COREDO室町オープン! 魚河岸にいるような気分が味わえる居酒屋・日本橋 紀ノ重へ
「日本橋室町東地区開発」の第1号プロジェクトとなる室町東三井ビルディング(東京都中央区日本橋室町二丁目2番1号)が完成。27店舗が出店する商業ゾーン「COREDO室町」が10月28日、オープンした。
三井不動産のホームページによると、「三井不動産株式会社は『残しながら、蘇らせながら、創っていく』をコンセプトに、官民地元と一体となって日本橋地域の活性化と新たな魅力を創造する活動『日本橋再生計画』を推進」しており、その中核的存在となるのが「日本橋室町東地区開発」だ。
「 本開発は、日本橋室町東地区の5つの街区(合計敷地面積:約11,900m2)における街づくり型の大規模再開発で平成26年に全体竣工予定」。
「『通りの特徴を活かした街の再生』を目指して、『中央通り』に面する低層部のスカイラインの統一や、神社と参道の新設、桜並木や石畳を配した通りの整備、江戸情緒あふれる街並みづくりなど、街区を取り囲む『通り』の景観形成」を行う。「また、オフィス・商業・住宅および芸能文化の情報発信拠点などを設けることにより、江戸時代に活況を呈した日本橋の賑わいを再生していくプロジェクト」だ。
室町東三井ビルディングは、地上22階、地下4階建てのオフィス・商業・多目的ホールからなる複合施設で、地下1階から4階が飲食店と物販店の商業エリア、5~6階が多目的ホール(名称:日本橋三井ホール)の「COREDO室町」と10階から21階までのオフィスで構成。
「COREDO室町」については詳しい説明がある。以下に引用する。
江戸時代、日本橋室町周辺は三井越後屋など江戸を代表する商家が立ち並び、日本橋川北岸から中央通りの沿道にかけては魚河岸をはじめ、鰹節問屋、海苔問屋のほか、幕府御用達の菓子店、芝居小屋や茶店が軒を連ね、五街道の起点として、世界有数の賑わいを見せていました。
また、長崎からオランダの商館長一行が江戸参府をする際の宿泊所であるオランダ宿「長崎屋」があり、海外文化の受発信拠点となっていました。
「COREDO室町」は「日本を賑わす、日本橋」をコンセプトに、日本橋の歴史を活かしつつ、新しさを取り入れた飲食、物販店舗を集積させた商業ゾーンと、日本橋地域に新たな賑わいを創出する現代の芝居小屋「日本橋三井ホール」で構成しています。周辺のオフィスワーカーや日本橋地域を訪れる来街者の多様なニーズに応えるとともに、女性グループ、カップル、シニアなど幅広い世代のお客様にお越しいただける施設づくりを行い、江戸時代の活況・賑わいを取り戻し、日本橋地域の活性化に貢献してまいります。
地下1階から地上4階までの商業ゾーンでは「にんべん」「木屋」などの老舗店舗や、東京初出店となる金沢の箔専門店「箔座日本橋」、江戸時代の茶屋や菓子店をイメージしたカフェブラッスリー・パティスリー「エメ・ヴィベール」などの物販店舗を誘致。また、日本橋魚河岸に因んだ江戸前鮨「鰤門(しもん)」や魚料理「日本橋 紀ノ重(きのしげ)」、お米が主役の和食「米祥」の他、中華の人気シェフ陳建一氏の「四川飯店」の新業態店や行列のできるビストロ「BISTRO 石川亭」などの魅力的な飲食店舗を誘致します。
内装環境デザインは、ラグジュアリーホテルの「パークハイアット ソウル」や「ハイアットリージェンシー 京都」などを手掛けた杉本貴志氏率いる株式会社スーパーポテトを起用。素材に自然石や再利用の鉄材を用いるなど細部にまでこだわり、日本古来の茶室や古い家屋の風合いを表現し、日本の風土や伝統の中に「新しさ」を感じられるようなデザインとしました。
仕事で遅くなったが、さっそく28日にCOREDO室町に行ってみた。
地下鉄の連絡通路から入る。
地下1階には地元の書店、「タロー書房」(営業は月~金8:00~21:00、土・日・祝10:00~20:00、03・3241・2701)がある。
削りたての本枯鰹節だしのスープなどが楽しめる「だし場(バー)」などがある「にんべん 日本橋本店」(営業時間は10:00~20:00、03・3241・0968)は残念ながら、もう閉まっていた。
レストランの中では一番日本橋らしい店に行った。エー・ピーカンパニー(本社東京都港区芝浦3-13-16)が出店した居酒屋「日本橋紀ノ重(きのしげ)」(東京都中央区日本橋室町2-2-1 COREDO室町2階、03・3548・9917)だ。
同社のホームページによると、こんな店だ。
日本橋の新スポット「COREDO室町」内に今朝ドレ鮮魚と原始焼きの店「日本橋紀ノ重」が10月28日(木)オープン
この度、日本橋の地に居酒屋「日本橋紀ノ重(きのしげ)」を、古きよき日本橋の再生をイメージした「COREDO室町」に出店いたします。「紀ノ重」は日本橋の魚河岸で慶長年間に開業した老舗の仲卸。創業の地に「今朝獲れ鮮魚を出す居酒屋」として戻る、記念の店舗となります。
通常、築地市場経由で入る魚は
DAY+1もしくは+2以上経ったもの
紀ノ重は、日本橋に魚河岸ができた慶長年間に創業し、今でも築地で仲卸業を続けています。冷凍技術や流通の発達で、大手スーパーなどを中心に市場外流通が増えており、築地でも廃業する仲卸が後を絶ちません。時代のニーズが変わる中で、仲卸も新たな存在価値を見出さなければいけない。そんな想いで、通常の築地を介したものよりも1-2日以上鮮度の良い魚が扱える「今朝ドレ」の流通経路を新たに開発しました。
全国の漁港で朝揚がった魚を、
その日のうちに東京で消費
「東北の漁港で朝揚がった魚を、その日のうちに東京で消費する」ことは、東北水産関係者の長年の念願でした。しかし、流通経路の確保が難しく、従来の市場での競りを通すと丸一日以上のタイムラグが発生します。この度新たに構築した独自の配送システムと、紀ノ重が培ってきた魚の仕入れ・流通ノウハウを用いることで、三陸海岸からの夢の「DAY+0(デイプラスゼロ)便」が実現しました。
「原始焼き」は、炭が主な熱源だった時代の知恵
焼き魚の調理のコツは「強火の遠火」と言われ、火力の強い炭火が理想です。「原始焼き」は、炭火と焼き物との距離で火加減を調節する昔の生活の知恵であり、最も原始的な焼き方であることがその名の由来になっています。また、炭の回りを囲んで輻射熱を利用して焼くため、きれいな焼き色が付くだけでなく、魚の脂が炭に落ちず煙がたたないため、魚が燻されずに新鮮魚貝そのままの凝縮した旨味を味わうことができます。さらに、2種類の炭を使うことで、表面はパリッと香ばしく、中はふっくらしっとり仕上がります。最高の魚が一番美味しく食べられる、究極の焼き方です。
日本人が誇るべき魚食文化を継承する
魚は日本人にはとてもなじみ深い食材であり、健康食としてのイメージも強いですが、料理に手間がかかることが敬遠され、近年国内の魚の消費量は減少傾向にあります。スーパーなどの魚売場では、サーモンやブリなど切り身の魚が多く、一匹まるごとの焼き魚を食べる機会は減りました。紀ノ重では、鮮度良い丸の魚の美味しさをお客様に味わっていただき、まずは大人が魚の美味しさを再認識することで、古くより育まれてきた日本の豊かな魚食文化を、次の時代へつなげていけると信じています。
おいしい魚には、おいしいお酒を
「日本橋紀ノ重」のオープンに際し、天狗舞の醸造元である老舗の酒蔵「車多酒造」の協力の下に、「せっかく美味しい魚を食べるのだったら、美味しい日本酒を飲んでほしい」という想いでメニュー作りを進めてまいりました。日本酒の消費量が落ち、日本酒を飲む機会が減る中で、美味しい魚と美味しい日本酒で、日本酒文化を再度広められれば。とも考えています。
全国でも2店舗でしか飲めない生酒を、
氷温蔵出し直送
金沢の料理店1軒以外では、当店でしか飲めない天狗舞の限定酒「純米酒+純米吟醸酒」のブレンド生酒をはじめ、月替わりで1種ずつ蔵元から氷温輸送した生酒を用意します。生酒とは製造からお店に並ぶまで一切火入れ(加熱処理)を施していないお酒のことで、出来たてそのままのフルーティな味わいを楽しむことができます。ただし、殺菌処理をしていないため、味の変化が起こりやすく、蔵元からの輸送時だけでなく、店舗でも最高の保存状態で管理しています。
店頭にもあるこの説明。なんかとても奥の深そうな店だ。
水産仲卸棟を再現した店。
水がまったくないのに、水をまいたように見える床。面白い。
突き出し。パブリカ、豆腐の粕漬け。
サワラの天狗舞粕漬け。天狗舞の酒粕を100%使用した粕漬け。
魚だけでなく、普通のつまみもある。燻製ポテトサラダ(580円)。
燻製したじゃがいもに、燻製のローストポークを和えた特製ポテトサラダ。
この店の売り「原始焼」を頼む。
「本日の原始焼」のメニューを見ると、きんき(4500円)のように高いものもあるが、さんま(780円)、にしん(1200円)、かます(1000円)、いわし(600円)、大海老(980円)などは手ごろだ。ところが全部売り切れ。
しかたなく、ハーモニカ(1200円)を頼んだ。
かじきまぐろの背びれのつけ根。魚のステーキのようだった。ソースをつけて食べる。これだけでいいくらい量が多かった。
〆では紀ノ重名物の鯛茶漬け(980円)が食べたかったが、売り切れで、代わりにサバの棒寿司(750円)を頼んだ。
江戸の気分を味わうにはなかなか良い店。今回は売り切れが多かったので、また来たい。
営業時間は月-金が11:00-23:30(LO 22:30)、土・日・祝が11:00-23:00(LO 22:00)。
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