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KDDI・田中孝司氏がCEATECで講演、「多様化する端末と、融合するネットワーク:KDDIの次なる取組み」

 CEATEC JAPAN 2010で行われたKDDI代表取締役執行役員専務の田中孝司氏の講演「多様化する端末と、融合するネットワーク:KDDIの次なる取組み」を聴いた。

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 田中氏は12月1日付でKDDIの社長に昇格するため、“新社長”の戦略を聴こうと期待して集まった聴衆が多かったと思われる。しかし、冒頭、田中氏は「個人的見解を語る」と前置きをして話を始めた。

 田中氏は多種類のスマートフォンやタブレット型の端末などが、かつて経験したことのないほど出てきたことは「新たな時代のはじまり」なのではないかとの認識を示した。

 国内携帯電話契約数の推移を見ると、2010年3月末ですでに携帯電話の普及率は92.4%に達しており、「携帯電話の市場は飽和状態と見る意見が多数派だ」。しかし、国内でスマートフォンの出荷は急増しており、そのペースはKDDIの予想をも上回りそうな勢いだという。全世界でのスマートフォン・タブレット出荷台数予測も約17億台に急拡大している。

 「スマートフォン・タブレットの急増は一過性の現象なのだろうか。いや、そうではないだろう」と田中氏。「世の中が大きく変化している。今起きている現象は、あらゆるものがスマートデバイスに変わっていく、次の時代の兆候なのではないだろうか」。

 しかし、スマートデバイスの時代に順調に移行するためには解決しなければならない課題もある。
 「急増するトラフィック(traffic、ネットワーク上を移動する音声や文書、画像などのデジタルデータおよび、その情報量)への早急な対応が各国で課題になっている」というのだ。

 米国でiPhoneのインフラを担っているAT&Tは、スマートフォン向けのデータ定額制を廃止し、新料金プランを導入した。米FCC(Federal Communications Commission、連邦通信委員会)は「National Broadband Plan」で2015年までに300MHz、2020年までに500Mhzの帯域を確保することを決めたが、「これらを割り当てた後も、必要なトラフィックは満たせない」という。田中氏は「オーバーフローするトラフィックに対応するためのスマートデバイス時代のネットワークを構築しなければならない」と強調する。「フェムトセル(小型基地局)やWi-Fiなども活用するマルチネットワーク」だ。

Kddi002_3(以下の画像はクリックすると大きい画像で見られます)
 携帯ネットワークである3G/LTE、WiMax、Wi-fi、フェムトセルと、固定ネットワークのFTTH、CATVを有機的につなげた「最強のマルチネットワーク」が必要なのだ。「急増するトラフィックが今のネットワークを食い尽くす前に、こうしたネットワークを構築し、“どこでもつながる”を実現しなければならない」。

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 田中氏はさらに、「これからは最強のネットワークを構築したうえで、使いたいコンテンツを様々なデバイスでシームレスに使えるようにするマルチウィンドウ戦略を推進していかなければならない」と語った。

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 これまで携帯キャリアは携帯電話にあらゆる機能を盛り込もうとしてきたが、最近の調査によると、携帯電話に求めるものは、操作(76.3%)やデザイン(57.1%)という回答が多く、機能は23.2%に過ぎなかったという。「携帯電話はより使いやすいユーザーインタフェースやデザインの良さが重要になっている」。
 今後は一つの端末に頼るのでなく、「複数端末をTPOで使い分けるマルチデバイスが一般的になる」と田中氏は予想する。
 
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 マルチデバイスを支えるのがクラウドだ。クラウド側でデバイスの使い分けをサポートする。「ハイスピードのモバイルネットワークがあればクラウドを自由に使える」。サービスアプリケーションとしては、教育/学習、医療/ヘルスケアなどの分野が今後注目されそうだという。

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 「BWA(Broadband Wireless Access)が整備されてくると、センサーネットワークの基盤もできてくる。センサーチップも進化し、さまざまなセンサーネットワークが登場するだろう」と田中氏。「携帯電話の基地局で温度や風速を計測するなど、局地的な情報を集め、それをクラウドに持ち込むことによって新しいサービス開発ができる」。

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 KDDIがスマートグリッドに取り組んだり、ウェザーニュース社との提携したりしているのは、そのためだ。

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 一人が複数のデバイス持つ時代、マルチネットワークが重要となり、それをクラウドが支える。そして、センサーネットワークがそこに情報をインプットする。「新しいビジネスモデルのキーワードは、マルチユース、マルチアクセス、マルチデバイスだ」。

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 最後に田中氏は、KDDIの次なる取り組みに言及。マルチデバイス、マルチネットワーク、マルチユースというキーワードを挙げた。
 固定ネットワーク(Fixed)・モバイル/ワイヤレスネットワーク(Mobile&Wireless)に加え、CATVネットワーク(Broadcast)、グローバルネットワークを持つKDDIの強みを生かし、スマートデバイス時代の最強のネットワークを築こうというKDDIの強い意志が、田中氏の講演から伝わってきた。

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