インベーダーゲーム時代のデジタル世界を再現 『TRON LEGACY(トロン:レガシー)』
映画『TRON LEGACY(トロン:レガシー)』<3D、字幕版>を東京・有楽町のTOHOシネマズ日劇で観た。
すぐに竹書房文庫の『トロン:レガシー』(入間眞ノヴェライズ)も読み、二度、映画を楽しんだ。
トロン:レガシー
映画『トロン:レガシー』は、1982年に公開された映画『トロン』の続編。
ケヴィン・フリン/クルーを演じたジェフ・ブリッジスとアラン・ブラッドリー/トロンを演じたブルース・ボックスレイトナーが健在で、27年後に同じ役を演じると言う配役は感動的だった。『トロン』の当時の世界観も最新鋭のCGで描き直した。
サイバースペース「グリッド」自体は今のデジタルの世界から見ると妙にレトロ。まあ、仕方が無い。『トロン』は当時のアーケードゲームの世界をイメージして作っているが、当時、流行っていたゲームは『スペース・インベーダー』(1978年)や『パックマン』なのだ。このため、グリッドでの戦闘シーンでは、長時間アーケードゲームをしたときのような疲労感を覚えた。
しかし、若いころのケヴィン・フリンやクルーを演じたのはCG俳優だと言う。人間の俳優かと思ってみていた。なんでもできるCG技術がありながら、あえて80年代のデジタル世界を描いていたのだ。
なぜ、こんな古めかしい0と1の世界を描くのだろうとも思ったが、ちゃんとこれからのデジタルの世界をリードしていくであろうプログラムを登場させている。小説や哲学、宗教をも理解するISO(アイソー)というプログラムだ。このアイソーを、グリッドに君臨していたクルーが滅ぼそうとしたわけだが、生き残ったアイソーは、おそらく次作では中心的役割を演じ、サイバースペースのイメージも創造的、文化的、柔らかいイメージに変わるに違いない。
今回の作品はおそらく、『トロン3』へのつなぎの作品なのだ。『トロン3』が、現代的なテーマをふんだんに盛り込んだ21世紀のサイバースペース映画になることを期待する。
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