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映画『あぜみちジャンピンッ!』~いま、日本人みんなが見てほしい映画

 11月6日(土)、東京・江戸川区のタワーホール船堀で開催中の船堀映画祭で映画『あぜみちジャンピンッ!』が上映されるというので観に行った。東京での初公開だと言う。いや、正式な「配給・公開」は資金難からまだ実現しておらず、これが事実上の試写会だった。

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 西川文恵監督、「耳の聞こえない少女、高野優紀」を演じた大場はるかさん、「ろう学校の友達、木島明日香」を演じた山中友恵さんが舞台挨拶を兼ねたトークショーを行った後、85分の映画が上映された。

 ろう学校に通う女子中学生・優紀と、同年代のダンスチームの女の子達が、葛藤やトラブルを乗り越えて、ダンスを通して心を通わせていくというストーリー。日本語字幕付きでの上映だった。

 爽やかな映画で、何度も泣いた。
 
 インターネットメール、ビデオ、手話、ダンス…人間同士のコミュニケーションが多様になった、いまでなければ作れない映画。

 決してきれいごとではなかった。聴覚障害者(ろう者)の主人公の登場は、障害のない少女たちの間に波紋を広げた。それを克服したのは…。

 コミュニケーションが一つのテーマだっただけに、不自然な台詞ややり取りがあると映画の「虚構」という部分が見えてしまうが、この映画はまるでドキュメンタリーを見ているような自然な作りだった。素直に感情移入できた。

 テーマがしっかりしていて、それでいて、エンターテインメントとしても充実していた。

 新潟を舞台にした美しい映像。小栗康平監督の「眠る男」を撮った丸池納氏が撮影監督だという。

 音楽と無音、動と静のコントラストが見事に生かされていた。

 日本映画の場合、こうしたテーマだと、重い作品になることが多い。この映画は、いい意味で「軽い」のだが、しっかりとメッセージが伝わってくる稀有な日本映画だった。

 「あぜみちジャンピンッ!」というタイトルについては、「映画を観る前は、映画の中身をイメージできない」という声もあるが、観終わった後は、とてもいいタイトルだと感じる。

 日本での配給が決まる前に、まず「外濠」を埋めようと、すでに海外や国内の映画祭で上映され、賞も取っている。

2009年10月 シカゴ国際児童映画祭 正式招待
※「Adult Jury Prize」長編実写部門 準グランプリ(2nd Prize)受賞

2010年 2月  ニューヨークBAMkids映画祭 正式招待

2010年 3月  新潟しゅわる映画祭 正式招待

2010年 4月  ロサンジェルス日本映画祭 正式招待
※コンペティション部門(一般公募枠)優秀作品賞受賞

2010年 4月  ソウル国際女性映画祭 正式招待

2010年 4月  インドネシアKidsFfest映画祭 コンペティション部門正式招待

2010年 9月  あいち国際女性映画祭、長岡アジア映画祭正式招待

2010年 9月  ブエノスアイレス国際児童青少年「新しいアプローチ」映画祭 正式招待

 来年、撮影地の新潟で公開し、その後、各地の学校などで小規模に公開していくという話を聞いたが、本当に「教育映画」「地方発映画」にとどめてしまっていいのだろうか。
 エンターテインメントとしての完成度も高い。インターネット時代の、分け隔てのない新しいコミュニケーションを考えるうえでも、あらゆる人に見せたい映画だ。
 「死」を題材にするか、人気俳優に頼らないと、映画が作れないのかと思うような日本映画が多いなかで、本当にしっかりした映画ができたと思うのだが、こうした映画を配給しようという「映画人」がいないのが本当に不思議だ。

 あぜみちジャッンピン!への協賛金募集が始まったが、各地の上映館で公開し、チケットを購入してだれもが見られる形を実現してほしい。

追記2011.7.13)東京での公開が決まった!7/23(土) ~8月中旬、ポレポレ東中野 (03-3371-0088)で!
 また、見に行こう。

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