氏は提言する。
 現代は情報が多すぎて、「時間をかけて議論を尽くせば尽くすほど、結論が出ない」。
 「出ないのであれば、思い切ってやり方を変えるしかない。責任者を決め、責任と権限そして信念を持ち、ある意味自分の人生を懸けさせる。うまく遂行できなかったら、責任を取って辞めさせる」。
 
 夏野氏は「ウェブビジネスというのは、組織的に、何か新たなディレクションを出そうといった、会社全体のストラテジーの話なのだ。そのことをリーダーが理解できないから、現場だけがウェブに対応し、それだけで終わってしまっている」と、最後に日本の経営者たちに苦言を呈する。

 ウェブビジネスへの対処法を論じる本書だが、行き着くのは、日本の硬直的な組織とリーダーの不勉強という大きな障壁のようだ。

 その思いが『夏野流脱ガラパゴスの思考法』につながっていくのだろう。

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夏野剛著『1兆円を稼いだ男の仕事術』(講談社)

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1兆円を稼いだ男の仕事術

 夏野剛著『1兆円を稼いだ男の仕事術』(講談社、2009年7月2日発行)を読んだ。
 このタイトルは夏野氏のドコモ時代の上司、榎啓一氏の「夏野がドコモにもたらした利益は、1兆円をくだらない」という言葉からとったものだ。
 「まえがき」で夏野氏は言う。
 「さて、偉そうなタイトルがついてしまいました。実は講談社から本書の企画を提案されたとき、私は出版すべきか否か、ずいぶんと迷ったのです」。
 「私は『iモード』の開発や『おサイフケータイ』の立ち上げ、『FOMA』の再生といった、大きなビジネスに携わってきました。…いずれも仲間と力を合わせたからこそ成し遂げられたのです。…にもかかわらず、『俺が』『俺が』的な本を出すのは、いささかはばかられる」。
 「一方で、胸の中にある『思い』を多くの人に伝えたい、という気持ちも強くなってきました」
 「私たちが働く『目的』は社会の貢献にある」。
 「会社は『道具』であって『目的にあらず』」。
 
 「まえがき」を読んで、「俺が」「俺が」的な本でないことが分かり(笑)、読むことにした。
 夏野氏の考え方のベースを知るために、まず読んでおきたい本だ。

 まずは同書にある略歴を確認してから、読み進めた。
 1965年、神奈川県に生まれる。早稲田大学政治経済学部卒業。1988年、東京ガスに入社。1993年から米国ペンシルベニア大学経営大学院に留学し、経営学修士号(MBA)を取得。1995年に帰国し、ハイパーネット社に参加、後に同社の副社長に就任。ハイパーネット社は1997年に経営破綻し、同年NTTドコモに移籍、松永真理氏らと「iモード」ビジネスを立ち上げる。その後、ドコモのデータ通信料収入は、2008年3月期において1兆3700億円を超える。iモード以降も「おサイフケータイ」をはじめとするドコモの新規事業を企画・実現し、他社との幅広い提携を推進、合弁会社などを多数立ち上げる。2005年6月にはドコモの執行役員に就任。iモードビジネスにおける功績は国際的にも知られ、米国の経済誌「Business Week」は、2001年5月に「世界のeビジネスリーダー25人」に夏野を選出。2008年6月にNTTドコモを退社し、その後、ドワンゴの取締役に就任、「ニコニコ動画」の「黒字化担当」として活躍。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特別招聘教授、トランスコスモス社外取締役、NTTレゾナント社外取締役、セガサミーホールディングス社外取締役、SBIホールディングス社外取締役、ぴあ社外取締役などを兼務。

 第1章で夏野氏は「これまでの私の経験から、成功に必要な要素は3つあります」という。
 ①10パーセントの才能
 ②20パーセントの努力
 ③70パーセントの運

 「自分自身を飛躍的に向上させる、会社に莫大な利益をもたらす、また、社会に大きな影響を与える大成功を勝ち取るためには、運の力の後押しはどうしても必要になってきます」。

 「ドコモにこないかと松永真理さんが連絡をくれたのも、私が学生時代から懇意にさせてもらっていたことがもたらしたわけです」。
 そして松永真理さんは夏野氏が「インターネット・ビジネスを展開しているハイパーネットに在籍していたからこそ、その知識と経験を買ってくれたのに違いありません」。
 「さらに、中途採用で入社した私や真理さんが、ドコモでそれぞれの能力を発揮できたのは、iモードの開発を担当していたゲートウェイビジネス部のトップに、榎啓一さん(現・ドコモエンジニアリング社長)がいたからでした」。

 「いくつもの偶然が重なり、その偶然好機に変えることができたのは、それまでに築き上げてきた人脈があったからこそです。自分が歩んできた人生の充実度と比例して運がめぐってくる確率は高まるのではないでしょうか」。

 「仕事なんて辛くてたまらない」が、それでも喜びを感じるのは「運と縁に支えられ、全力で突っ走ったあとに味わえる、何ともいえない充実感」があるからだと夏野氏はいう。
 「もう一つ、私のモチベーションになっているのが、人々の『期待』。…人々に求められるということは、世の中が必要としているわけであり、それは私にとって『最上の喜び』です」。

 第2章では商品開発について触れる。iPhone開発で陣頭指揮をとったアップルのスティーブ・ジョブズ氏、青色発光ダイオードを発明した中村修二氏を引き合いに出し、こらからの時代の商品開発には「個人の信念」が最も必要な要素になる、と夏野氏。
 「世の中にはモノが溢れ、情報が溢れています。消費者の目が肥え、中途半端な商品では見向きもしてくれない」「皆の意見を持ち寄るというのは、確かに民主的であり大ハズレしないという面もあります。しかし、どうしてもその商品に対する信念や思い入れが薄くなってしまうのも事実です。…そこで求められるのが、リーダーの熱意であり、意思であり、魂なのです」。

 
 第3章で、夏野氏は、「多様化し、複雑化し、加速度的に変化」する現在のビジネス現場でリーダーが決断を下す際に必要なのは「社内、社外を問わず信頼できる視点を持った人材であり、彼らとのネットワーク、つまり『人脈』です」と強調する。「『人』の力こそが、決断する力になるのです」。
 そして人脈づくりのベースになるのが「Win-Winの関係」だという。
 夏野氏は「大きな仕事に従事し、それを成し遂げたとき、そこには良き人脈がありました」と振り返る。
 「大きなビジネスの現場では、個人ベースでのお付き合いも重要になってくるものです。肩書をぶら下げた者同士の関係で話し合っても、物事はスムーズに進展しにくいでしょう。『これは我々が出すから、あなた方はこれを出してください』 こういった、信頼し合える者同士が、腹を割って話し合うことからすべては始まります」「利益の取り分をどうするのかといったことより、真っ先に優先させるべきことがあります。それが『ともに目指すものが何なのかを明確にする』ことです」。

 どのような人たちとネットワークを結ぶべきか。夏野氏がウォートン留学中に学んだチャンピオン・セオリーによると、「自分の一生をかけて仕事に取り組んでいる人。組織からは疎まれながらも正論を吐き、周囲から一目置かれている人。自己の安直な利益を優先させるのではなく、会社の利益をしっかりと考えている人」などが「チャンピオン」と呼ばれるらしい。「そういった人と積極的にネットワークを作っていけば、自分にとってプラスになるのです」と夏野氏は言う。

 第4章では「勝てるケンカのための3条件」が明らかにされる。
 ①自分が成功を確信できていること
 ②論理的に筋道、理屈が通っていること
 ③社会、会社のためになっていること
 この3つが整っていたときには徹底的にケンカをしたという。

 最終章で夏野氏は改めて、「私はつねづね、会社とは社会を変えるためのプラットフォーム、つまり土台であり道具だと考えてきました」と語る。そして働く理由、目的は「『世の中に良き変革』をもたらし、『社会に貢献する』こと」であるとし、だからこそ「つねに社会に貢献できる新しい価値を提供することを目指してきた」と言う。

 ところが、世の中を見ると、給与や待遇、上場することや役員になることを目的とする人が多く、「社会が求めるものが見えなくなる」と夏野氏は嘆く。

 「『働く<目的>が社会の発展にある』という視点を持っていれば、社会が会社に求めることに応えることができ、それが自分の成功にもつながるのです。そして、会社そのものや最新の技術、資格までもが、『目的』を達成するための『道具』であることが見えてきます」。
 夏野氏の言葉をしっかり胸に刻みたい。

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内田樹著 『街場のメディア論』(光文社新書)

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街場のメディア論

 内田樹著 『街場のメディア論』(光文社新書、2010年8月20日発行)を読んだ。
この本のもとになったのは、「神戸女学院大学で2007年に行われた『メディアと知』という題名の大学2年生対象の入門講義」だ。
 「この授業を受けていた学生たちはまだ19歳か20歳くらいです。ほとんど『メディアの虜囚』と言って過言でないくらいに、メディアに知性も感性も、価値観も美意識も支配されている年齢です(気の毒ですけど)。その彼女たちが『メディアを論じる』ためには、彼女たち自身に深々と血肉化している、ものの見方、感じ方、言葉のつかい方、美醜や適否の判断基準そのものを反省的に主題化しなければならない」。

 「まえがき」を読んだだけで、これは、最近のメディア論とは違うぞ、と思った。本のタイトルから連想したのは居酒屋あたりでおっさんが一杯やりながら、「最近のテレビは何だ。ツイッター?そんなもん、何の役に立つんだ」とくだを巻く姿。そういう本かと思い、しばらく手に取らなかったのが大間違いだった。友人に勧められて読んだが、こんなに心に突き刺さるメディア論は最近読んだことがない。「ネットが悪、旧来メディアが善(あるいはネットが善、旧来メディアが悪)」といった感じのメディア論が「血肉化」していた私は、内田氏の「メディアについて批評的に語るということは、何よりもまず、現にメディアを通じて定型化・常套句化しているメディア批判の言説から一歩離れて、軽々にそれを繰り返さないということです」という言葉を戒めとしながら、この本を読んだ。

 この本(授業)でまず取り上げるのが「マスメディアの凋落」だ。
 内田氏は言う。「マスメディアの凋落の最大の原因は、僕はインターネットよりもむしろマスメディア自身の、マスメディアにかかわっている人たちの、端的に言えばジャーナリストの力が落ちたことにあるんじゃないかと思っています」。
 「『その情報にアクセスすることによって、世界の成り立ちについての理解が深まるかどうか』。それによってメディアの価値は最終的には決定される。僕はそう思っています」。
 「メディアの価値を考量するときのぎりぎりの判断基準は『よくよく考えれば、どうでもいいこと』と『場合によっては、人の命や共同体の運命にかかわること』を見極めることだろうと思います。…どのメディアが生き残るべきで、どのメディアが退場すべきかがもっぱらビジネスベースや利便性ベースだけで論じられていることに、僕は強い危機感を持っています」。

 内田氏はまず、テレビの劣化に言及する。
 「テレビの放送を担っている当事者たちから『どんなことがあってもテレビは消滅してはならなりません。なぜなら……』という文型で、テレビの有用論の論拠を聞いた覚えが、僕はありません」。
 「とりあえずは視聴率が下がったとか、番組製作費が減ったとか、スポンサーが見るからないとか、そういう今日明日の『米びつ』にかかわる問題で手いっぱいで、どうして『こんなこと』になったのか、という根本の問いはニグレクトされたままです」。

 そして、内田氏は、「テレビ視聴者がこれまで聴いたこともないような根源的な『テレビ論』を語らなければならない」という。しかし、「僕たちが見ることのある『テレビ論』は、新聞の提灯記事的『番宣』と週刊誌の『辛口テレビ評』の類と『昔のテレビはこんなにワイルドで、活気があった』という『懐メロ』的回顧エッセイくらいです」。
 「僕はこの批評性の欠如はテレビの没落の『結果』ではなく、むしろそれこそが『原因』ではないかと思うのです」。
 
 さらに、このようなテレビについて新聞が知らないふりをしていると、内田氏は批判する。納豆ダイエットをバラエティ番組が放送した後、「どこの新聞の社説にも、『こんなインチキは番組を作って視聴者を騙す、なんて信じられない』というようなことが書いてあった」が、「そlれは嘘だろう」と内田氏。
 「プロの記者であれば、テレビ局がどんなふうに番組を作っているか、その現場のモラルがどれほど荒廃しているか、テレビ局は制作費を『中抜き』するだけで、実質的な制作を下請けプロダクションに『丸投げ』しており、それゆえ番組内容を十分にコントロールできていないという、今の制作体制について熟知しているはずです」。
 「しかし、実状を知っていながら、刑事事件になるまで、新聞は『知らないふり』をしていた」。
 「それ以上に『たちが悪い』と思ったのは、この『知っているくせに知らないふりをして、イノセントに驚愕してみせる』ということそれ自体がきわめてテレビ的手法だったということです」。
 「僕は報道に携わる人間にとっては『こんなことが起きるなんて信じられない』というのは禁句だと思うんです。…人々が『まだ知らないこと』をいち早く『知らせる』のがメディアの仕事であるときに、『知らなかった』という言葉はメディアの人間としては『無能』を意味するのではないですか」。

 「このようなメディアが好んで採用する『演技的無垢』は、それを模倣する人々の間に社会的な態度として広く流布されました。そして、おのれの無垢や未熟を言い立てることで責任を回避する態度、それはいまや一種の社会的危機にまで肥大化しつつあります」。

 このあたりから、内田氏がまえがきで言う「メディアの不調はそのままわれわれの知性の不調である」という言葉が何を指しているかが分かってくる。メディアの演技的無垢が「クレイマー」を生み出したのだ。

 クレイマーとは「自分の能力や権限の範囲内で十分に処理できるし、処理すべきトラブルについて、『無知・無能』を言い立てて、誰かに補償させようとする人々」だ。
 
 「市民社会の基礎的なサービスのほとんどは、もとから自然物のようにそこにあるのではなく、市民たちの集団的な努力の成果として維持されている」にもかかわらず、クレイマーという人たちには「身銭を切って、それを支える責任が自分たちにはある」という意識がない。「市民の仕事はただ『文句をつける』だけでよい」「批判さえしていれば医療も教育もどんどん改善されてゆく」と考える。

 こうしたクレイマーたちの出現にマスメディアは深くコミットしてきたと、内田氏は言う。

 内田氏は「言葉に責任を負わないメディア」という形でさらにメディア批判を行う。
 『医療崩壊』を書いた虎の門病院の小松秀樹先生の「記者が、責任の明らかでない言説を反復しているうちに、マスコミ通念が形成される。これが『世論』として金科玉条になる」という言葉を引用した上で、「このときの洪水的な医療機関バッシング報道には『私が最終的にこの報道の責任を負う』と言う個人がどこにもいませんでした」と指摘。
 週刊誌や月刊誌の記者には、「具体的事実そのものではなく、『報道されているもの』を平気で一次資料として取り出してくる」と苦言を呈する。

 「メディアの『暴走』というのは…そこで語られることについて、最終的な責任を引き受ける生身の個人がいない、『自立した個人による制御が及んでいない』ことの帰結だと僕は思います」。
 「『真に個人的な言葉』というのは、ここで語る機会を逸したら、ここで聞き届けられる機会を逸したら、もう誰にも届かず、空中に消えてしまう言葉のことです」。
 「仮に自分が口を噤んでも、同じことを言う人間がいくらでもいる言葉については、人は語るに際して、それほど情理を尽くす必要がないということになる。…『暴走する言説』というのは、そのような『誰でも言いそうな言葉』のことです」。

 「メディアが急速に力を失っている理由は、決して巷間伝えられているように、インターネットに取って代わられたからだけではないと僕は思います。そうではなくて、固有名と、血の通った身体を持った個人の『どうしても言いたいこと』ではなくて『誰でも言いそうなこと』だけを選択的に語っているうちに、そのようなものなら存在しなくても誰も困らないという平明な事実に人々が気づいてしまった。そういうことでないかと思うのです」。

 内田氏はさらに「世論」と「知見」の違いやメディアとビジネスについて論じる。
 電子書籍や著作権などメディアをめぐる最近の話題についてもその本質的な部分に触れる。

 ネット時代にあって表層の動きは激しく、ついついその波の動きばかりをウォッチしてしまうのだが、あらゆるメディアの問題を本質的な部分で語ってくれる本書は、メディアにかかわるあらゆる人間が読むべき1冊ではないかと思う。

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ファーストゴルフで練習・「脱力」が決め手

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 久しぶりにファーストゴルフで練習。
 土日1階は1カゴ(650円)35個。3カゴ=105個。ちょうど平均スコアくらいなので、ラウンドするように、クラブをかえて打った。

 一時期、ボールが左に行くのでフェースを開いて打っていた。この時は、こうするとボールが左に飛ぶ打ち方とボールが右に曲がるフェースが打ち消し合ったのか、結果的に、まっすぐ打てた。しかし、今、フェースを開いて打つと、ボールは必ず右に曲がる。
 
 フェースが右に向いていればボールが右に行くのは当然。ようやく普通の打ち方ができるようになってきたのだろう。今日は打ちたい方向にフェースを合わせてスイング。ボールはまっすぐに打てた。

 これで終わろうとおもったが、休みながら、周りで練習している人をじっくり観察。勉強になった。

 多くの人が、打つ前にやたら力が入っている。上手な人は力が抜けている。ゴルフは打つ前の緊張が一番いけないのではないか。

 もうひとカゴ打つことにした。脱力状態からバックスイング。脱力状態からスタートするとほどよい力加減になり、コントロールが安定。スイングがスムーズになると、ボールの勢いは落ちない。

 無理に飛ばそうとするゴルフから、また一歩、華麗なゴルフに近づいた!?

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ついにNewTwitterに!

 http://twitter.comの画面がようやく新画面に切り替わった。
 ちょっとうれしい。
Twitter001
 お知らせの画面。

Twitter002
 切り替わった画面。広々としていていい。

Twitter003
 こんな感じで一人ひとりのコメントもチェックしやすくなった。

 ホームページによると、以下の点が変わったという。

新しいデザイン
@関連、リツイート、検索、リストなどをタイムライン上、つまり情報が集約された左側の画面を展開することで確認できるようになりました。また、最近フォローしたユーザー、最近フォローされたユーザー、お気に入り、トレンドなどの馴染みの機能が右側に表示されます。

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KDDI・田中孝司氏がCEATECで講演、「多様化する端末と、融合するネットワーク:KDDIの次なる取組み」

 CEATEC JAPAN 2010で行われたKDDI代表取締役執行役員専務の田中孝司氏の講演「多様化する端末と、融合するネットワーク:KDDIの次なる取組み」を聴いた。

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 田中氏は12月1日付でKDDIの社長に昇格するため、“新社長”の戦略を聴こうと期待して集まった聴衆が多かったと思われる。しかし、冒頭、田中氏は「個人的見解を語る」と前置きをして話を始めた。

 田中氏は多種類のスマートフォンやタブレット型の端末などが、かつて経験したことのないほど出てきたことは「新たな時代のはじまり」なのではないかとの認識を示した。

 国内携帯電話契約数の推移を見ると、2010年3月末ですでに携帯電話の普及率は92.4%に達しており、「携帯電話の市場は飽和状態と見る意見が多数派だ」。しかし、国内でスマートフォンの出荷は急増しており、そのペースはKDDIの予想をも上回りそうな勢いだという。全世界でのスマートフォン・タブレット出荷台数予測も約17億台に急拡大している。

 「スマートフォン・タブレットの急増は一過性の現象なのだろうか。いや、そうではないだろう」と田中氏。「世の中が大きく変化している。今起きている現象は、あらゆるものがスマートデバイスに変わっていく、次の時代の兆候なのではないだろうか」。

 しかし、スマートデバイスの時代に順調に移行するためには解決しなければならない課題もある。
 「急増するトラフィック(traffic、ネットワーク上を移動する音声や文書、画像などのデジタルデータおよび、その情報量)への早急な対応が各国で課題になっている」というのだ。

 米国でiPhoneのインフラを担っているAT&Tは、スマートフォン向けのデータ定額制を廃止し、新料金プランを導入した。米FCC(Federal Communications Commission、連邦通信委員会)は「National Broadband Plan」で2015年までに300MHz、2020年までに500Mhzの帯域を確保することを決めたが、「これらを割り当てた後も、必要なトラフィックは満たせない」という。田中氏は「オーバーフローするトラフィックに対応するためのスマートデバイス時代のネットワークを構築しなければならない」と強調する。「フェムトセル(小型基地局)やWi-Fiなども活用するマルチネットワーク」だ。

Kddi002_3(以下の画像はクリックすると大きい画像で見られます)
 携帯ネットワークである3G/LTE、WiMax、Wi-fi、フェムトセルと、固定ネットワークのFTTH、CATVを有機的につなげた「最強のマルチネットワーク」が必要なのだ。「急増するトラフィックが今のネットワークを食い尽くす前に、こうしたネットワークを構築し、“どこでもつながる”を実現しなければならない」。

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 田中氏はさらに、「これからは最強のネットワークを構築したうえで、使いたいコンテンツを様々なデバイスでシームレスに使えるようにするマルチウィンドウ戦略を推進していかなければならない」と語った。

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 これまで携帯キャリアは携帯電話にあらゆる機能を盛り込もうとしてきたが、最近の調査によると、携帯電話に求めるものは、操作(76.3%)やデザイン(57.1%)という回答が多く、機能は23.2%に過ぎなかったという。「携帯電話はより使いやすいユーザーインタフェースやデザインの良さが重要になっている」。
 今後は一つの端末に頼るのでなく、「複数端末をTPOで使い分けるマルチデバイスが一般的になる」と田中氏は予想する。
 
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 マルチデバイスを支えるのがクラウドだ。クラウド側でデバイスの使い分けをサポートする。「ハイスピードのモバイルネットワークがあればクラウドを自由に使える」。サービスアプリケーションとしては、教育/学習、医療/ヘルスケアなどの分野が今後注目されそうだという。

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 「BWA(Broadband Wireless Access)が整備されてくると、センサーネットワークの基盤もできてくる。センサーチップも進化し、さまざまなセンサーネットワークが登場するだろう」と田中氏。「携帯電話の基地局で温度や風速を計測するなど、局地的な情報を集め、それをクラウドに持ち込むことによって新しいサービス開発ができる」。

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 KDDIがスマートグリッドに取り組んだり、ウェザーニュース社との提携したりしているのは、そのためだ。

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 一人が複数のデバイス持つ時代、マルチネットワークが重要となり、それをクラウドが支える。そして、センサーネットワークがそこに情報をインプットする。「新しいビジネスモデルのキーワードは、マルチユース、マルチアクセス、マルチデバイスだ」。

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 最後に田中氏は、KDDIの次なる取り組みに言及。マルチデバイス、マルチネットワーク、マルチユースというキーワードを挙げた。
 固定ネットワーク(Fixed)・モバイル/ワイヤレスネットワーク(Mobile&Wireless)に加え、CATVネットワーク(Broadcast)、グローバルネットワークを持つKDDIの強みを生かし、スマートデバイス時代の最強のネットワークを築こうというKDDIの強い意志が、田中氏の講演から伝わってきた。

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スマートフォンや電子書籍端末を触って体験ーーCEATEC JAPAN 2010

 千葉市の幕張メッセで開催されている最先端IT・エレクトロニクス展「CEATEC JAPAN(シーテックジャパン)2010」に行った。
 人気のスマートフォンやタブレット型端末、3D(3次元)テレビなどを見学した。
 最初に訪ねたのはNTTドコモのブース。
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 SAMSUNG電子株式会社製の「GALAXY S」と「GALAXY Tab」が始めて公開され、人だかりができていた。

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 報道発表資料によると、GALAXY Sは、「美しさと高機能性を兼ね備えたスマートフォン」「次世代型の有機EL、SUPER AMOLED(有機EL)ディスプレイを搭載。4インチの大画面ディスプレイでFlash®に対応しているので、様々なWebコンテンツをまるでパソコンのように楽しめます。また、ハイビジョン動画の撮影に対応した500万画素カメラを搭載。フルハイビジョン動画の再生にも対応しているので、高精彩ディスプレイとの組み合わせで、美しく迫力のある映像を体感していただけます。さらに、マルチタッチにも対応しています」。

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 Flashに対応していたり、500万画素のカメラを搭載しているところは魅力だが、会場で少し触ったくらいでは、この商品のオリジナルの部分がよく分からず、買いたいと思うほどの魅力は感じなかった。説明員に、iPhoneとの違いを聞いても「OSがAndroid」という程度の説明しかなかった。

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 GALAXY Tabは、「外出先にも手軽に持ち出せて、インターネットや動画を楽しむのに最適なスマートフォン」「7インチの大画面ディスプレイを搭載。パソコンと同様にWebコンテンツが利用できるよう、パソコン同等の画面表示(1,024×600ドット)が可能で、Flashにも対応しています。また、約12.1mmの薄さと、約382グラムの軽さを達成。外出先にも手軽に持ち出せるよう、片手での持ちやすさ、使いやすさを実現したジャストフィットデザインです」。

 新書のような大きさなのは気に入った。このサイズはありだと思う。

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 電話もできる。

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 ドコモが10月下旬から開始する「電子書籍のトライアルサービス」に対応している。

 次に行ったのはKDDIのブース。
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 Android 2.1を搭載した「IS03」を触ってみた。Android auのイメージキャラクター、ウサイン・ボルトは格好良かったがーー。

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 iPhoneを超える商品とは思えなかった。
 Flash Lite 4.0の採用でFlash表示が可能なのはいいと思うが、オリジナルの魅力は感じなかった。
 auケータイをすでに持っている人が機種変更で使うスマートフォンなのだろう。

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 シャープのGALAPAGOSは、個性を感じ、期待が持てた。
 KindleはiPhoneのタッチパネルに慣れると、ボタン操作がまだるっこしい。
 タッチパネルのGALAPAGOSは、電子書籍端末として買ってもいいかなと感じた(もっとも長時間、読むとなると、やはり地味でも電子ペーパーのほうがいいのかもしれない。そうなると移動時にiPhone系、家ではKindleとなる気もする)。

 シャープのニュースリリースによると、「シャープは、ネットワークサービスとそれに最適化した端末により、個々のお客様のニーズに合わせて進化し、新しいユーザー体験を提供するクラウドメディア事業“GALAPAGOS”を開始します。そして、第1弾となる電子ブックストアサービス(以下、本サービス)を本年12月(予定)よりスタートし、専用端末のメディアタブレット2機種も同時に発売いたします」とのことだ。
 「本サービスは『自動定期配信サービス』を備えているので、定期購読(有料)を申し込んだ新聞や雑誌などの最新のコンテンツが専用端末でご覧いただけます。また、本サービスでは、おすすめの電子書籍コンテンツの体験版(無料)が自動配信されるので、気に入ったものはすぐに購入できます。専用端末には、5.5型液晶を搭載し文庫本感覚で手軽に読めるモバイルタイプと、10.8型高精細HD液晶で雑誌が見開きで楽しめるホームタイプの2機種をご用意しました」。

 プロモーション映像で、どんな端末かがよく分かる。
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 新聞もーー。

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 雑誌も読める。

 webも動画も楽しめる。

 ビジネスモデルをうまく構築すれば、結構いけるのではないかと思った。

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 ホームタイプは10.8型(1,366024×600ドット)。ワイヤレスLAN(IEEE802.11b/g)を利用する。

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 雑誌などが読みやすいサイズ。

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 モバイルタイプは5.5型(1,024×600ドット)。ワイヤレスLAN(IEEE802.11b/g)を利用する。

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 定期購読(有料)を申し込んだ新聞や雑誌などが読める。

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 新聞もーー。

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 雑誌も、この端末サイズ用に画面が作られているので、読みやすい。

 シャープが提唱、推進している電子書籍のフォーマットは「XMDF」(エックス・エム・ディー・エフ=ever-eXtending Mobile Document Format=進化し続ける携帯機器向けドキュメントフォーマット)と言われる。
 これについては日経BPのサイトに詳しい記事が出ている。

 次に、3Dテレビを見学した
 商品化前の昨年ほどの盛り上がりはなかったが、パナソニックはラインアップを拡大。ソニーは大型画面をアピールしていた。

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 相変わらず、人気のあるパナソニックのブース。フルHD 3Dプレゼンテーション(世界最大152v型プラズマディスプレイから42v型まで、3Dテレビを連動させた全編3Dでのプレゼンテーションステージ)は迫力があった。

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 説明員に聞いても理由が分からなかったがpanasonicの3Dメガネはスイッチがあり電源onで見る方式だった。

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 「3Dリンクの世界」(「撮る」「見る」「残す」の3つの楽しみ方)を提案していた。3D対応ムービーを使えばだれでも3D映像が撮れる。

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 3D Solution ideasのコーナーでは商業施設やエンターテインメント施設などでの3D映像の活用事例を紹介していた。

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 ソニーのブース。

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 3Dメガネは電源なし。

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 メインステージでは高さ4.8m×幅21.7mの3D対応大型LEDディスプレイを使用(技術参考展示)。

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 壮大な風景の3D映像は迫力があった。

 今回、3D技術では、東芝ブースの裸眼で3D体験ができる技術が最も注目されたが、長蛇の列。見学は諦めた。

 最後に、NTTドコモ系の株式会社マルチメディア放送(mmbi)のブースに行った。ハードの免許をめぐって、KDDI陣営と熾烈な争いを繰り広げたが、免許を勝ち取り、2012年4月にマルチメディア放送を開始する。どんな放送なのか、その一端を紹介していた。

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 恐ろしく派手なブース。

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 デモ画面のトップ画面。

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 テレビ東京のWBS(ワールドビジネスサテライト)内の人気番組「トレンドたまご」を配信。

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 mmbiには民放各社が出資しており、人気テレビ番組もテレビとは違った形で流す見込みだ。

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 プロント提供のカフェドラマ。ドラマを見終わった後に特典がつく。
 
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 一度端末にコンテンツを蓄積して、好きなときに見ることができるサービスが中心になりそう。

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 番組表にあわせたストリーミングサービスも、もちろんある。

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 Twitterなどとも連動。

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真名カントリークラブ真名コース(千葉県茂原市)

 真名カントリークラブ真名コース(千葉県茂原市真名1744、0475・24・5211)で以前いた職場のOB会コンペが開かれた。こぶしコース、つつじコース、くすの木コースの27ホールがあるが、今日はつつじコース、くすの木コースを回った。
 広々としたコース。つつじコース(パー445343454)のグリーンティーは3045ヤード。くすの木コース(パー445344354)のグリーンティーは3028ヤード。
 
 コンペの結果は幹事のKZ先輩が41、41で前回に続き優勝。非難を浴びていた(笑)。
 私は15人中12位。
 スコアはつつじコースが+3+2+3+2+0+1+2+2+1=+16で52。パット数は222211122。
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 ティーショットを打つKZ先輩。

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 くすの木コースが+1+1+0+1+3+2+2+3+1=+14で50。パット数は223221212。
 いつもに比べ力は抜けていて、ティーショットはまずまず。パットもまずまずだったが途中がいまひとつ。

 どんなスコアでもひとつくらい見せ場はある。
 くすの木コース3番ロング474ヤード。
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 左ドッグレッグのコース。グリーンは手前に池がある。

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 林越えを狙う。力も抜けて、いい球が打て、林越え成功。

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 ところが2打目は池越え。残り200ヤードを9番ウッドで打った。2オン。

 イーグルチャンス。10メートルほどのパット。フックライン。
 ここで冷静ならばかなり右に打ち出し、だんだんホールに球が寄っていくような感じで打つのだが、ホールのやや右を狙って、最後の1mでぐぐっと左に曲がって、2m近く残してしまった。
 残念ながらこれを外し、3パット。今日の唯一の3パットだった。勝負弱い(涙)。

 勝負弱さは名物ホールの7番ショートでも。
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 手前はずっと池だが、池を越えれば、大丈夫と思って打ったが、右に打つとずっと池。右に打ってポチャン。

 技術的にはこれ以上そううまくならないのでは、という感じが最近する。集中力、勝負強さ、持久力。
 体力がこれ以上衰えないうちに、精神力を高めたい。

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赤羽ゴルフ場で慣らし運転

 9月5日の一の宮カントリー倶楽部以来、まったくクラブを握っていなかった。明日はコンペなので、さすがに少しは練習しないと同じ組で回る人たちに失礼と思い、赤羽ゴルフ場早朝プレーでアウトを回った。
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 午前6時スタート。

 最近はコンペ直前にしっかり練習。課題をたくさん持って臨み、消化しきれずに終わることが多かったので、今回はこれまでに身に着いたものを最大限出せればいいというスタンス。
 ただ、1週間仕事をした後にラウンドすると、歳のせいか、体が思うように動かず、スタートから数ホールは調子が悪い。
 そこで、今日はスコアを考えず、慣らし運転に徹した。

 スコアは+4+2+0+1+1+2+2+6+2=+20で57。パット数は331222222。
 内容はスコアほど悪くはなかった。
 ただ、テンポが大事だと痛感した。速すぎると、左に球が行く。しっかりスイングするのだが、バックスイングをゆっくり、クラブの軌道は大きく、を心がけよう。
 スイングやパットの時は「顔の左半分を動かさない」(「左半分」というと、「顔全体」を意識するよりも不思議に顔が動かない)。
 パットは左手主導で引き、両腕で打つ感じが、最も安定した。

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