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「こんな時、ゴルフ?」

 今日は実は会社の入社時の職場のOBゴルフコンペがあるはずだったが、中止になった。
 大多数の参加者が「こんな時に」「ゴルフ」?と思ったのだから、常識的な判断だったと思う。

 けれども、「こんな時」と言う人は、いつまでを想定しているのだろう。

 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』で、「喪」について調べてみた。
 喪(も)は、親族が死去した者がハレに値する祝い事などを避ける一定の期間をさす言葉である。喪中とも喪に服する(服喪・忌服・服忌)とも称される。

 死別は悲しいことなので嬉しい事をしている場合ではないという心情的な理由の他に、死は穢れの一種であるため、それに関与するものを一時的に地域社会の慶事より外すことによって穢れを避ける意味合いも持つ。

 死去後どの位の間喪に服するか、またどのようなことについて制限を与えるかということについては死者との縁故関係や宗派によって大きく異なり、また制限期間に関しても宗派や物事によって異なる。

 「喪中」の期間は「忌」と「服」に分けられ、両方をあわせて「服忌」(ぶっき)または「忌服」(きぶく)という。

 「忌」は故人のための祈りに専念する期間であり、また、死の穢れが身についている期間であるとされる。かつては「忌」の期間には家の中に篭り、穢れが他の者に移らないように外部との接触を絶っていた。今日では外部との接触を完全に絶つことはないが、「忌引」として仕事や学業を休む期間となっている。「忌」の期間は死者との縁故関係によって異なるが、一般的には最長で50日間(親、子、配偶者の場合)とされる。

 「服」は故人への哀悼の気持ちを表す期間であり、最長で1年(親、子、配偶者の場合)である。この期間は慶事への参加、慶事を執り行うことを控える。

◇   ◇   ◇

 今回の震災に伴う自粛にはいろいろな要素があり、節電や原発への不安という側面も出てきている。なぜ活動を控えるのかと言う時に、そのどの理由なのかが紛らわしくなっているが、「被災地の方々の気持ち」を思うと、喪に服するのと同じ気持ちで、やはり一定期間、楽しいことを控えるのは正しいと思う。
 
 とはいえ、「自宅待機」、「飲食店にも行かない」はちょっと行き過ぎと思い、「普通の生活」を心がけている。個人的には「ストレスをためるのはよくない」、マクロ的には「経済を停滞させたら、元も子もない」と考えている。

 では、「ゴルフ」はどうなのだろうか。

 4月10日に開催予定の高校の同期会コンペで、仲間と意見交換している。
 チャリティーゴルフに衣替えしたうえで、改めて参加を募るという方向になってきた。

 高校の同期の集まりは本来、自発的なもの。このゴルフはやりましょうと、いち早く仲間にメールしたが、みな、どうすべきか迷っていた。

 ゴルフはもともと「ぜいたくな遊び」「自然破壊」といったネガティブな要素があり、ふだんからどこか後ろめたさを感じながらしている。
 だから、世の中でも「義理」的な色彩の強い会社関係のゴルフコンペは即刻、中止になっている。

 ゴルフは後ろめたさを感じながらもやめられない。煙草のようなものなのかもしれない。

 義理なら中止でもいいが、本当にその程度のものなのか?
 ちゃんと考えずに、ゴルフはできないので、ここで整理をしておこうと思う。

 まず、一定期間、「遊び」を控えるのは今の社会常識、慣習上、やむをないと思う。

 けれども、「被災地のことを考えると」とは言いたくはない。復興は5年でも終わらないだろう。避難生活が終わるまででも相当時間がかかりそうだ。「被災地のことを考えて、いろいろな活動を控える」というのは現実的でないほど被害は大きいのだ。

 災害が起きた直後なので、チャリティーにせよ、ボランティアにせよ、日常に戻り仕事をしっかりすることにせよ、被災地に対する協力、支援は惜しまずするべきだろう。

 そのうえで遊ぶ。
 
 一言で「遊び」というが遊び仲間こそが一生の友人なのだ。会社の同僚で定年後も付き合う人間が何人いるだろうか。

 コミュニケーションというと、大人になると言葉によるものが中心になるが、言葉のコミュニケーションを常時して楽しい相手はそんなに多くない。でも、「遊び」は言葉なしでもできるコミュニケーションだ。

 友人とのコミュニケーションのひとつとして、ゴルフは大切にしたい。ゴルフくらいのプレーと会話のバランスがちょうどいい。

 私も、もう54歳。運動と言うと山歩き、街歩きとゴルフだ。激しいスポーツはつらい。
 スポーツクラブは性に合わなかった。人工的な空間のなかでモルモットのように走っても楽しくない。

 山歩き、街歩きは、人とのコミュニケーションというより、自然、街とのコミュニケーションだ。

 これに対してゴルフは人間社会の縮図。男が夢中になる「勝負」「運」の要素は、定年を迎えると、なくなりがちだが、ゴルフにはそれがあり、面白い。運動ではないが、麻雀にもその部分がある。
 人間臭い健康増進策としてゴルフが好きなのだ。認知症の予防にもなりそうだ。

 高校の同級生とのゴルフ、職場の気の合う人たちとのプライベートゴルフ(コンペじゃなく)、群馬県の友人たちとのゴルフ、これらは続けていきたい。

 自分も近い将来被災する可能性が大きい。そう考えている、無事生き残った時、ゴルフをするか。
 かろうじて生き残ったが、家は倒壊している。知人で亡くなった方もいる。そんな状況で、だ。

 「こんな時にゴルフじゃないでしょう」と女房にはきつく言われそうだが、逆に、苦しみを乗り越えるために親しい友人と「今日だけ集まってゴルフをしよう。明日からはがんばろう」といった感じになるような気がする。

 最近のゴルフはほとんど生きる勇気が湧く気持ちの良いゴルフなので、そんな感じのゴルフは続けようと思う。

 本当に送りたい人の送別会を大停電の恐れがあるなかで開いたように。

◇  ◇  ◇

 ゴルフをするにも言い訳をしている。
 ちょっと気にし過ぎかも…。(-_-)

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酒魚 まきたや(東京・下高井戸、居酒屋)


 下高井戸駅から徒歩2分の居酒屋、酒魚 まきたや(世田谷区赤堤5-31-2、03・3324・7249)に行った。
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 下高井戸駅の西口を出たら、踏切を渡らずに、日大方面へ商店街をまっすぐ。節電で照明を暗くしていたので、通り過ぎそうだったが、セブンイレブンの斜め向かい、道の右手にあった。
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 以前、雑誌「dancyu」の居酒屋特集で見て、行きたいと思っていた店だ。
 いい店だった。オープンして3年。若手が経営する、ジャズも流れる「いい感じ」の店なのだが、酒がうまく、また、のんべえが好きそうな料理が多かった。近くに住んでいたら、毎週来くるだろう。

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 生ビールと突き出しの「ごま豆腐の揚げ出し」。

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 ビールの泡がきめの細かい。いい店だなと感じた。

 毎朝、築地で仕入れてくる旬の魚の刺身が売りのようだったが、今日は、のんべえが好きそうなつまみを頼むことにした。
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 あじのなめろう(580円)でとりあえずちびちびと。

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 カウンター席が中心。店の人との会話も楽しめる。

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 日本酒は各地方の名酒、しかも、東京ではまだ知られていない物もそろえているとのこと。
 おお!群馬の酒があるではないか!さっそく注文した。

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 龍神酒造の「尾瀬の雪どけ純米桃色にごり本生」だ。グラスはハーフサイズ(300円)もあるが、通常のサイズ(600円)で。

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 着色料は使っていない。醪(もろみ)が桃色になる特殊な酵母を使って、米と米麹だけで醸造した純米酒だ。
 にごり酒は好きだが、しかも春らしい桃色の酒。楽しめる。なかなかやるなあ、龍神酒造!

 ぐんま観光特使であることを打ち明けると、なんと、メニューにない前橋のお酒も出してくれた、
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 柳澤酒造の純米吟醸 無濾過 中取り生酒「結人(むすびと)」だ。
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 新潟産「五百万石」100%使用し、赤城南麓伏流水で仕込んだという。
 無濾過 中取りというリッチな生酒だ。
 いい酒を飲ませてもらった。

 酒はうまいし、料理もうまい。雰囲気もいい。
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 自家製ポテトサラダ(430円)。

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 のれそれ(580円)。

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 さばのへしこ(430円)。

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 さわら西京焼(780円)。

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 庄内あさつきのぬた(480円)。

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 〆はとろたく巻(480円)。

 満喫した。
 営業時間は17:30~24:30(LO:23:30)。
 不定休(月曜日が多いが、ブログをご参照とのこと)。

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「助けあいジャパン」本サイトがこのほど、オープン

「助けあいジャパン」本サイトがこのほど、オープンした。
 広告クリエイターの佐藤尚之さんによると――。
「従来、被災者の方々が立ち直っていく過程は4つに分かれるそうです。
1.救援ピリオド
2.避難生活ピリオド
3.生活再建ピリオド
4.復興まちづくりピリオド
今回の災害は、まだご遺体の確認も終わってないのに、仮設住宅や移住が始まっているという、かつてない複合形ではあるものの、ピリオド的にはまだぎりぎり「救援ピリオド」かと思います。
たぶん「助けあいジャパン」が本当に機能しだすのは「避難生活ピリオド」以降。
まだまだ先は長いですね。自分ができることを、息長く、等身大でやっていこうと思います。

◇   ◇   ◇
 東京にいる人は電力供給が減って不便だけれど被災者ではないのだから、一刻も早く普通の生活に戻って働き、お金を使って経済の復興に協力すべきだと思う。同時に「テレビ、新聞報道の熱が冷めてしまうと忘れてしまう」のではなく、テレビ、新聞にあまり同期せず、息の長い協力、支援を被災地に対してしていきたいと考える。
 募金をした、ゴルフを控えてともに考えた、というのも当面は大事だが、「今だけ」じゃなくて、今後も被災地を忘れないでいるために、このサイトの情報は役に立つ。
 
 今回、FacebookやTwitter、Ustreamなどが情報入手手段としてとても有用だと改めて思った。これがないとマスメディアの報道一色で、「違う視点」や「新たな視点」が見えなかった。いろいろな方の意見、現地リポートはとても参考になった。

 まだ被災地の方々のために何もしていないけれど、佐藤尚之さんのおっしゃるように、自分ができることを、息長く、等身大でやっていきたい。

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くろ麦(東京・青山一丁目、そば)の「ぶっかけ」

 久しぶりに、昼食を食べにくろ麦(東京都港区南青山1-1-1 新青山ビル東館B1、03・3475・1850)に入った。
 そばの名店鎌倉一茶庵系の店らしいが、以前、青山で働いていた時に、よく来た店だ。
 
 メニューを改めてじっくり見てみた――。
しながき くろ麦

「もりそば」(大盛は300円増し)
 せいろ 780円
 ざるそば 880円
 ぶっかけ 1100円
 そばとろ 1150円

「当店自慢の変りそば」
 ゆず切そば 1250円
 三色そば 1250円
 かもせいろ 1700円

「自慢の天ぷらもりそば」
 せいろ天盛 1600円
 ざる天盛 1700円
 ゆず天盛 2100円
 三色天盛 2100円

「温いそば」(大盛は300円増し)
 天ぷらそば 1600円
 かも南ばん 1700円
 にしんそば 1400円
 あられそば 1600円
 親子南ばん 1250円
 ひな鳥南ばん 1150円
 山かけそば 880円
 かけそば 780円

「御飯」
 天重 1500円

「甘味そば そばがき」(午後2時より)
 そば団子 500円
 そばがき 700円

「お飲物」
 お酒 600円
 冷酒 600円
 ビール 600円
 エビス小ビール 400円
 ジュース 250円
 コーラ 250円

「焼酎」
 一刻者(芋)25度 500円
 時の彫刻(麦)25度 500円
 那由多の刻(そば)25度 500円

「自家製肴」
 さつま揚げ(帆立貝、野菜) 450円
 厚焼玉子 600円

「酒の肴」
 天ぷら盛り合せ 1600円
 月見芋 500円
 焼みそ 400円
 板わさ 500円
 螢いか沖漬 300円

「自慢の味」
 かも焼 1500円
 ひな鳥焼 600円
 オニオンサラダ 350円

 十一時半より二十一時まで営業
(営業時間は月~金11:30~20:30(L.O.) 土11:30~19:00 祝日11:30~17:00、定休日は日曜日なのだが、しながきの表記は一つだった(^^ゞ)

 いろいろな展開があったんだな、と思った。
 なぜか、この店は昼にしか来たことがなく、しかも「ぶっかけ」大盛、しか頼んだことがない(笑)。
001
 「ぶっかけ」という分かりやすい命名。ワサビ、大根オロシ、ネギ、海苔、削り節、山菜、揚げ玉といった薬味とそばを絡ませて食べると、これが美味なのだ。
 並だとそばが二段なのだが、大盛だと三段になる。

 やはり、この店は「ぶっかけ」だと思う。

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哲也@東風荘)大三元

Daisangen20110323
(クリックすると大きな画像で見られますが、見てもしょうがない画面)

今日はまったく勝てなかったが、初のトップを大三元で。

===== 哲也@東風荘 122卓 開始 2011/03/23 02:01 =====
持点27000 [1]雀聖神龍 R1986 [2]s.m.s R2004 [3]青く澄んで R1988 [4]フーテンの中 R1924
東1局 0本場(リーチ0) 雀聖神龍 2900 s.m.s -2900
30符 二飜ロン 発 ドラ1
[1東]3m4m5m9m1p3p3p3p5s西白発発
[2南]1m3m4m6m8m9m6p2s3s5s5s東白
[3西]1m2m2m8m9m9p3s6s8s南西発中
[4北]4m4m1p2p6p7p5s6s8s東南白発
[表ドラ]1s [裏ドラ]6p
* 1G東 1d西 2G4p 2d東 3G1s 3d南 4G9p 4d南 1G3s 1d9m 2G4p 2d白 3G6p 3d9p
* 4G6m 4d8s 1G7m 1d白 2G8p 2d9m 3G北 3D北 4G1m 4d白 1G6p 1d東 2G5m 2d1m
* 3G8p 3d西 4G3m 4d東 1G3s 1d1p 2G8p 2D8p 3G5m 3d9m 4G6s 4d9p 1G4p 1d7m
* 2G1p 2D1p 3G西 3d8m 4G中 4d1m 1G2s 1d5s 2G白 2D白 3G西 3D西 4G7m 4d発 1N
* 1d6p 2G5P 2d8p 3G7p 3d発 4G東 4D東 1G7m 1D7m 2G7s 2D7s 3G中 3d西 4G2m
* 4d中 3N 3d1m 4G北 4D北 1G北 1d3s 2G北 2D北 3G9p 3D9p 4G2p 4d1p 1G4s 1d北
* 2G中 2D中 3G2p 3d5m 4G3m 4d6s 1G南 1D南 2G5m 2d8m 3G9s 3D9s 4G7s 4d4m
* 1G4s 1D4s 2G9p 2D9p 3G4p 3d6s 4G7p 4d3m 1G4s 1D4s 2G9s 2D9s 3G9m 3D9m
* 4G3p 4D3p 1G1s 1d4s 2G1s 2R 2d4p 1A

東1局 1本場(リーチ0) s.m.s 8300 フーテンの中 -8300
満貫ロン 清一色
[1東]5m7m8m8m3p8s9s東東南北北発
[2南]1m3m3m4m6m7m7m8m3s6s南西白
[3西]1m6m9m9m4p4s6s東東南西発中
[4北]1m2m4m1p3p3p7p7p1s3s7s白白
[表ドラ]1p [裏ドラ]3p
* 1G8p 1D8p 2G7m 2d3s 3G6p 3d南 4G4p 4d7s 1C8s9s 1d南 2G1m 2d6s 3G発 3d1m
* 2N 2d西 3G中 3d4s 4G2s 4d4m 1G6p 1D6p 2G9p 2D9p 3G5s 3d西 4G5m 4D5m 1G1p
* 1d5m 2C4m6m 2d南 3G9p 3D9p 4G白 4d4p 1G西 1D西 2G発 2D発 3N 3d6m 4G5P
* 4D5P 1G9s 1D9s 2G西 2D西 3G6s 3d6p 4G1s 4d3p 1G1s 1D1s 2G2s 2D2s 3G3m
* 3D3m 2N 2d白 3G5s 3d4p 4G6m 4D6m 2A

東2局 0本場(リーチ0) s.m.s 12000 青く澄んで -12000
満貫ロン リーチ ドラ3
[1北]3m5m6m7m9m1p9p6s8s9s東北白
[2東]1m5m8m9m2p5P5P7p7p2s3s8s白
[3南]2m2m7m1p1p2p6p8p4s南南西発
[4西]3m7m8m6p8p8p2s4s9s南西白発
[表ドラ]2s [裏ドラ]白
* 2G4p 2d白 3G中 3d西 4G2p 4d9s 1G6s 1d1p 2G7s 2d1m 3G3p 3d1p 4G7s 4d西
* 1G3p 1d9p 2G1m 2D1m 3G4s 3d発 4G3p 4d南 3N 3d中 4G6m 4d白 1G発 1d白 2G5s
* 2D5s 3G5p 3d8p 4G8s 4d発 1G白 1D白 2G1s 2d8m 3G西 3d7m 4G2p 4d3m 1G7m
* 1d発 2G7s 2d9m 3G北 3D北 4G4s 4d2p 1G3m 1d北 2G3m 2d7s 3G1s 3D1s 4G8m
* 4D8m 1G1m 1d3m 2G東 2D東 3G8p 3D8p 4G5s 4d6p 1G5m 1d東 2G4m 2d2p 3G7p
* 3d西 4G3s 4d8s 1G9m 1d3p 2G北 2D北 3G8s 3D8s 4G東 4d7s 1G1s 1D1s 2G中
* 2D中 3G5m 3D5m 4G6p 4D6p 1G2s 1d9s 2G4m 2D4m 3G4p 3d1p 4G6m 4d東 1G西
* 1d8s 2G6s 2R 2d4p 3G8m 3D8m 4G南 4D南 1G1p 1D1p 2G1m 2D1m 3G5p 3d2p 4G9p
* 4D9p 1G9s 1d1m 2G3p 2D3p 3G4p 3D4p 4G9s 4D9s 1G7s 1d9s 2G5s 2D5s 3G7p
* 3d7p 2A

東2局 1本場(リーチ0) 雀聖神龍 8300 s.m.s -4100 青く澄んで -2100 フーテンの中 -2100
満貫ツモ リーチ 門前清模和 ドラ3
[1北]3m3m3m5m6m7m2p3p4p3s南西北
[2東]2m5m6m9m2p3p7p8p4s6s8s9s発
[3南]1m4m7m8m4p5p1s1s2s7s7s東南
[4西]1m2m3m7m3p4p6p2s2s3s西白中
[表ドラ]発 [裏ドラ]2m
* 2G中 2d9m 3G7p 3d1m 4G1s 4d白 1G発 1d南 2G東 2d中 3G6p 3d南 4G9m 4d2s
* 1G2s 1d西 2G中 2D中 3G9p 3d東 4G1p 4d西 1G5s 1d北 2G5p 2d9s 3G4p 3d4m
* 4G8m 4d中 1G7p 1D7p 2G2p 2d2m 3G西 3D西 4G発 4d6p 1G9m 1D9m 2G1p 2d東
* 3G8m 3D8m 4G9s 4d4p 1G5P 1d5s 2G6p 2d2p 3G5s 3d9p 4G1m 4D1m 1G8p 1D8p
* 2G8p 2d発 3G東 3D東 4G8m 4D8m 1G4s 1R 1d2p 2G5m 2d8s 3G9p 3d7p 4G北 4D北
* 1G6m 1D6m 2G2m 2D2m 3G4m 3d5s 4G4s 4D4s 1G1s 1D1s 2G2m 2D2m 3G7p 3d1s
* 4G西 4D西 1G3p 1D3p 2G1p 2D1p 3G7s 3d7p 4G9m 4D9m 1G6s 1D6s 2G東 2D東
* 3G6s 3D6s 4G8s 4D8s 1G6s 1D6s 2G8p 2d6s 3G5P 3d1s 4G4m 4D4m 1G発 1A

東3局 0本場(リーチ0) フーテンの中 32000 雀聖神龍 -32000
役満ロン 大三元
[1西]1m7m9m2p9p3s5s5s6s8s9s9s中
[2北]3m5m7m9m9m2p5p8p9p9p1s南西
[3東]7m2p3p4p6p6p8p2s4s7s東南発
[4南]1m4m9m4p4p6p4s南白白発発中
[表ドラ]2s [裏ドラ]南
* 3G北 3D北 4G2s 4d1m 1G南 1d1m 2G8m 2d南 3G2m 3d南 4G1p 4d9m 1G6m 1d9p
* 2G8m 2d西 3G5m 3d発 4N 4d1p 1G7s 1d南 2G7p 2d2p 3G8p 3d7s 4G5P 4d南 1G6m
* 1d中 2G西 2D西 3G7p 3d2m 4G6m 4d4p 1G3p 1d9s 2G2m 2d1s 3G5s 3d東 4G9s
* 4D9s 1G6s 1d9m 2G3p 2d5m 3G東 3D東 4G中 4d4m 1G8m 1d6m 2G北 2D北 3G1s
* 3d7m 4G6s 4d6m 1G1p 1d9s 2G北 2D北 3G6m 3D6m 4G4s 4d6s 1G5p 1d6s 2G西
* 2D西 3G3p 3d5m 4G4p 4D4p 1G1p 1D1p 2G白 2D白 4N 4d2s 1G中 1D中 4A

東4局 0本場(リーチ0) 雀聖神龍 3200 s.m.s -3200
25符 三飜ロン 七対子 リーチ
[1南]2m2m9m1p8p4s5s5s9s東北北白
[2西]4m4m8m9m5P5p6p1s2s5s8s南西
[3北]5m7m9m2p4p6p9p2s6s7s8s南中
[4東]1m1m6m7m4p8p9p9p5s7s東西発
[表ドラ]5p [裏ドラ]8p
* 4G9p 4d西 1G1p 1d9s 2G5m 2d南 3G3m 3d南 4G白 4D白 1G東 1d8p 2G6s 2d西
* 3G8m 3d9p 4G中 4D中 1G白 1d4s 2G5p 2d8s 3G7m 3d2s 4G2m 4d発 1G3s 1D3s
* 2G1s 2d2s 3G2s 3D2s 4G1s 4D1s 1G8s 1D8s 2G8s 2D8s 3G発 3D発 4G4m 4d4p
* 1G白 1d白 2G2s 2D2s 3G6m 3d3m 4G7s 4d5s 1G6m 1D6m 2G9s 2D9s 3G4s 3D4s
* 4G3s 4D3s 1G1m 1R 1D1m 2G南 2D南 3G7p 3d中 4G9m 4d1m 1G北 1D北 2G7p 2d1s
* 3G6s 3D6s 4G4s 4d1m 1G北 1D北 2G5m 2d1s 3G3m 3D3m 4G南 4d6m 1G3m 1D3m
* 2G3p 2d9m 1A

---- 試合結果 ----
1位 フーテンの中 +38
2位 s.m.s +11
3位 青く澄んで -21
4位 雀聖神龍 -28
----- 122卓 終了 2011/03/23 02:12 -----

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映画『英国王のスピーチ(The King's Speech)』

 映画『英国王のスピーチ(The King's Speech)』を観た。

The_kings_speech

 公式ホームページ、パンフレットのINTRODUCTION。

 スピーチができない男が、国王になった―。
 吃(きつ)音症に悩む英国王ジョージ6世が自らを克服し、
国民に愛される本当の王になるまでを描いた感動の実話。

 幼い頃から吃音というコンプレックスを抱え、自分を否定しながら生きてきた男がいる。内気な性格から人前に出ることが最も苦手なこの男が、国王になってしまった。“王冠を賭けた恋”のために王位を捨てた兄の代わりに、望まぬ座についたジョージ6世、現在の英国女王エリザベスの父だ。
 
 何人もの言語聴覚士の治療を受けても一向に改善しない夫を心配して、妻のエリザベスはスピーチ矯正の専門家ライオネルを訪ねる。固く閉ざされた心に原因があると気付いたライオネルは、独自の治療法とその率直な性格で、王の気持ちを解きほぐしていく。折しもヒトラーの率いるナチスドイツとの開戦を余儀なくされ、揺れる国民は王の言葉を待ち望んでいた。王は国民の心をひとつにするべく、渾身のスピーチに挑むのだが──。

 これは、深く傷ついた心を抱えた一人の弱い人間が、様々な困難を乗り越えて、国民から信頼される、強く優しい王になるまでを描いた真実の物語である。その陰には、型破りのセラピストとの出会いと、彼との身分を越えた友情、何があっても王を支える妻の愛情があった。

 ジョージ6世に扮するのは、『シングルマン』(09)で数々の賞に輝き、アカデミー賞にノミネートされたコリン・ファース、ライオネルには『シャイン』(95)のオスカー俳優ジェフリー・ラッシュ、妻のエリザベスには『アリス・イン・ワンダーランド』(10)のヘレナ・ボナム=カーターという名だたる3人の演技派俳優による贅沢なアンサンブルが実現した。他にも、『ハリー・ポッター』シリーズの名優マイケル・ガンボン、『ハート・ロッカー』(08)のガイ・ピアースらが脇を固めている。監督は主にTV 作品を手がけ、エミー賞やゴールデン・グローブ賞に輝くトム・フーパー。

 ごく普通の人間と同じように、欠点や弱みを抱えた一人の男が、王に“なる”ために必要なものは何だったのか──そこには、私たちを励ます答えが隠されている。元気と自信を失いつつある今の日本で、それでも明日を見つめて歩き続けるための答えが──。

◇   ◇   ◇
 アカデミー賞の作品賞、主演男優賞(コリン・ファース)、脚本賞(デヴィッド・サンドラー)、監督賞(トム・フーバー)を受賞した作品。テーマもエンターテインメント性も、脚本もすばらしい!五つ星の映画だった。

 ジョージはヒトラーの演説をフィルムで観て、「何を言っているか分からないけど、とても上手だ」と評する。
 ドイツとの開戦。その勝敗の決め手となるのは国民の士気を左右するリーダーの言葉だった。

 ヒトラーは饒舌で、身振り手振りも含めた映像的な演出で国民の支持を得ようとする。これに対して、ジョージはマイクの先に立っている、スピーチ矯正の専門家ライオネルに話しかけるようにして、なんとかスピーチをやり遂げる。
 たどたどしくやっと絞り出す声だが、その言葉には力がこもる。
 
 最近、テレビは本当に人のメッセージを伝えているのだろうかと思うことが多い。わが国では、短い言葉、一瞬のパフォーマンスで人気を博した首相がいたが、まさにパフォーマンスに向いているのがテレビだ。

 しかし、昔も今も、じっくり語りかける言葉こそが、最も人々に伝わる。

 その意味で、過去のメディアなどと言われているが、声、言葉を感情とともに伝えられるラジオは見直されてもいい。


 ジョージ6世は吃音だったが、だれでもマイクに向かい、秒読みを始められると緊張が高まり、最初の言葉が出なかったり、声が上ずったりするものだ。
 
 ライオネルの治療法はわれわれにも役に立つ。あがらないでしゃべるノウハウになるかもしれない。


 優れた映画というものは、題材の選び方、脚本、演出、どれもが秀でているが、やはりほしいのは心にしみるメッセージ性だ。
 なんだか明日から、元気なりそうな気にさせてくれる『英国王のスピーチ』のような映画は素敵だ。
 
 『ソーシャル・ネットワーク』もいくつかの部門でノミネートされていたが、最終的にはひとつも受賞できなかった。映画としてのつくりは素晴らしくても、映画が伝える感動に欠けていたのではないか。『英国王のスピーチ』を観た後では、率直にそう感じた。

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哲也@東風荘)小四喜和

Shosushi20110318
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かろうじてトップ(^^ゞ

===== 哲也@東風荘 121卓 開始 2011/03/18 23:39 =====
持点27000 [1]ぶるてりあー R1867 [2]フーテンの中 R1920 [3]momomasa R1927 [4]モンスター5 R2015
東1局 0本場(リーチ0) フーテンの中 32000 ぶるてりあー -16000 momomasa -8000 モンスター5 -8000
役満ツモ 小四喜和
[1東]2m3m4m9m2p7p7p2s3s5s8s東白
[2南]6m7m9m2p5P5s南西西北北発中
[3西]1m4m4m5m9m4p5p6s7s北白発中
[4北]2m2m4m3p4p5p1s4s6s8s9s南南
[表ドラ]2p [裏ドラ]2m
* 1G9p 1d9m 2G5s 2d9m 3G5m 3d北 4G6p 4d1s 1G3p 1d9p 2G8p 2D8p 3G3s 3d白
* 4G白 4d9s 1G1s 1d白 2G8m 2d中 3G9p 3d中 4G7m 4d白 1G東 1d8s 2G1m 2d発
* 3G西 3d発 4G3m 4d2m 1G2p 1d5s 2G東 2d1m 3G9m 3d9p 4G6p 4d南 1G9p 1d3p
* 2G南 2d2p 1N 1d9p 2G7p 2d5P 3G8p 3d1m 4G3m 4d南 2N 2d7p 3G1m 3d西 2N
* 2d5s 3G2s 3d1m 4G9s 4d3m 1G8m 1D8m 2G3m 2d5s 3G6p 3d8p 4G中 4D中 1G1s
* 1d1s 2G東 2d3m 3G4p 3D4p 4G4p 4d9s 1G1p 1D1p 2G北 2A

東2局 0本場(リーチ0) モンスター5 3900 ぶるてりあー -3900
30符 三飜ロン 発 ドラ2
[1北]4m8m5p5p9p1s3s5s7s8s南北中
[2東]1m3m8m9m1p6p1s4s4s南南北白
[3南]2m4m5m1p2p3p3p4p7p2s6s西北
[4西]5m6m7m7m9p1s3s6s東東北発発
[表ドラ]3s [裏ドラ]2m
* 2G4p 2d1p 3G1m 3d北 4G中 4d9p 1G8p 1d北 2G5s 2d北 3G6p 3d西 4G9p 4d北
* 1G8s 1d南 2G発 2d1s 3G5m 3d2s 4C1s3s 4d9p 1G6m 1d中 2G4s 2d白 3G9m 3D9m
* 4G4s 4d7m 1G7p 1d1s 2G6s 2d発 4N 4d中 1G発 1D発 2G9s 2D9s 3G4p 3d1m 4G3m
* 4D3m 1G1m 1D1m 2G4p 2d9m 3G2p 3d1p 4G3s 4d6s 1G2s 1D2s 4A

東3局 0本場(リーチ0) momomasa 12000 フーテンの中 -12000
満貫ロン 平和 ドラ4
[1西]2m4m1p6p6p9p1s1s3s9s東西白
[2北]1m3m7m7m5p8p2s3s4s5s8s9s発
[3東]3m5m1p4p5P5P6p7p8p1s6s北中
[4南]5m7m9m4p8p9p5s8s9s南西白発
[表ドラ]1p [裏ドラ]8p
* 3G6s 3d北 4G3m 4d西 1G6m 1d西 2G4s 2d8p 3G南 3d1s 4G2p 4d白 1G6m 1d9s
* 2G1m 2d発 3G1p 3d中 4G南 4d発 1G2p 1d9p 2G9s 2d5p 3G西 3D西 4G3p 4d5s
* 1G4s 1d白 2G3s 2d3m 3G2m 3d南 4N 4d3m 1G1m 1D1m 2G4p 2D4p 3G北 3D北 4G4m
* 4D4m 1G9m 1D9m 2G1s 2d7m 3G4m 3d2m 4G7s 4d5m 1G白 1D白 2G7p 2d7m 3G5s
* 3d8p 4G1m 4D1m 1G8m 1d東 2G東 2d7p 3G8m 3D8m 4C7m9m 4d8p 1G8m 1d4m 2G中
* 2d1m 3G2p 3D2p 4G7m 4D7m 1G北 1d2m 2G5s 2d1m 3G東 3D東 4G9m 4d9p 1G6s
* 1D6s 2C4s5s 2d東 3G北 3D北 4G4p 4d9m 1G西 1d北 2G中 2d9s 3G7s 3d6s 4G2m
* 4D2m 1G3p 1d西 2G8s 2D8s 3G5p 3D5p 4G9m 4D9m 1G3s 1d1s 2G南 2D南 3G2p
* 3D2p 4G9p 4D9p 1G3m 1D3m 2G2s 2D2s 3G6m 3d3m 4G8p 4D8p 1G4s 1d1s 2G8m
* 2D8m 3G5m 3d5m 4G6m 4D6m 1G2s 1d6m 2G6s 2D6s 3G2s 3D2s 4G2m 4D2m 1G7s
* 1d6m 2G3p 2D3p 3A

東3局 1本場(リーチ0) momomasa 8000 モンスター5 -8000
40符 三飜ロン リーチ ドラ2
[1西]1m1m4m7m1p2p4p3s4s7s西白発
[2北]3m3p3p4p7p5s5s6s8s北北白発
[3東]3m8m8m9m5P6p7p7p9p3s7s8s9s
[4南]2m3m4m5m7m8m2p6p9p8s9s東西
[表ドラ]5p [裏ドラ]2m
* 3G8p 3d3s 4G5m 4d西 1G8m 1d西 2G中 2D中 3G6p 3d3m 4G5s 4d9p 1G6s 1d発
* 2G中 2D中 3G1s 3D1s 4G6p 4d東 1G7s 1d1p 2G4s 2d発 3G9m 3d6p 4G6m 4d2p
* 1G2m 1d白 2G北 2d8s 3G4s 3R 3D4s 4G5s 4d6p 1G2p 1d4s 2G1p 2d4s 3G2m 3D2m
* 4G4p 4d2m 1G9p 1d3s 2G2s 2d北 3G6m 3D6m 4G8s 4d8m 3A

東3局 2本場(リーチ0) モンスター5 3200 フーテンの中 -3200
40符 二飜ロン リーチ ドラ1
[1西]7m7m9m3p4p4p5p6p7p9p1s5s北
[2北]2m4m4m6m7m2p5p7p4s9s白発中
[3東]2m4m9m3p5P8p8p9p1s5s6s8s発
[4南]1m2m3m5m8m8m1p6p9p5s9s西発
[表ドラ]3p [裏ドラ]白
* 3G1s 3d発 4G7m 4d1p 1G発 1d1s 2G9s 2d白 3G3p 3d9m 4G西 4d9s 1G南 1d北
* 2G3s 2d発 3G1m 3D1m 4G3s 4d9p 1G1p 1d南 2G南 2D南 3G北 3D北 4G4s 4d発
* 1G5s 1d9m 2G6s 2d中 3G2s 3d8s 4G東 4D東 1G4s 1d発 2G2m 2d9s 3G白 3D白
* 4G中 4D中 1G1m 1D1m 2G1p 2d9s 3G2p 3D2p 4G8s 4D8s 1G8s 1D8s 2G北 2D北
* 3G7s 3d2s 4G東 4D東 1G白 1D白 2G7s 2d2m 3G南 3D南 4G4p 4d5m 1G7s 1D7s
* 2G2p 2d2m 3G南 3D南 4G2s 4d5s 1G9m 1D9m 2G6p 2d2p 3G9m 3D9m 4G白 4D白
* 1G3m 1D3m 2G6m 2D6m 3G4m 3d1s 4G6s 4D6s 1G北 1D北 2G8m 2d2p 3G東 3D東
* 4G1p 4D1p 1G9s 1D9s 2G2s 2d1p 3G1m 3d1s 4G中 4D中 1G4s 1d9p 2G7p 2D7p
* 3C8p9p 3d8p 4G5P 4R 4d7m 1N 1d1p 2G2s 2D2s 3G1s 3d6s 4G3m 4D3m 1G5m 1D5m
* 2G5m 2d8m 4A

東4局 0本場(リーチ0) モンスター5 4900 momomasa -4900
40符 二飜ロン リーチ ドラ1
[1南]1m2m4m6p8p4s5s6s7s東白発中
[2西]6m6m8m1p3p5P5p6p7p7s南南発
[3北]1m7m1p2p5p2s3s4s4s5s9s南白
[4東]2m4m5m7m1p4p5P6p1s3s9s西白
[表ドラ]9s [裏ドラ]4m
* 4G2p 4d西 1G東 1d1m 2G東 2D東 3G7s 3d南 4G北 4D北 1G6m 1d白 2G7p 2d8m
* 3G北 3d1m 4G中 4d白 1G南 1D南 2G4p 2d7s 3G4m 3d白 4G3p 4d中 1G9m 1D9m
* 2G4p 2d6m 3G7m 3d北 4G3s 4d1s 1G9m 1D9m 2G7p 2d6m 3G東 3D東 4G6p 4d2m
* 1G9s 1d発 2G6s 2D6s 3G2p 3d1p 4G5m 4d9s 1G西 1D西 2G8m 2D8m 3G中 3D中
* 4G2s 4D2s 1G5s 1d中 2G8s 2D8s 3G8m 3d4m 4G2m 4D2m 1G8p 1d6p 2C4p5p 2d発
* 3G北 3D北 4G6s 4D6s 1G発 1D発 2G3p 2d1p 3G7s 3d7m 4G8p 4d7m 1G9p 1D9p
* 2G5m 2D5m 3G8s 3d7s 4G4s 4D4s 1G北 1D北 2G8p 2D8p 3G2m 3D2m 4G9m 4D9m
* 1G西 1D西 2G2s 2D2s 3G2s 3d5p 4G発 4D発 1G1m 1D1m 2G白 2D白 3G4p 3D4p
* 4G3s 4R 4d4m 1G8m 1d4m 2G1s 2D1s 3G9m 3d2s 4G5m 4D5m 1G3m 1d2m 2G9p 2d南
* 3G3p 3R 3D3p 2N 2d南 3G2p 3D2p 4G1p 4D1p 1G1s 1d東 2G9s 2D9s 3G7p 3D7p
* 4A

東4局 1本場(リーチ0) フーテンの中 4200 momomasa -4200
30符 三飜ロン 自風 ドラ2
[1南]6m9m2p3p9p3s4s7s7s東西北中
[2西]3m3m7m3p4p7p8p1s5s東南西発
[3北]1m2m3m7m1p1p6p2s6s8s北白発
[4東]4m5m5m6m2p3p4p7p8p4s5s北発
[表ドラ]7p [裏ドラ]西
* 4G3s 4d北 1G1s 1d9p 2G6p 2d1s 3G1m 3d北 4G2m 4d発 1G7p 1d北 2G8p 2d南
* 3G5p 3d白 4G南 4D南 1G8s 1d西 2G白 2d東 3G9m 3d発 4G5s 4d2m 1G9s 1d9m
* 2G8s 2d白 3G9p 3d2s 4G6s 4d5m 1G1s 1d中 2G西 2d8s 3G西 3d9p 4G白 4D白
* 1G9p 1d東 2G5P 2d発 3G南 3d西 2N 2d7m 3G2s 3d南 4G9m 4D9m 1G4m 1d7s 2G1p
* 2D1p 3G9m 3d2s 4G3p 4D3p 1G1s 1d6m 2G5m 2D5m 3G9p 3D9p 4G北 4D北 1G中
* 1d4m 2G中 2D中 3G6s 3d1m 4G8m 4D8m 1G発 1d中 2G9s 2D9s 3G1m 3D1m 4G7s
* 4d8p 2N 2d5s 3G2p 3d7m 4G中 4D中 1G7s 1d7s 2G5s 2D5s 3G4p 3d8s 4G8m 4D8m
* 1G8s 1d8s 2G東 2D東 3G5p 3D5p 2A

---- 試合結果 ----
1位 フーテンの中 +37
2位 momomasa +4
3位 モンスター5 -11
4位 ぶるてりあー -30
----- 121卓 終了 2011/03/18 23:52 -----

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神楽坂 Rouge(ルージュ、東京・神楽坂、焼き鳥、ワイン)

 ワインと言うとフランス、イタリア、スペイン…欧米の料理と一緒に食べることが多いが、焼き鳥とワインが実に合うことを教えてくれる店がある。神楽坂 Rouge(東京都新宿区神楽坂6-26、03・5206・3860)だ。

001_2
 この1週間、外出をできるだけ避けようとする人が多かったと思うが、さすがに、みなリフレッシュしたくなったのだろうか、街に人が出ていたような気がする。

 友人とお酒を飲むこのひとときが、人生の楽しみなのだから。

 朝締めの新鮮な鳥を、備長炭で焼き上げている。有機栽培、減農薬栽培の野菜もおいしい店だ。

 まずワインを頼む。グラスでも何種類か用意していてくれるのがうれしい。
 
 スパークリングワインはオーストラリアの「ドメーヌ・シャンドン・ブリュット」(800円)。

 白は、南アフリカの「アーニストン・ベイ・シュナン・ブラン・シャルドネ」(600円)とフランス・ロワール地方の「ジャン・バルモン・vd・フランス・ソーヴィニヨンブラン」(800円)。

 赤は、フランス・ブルゴーニュ地方「ルイ・ジャド・ブルゴーニュ・ルージュ・クーヴァン・デ・ジャコヴァン」(1000円)、フランス・ラングドック地方の「ジャン・バルモン・vdp・ドック・カベルネ・ソーヴィニヨン」(800円)、カリフォルニアの「ボンテッラ ジンファンデル」(1100円)を用意してくれていた。

 どんなワインか分からないハウスワインしか置いていない店が多いが、さすが、ワインにも力を入れている。
002

 焼き鳥は焼き加減もよく、器、盛り付けもきれいでうれしい。お皿は温めてある。
 お店の人の感じも大変いい。店内に流れるジャズがまた、いい。

003_2
 ささみ わさび焼き(1本250円)。

004
 もも(1本280円)。

005_2
 しいたけ(1本250円)とししとう(1本200円)。

007
 手羽(1本250円)。

008
 フレッシュモッツァレラとトマトのカプレーゼ(1000円)。
 最高級“バッファラ”のモッツァレラチーズは確かに絶品だった。

009_2
 ズッキーニ(1本200円)。ゆずみそと一緒に。

010_2
 つくね(1本330円)。

011_2
 さつま芋(200円)。蜂蜜と一緒に。

 012
 締めは、特製そぼろ丼(なん骨入り鶏とぼろと、相模原の地玉子を特製のたれでお召し上がりください、800円)。

013_2
 そして、至福のご飯(相模原の地玉子と、自家製のだし醤油でいただく至福の“玉子かけご飯”、600円)。

 満喫した。
 与えられた幸福な時間は有効に使わなければと思った。

 営業時間は17:30~23:30(ラストオーダー FOOD22:00、DRINK23:00)。
 定休日は毎週日曜日と第2月曜日。

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今日から普通の生活に!

 「今日から普通の生活に」。
 そう思って家を出た。
◇   ◇   ◇
 会社が「在宅勤務」を認めてくれたので16日は朝から家でパソコンに向かって仕事。夜10時まで、働いてしまった。
 17日は会社の今の所属部署の送別会が中止になった。会社の送別会は公式行事の色彩がある。在宅も奨励しているときに送別会で拘束することはよくないと上司は考えたようだ。

 しかし、日程が重なり出られないはずだった別の送別会に出席することができた。会社の独身寮時代の仲間と、先輩を送る会だ。人数は減ったが6人。ちょうど話しやすい人数。
 直前に大規模停電の警告が出たので、ちょっと心配だったが、本当の仲間を送る会ならば「万難を排しても出たい」。19時スタート。会場の淡路町に向かった。すでに銀座線は混雑でストップしていたが、丸ノ内線は比較的すいていて、国会議事堂から乗って、座ることができた。

 ほとんどが東日本大震災の話題。
 震災直後の土日はテレビに釘付けになっていた。その悲惨な映像を見て、言葉を失った。具合が悪くなってきた。気持ちも沈んでくる。
 みな、そんな状態だったのだろう。久しぶりの会合に、みなすっかりくつろいでいた。

 この震災は長丁場になる。被災者のことは考えなくてはいけないが、沈んでばかりもいられない。みな、がんばろう。そんな感じで会はお開きになった。

◇   ◇   ◇
 18日も在宅でもいいのだが、甘えるのはやめようと思った。東北や茨城と、東京の状況はまったく違うのだ。いつもより早めに出社した。

 山登りの師匠、Mさんはいま、水戸に住んでいる。ご自宅は物が落ち、水が出なくなり、大変だったという。
 今も水、食料、ガソリン不足で御苦労されている。

 これが本当の危機なのだ。

Life20110313_001
 この写真は3月13日昼の、近くのスーパーの写真。ラーメンやご飯系の商品がすっかりなくなっていた。被災地に送ったのだろうか? 不安になって、買い込んだ人が多かったのではないか。

 生産地が被災したり、物流網が寸断されて、本当に品薄になるものは多い。けれども一人ひとりがいつもよりも多く買い過ぎると、それだけで物がなくなる。そんな不安が招いた品不足もあるのではないか。

 不安が不安をつくりだす。今の東京の状態はそんな感じだ。

 福島原発の事故で計画停電が始まったのは紛れもない事実だが、それにより電車の運休本数が増えたり、暗い職場で仕事をしたりするのを、あまり「危機」と考えない方がいいのではないか。電気や通信や物不足。「不便」だが、死ぬわけではない。東京は被災地とは違うし、戦時下でもないのだ。

 この状態に慣れ、不安を払しょくし、仕事に励む。
 同時に友人とは大いに語り、万が一の時にも助け合える絆を深めておく。
 そしてもう少ししたら土日は遊びに行く。買い物もする。
 それでいいのではないか。

 被災していない東京に住んでいる人間は助ける側に回らなければいけないのに、すっかり被害者意識に包まれている。
 普通の生活をしようと提案すると非難する人がいる。でも不安は不安をつくり出す。普通に暮らすことしか普通をつくり出せない。

 Mさんは、「当面、救援物資はいらない。ネットがつながったのでブログ、楽しみにしている。片付いたら、また山に行きましょう」と言ってくれた。

 地震はいつ起こるか分からないし、被災地の復興は時間がかかる。短期に解決する問題ではないから、下を向いていたら、かえってマイナスが大きくなる。前を向いて、活力を取り戻そう!

◇   ◇   ◇
 この間、いろんなことを感じ、学んだが、IT関連ではケータイの渋滞はどうにかならないかと思った。
 会社が送る安否確認メール。友人や家族を心配してかける電話。必要なものなのだが、一人一台、ケータイを持つ時代、全員が同時にケータイを使った瞬間、通じなくなる。
 東北でケータイが使えなくなったのは多くの基地局が壊れたといった理由が主だと思うが、東京は通信渋滞だ。
 こんなときTwitterを使えば1対1の通信が減り、通信渋滞も緩和される。

 ケータイの緊急時の使い方マナーも新たに構築する必要があるだろう。
 「安否確認のメールもなかった。冷たい」などど後で言われそうだからと、ケータイを使う人も結構いるのではないか。安否確認はTwitterに任せ、ケータイは必要な情報のやり取り、けが人の連絡、事故の連絡などに絞るべきではないだろうか。

 UstreamでNHKの災害のニュースが流れている。中学生が外にいる人が困るだろうとテレビ画面を生中継。これが評判を呼び、それならばとNHKなどが公式にUstreamにニュースを流し始めた。
 著作権処理などいろいろな問題で、放送と通信の融合は進んでいないが、今回、それが大きく進んだ。
 ワンセグだとすぐに携帯の電池が消耗する。それに、iPhoneにはワンセグはついていないので、ネット経由で放送が流れる意味は大きい。
 海外の人が生でNHKを見られたのもUstreamの力だろう。

 すでに公式サービスとなっているラジオ放送と同時に番組がネットでストリーミング配信されるIPサイマルラジオ「radiko」も助かった。

◇  ◇  ◇
 東北の住宅復興。この際、思いきった住宅をつくるべきではないか。超高齢社会について学んでいてそう思った。
 津波でも倒壊しない鉄筋コンクリートづくりの高層住宅をつくる。隈健吾さんあたりにお願いして東北の街並みに合うデザインにしてもらう。1階、2階は外部に貸し出す集会場やホール、喫茶店などコミュニティの場。
3階以上に生活必需品の店舗(病院の売店、コンビニ)を配置する。いざというときの商品備蓄も店がしておく。
 4階以上が住宅。高齢者のケア付き住宅もあれば、普通の家庭の住宅もある。3世代が一つの高層住宅にまとまる。いざというときに備えられる理想の住宅はつくれないか。

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松本すみ子著『地域デビュー指南術~再び輝く団塊シニア~』(東京法令出版)

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地域デビュー指南術

 松本すみ子著『地域デビュー指南術~再び輝く団塊シニア~』(東京法令出版、平成22年7月6日発行)を読んだ。
 松本さんは2004年、日経BP社の情報サイト「Nikkei BPnet」で「松本すみ子の団塊消費動向研究所」を連載。2005年に日経BP社のシニア向けサイト「セカンドステージ」のプロデューサーとして企画に携わり、「団塊世代のための定年準備講座」を連載した。シニア市場、シニアライフに詳しい「シニアライフアドバイザー」だ。

 「団塊マーケットは、2004年ころから急速に盛り上がった。2007年の団塊世代(※1947年から1949年にかけて生まれた人たちで、日本の全人口の5~6%を占める)第一陣の退職がいよいよ間近に迫ったからだ」「自由な時間とゆとりある資金。この両方を持ったリタイア組がたくさん出現するに違いない」と多くの企業が期待した。「50代の平均貯蓄額は1150万円。これだけの貯蓄がある団塊世代に、今後、退職金が入る。子供は独り立ちしている年代だし、順調であれば住宅ローンも終わっているだろう。これからは趣味に楽しみに、活発な消費活動を行うに違いない」。

 「しかし、期待に反し、2007年を迎えても、そしていまだに、団塊世代にも市場にも、さしたる動きは見られない」「もともと彼ら自身にそのようなのんきな将来予測ばかりがあるわけがなく、売り手側が勝手に創り出した期待値でしかなかったからだ」。
 「団塊以降の世代は、その前のリタイア世代とは状況が異なる。…団塊世代以降の人は、定年後すぐには満額の年金がもらえない。…したがって無収入に等しい時期を埋めるためにも、なんらかの形で働かなければならないと考えている人が多い」。

 「財布の中身だけを狙った中途半端な商品やサービスは撤退してしまったが、“若くもなく、かといって高齢でもない人たち”という難しい分野があることへの理解が進んできた。そこに可能性があると判断した企業は残るだろう」。

 「団塊市場が期待どおりでないと思い知った企業の多くは、シニアマーケットから撤退し、さっさとほかの分野に移った。しかし、自治体・行政は、団塊世代への対応・政策から逃げることはできない。団塊世代の高齢化で生じる様々な現象への対応や問題解決は、今後の自治体・行政運営にとって、もっとも重要な課題のひとつである」
 「これは、団塊世代自身にとっても同じだ。ぴったりこない団塊向け商品にそっぽを向いても何も問題はないが、地域社会とのつながりなしには豊かなセカンドライフを築くことはできないからである」。

 団塊の世代の働きたいという願望は強い。品川区が「品川区に住む団塊世代(総数約1万7700人)約5000人に『何歳まで働きたいか』」を聞いたところ、「半数が65歳までと回答し、それ以上70歳までが3割以上、70歳以上でも13%いる」。
 なぜ、そんなに働きたいのか。
 「2008年3月に三鷹市が市内在住の58歳から60歳の市民約650人に行ったアンケート」によると、「最も多かった回答は『生活を維持するため』(54.6%)、次いで、『自分の生きがいややりがいのため』(47.0%)、『頭や体をなまらせないで、健康を維持したいため』(39.8%)。以下、『社会とのつながりを持つため』」(26.7%)、『仕事を通じて、社会に貢献するため』(22.2%)と続いている」。

 もっとも、「小さい会社や郊外の企業には若い人はなかなか集まらないため、シニア世代を活用したいと思っている会社はそれなりにあるという」が、「アクティブシニア就業支援センター」のようなところに「相談に来ても、決まらないことが多い」という。
 「せっかく決まっても、すぐに辞めてしまう人も珍しくない」「辞める理由は、仕事の内容よりも人間関係が多いという。新しい職場に行くと、そこには先輩がいる。中小企業ならたたき上げの個性的な経営者がいる。社長や先輩の下について指図されて、時には理不尽なことも言われる……。長年、管理職で部下を指導するような立場だった人にとっては勝手が違う。カルチャーショック状態で『今さら、こんなところで働いていられない』と思うようになる」。

 「雇われない働き方といえば起業だ。起業というと、大掛かりな創業を思い浮かべがちだが、個人事業主として『ひとりビジネス』を始めることもりっぱな起業である」。

 「リタイア世代の新しい起業スタイルとしては、社会貢献型ビジネスが考えられる。本格的な社会貢献型起業を起こす人は、“ソーシャルアントレプレナー”と呼ばれるが、リタイア世代は起業というよりは、地域社会の問題解決を目指して活動するゆるやかなコミュニティビジネスがふさわしい」。
 「アメリカでは大学、病院、美術館、博物館といったところまで活躍の場が広がっている。今後は日本でも活動分野が広がる可能性は大きい」。
 「最近は有償ボランティアが主流になってきた」「有償であれば、そこに責任と覚悟ができ、活動の質も上がる」。

 「おひとりさま向けのサービスは同年代が助けあう『お互い様ビジネス』として有望株だ」「地域社会には、料理、家事、子育て、介護のスキルを持った女性たちがたくさんいる。男性も、ちょっとした住宅の修理や庭の手入れ、買い物時の車の運転と付添いなど、いくらでも仕事は開拓できるはず。自治体は生活サポート分野を具体的なコミュニティビジネス、協業事業の分野として認識すべきである」。

 本書はこの後「行政の団塊世代対策」「特色ある市民活動」を紹介する。
 このなかではすでに2010年3月で活動を終えた埼玉県の「団塊世代活動支援センター」が面白かった。
 「従来なら、行政や社会福祉協議会がプランし運営していたことを、団塊と同じ世代のリタイア組に委ねたことに特徴がある」「同世代が当事者としての観点で企画・運営し、同じ目線でアドバイスを行い、地域に根ざしたリアリティのある活動が求められている」
 「このセンターは就業に力を入れており、キャリアカウンセラーによる就職相談、県内で新たに農業を始めたい人に向けての休日農業相談などもあった」「仕事関係だけでなく、『会社人間のための定年準備支援講座』『福祉の現場レポート』『市民防災セミナー』『マネー学』などの真面目なものから、パソコン教室、料理教室、街道を歩くなど、生活を豊かにするカルチャー的なテーマまで、幅広く開催していた」という。

 北九州市が2006年から50歳以上を対象にして開催している「生涯現役夢追塾」も面白い。
 「メインターゲットは団塊世代で、『退職後も現役時代に培った知識や技術、経験や人脈などを活かし、経済・産業、社会貢献活動などの担い手として活躍できる人材を発掘、育成する』事業だ」「卒塾後は、市内大学・高校などの講師や企業などでの技術系指導者として活躍する道がある」「また、NPO法人の設立、コミュニティビジネスへの展開、独立コンサルタントとしての活躍なども期待しているという」。

 「すでに活動している人たちへの効果的な支援策があれば、さらに活動への参加者を増やすことができるかもしれない。最近、地域で活用されているのがポイント制度だ」「自治体でいち早くポイント制度を始めたのは東京都稲城市だ。2007年に『介護ボランティア制度』として、元気なシニア世代が介護支援ボランティア活動を行えばポイントを与える制度を試験的に始めた」。

 「少子高齢化が進む日本では、労働人口の減少から、女性、障害者、リタイア世代、外国人など、年齢・性別・国籍などに関係なく、意欲と能力のある人を活用する場を創らないと社会が立ち行かなくなるという認識も浸透してきた」「問題解決のひとつは、定年を理由に企業が放出した団塊世代という人材に、地域でもうひと働きしてもらうことである」。そんな期待から、「『独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構』の委託を受け、『雇用開発協会』が開設していた全国14か所の『高齢期雇用就業支援コーナー』は、2010年3月をめどにすべて廃止となった。鳩山内閣での事業仕分けの結果である」。

 特色のある市民活動で一番印象に残ったのは「男の居場所作り」を目指す東京都杉並区荻窪2-3-1の「NPO法人 生きがいの会(松渓ふれあいの家、ゆうゆう西田館)」。松渓中学校の一角にある「高齢者在宅サービスセンター」だ。
 「仲間たちの話題は、地域に男たちで集まる場所や活動がないということだった」「メンバーにはある思いがあった。デイケアセンターのような施設の利用者はほとんどが女性で、男性は来たがらない。なぜなら、男はプライドが高いから、みんなで一緒に歌を歌ったり、ゲームをしたりするような子供扱いはいやなのだ。男性が参加できて、かつリハビリにもつながる魅力的なプログラムはないものだろうか」。そんな思いが実現したのが松渓ふれあいの家だ。
 「ここは4人掛けが基本だ。理由は、プログラムの中に麻雀を取り入れようと思っていたから。麻雀は、頭と体の両方のリハビリになるはずという考えもあった」「また、月に数度はワインをたしなむ日も設定した」。

 「シニアSOHO普及サロン・三鷹」(三鷹市下連雀3-38-4)は「シニアがシニア自身をサポートする地域活動の先駆けとして全国的に注目を集めたNPOだ。主な事業内容は、パソコン教室の開催、訪問サポートや講師の育成、ウェブサイトの製作と編集」。三鷹市インキュベーションセンターの「パイロットオフィスに集まってワイワイと楽しそうにパソコンをいじっているシニアのグループ」を市の担当者が見つけ、「経済産業省の外郭団体が主催している『情報システム活用型シニアベンチャー等支援事業』」に応募してみては、と提案。これが通り、「これを契機にグループは『シニアSOHO普及サロン・三鷹』となり、翌年の2000年にはNPO法人としてスタートした」という。

 
 「NPOにしろ、ひとりビジネスにしろ、仲間が集まって打ち合わせをしたり、お客さんの対応をする場所を確保しないことには、活動が始まらない」「今、団塊シニア世代はどのようにして、その問題を解決しているのだろうか」「手近なところでは喫茶店がある」「定年後のシニアの利用の多いのは図書館だ」。

 定年退職後は起業するもよし、地域の新しい需要にこたえるビジネスに取り組んでもよしだ。
 この本は具体的事例が多く、読みながら、いろいろなアイデアが浮かんでくる。

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岩崎日出俊著『定年後 年金前』(祥伝社新書)

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定年後 年金前

 岩崎日出俊著『定年後 年金前』(祥伝社新書、2011年2月10日発行)を読んだ。定年後の本や超高齢社会関連の本を読んで今一つピンとこなかったのが、定年後に最低どれだけおカネが必要で、自由な暮らしをするためにはどれだけおカネを稼がなければならないかということ。それを明確にしてくれ、しかも、おカネを稼ぐための個人起業のノウハウについても解説してくれている。最近読んだ本の中では最も実践的な本だった。

 年金はどのくらい?
 厚生労働省が発表している「年金のモデル世帯ケース」。モデルは20歳で就職し、厚生年金に加入して60歳まで同じ会社に勤めた男性。この男性が65歳からもらう年金は、月額16万7000円。
 「厚生年金の支給額が人によって違うのは、会社員時代の年収に左右されるからです」「いずれにせよ、月額13万円から17万円というのが、ごく普通のサラリーマンが受け取る年金額と言えるでしょう」。
 「個人事業主」は国民年金に加入しています。「厚生労働省によると、国民年金は満額で月6万6000円ですが、これは40年間保険料を払いつづけた人のケース」。

 「かつては60歳からもらえた年金が、やがて65歳にならないともらえなくなります。60歳に定年退職した場合には、65歳になるまで給料も年金も支給されない期間が生まれるわけです。これが『空白の5年間』と呼ばれるもので、サラリーマンにとって不安材料の1つになっています」「『空白の5年間』は男性と女性によって違ってきます。男性の場合、2階建て年金のうち、1階部分に当たる国民年金(老齢基礎年金)の支給は、すでに65歳からになりました」「2階部分の老齢厚生年金については、段階的に受け取れる年齢が引き上げられていきます」「昭和36年4月2日以降に生まれた男性…は、65歳にならないとまったく年金がもらえず、『空白の5年間』を過ごさなければなりません。これに対して、昭和28年4月2日から昭和36年4月1日までに生まれた男性(57歳から50歳)は、60歳になったときに支給される年金額は0円。しかし、その後の受給開始時期はそれぞれの年齢で違ってくるという、ややこしい仕組みになっています」。

 老後はいくらおカネがかかる?
 「じつは老後には、一般的に言って1億円程度のお金がかかるのです」。
 そして、「年金は…定年後に生きていくのに必要な資金のなんと6~7割をカバーしてくれるのです」。

 資産運用は安全ではないという。
 「リターンの高いものはリスクも高い。これが金融の理論の鉄則です」「長年会社の仕事を粛々とこなしてきて得た大切な退職金です。資産運用のうまい話は無視して、まとまったお金は1000万円ずつ分けて銀行に預金し、一生涯もらえる年金と併用していくのが安全な老後の道だと思います」。

 ある日突然やってくる「親の介護」。
 「私の周囲を見る限り『85歳』からが介護年齢ではないでしょうか。85歳を過ぎた両親について『急に老け込んだ』『転ぶ回数が多くなった』『物忘れが激しくなった』と語る友人、知人が多いのです」「生活に不安を感じたらヘルパーを入れて普段通りの生活をできるかぎりつづけ、最後はホームで過ごす……そんな道筋を今は描いています」。

 「入所型施設でなるべくコストを抑えるには、特別養護老人ホーム(特養ホーム)など公的な施設を利用するにかぎりますが、現実は非常にむずかしいでしょう」「このため多くの場合、親に24時間体制の介護が必要になったら、初めから民間の介護付き老人ホームを選ぶという人が多くなってきています」。

 「たとえば首都圏の場合、入居一時金1000万円、月額利用料25万円といったあたりが平均コストのようです」「かりに85歳で入居し、95歳まで施設を利用するとして、この平均的利用料で総額を試算してみると」「入居一時金1000万円+(月額25万円×12ヵ月×10年)=4000万円」となります。
 「入居一時金0円から100万円以下、月額利用料も15万円程度といった比較的リーズナブルな介護付き老人ホームも少なくありません」「しかし、価格が低い施設には、居室がかなり狭い、また介護スタッフの数が充分でなかったりするところもあるようです」。
 「介護施設の料金体系は施設ごとにさまざまですが、総体的に言えるのは『ひじょうに複雑』だということです。入居の際、数年分の施設利用料として『入居一時金』を取る施設も少なくありません。この入居一時金のなかには償却が含まれていますが、これには注意が必要です」。

 70歳まで働く時代。
 「これから定年を迎えるサラリーマンは、再雇用制度などを利用して65歳まで働くのがごく普通になってきます。いやそれどころか、『70歳まで働く』ことが前提の時代になりつつあります」。
 「定年後、再雇用制度を利用してもやりがいを感じる仕事には就けず、かといって家にいても妻に疎んじられるか、へたをすれば叩き出される――残念ながら、これが定年退職者の一般的な現実です」「運よく再雇用されたあとの職場環境に恵まれ、やりがいを感じる仕事を与えられても、65歳になればまた退職を迫られます」「となれば、残る道は『個人で仕事を始める』しかありません」「ただし、誤解しないでください。個人企業の目的は、大成功でも上場でもありません。自分と言うキャリアを活かして起業し、年金では足りない定年後の生活費を自ら生み出そう、という提案です」。

 退職金を「株で運用するということはどういうことでしょう。たとえばトヨタの株式に投資するというのは、自分が投じた資金の命運をトヨタの経営者にゆだねるということです」「起業をして、創業資金、事業資金としてお金を使うということは、自分で自分のお金をコントロールするということです。そのほうが他人(たとえばトヨタの経営者)に任せるよりも納得できませんか」。
 「往々にして、村社会でうまく立ち回れた人が村の外へ一歩出ると生きていけず、村の中では外れ者だった人が村の外へ出たとたん能力を発揮します。その意味で、会社で不遇を託ちながらも実直にサラリーマン生活を勤め上げた人ほど、定年後の個人起業で成功する確率は高いと思うのです」。

 「定年間近になって焦らないよう、少なくとも50代の半ばまでには退職後の起業について考えておくことをお勧めします」。

 具体的にどうすればいいか。
 「スタート後の半年間の資金計画をあらかじめ作ってから、事業をスタートさせましょう。もし事前の計画と異なってしまって、半年あるいは1年つづけても黒字にならなかったら、その時点で会社をたたむことを考えたほうが身のためです」。
 「起業はやはり自分の強み、キャリアを活かしたものでないとむずかしいのです」。
 「『このままリタイヤして一生を終えたくない』『ずっと現役で仕事を楽しみたい』」「規模の大小にかかわらず、熟年起業家にはこの気持ちがいちばん大切なのです」

 「事業の成功理由は、なかなかひと言では語れません」「しかし、事業失敗の理由は、ほとんど次のひと言に集約できます。『見栄を張ったから』」「大事なのは肩書ではなく、『この仕事がしたい』という意欲です」。
 
 「組織が大きくなればなるほど決定は遅く、一度決定したことは絶対に守らなければいけないという『病』に陥りがちです。だからこそ、個人起業に意義も勝ち目もあるのです」。

 定年後にやるべきことがだんだん見えてきた。

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上野千鶴子著『おひとりさまの老後』『男おひとりさま道』(法研)

おひとりさまの老後、男おひとりさま道

 上野千鶴子著の『おひとりさまの老後』、『男おひとりさま道』(ともに法研)を読んだ。
 Amazonのカスタマーレビューを見ると、『おひとりさまの老後』は星5つから星1つまで評価はばらばら。
 すばらしい。批判を恐れず、上野さんが率直な考えを書いている証拠だろう。
 実は、本当におひとりさまで老後は大丈夫?と思う部分もあったが、この2冊は、ひとりで死ぬ、という、今後当たり前になりそうなことを極めて前向きに捉えており、とても清々しい気持ちになった。おひとりさまでも死ねる世の中をぜひとも作らなければならないと思った。
 
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 『おひとりさまの老後』は平成19年7月12日発行。

 第1章 ようこそシングルライフへ
 「2005年の日本では高齢者になると、65~69歳で52対48、75~79歳で57対43と女性がどんどん増える。85歳以上では72対28、女性5人に男性2人の割合だ」。
 「離婚や死別でふたたびシングルになることを『シングルアゲイン』という」。
 「これを昔のひとは、『後家楽』とよんだ。うるさい夫を見送って、後家になりさえすれば、わが世の春」。
 
 「だが、超高齢社会で亭主がなかなか先に逝ってくれないと、自分が元気なうちに『後家楽』はやってこない。熟年離婚が増えたのは、『もう待てない!』という女たちが、はやばやと夫に最後通牒をつきつけたからではないか」。

 「主婦の時間は待機時間だ、といわれてきた」「自分以外の家族のためにカラダを空けて待機することに、妻はどれだけの時間を使ってきたことだろうか」「だれの顔色もみなくてすむ、だれかのためにカラダを空けて待機しなくてすむ、自分だけの時間。そんな時間が地獄になるか、極楽になるかは、その時間をつぶすノウハウがあるかどうかにかかっている」。

 「子どもは老後の頼りになるだろうか?」「65歳以上の高齢者の子どもとの同居率は、1980年には約70%だったのが、どんどん減少して、2000年には50%弱。代わりに増えたのが、高齢者の夫婦だけの世帯と単身世帯だ」「高齢者世帯のうち夫婦世帯の割合は、1980年に19.6%だったのが、2000年には33.1%。ひとり世帯の割合も、1980年に8.5%だったのが、2000年には14.1%と、同じように増えている」。

 年老いた親と子どもの同居について上野さんは次のように言っている。
 「『おとうさん、おかあさん、わたしたちといっしょに住んだら』という”悪魔のささやき”には、きっぱりとこう答えよう。『ありがとう、おまえの気持ちはうれしいよ。だけど、わたしはここを動かない』」「なによりそれがお互いのためだ。『おや、そうかい、それはうれしいね』とほいほい同居を開始したとたん、せっかくのおだやかな老後を失い、親子関係までこわしてしまうことになりかねない」。

 「おひとりさまになるまでには『ふたり』が『ひとり』になるプロセスがあり、そこには喪失の体験がある。喪失のうちで、もっともダメージが大きいのは配偶者の喪失である」「喪失の体験はたしかにつらい。だが、喪失は同時に自立をもたらしてもくれる」
 「私の周囲のシングルアゲインは、死別組も離別組も新たなパートナーを求めるのに臆病ではないが、法的な結婚や同居を選ばないケースが多い」「『ひとりで暮らす』ことが基本にあり、『ときにはいっしょにいる』という選択肢もある彼女たちのスタイルは賢明で、幸せそうだ」。

 第2章 どこでどう暮らすか
 「在宅支援の地域介護体制が整っていれば、要介護のお年寄りにだってひとり暮らしはじゅうぶん可能だ」。
 「高齢者は『家に帰りたい』が、家族は『同居したくない』と利害が対立したら、高齢者を『家に帰さない』という選択をする代わりに、家族のほうが『家を出ていく』という選択をすればよい」「同居がイヤなら、しょっちゅう親の顔を見なくてすむ距離を保てばよい。つまり“パートタイム家族”や“サムタイム(ときどき)家族”をすればよいのだ」。
 「自分の住んでいるすべての空間をひとり占めできる、それが、『おひとりさまの老後』の最低限のインフラ(生活基盤)だ」。

 「おひとりさまの老後」が自然と考える上野さんも「認知症になっても、寝たきりになっても、同じ場所に住みつづけることができるのか」は気になるようだ。「現行の介護保険は、ひとり暮らしの高齢者を基準にはつくられていない。介護をする家族がいることが前提で、その負担を軽減する目的でつくられたものだ」という現状は認識していて、「ひとり暮らしが高齢者の標準になることが予想されるのだから、制度設計をひとり暮らしに合わせるべきだろう」と言う。
 まだ、実現していない「おひとりさまの老後」だからこそ、上野さんは1冊の本を書いたのだろうと思う。

 けれど、それは実現できると上野さんは見ている。「地域に在宅支援の介護体制さえあれば、かなりの程度の要介護者でも在宅でやっていけるのは、北欧で証明ずみ」。

 “在宅”の効果は大きいという。例えば「重度の要介護高齢者が入居している特養では、6割以上が認知症をともなっている。そのひとたちに対して、逆デイケアという試みがはじまった。病院型の施設を抜け出して、日中、民家を改造したふつうの住宅のような小規模デイホームへ連れ出すと、確実によい効果があることがわかっている」。

 第3章 だれとどうつきあうか
 「ひとり暮らしの達人は、ひとりでいることだけでなく、ほかのひととつながることにおいても達人だ」「家族はやがて去る。仕事も仕事仲間もいつかはいなくなる。そのあとに残るのは、友人たちである」。
 「足腰が弱って出かけるのがおっくうになっても、ハイテク情報通信があれば交際の手段には不自由しない」「ITは、高齢者にとって、まさに福音だ」。
 「喪失のつらさを軽減するには、年少の友人をつくるにかぎる。年下だからといって自分より長生きするとはかぎらないが、少なくとも喪失のリスクを分散することはできる」。
 「自然は孤独の最大の友である。ひとりでいることがまったく苦にならないのは、自然のなかにいて、自分がどれほどちっぽけかを実感しているとき」。

 第4章 おカネはどうするか。
 「ほんとうにほしい介護は、カネでは手に入らない。ケアという商品にかぎっては、価格とクオリティが連動しない」。

 第5章 どんな介護を受けるか
 「『介護されることを勇気をもって受け入れる』病人歴の長い柳澤桂子さんは、要介護のプロとでもいうべき存在。そのひとのことばである」。
 「現実には、いまの介護保険制度にはさまざまな限界があるが、『家族に頼らない老後』という介護の社会化へ、大きな一歩を踏み出したことは評価してよい」。

 第6章 どんなふうに「終わる」か
 「ほんとうは『社会的な死』である家族のなかの死が、あたかも『自然な死』であるかのように規範化され、『孤独死』を蛇蝎(だかつ)のごとくいみきらう。たくさんの孤独死の事例を経験してきた小島原さん(※東京都監察医務院に勤務うする小島原將直さん)のアドバイスのトップにくるのは、ひとりで死ぬのはぜんぜんオーライ、ただ、あとのひとの始末を考えて早く発見してもらうような手配だけはしておきなさいね、というきわめて現実的なものだ」。

 『おひとりさまの老後』は女性のために書かれたものだが、男にも、ひとりで死を迎えたいと思わせてくれる1冊だった。

 上野さんはあとがきで「なに、男はどうすればいいか、ですって?そんなこと、知ったこっちゃない。せいぜい女に愛されるよう、かわいげのある男になることね」と書いているが、男を見捨てなかった。平成21年11月1日に『男おひとりさま道』を出したのだ。
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 「これまでの結婚は、男の『不便』と女の『不安』との結びつきだった。だが、女に『(経済)不安』がなくなれば、女の側の再婚願望は低下する」「男がおひとりさまになるなり方には、3種類ある。第1が死別シングル、第2は離別シングル、第3は非婚シングル」「死別・離別シングルの再婚のハードルは高い。相手の女性が死別シングルなら、亡夫を看とった代償に年金がついているから、それをみすみす手放すとは思えない。離別シングルの女性なら結婚に懲りているから『再チャレンジ』のハードルは当然高い。非婚シングルの女性なら、結婚相手に求める条件がもともと高い。…これまで同世代の男を選ばずにきた彼女たちが、将来、同世代の非婚シングルを選ぶ可能性はますます低い」「というわけで、死別シングルも離別シングルも、ふたたび『おふたりさま』になる可能性は低く、現在の非婚シングルが将来『おふたりさま』になる可能性はもっと低い」。
 「だが、女に依存せずに男おひとりさまが生きることは可能だ」。

 第1章 男がひとりになるとき
 死別シングル。「男性も85歳を超えれば、シングルの割合は3人に1人」。
 離別シングル。「男シングルアゲインが、女シングルアゲインと決定的にちがうのは、離別とともに男は家族のすべてを失うことだ」「離婚したときに成人前の子どものいる割合は6割、そのうち妻に親権がわたるケースが約8割」「妻にしてみれば、もともと、“夫不在”で“母子家庭”同様だった世帯が、ほんものの母子家庭になっただけのこと。経済的な問題さえなければ、夫というストレス源のなくなった母子家庭のほうが、まだましかもしれない」。
 非婚シングル。「40~44歳の非婚率は22%、約5人に1人」。

 第2章 下り坂を降りるスキル
 「70歳以上のひとに対して、『もしあなたがもう一度人生を生きなおせるとしたら、何歳に戻りたいですか』という質問がある。これに対する答えには、男女差がある。女性は30代、男性は50代と答える人がいちばん多いという」「女の30代は出産・育児に夢中な年齢だ」「他方、男の50代といえば、定年直前。職場での地位と収入がピークを迎える。男はその時代に戻りたいという」。
 「下り坂とは、…昨日までもっていた能力や資源をしだいに失っていく過程である。昨日できたことが今日できなくなり、今日できたことが明日はできなくなる」「問題はこれまで、人生の上り坂のノウハウはあったが、下り坂のノウハウがなかったこと。下り坂のノウハウは、学校でも教えてくれなかった。そして上りよりは、下りのほうがノウハウもスキルもいる」。 
 「男が女とちがうのは、同じくらい弱いのに、自分の弱さを認められない、ということだ。弱さを認めることができない弱さ、といおうか。これが男性の足をひっぱることになるのは、老いるということが、弱者になることと同じだからだ」「ずーっと強いまま、現役のまま、中年期のまま、死を迎えられたらよいかもしれない。だがそれが不可能なのが、人生100年時代である」。

 「定年になってから『家庭への回帰』など、してもらわなくてもかまわない。そんなことをしてもらったら、かえってはた迷惑になる。定年になってから必要なのは、職場でもなく、家庭でもない、第三の自分の居場所である」。

 「男たちがカラダを張ってまであれほど仕事に熱中するのは、『妻子を養う』ためでも、『会社以外に居場所がない』ためでもなく、パワーゲームで争うのがひたすら楽しいからにちがいない」「だが、何度もいうが、老後とは『下り坂』の時間。勝ち負けを争う必要のない時間だ。パワーゲームなら、手札を実際よりも強くみせることは相手を威嚇するうえでも必要だろう。しかし、『下り坂』を降りる知恵は、むしろ自分が持たないカードを他人から引き出すための『弱さの情報公開』にある」「だから、180度生き方を変えなければ、後半生をわたっていくのはむずかしい」。 

 第3章 よい介護はカネで買えるか
 「よいサービスとは、結局、利用者が受けたいケアのことなのだが、それを実現しようとすれば、個別ケアが理想」だが、それは「日本では夢のまた夢なのだ」。
 「ケアのついている住まいに移転することを考えるよりは、自分のいる住まいにケアを持ってくることを考えればよい」

 第4章 ひとりで暮らせるか
 「老後のおひとりさまを支えてくれるのは、『このひとイノチ』という運命的な関係よりは、日々の暮らしを豊かにしてくれるゆるやかな友人のネットワーク」「ファッションデザイナー花井幸子さんの『後家楽日和』(法研、2009年)に、『無二の親友より10人の“ユル友”』とあった」。
 「一緒にいて気分のいい相手。しょっちゅう会いたい相手、どきどき会いたい相手、たまに会いたい相手、困ったときに助けてもらいたい相手、助けてあげたい相手、気になる相手、気にかけてくれる相手……が、多様に自分の身のまわりをとりかこんでいればよいのだ。それをセーフティネットともいう」。
 「友人のネットワークをつくるには、“一本釣り”もあるが、もっと効率のよい方法がある。選択縁の仲間に入れてもらうことである」「選択縁とは文字どおり選べる縁。志や教養、趣味、思想信条、ライフスタイル、学歴や経済水準などで、あらかじめスクリーニングされているから、打率が高い」「選択縁の社会は、脱血縁、脱地縁の非日常。ふだんと違う私を演出する返信の場だ」。

 「海外ひとり旅は、『無力な自分』『助けてもらう自分』を経験するのに、よい訓練の場かもしれない」。

 「たとえひとり暮らしでも、1日1回か数日に1度は、連絡したり顔を合わせたりする関係をつくっておこう」。

 第5章 ひとりで死ねるか
 「①24時間対応の巡回訪問介護②24時間対応の訪問看護③24時間対応の終末期医療」「介護・看護・医療の3点セットと多職種連携がありさえすれば、おひとりさまの在宅死は可能である」。

 「生涯の最後に他人さまのお世話になる期間は、死因が、①心疾患と脳血管疾患、②がん、③老衰や感染症の順に短い。寝たきりの平均期間は8.5カ月。がんなら半年、寝たきりなら1~2年程度を予期して、終末期に投資すればよい」。

 2冊を読み終わって、分かった気がする。仮に難しくても、死ぬまで自立を目指すことが潔い。年金だけに頼らず最低70歳までは働き、家族に負担をかけないよう、寝たきりになった時の金銭的な対策もしておく。これまでの人生で出会った信頼できる友人たちとネットワークをつくる。
 自由な人生は自立が基本。今からしっかり準備をしたい。
 

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結城康博著『介護 現場からの検証』(岩波新書)

Kaigo
介護 現場からの検証
 介護問題の基礎を学ぶため、結城康博著『介護 現場からの検証』(岩波新書、2008年5月20日発行)を読んだ。

 結城氏は「はじめに」で「2000年からスタートした介護保険制度はまがりなりにも定着し、いまや多くの高齢者に必要不可欠な制度となった」と介護保険制度について一定の評価をしつつも、改善すべき、さまざまな問題が噴出してきたことを指摘する。

 「2006年4月からスタートした『改正介護保険制度』は、開始早々利用者にも介護従事者にもさまざまなマイナスの影響を及ぼしている。たとえば、『介護予防による混乱が生じている』『以前ほどサービスを受けられない』『地域格差が拡大している』『介護士という職業では生活ができない』といった問題が顕在化してきているのだ」。

 そして、「介護の社会化」といった介護保険制度の根幹の理念が揺らいできているという。

 「そもそも『介護』というと、『家族扶助』といったイメージを抱く人も依然として多いであろう。しかし、現在の高齢社会においては、『公共性』といった側面はもはや無視できない段階にきている」「『老老介護』『独り暮らし高齢者の増加』などといったことからも、どうしても『介護』は社会全体で担っていく必要がある。現在の介護問題を考えていくうえで、『介護』における『公共性』の意義がもっと深く問い直されていくべきであろう」。

 以下、勉強のために、ポイントと思われるところを引用する。

 第1章 介護サービスが必要となったら

 「ヘルパー派遣やデイサービス、施設サービスといった介護保険サービスを利用するには、まず、自分の住んでいる自治体に介護認定申請を行い、『要支援者』又は『要介護者』の認定を受けなければならない」「通常、認定結果が下されサービスを利用する際には、『ケアマネジャー』を選んで自分の希望を告げ、相談しながらサービス調整を行う。その過程でケアマネジャーは、利用者の生活状況やニーズを把握する課題分析(アセスメント)を行い、具体的なサービスへとつなげていく」。
 「本来なら、たとえ、独り暮らしの寝たきりの高齢者であっても、介護保険サービスのみで手厚い介護が受けられ、在宅生活が充分可能になるべきである」が、「現在の在宅での介護保険サービスは、あくまでも家族介護が前提となっており、それを補完する機能に過ぎない」。

 「介護保険サービスを利用しながら、身の回りのことは自分で行い、独り暮らしを続ける高齢者は多い」が、こうした高齢者に対する介護サービスは改正介護保険法で制限されることになった。
 「2006年4月から改正介護保険制度が実施され、…比較的介護度が軽い要支援1・2といった高齢者は、『介護予防』の視点でサービスを利用することとされた」「この時同時に『介護報酬』という介護の値段の体系が変更され、改正前は120分程度のヘルパー派遣を受けることが可能であったのが、改正後は1回のヘルパー派遣が90分以内となってしまった」。
 「『介護予防サービス』が導入されて、利用者は限られた範囲でしか、介護保険サービスを利用することができなくなった。過剰にサービスを利用すると、余計に身体を動かさなくなる、との考えから、介護保険サービスの提供は制限すべき、との理屈である」。

 介護保険サービスが機能しない事例もある。
 「経鼻栄養法」(食事が口から取れなくなったとき鼻からチューブを入れて栄養補給を行う方法)や「胃瘻栄養法」(同じく腹部から直接、胃にチューブを入れて栄養補給を行う方法)といった医療的ケアは、「家族以外の第三者では看護師といった医療系職種にしか許されていない」のだ。「ヘルパーが行える介護は医療的ケア以外の介護分野のみであり、限られた範囲でのサービス提供とされている」。
 「医療的ケアを伴う在宅介護の場合、どうしても訪問看護サービスの回数を増やさざるを得ない。しかし、利用回数を増やしていけば、すぐに限度を超えてしまい、自費での対応を余儀なくされる」。

 「在宅介護が難しければ施設へ入所させればいいのではないか、と考える人も多いであろう」「しかし、介護保険制度があっても施設サービスにおいては、必ずしも利用しやすい状況とはなっていない」。
 「特別養護老人ホーム」(特養)は「要介護度1以上の高齢者が入所できる公的な老人ホーム」だが、「通常、入所まで平均して、2~3年以上と長期間待たされ、毎月、きっちり介護保険料を納めていても、いざ寝たきり状態となり施設を利用しようとすると、何百人と待機者がいる」。
 「特養入所希望者は各施設に必要書類を添えて申し込み手続きを行い、入所者は施設ごとの入所判定委員会によって決定される。しかし、定員が決まっているため、退所者や亡くなる人がいない限り、すぐには入所できないのだ」。
 「2003年以降は家庭環境や本人の状況を考慮して、優先度の高い順に入所できる仕組みになっている」「その判定基準は、①本人の要介護度が高いか否か、②認知症による日常生活状況の程度、③年齢及び在宅介護もしくは入院期間の年数、④在宅における介護保険サービスの利用状況、⑤単身世帯か否か、同居家族が高齢もしくは病弱であるか否か、⑥家族及び介護者がいるか否か、⑦年金収入の額など、となっている」「このように改めて特養入所の仕組みを見ていくと、要介護度の低い高齢者はほとんど入所できないことが分かる。筆者の経験からも03年以降、要介護度4ないし、要介護度5でなければ特養への入所は難しい印象を受ける。要介護度3であっても独り暮らし高齢者で身寄りがなく、軽い認知症もあって在宅介護が難しいという人でなければ入所は難しい」。

 「老健施設」(老健)は「基本的には、病院に入院して一定の治療が終了後、在宅での生活は難しいという高齢者を対象にしている」。このため、入所しても「3か月~1年以内に退所することが前提となっている」。

 「かつては『老人病院』と呼ばれていた医療施設で、一般の病床と比べて医師、看護師数が少なく、主に介護・療養を目的とした病院が『療養病床』である」「医療保険適用の『医療型療養病床』と介護保険適用の『介護型療養病床』の二つに分類され、一般に利用者の医療的ケアが必要な場合は、『医療型療養病床』へ入院するケースが多い」。
 「日々、ケアマネジャーの仕事をしている筆者は、『療養病床』の役割は大きいと痛感している」が、「厚労省は、これらの『療養病床』を約38万床から15万床程度に削減する方針を、2006年医療制度改革関連法等に盛り込んだ」という。

 「『グループホーム』(公的施設と位置づけられるものの、家賃などの一部分は営利的に費用を設定できる)は、『認知症対応型共同生活介護施設』と呼ばれ、9人程度を1つのユニットとしており、高齢者が共同で生活していく小規模な施設である」「入所時には認知症のみの症状で、何とか身の回りのことはできていた高齢者でも、数年後、身体機能が低下して車椅子状態になってしま人は多い。そのため、徐々に要介護度が重くなっていく高齢者が退所を余儀なくされるケースもある」
 「2006年改正介護保険制度の実施によって、原則、自分の住んでいる住所地内のグループホームしか利用することができなくなった」「それによって、大都市を中心に地価高騰によってグループホームの建設が出遅れていた地域では、これらのサービスが利用できない可能性が一気に高まった」。

 「多少、金銭的に余裕があり、介護保険制度の枠内で施設サービスを利用することが難しければ、有料老人ホームに入所しようと考える人もいるだろう」「有料老人ホームは大きく分けて、『介護付き有料老人ホーム』『住宅型有料老人ホーム』『健康型有料老人ホーム』といった3つに分類され、『介護付き有料老人ホーム』はさらに一般型と外部サービス利用型に分けられる」。
 「有料老人ホームの費用については、都内であれば。毎月、約23万円前後が相場であり、神奈川県では、平均約20万円前後となっている。地方によっては約15万円以下の施設もあるが、いずれにしろこれら毎月の費用にプラスして、入居者の介護度に応じて介護保険自己負担額1割の2~3万円が必要である」「入居金に関しては、100~1000万円までといったように幅があり、0円という施設もある。もっとも入居一時金が安ければそれだけ毎月の費用に上乗せされるのが一般的である」。

 第2章 現場と政策のあいだ
 略。

 第3章 介護予防システム
 略。

 第4章 介護保険の原点は何か

 「介護保険制度の発足にあたっては、社会保険方式とするか、税金で賄うべきかの激しい議論がなされた経緯がある」「しかし、結果的には健康保険、年金、雇用保険、労災保険に次ぐ5番目の社会保障として介護保険制度が位置づけられ、1997年12月に介護保険法案が国会で成立、2000年4月から介護保険制度がスタートした」「その目的は以下の4点にまとめることができる」「第一に、『介護の社会化』という意味で、主に家族が担ってきた介護に対して、社会全体で取り組むというねらいがあった。特に、『嫁』『妻』に大きな負担がかかり、女性が介護に追われてしまう社会問題もクローズアップされた」「第二に、医療と介護の区分の明確化である。当時、老人病院などを中心に社会的入院が顕在化しており、医療費高騰の要因ともなっていた」「第三に、…競争原理を活かしながら、多様な供給主体を介護業界に参入させることにあった」「第四に、介護保険制度は市区町村が主体となり、保険者として、各地域に合ったサービス体系を構築することが目指され、国の主導ではなく地方分権の試金石として期待された」。
 「しかし、未だに社会的入院は深刻化し、利用者がサービスを選べるほどにはなっていない。しかも、『介護の社会化』が目指されたといえども、家族に依存する在宅介護の現状は変わっていない」「介護保険制度が創設されるにいたった『理念』と、8年が過ぎた介護現場を比べると、かなり乖離していると言わざるをえない」。

 第5章 介護労働者から見る現場
 略。

 終章 現場へ歩み寄るための道筋
 略。

 「介護保険制度」や「公助」に100%頼ることはできないということは肝に銘じておいたほうがよさそうだ。 

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染谷俶子著『まだ老人と呼ばないで』(日経プレミアシリーズ)

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まだ老人と呼ばないで

 染谷俶子著『まだ老人と呼ばないで』(日経プレミアシリーズ、2010年2月8日発行) を読んだ。
 染谷氏は「老年社会学」を専門とする研究者。1970年に明治学院大学社会学部を卒業されている。恐らく団塊の世代だ。
 「はじめに」で「団塊世代は、青春時代に『若者像』を変えたように、これまでの高齢者イメージを大きく変えるかもしれません。では、新しい価値観を持った『ニュー高齢者』は、日本の社会と日本人の暮らしぶりにどんな影響を与えるのでしょうか」と書いている。団塊の世代(1947年から1949年までのベビーブームに生まれた世代)がいよいよ65歳以上の「高齢者」になるのを前に、著者は「老人扱いするな」「我々が社会を変える」と宣言したいのだろう。


  第一章 人は何歳から「高齢者」になるのか
 「実際には、何歳から高齢者かというはっきりとした定義はありません。最も多く用いられているのは65歳で、国際的な統計にも、65歳が広く用いられています」
 「一方、日本の行政サービスの対象年齢には、60歳を用いることも多くなっています。たとえば、老人クラブの参加年齢、国民年金積立の完了年齢、軽費老人ホームの入居年齢などです」。
 「入場料のシニア割引は65歳が多くなりますが、映画館のシニア割引などは60歳が用いられています」。

 著者が「なんとかならないのか」と思う瞬間が「たいして必要もないと思われるところに、いちいち年齢を書かされること」。「『住所。氏名、年齢』のこの3つが、あたかも無条件の“3点セット”になっています」「日本人は概して、『誰が何歳で、自分といくつ違うか』が気になって仕方がないようです。それが分からないと、安心して話すことができないのです」。
 「アメリカ社会は、日本よりもはるかに年齢による差別に敏感です。…日常生活の中で『○○さんは何歳、私といくつ違う』という意識を持たずに人間関係が成り立っています」「最近のアメリカでは履歴書ですら、年齢、生年月日を記入する必要がなくなっています。それは、『仕事ができる、できない』は、実年齢と関係がなく、採用、不採用を決める要因に、実年齢を持ち出すのは年齢差別(ageism)である、という考え方に基づいています」。
 「多くの日本企業では、実年齢ではっきりと区切った定年退職制度があります。近年、長寿化と労働人口の減少から、定年の延長が盛んに論じられています。しかし、定年をなくすことはなかなか困難です」「まだ多くの職場で(実態としての)年功賃金制度が生きていて、高給の人を雇い続ければ、人件費が嵩み経営上の負担が大きすぎるからです」「そして、役職定年やシニア雇用などの制度がある会社は、一定の年齢に達した人は、それまでと同じような仕事をしていても、給与が大幅に減額されたりします」。
 「日本も、時間給、日給による低賃金の非常勤職ではなく、同一労働、同一賃金のパートタイム、またはワークシェアリングの実践が重要な課題になってきています」。

 ニュー高齢者は青年時代に熱中したギターやバンドを始めたりする例が多く、ゲートボールのような「高齢者文化」なるものが感じられなくなったことが特徴と著者は見る。

 100歳老人人口は「2030年には27万3000人、そして団塊世代が100歳を超える2050年には、なんと68万3000人と推計されています」「今や人生90年に突入しようとしています」。

 第二章 どこに住む? 誰と住む?
 「今60歳を超えた団塊世代になると、『息子がいてよかった』から『娘でよかった』に変化しています」。
 「経済的には楽な長男と結婚した女性たちは、夫の両親との同居が楽ではないことを体験し、さらに平均寿命の延びた老親の介護は容易でないことを実感しています。その体験からか、自分たちは息子夫婦との同居を望まなくなりました」「むしろ娘のほうが、なにかと気兼ねなく支援を頼めるため、『娘がいて安心』と思うように変化しました」。
 「最近の女子大生たちにとっては、『親との同居』または『親の介護』とは、『自分の親との同居』と『自分の親の介護』を意味します」。
 「1970年時点で、65歳以上の人の、子ども家族との同居はおよそ80パーセントを占め」「08年現在では、42パーセントにまで下がっています」。

 健康なときはいいが、「身体能力が衰え、自立生活がおぼつかない状態になったとき、どこで、どのようにして介護を受けるかが最終的な課題です」。
 「介護保険による介護サービスは、この10年間に目に見えて発展してきました。しかし介護労働従事者の不足、急速な介護需要の増加から、なかなか期待どおりに、公的な介護サービスが受けられない現状があります」。
 「特別養護老人ホームも新設が制限されているため、急増する入居ニーズになったく追いつきません。介護施設不足の中、供給不足を補っているのは、特別養護老人ホームの規模を縮小した、地域密着型の小規模多機能施設とグループホーム、そして民間資本の経営する有料介護施設です」「どちらの場合も、介護サービスに対しては介護保険が適用されます。グループホームでは自己負担が月々10万~15万円程度ですが、有料介護施設は入居一時金の他に、通常、毎月25万~30万円程度の経費がかかります」。
 「病院に併設されていた、介護病棟(療養型病床群)は廃止されることになりました。社会的入院と言われてきた、長期にわたる介護入院はできなくなりました」。
 「老後のライフスタイルの一つとして、金融資産を持つ層に分類される人々の中から、すでにアメリカやオーストラリアで普及している、終身介護付きの有料老人ホームへの入居希望者が、今後増加していくことが予測できます」。

 第三章 ニュー高齢者は日本を変える
 団塊世代にどんな「ニュー高齢者」ぶりを期待するのか。
 まず、経済的には「豊富な資産を保有するニュー高齢者家庭のお財布を握る女性たち」がカギを握るとみる。
 政治的には「中高年の投票率は70から80パーセント台」という参加意識の高さと、全投票者に占める割合の高さが力になると分析。「高齢者の共通な要望を集め、その大きな力で社会保障、制度の制定と改革を実現した」アメリカ退職者連盟(American Association of Retired Persons:AARP)」のように、「政治にも強い影響力を持つようになるに違いありません」と言う。
 文化的にも「現在の60歳代は、以前の世代とは違った価値観の世の中で生まれ、育っています」「伝統的社会規範に囚われない、突飛と思われる選択」が世の中を面白くすると期待する。

 第四章 日本は高齢者に結構やさしい
 「2000年に交通バリアフリー法が施行されて以来、駅にはエレベーターやエスカレーターが取り付けられました」。
 「アメリカではパソコンの普及が早かったためか、家庭にファックスが普及していません。日本では90年代にファックスが企業に普及し、日本のお家芸か、その後小型化が進み、90年代半ばには家庭用の商品も普及します」。
 「現在のコミュニケーション手段は多様化し、また個人のものになっています。…家族との連絡は、携帯電話でいつも取ることができます。…最近の携帯電話の機能には、認知症の高齢者の足取りを地図で示してくれるものもあります」。
 「日本の世帯収入を見てみると、2005年の全世帯の平均収入は580.4万円。そして65歳以上の世帯平均年収は296.1万円でした」「高齢者世帯は平均1.56人で、1人当たりの収入は190.8万円。全世帯の平均世帯員は2.85人で、1人当たり203.3万円となり、ほとんど差はありません。そして、高齢者世帯の収入のおよそ7割が公的年金と恩給によって賄われています」。

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出先での情報収集、やはりTwitterが頼りになる!?

 一昨日の地震。出先での情報収集に苦労した。
 テレビは見られず(ワンセグで見られたが電池の消耗が激しく、すぐケータイが使えなくなるので、長い時間は見られない)、ケータイも通じない。
 それならば、インターネット、ということになるが、地下鉄の運行情報を見ようと、東京メトロのホームページを見ても、現在地下鉄が止まっていることと、復旧の見通しが立っていないことしか分からなかった。
 モバイル機器の電池が限られているなか、いかに効率的に情報を収集するかが、大問題だった。

 ITに詳しい友人に聞くと、やはり、Twitterが役に立ったという。
 「Googleが災害用の専用サイトをつくった」「UstreamでNHKの情報が見られる」といった情報だ。

 こうした有用な情報は公式リツイートで提供されることが多い。

 非常時には「公式リツイート」が役に立つ、ということについてはITmediaに分かりやすい記事があった。
 そのまま引用しよう。

情報の拡散、非公式RTではなく公式RTで――Twitterが呼びかけ
「非公式RTを使うと同じようなツイートが重複してタイムラインに表示されるため、重要なツイートが埋もれてしまう」とTwitterは注意を促している。
2011年03月12日 12時22分 更新

 Twitterで情報を拡散する場合は、非公式RTではなく公式RTで――Twitterが呼びかけている。

 3月11日に東北地方で起きた地震を受け、Twitterには多数の地震関連情報が投稿されている。電話が通じにくいこともあって活発に情報共有に利用され、多数のユーザーが地震に関するツイートをRT(ReTweet)で拡散している。

 だが、公式RTではなく非公式RTを利用しているユーザーが多いため、「同じようなツイートが(タイムライン上で)重複し、本当に重要なツイートが埋もれ」てしまうとTwitterは注意を促している。公式RTの場合、複数のユーザーが同じツイートをRTしてもタイムラインには1つしか表示されないようになっているが、非公式RT(頭にRTをつけてツイートをコピーする手法)の場合は重複して表示される。

 Twitterは「正しい情報を拡散し、重複した内容のツイートを省く為にも公式RTをご利用いただけますようお願いします」として、公式RTの利用を求めている。公式RTでツイートを拡散するには、ツイートの下にある「リツイート」ボタンをクリックする。


 公式リツイートは単に、「コメントが付けられない引用」だと思っていたが、大事な話を正確に伝えるために、極めて重要な仕組みだったのだ。最初のツイートの情報がすべて分かるので、いつ、ツイートされて、その後、何人が同じ情報をリツイートしたかも分かる。
 Twitterを使いこなしている人、数人をフォローしておけば、重要情報はリツイートしてくれるだろう。それを公式リツイートすれば、さらに情報に重みが増す。
 Twitterの公式リツイートはまさに助け合いの輪。Twitterは非常時に本当の力を発揮する。

 Twitterによる情報発信、収集は通信に対する負荷も少ない。災害が発生したら、あわててケータイで連絡を取ろうとせず、「Twitterに情報を書き込む」ことを、もう少し推奨すべきではないか。それで無事なことは分かるのだから。
 一斉にケータイやメールなどの1対1のコミュニケーション手段を使っていたら、そりゃ、通信が渋滞して使えなくなるのは当たり前。
 ウチの会社も安否確認メールみたいなやたらトラフィックを増やすようなものを採用するより、Twitterを推奨したほうがいいのではないか。

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震災後に備え、USB出力付リチウムイオンバッテリー「eneloop mobile booster(エネループ モバイルブースター)」を購入

 東日本巨大地震の翌日。テレビで被害の大きさを見て唖然としている。
 大津波で岩手、宮城、福島など東北3県の海岸沿岸の都市は壊滅状態。
 死者の数がどのくらいに膨れ上がるのか想像がつかない。

 東京も通信と交通がマヒし、ケータイの通話やメールはほとんど使えなかった。鉄道もストップ。夜遅く、地下鉄の一部が動き出し、帰宅できたのは夜11時ごろだった。

 ◇   ◇   ◇ 
 地震が起きた昨日午後2時46分には虎ノ門交差点にいた。揺れが始まった時、地下鉄の電車の走行によるものと思ったが、突然揺れが激しくなり、信号機が大きく揺れ出す。歩いていても左右に蛇行してしまう。そのまま霞が関の官庁街を歩いたが、揺れが止まっても、ふらふらする。船酔いをした時のようだった。
 地震直後、ワンセグでニュースを観ると、東北地方太平洋沖が震源地だという。通常は各地の震度が画面に表示されるタイミングだが、盛んに「大津波警報」が発せられている。大変なことになったと思ったが、午後3時の約束があり、アポイント先に行った。
 仕事は早めに切り上げ、中央合同庁舎第2号館(東京都千代田区霞が関2-1-2)1階にあるドトールコーヒーショップ霞ケ関メトロピア店のテーブルに座った。店はその時は閉まっていたが、やがて店員が戻ってきた。飲み物を飲んで地下鉄が動くのを待った。
 電波免許をつかさどる総務省が入っているビルなのにケータイはまったく使えず。圏外の表示さえ出る。
 突然数十通のメールを着信した。こちらからの発信は難しかったが着信したメールは電波がかろうじて通じた瞬間受信していた。
 会社の安否確認メールもあった。しかし、安否確認システムにアクセスできなかった。
 PCを出してWiMaxルーターにつないだ。WiMaxは普通につながった。会社に「無事」とメールを出した。また、他のメールを処理した。しかし、PCやWiMaxルーターの電池もなくなると、貴重な情報手段が使えなくなるので、すぐにしまい、銀座に移動した。霞が関では食事も取れないからだ。
 大地震とは言え、建物が倒壊して、街が燃えているわけではない。街は公衆電話に列ができたり、悲壮感が漂っていたが、あわてる必要はない。待つしかない。翌日は休みだし、一夜飲み明かしてもいい。そんな気分でとりあえず銀座コアの喫茶店で本を読んでいた。
 本を読みながら、情報は随時収集していた。通話はできなかったがケータイ、スマートフォンでインターネットをかなり利用。電池が急速に減ってきた。今後ナビゲーションを使って歩いて帰宅することなどを想定すると、電池を無駄にできない。電子機器の使用は控えた。
 銀座線が動き出したという情報を店の人から聞いた。少しでも家の近くまで移動しようと駅に行くと、大江戸線も動いているという。ラッキー。銀座線も大江戸線も超満員だったが銀座から乗車。青山一丁目で乗り換え、練馬春日町に到着した。

 ◇   ◇   ◇ 
 いざという時ケータイの通話、メールはあまり使えない。でもワンセグやインターネットは必須だ。地図ソフトなども役に立つ。しかし。電池の消耗が激しく、すぐに電池は空に近づく。
 これを教訓に、三洋電機のUSB出力付リチウムイオンバッテリー「eneloop mobile booster(エネループ モバイルブースター)」を購入した。
Eneloop_mobile_booster
 充電時間は「満充電」・ACアダプター充電の場合は約7時間、USB充電の場合は約14時間。
 出力時間は、内蔵電池が満充電時でDC5V/500mA出力した場合、約4時間(1端子)、内蔵電池が満充電時でDC5V/1A出力した場合、約2時間(1端子)。
 iPhoneならば2回くらいは完全に充電できそう。
 USB出力用コードとマイクロUSB用アタッチメントを使えば、WiMaxルーターにも充電できる。
 この電池は使える!

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映画『ショパン 愛と哀しみの旋律』

Chopins

Chopin2s
(映画館にあったチラシ。クリックすると大きな画像で見られます)

 映画『ショパン 愛と哀しみの旋律』をシネスイッチ銀座で観た。上記チラシにある感想は、恐らく映画を観た人の最大公約数的感想ではないか。

 公式ホームページの「作品紹介」の一部を引用する。
 「2010年に生誕200年を迎えた“ピアノの詩人”フレデリック・ショパン。わずか39年の短い生涯を駆け抜けた彼は、ピアノの可能性と芸術性を飛躍的に高め、現在もピアノ音楽の最高峰と称えられている。祖国ポーランドを離れ、持病の肺病と闘いながらも、情熱的な創作活動を続けたショパン。その彼を支え続けたのは、“恋多き女”として名を馳せた作家ジョルジュ・サンドとの運命的な愛だった――。ポーランドが総力を結集し、ショパンが送った激動の半生と、ジョルジュ・サンドとの世紀のロマンスを完全映画化した『ショパン 愛と哀しみの旋律』。全編に流れる豪華アーティストの絢爛たる演奏、ショパンゆかりのワルシャワ、パリ、マヨルカ島で現地ロケを敢行した撮影など、ショパン生誕200年を締め括るにふさわしい音楽映画の決定版が、満を持しての公開となる」。

 126分の映画。作曲家フレデリック・ショパン(ピョートル・アダムチク)が、男装の麗人として知られる稀代の人気作家、ジョルジュ・サンド(ダヌタ・ステンカ)と出会い、サンドと、サンドの長男、モーリス(アダム・ヴォロノーヴィチ)、長女、ソランジュ(ボジェナ・スタフーラ)との4人の生活が始まる。ショパンにとって15歳年上のサンドは恋人であり同時に母親でもあったのだろう。長男、モーリスは最後までショパンとショパンの才能に嫉妬する。長女ソランジュはショパンに恋心を抱き、母親とは途中から恋敵となる。この複雑な人間関係(事実なのだろうか?)が延々と描かれる。まったく前進しない救いようのない関係。疲れてしまった。
 それでも9年に及んだサンドとの暮らしで(サンドの才媛ぶりは映画からはうかがえなかったが)、ショパンとその音楽は大きな影響を受けたのだろう。普通ならこんな暮らしの中、まともではいられないはずだが、天才はどんな経験でも題材やエネルギーにしてしまう。

 1838年から9年間のショパンの作品を、この映画を思い浮かべながら改めて聴いてみたいと思った。

 公式ホームページの「曲目解説」によると、「ショパンとサンドの“愛のテーマ”と呼ぶべき《ワルツ第19番》と《夜想曲第21番》、ショパンとモーリスの複雑な関係を象徴した《夜想曲第7番》、ショパンとソランジュの“愛”を表現した《夜想曲第20番》……」。これらが“愛と哀しみの旋律”だという。

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YouTubeで広がる音楽ライフ

 YouTubeというと、自分の動画をアップする手段として使っているだけで、ただ観るだけではあまり使っていなかったが、実は音楽のジャンルで活用範囲が広いことが分かり、最近は、YouTubeにはまっている。

 最初の用途は「カラオケ養成ギプス」。あやふやな歌を、さまざまな歌い手のバージョンで練習できるので、カラオケの準備に最適だ。

 例えば――。

 よく口ずさむのだが、完璧には知らないこんな歌があった。
 
 疲れ果てて いることは
 誰にもかくせは しないだろ
 ところがオイラは 何のために
 こんなに疲れて しまったのか

 なんという歌だっけ?

 まずはネットで歌詞を検索。うたまっぷ.comで調べる。

 歌詞の一部を入れて、この歌が「たどりついたらいつも雨ふり」ということが分かった。
 
 作詞、作曲 吉田拓郎
 吉田拓郎も歌っているが、なじみのあるのはザ・モップスが歌ったものだ。

 「ORICON CHART BOOK」(1997年12月11日発行)によると、 東芝EMIから72年7月25日に発売され、最高位は26位。登場週数は28週。売上数は14.4万枚。

 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』の「吉田拓郎」によると、「たどりついたらいつも雨ふり」は、1986年に子供ばんど、1988年氷室京介、1997年山崎ハコ[104]、2008年大友康平などがカバーしている。

 YouTubeを観たら、ザ・モップスの鈴木ヒロミツのほか、吉田拓郎、山崎ハコ、氷室京介などの歌を楽しめた。だけど、断然、鈴木ヒロミツの歌がいい!吉田拓郎も味があるが、鈴木ヒロミツの歌でこの歌が好きになったんだと思う。

 まだまだ、いろいろなミュージシャンがカバーしている。
 大友康平はなかなかいい。KODOMO BANDもまあまあだ。

 お。桑田佳祐も歌っている。
 す、すごい!
 鈴木ヒロミツのご冥福を祈って、ということらしいが、鈴木ヒロミツを超えたかも。
 
 好きな曲を思い浮かべる→調べる→YouTubeで検索して聴く→好きな歌い手で練習する。
 これです!

 二番目の使い方が、音楽関係の本の友として。

 いままで、ずいぶん、クラシックやロック関係の本を買ったのだが、知らない曲の記述があるとそこでストップ。結局一部しか読まないでツンドク状態になっていた。
 YouTubeでとりあえず、本で言及している曲がどんな曲か分かると、音楽関係の本が楽しく読める。

 若い頃は音楽なしでは生きられないというのが普通だった気がするが、最近は音楽なしでも済む生活を続けていた。

 ところが、そのとき、そのときで気になった歌があればすぐに検索できる。
 TPOに合わせて音楽を引き出す。これが三番目の使い方だ。

 例えば潮来に行くときに潮来笠を検索して、口ずさみながらクルマで潮来に向かう。

 著作権がちがちの音楽業界だったが、権利への対応を緩くした先に豊かな音楽の世界が広がってきたと実感する。

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新武蔵丘ゴルフコース(埼玉県日高市)

 新武蔵丘ゴルフコース(埼玉県日高市梅原372、042・974・5111)でラウンドした。岡本綾子プロがコース設計のアドバイザーを務めたという、なかなか手ごわいコースだった。
 レギュラーティーに当たる「orange」ティーはアウト2829ヤード(パー434435444)、イン3082ヤード(パー354443544)。

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 例えば、3番ホールは左から池が迫っており、バンカーも多くどこに打っていいかわからないようなホール。
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 なんとか右に打ったが、もう少しで池に入るところだった。グリーンを狙ったがバンカーに入れ、脱出に2打要してしまった。

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 最終18番ホールも2打目が池越えでピンも池ぎりぎりにあり、攻略に苦労した。 

 今日のラウンドは"異業種交流"サークルのコンペで、12人が参加した。
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 (アウトのスタートホール)
 コンペは1組目が9時32分スタート。3組目だったのでスタートは9時46分だった。
 前回のラウンドはドライバーが好調だったが、今日はアウトはまったくダメ。6番、7番では続けてOBを打ってしまった。しかし、同じ組で回り、この日ベスグロ(97)だったOさんが突然調子を崩し、8番で3連続OBを打ち、+8となると、悪いものが取れたように、ドライバーの調子が戻った。9番ホールでは、ようやく270ヤードのドライバーが打てた。
 アウトの成績は+1+3+2+2+2+4+3+1+1=+19で54。パット数は122223213。

 新武蔵丘ゴルフコースは、平成20年4月1日のリニューアルオープンから「1Rスループレー」スタイルを採用している。アウトが終わってから15分程度軽食(カレー、うどんなど)をとってインのスタートとなる。日本では珍しいスタイルだが、早く回れ、昼食代もそれほどかからないゴルファーにとってはありがたい仕組みだと思う。
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 (インのスタートホール)
 インでは13番ミドルでドライバーを280ヤード飛ばした。しかし、パーオン狙いは失敗。バンカーに入り脱出に2打要して結局+4。16番ロングは、グリーン近くにクリークがあるホール。2打目で残り130ヤードにつけ、パーオンのチャンスだったが、打ち損じてクリークに入れた。気を落として乱れ、結局、+6。10番では1オンにもかかわらず4パット。3パットも3回あった。
 インの成績は+2+5+1+4+2+0+6-1+1=+20で56。パット数は432232311。

 ゴルフは分からないと思ったのが17番ホール。ドライバーは隣のホールへ。林越えで、150ヤードを打ったところ2オン。何度チャレンジしてもパーオンしなかったのに、こんなときにパーオンする。1パットでバーディー。

 コンペはみな苦戦。ハンディが22もあるので110でも12人中6位だった。しかし、グロスでは110より悪いスコアは女性ばかり。これではまずい。

 帰りにヤマダ電機に寄った。
 父親のお古のパットはやはり扱いが難しかった。1mのパットを2度くらい外し、新しいパットを買おうと思った。
 ODYSSEYのパター「ホワイト・アイス #5」を買った。

 DAIWA(ダイワ)3WAYウェッジも買った。3段階のロフト(56、60、64)が使える「マルチウェッジ」。
 『書斎のゴルフ』VOL.3の「倉本昌弘 アプローチショット シングルへの道」を読んでSWのアプローチに限界を感じていた。
 こんな記事だ。「サンドウェッジはその言葉にあるようにバンカーで使うために開発されたクラブであるわけですから、アマチュアの場合はバンカーから出しやすいように大きなバンスがついています。ですから、それを考えずにフェアウェイで使えばバンスに跳ね返されてトップが出やすいのは当然です。またそれを嫌えばザックリが出るでしょう」。
 アマチュアの場合はバンカーとラフ専用にすべきだという。

 かといってサンドウェッジをアプローチにまったく使わないわけにはいかない。
 「常にボールからエッジまでどれくらいで、エッジからピンまでどれくらいか。それをいつでも把握してからクラブを選んで打つことが大切なのです」。
 そして、エッジを越えたギリギリにボールを落とすのが常識。
 エッジからピンまで10mで①エッジから1mのところから打つ場合は7~9番アイアンでも寄せやすい②エッジから5mのところから寄せる場合は、アイアンではオーバーしたりと、なかなか寄らず、ピッチングウェッジやアプローチウェッジが寄るクラブになる③エッジから10mのところから打つ場合は、寄りやすいクラブはアプローチウェッジかサンドウェッジになる――。
 エッジまで10mで、エッジからピンまで5mというケースは、「サンドウェッジでしか上手く寄せられないかもしれません。アプローチウェッジではどうしても1対1の比率になってしまうからです」。

 それで、サンドウェッジと同じ56度から、これまで使っていた64度まで使えるクラブを買った。

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 ファーストゴルフに行き、打ってみた。通常56度を使い、たまに開いて64度に変えるとシャンクが出やすかった。しかし、通常64度のクラブとして使い、十分慣れておき、たまにクラブのフェースを立てて56度を使うようにすれば、使えそうだ。
 クラブは本来、必要に応じてロフトを変えて打つものなのだろう。「マルチウェッジ」と思わず、64度のウェッジを買ったと思えばいいと思う。
 60ヤードまではこのウェッジが役立ちそう。
 来週の伊香保でのラウンドでは、スコアを改善したい。

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明日のラウンドに備え、かる~く練習

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 11時過ぎにファーストゴルフで練習。

 3カゴ打った。ゲージの位置がまん真中でゴルフ場のようだったので、ゴルフ場にいる気分でアプローチも練習した。左足に体重を乗せ、上からしっかり打つ。近距離はSWをパットのように持って打った。

 花咲カントリー倶楽部でのラウンドで心がけた「アイアンはゆっくり振る」「ドライバーは、しっかり振る切る」をチェック。ドライバーは曲がらないし、驚くほど、よく飛ぶ。アイアンもなんか相性がいい。

 しばらくSW、PWを短く持って、LW、PSの代わりにすると決めた。一つのクラブでいろいろな距離を打ち分けられるようにしたほうが、応用力がつくような気がした。
 新しいのはドライバーだけ、という状態をしばらく続けようと思う。

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杉山知之著『クリエイター・スピリットとは何か?』 (ちくまプリマー新書)

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クリエイター・スピリットとは何か?

 杉山知之著『クリエイター・スピリットとは何か?』 (ちくまプリマー新書、2007年4月10日発行)を読んだ。
 杉山氏はデジタルハリウッド大学の学長。1994年10月、東京の御茶ノ水でクリエイター養成スクール、デジタルハリウッドを設立。2004年日本初の株式会社立「デジタルハリウッド大学院」を開き、翌年、「デジタルハリウッド大学」を開校した。同時に数多くのITベンチャーの起業に携わりクリエイターを必要とする場もつくってきた。その杉山氏のクリエイター論に興味を抱き、この本を手に取った。

 杉山氏は、クリエイターとしてオリジナリティーのある発想をしようと思ったら、まず、「『自分らしいもの』や『自分が好きなもの』をもっと知る必要がある」という。
 「たとえば、君は『このカタチがいいな』と思って歯ブラシを選んだとする。そうしたら、『ああ、こういうものが並んでいるときには、こういうカタチのものを選ぶのが自分なんだ』ということを知っておきなさいということ。一つ知れば、それだけでもう自分のことが一つわかるようになる。それをどんどん増やしていけばいい」。
 「そして、自分の好きなものがおぼろげながらもわかると、好きなものをつくるときにも自然と気持ちが入っていく」「そうすると脳がいい方向にまわっていって、なにか新しいものがきっと出てくる」。

 「いろんなアーティストやクリエイターに聞いてみても、いちばん最初の出だしには好きなものばかりつくってたというケースがほとんどだ」。

 「クリエイターを目指す人は、自己発見のトレーニングを通じて、それぞれ自分なりの原点を見つけだしてほしい」。 
 「自分を知るトレーニングを積んできた人なら、自分の好みを原点とする座標軸をしっかりと持っている」ので、クライアントから自分が本来つくりたいものとは違う傾向のものを頼まれても「自分の好みという原点からクライアントの要望が位置する点」までの距離が分かるので対応できるという。

 さて、クリエイターになるためにまず、何をすればいいか。杉山氏は「基本はパクリからはじめよう」と言う。
 「『カヴァーから入る』という伝統は、ミュージシャンの世界ではできている」「若いうちはどんどんコピーしろといいたい。コピーの過程は自己発見の過程にも重なる。だって、好きな人の作品をどんなに模写しても、どうしても似ないということがあるでしょう。その、どう似せようとしても似ないところこそが、自分らしさだったりするんだ」。

 そして、「なりたいものがあるのなら、その分野の作品に浴びるように触れてほしい」。
 「お父さんもお母さんも、子どもがなにかにものすごくハマって、そればっかりやるようなら、むしろ安心と思わなきゃいけない」。

 自分の好きなものを見つけて、ハマる。うん、これならだれでもクリエイターになれそうだ。♪


 そして、杉山氏はクリエイターにとって理想の環境が日本にはそろっていると言う。
 「日本ほど、小さいころに特定の価値観の刷り込みをされていない国はない。だからこそ、どんな表現だって平気なのだ」。
 「日本人は無頓着で貪欲で、使えるものは何でも使っちゃうみたいな感覚を持っている。楽しめるものは楽しんじゃう。そこに歯止めがない」。
 「西洋文化のコピーをつづけるうちに、ある時期からそれを突き抜けちゃったんだと思う。だからこそ、いまや世界中からそのオリジナリティを認められるようになったんだね」。

 杉山氏は「マンガやゲームのなかの暴力シーンや残虐なシーンを、なるべく規制していこうという」世界の流れに対しては否定的で「むしろイマジネーションというものは、行けるところまで行っちゃっていいと思う」と言う。
 「一歩まちがえば人間はどんな残虐なこともできるんだよ、どんなおそろしいことでも考えつくんだよ、ということはどんどん表現しちゃったほうがいいと思う」「『人間はときにこんなに残虐になれるんだ』ということを表現することは、ある種の抑止力にもなるんだ。だから『見る』ということはとても重要なんだ。見ることは疑似体験になるから」。

 自己規制せずに、表現してみなさいと言うことか。表現の自由!


 クリエイターはどのようにアイデアを得るのだろうか。
 「アイデアや考えというものは、自分で自由につくり出すというよりは、そうだな、どっちかというとアイデアの方から降りてくるものだと思ったほうがいい」「アイデアが降りてきたら、なるべくすばやく記録するのがいい」「これは落語家でも建築家でも小説家でもゲーム・デザイナーでも、大なり小なり成功した人なら、誰もがやっていることなんだね」。

 クリエイターに学校の勉強は必要か?
 みんなが必要最小限の知識を共有していると「いろんな人たちと会話をしたり、意見を交換したり、一緒にものをつくっていったりするときに、効率がよくなるというメリットがある」。
 「自分の世界を築くうえでも、自分が所属している社会や世界について見通しをもっていたほうが断然いい」。
 「RPGのアイテムみたいなものだと思ったらどうだろう。…知識というアイテムも幅広くたくさん装備しておくことで、いろんなことの見通しがよくなる」。

 「一番大切なことは、自分がつくりたいものにとって、なにが本当に必要なのかをしっかり知ることだ」「たとえば、本格的に3DCGで絵を描きたい人は、手描きがまったく不要かといったらそんなことはない。…やっぱりデッサンをお勧めする。…形と陰影を見る訓練としては、やっぱり伝統的なデッサンが適している」。

 そして、ものをつくりはじめる。

 「表現をするとき、そしてそれを一応完成したものとして手放すとき、必ず自問自答をしよう。自分はこの作品に自分がいま持っている技量を出し尽くしただろうか、しっかりと考え抜いてつくっただろうか、要するに自分は全力を注いだだろうか、と」「全力を尽くしたなら、評価は評価で置いておいて、ともかくつぎをつくる」「つくればつくるほど技量は磨かれるし、当然のことながら経験値も増えていくよね」「なにより、つくっているうちに自分自身もどんどん変わっていく」

 しかし、自分の作品を世に出したければ、「セルフ・プロデュース」が必要と杉山氏。
 「その作品をいったい社会のなかのどこに置いたら価値を持つだろう。誰に提案したらおもしろがってもらえるだろう。つまり自分にとってだけの価値じゃなくて、他の人にとっても価値が生まれるだろう。そういう意識をもつこと」がセルフ・プロデュースだ。

 もっとも、クリエイターがそこまでやるのは難しい場合が多く、杉山氏はクリエイティブ・プロデューサーがどんどん生まれてほしいと願う。作品にふさわしい場所を見つけてくれる人のことだ。審美眼があり、社会の仕組みや時代の潮流についても目配せでき、プレゼンテーション能力があり、法律や経済的知識にも長けた人だ。


 本書で「クリエイター・スピリット」については感じがつかめた。日本には、クリエイターを生み出す最適な環境があることも分かった。
 しかし、深刻なのは、彼らと世の中をつなぐプロデューサーが、いま一番不足しているようなだということだ。

 杉山氏には、ぜひ、プロデューサー論も書いていただきたい。

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これが“昔の喫茶店” 服部珈琲舎(東京・池袋、喫茶店)


 池袋で待ち合わせならば、この店。服部珈琲舎(東京都豊島区南池袋1-27-5、03・3971・2719)。
 池袋東口徒歩1分。前を通ったことがある人は多いはずだ。

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 食べログをみると、厳しい評価。そりゃそうです。スタバとかタリーズがあたりに慣れ親しんでいる世代にとっては、ここは何?って感じだと思う。
 でも、これが、昔の典型的な喫茶店なのだ。
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(画像をクリックすると大きな画像で見られます)
 ブレンドコーヒー 630円
 アメリカンコーヒー 630円
 アイスコーヒー 630円
 コーヒーフロート 730円
 カフェオーレ 730円
 ウィンナーコーヒー 730円
 ココア 730円
 ミルク 730円
 紅茶 630円
 アイスティー 630円
 ティーフロート 730円
 オレンジジュース 730円
 トマトジュース 730円
 コーラ 630円
 メロンソーダ水 630円
 クリームソーダ 730円
 レモンスカッシュ 730円
 アイスクリーム 730円
 コーヒーゼリー 730円
 焼きプリン 730円
 ワイン(180ml) 730円
 ビール(350ml) 730円

 エスプレッソ 630円
 カプチーノ(ホット)
 シナモン 730円
 カカオ 730円
 アーモンド 730円
 カプチーノ(アイス)
 シナモン 730円
 カカオ 730円
 アーモンド730円

 メニューは懐かしいが値段の決め方はアバウトかもしれない(笑)。
 シンプルな飲み物が630円、ちょっと手が込んだ飲み物は730円だ。ここは長居する人が多いので、これが場所代なのだろう。
 食べログのコメントの批判も値段が高いと言うものが多かった。

 食べ物もある。
 ホットケーキ(プレーン)はコーヒーまたは紅茶付きで950円。食べ物とセットにすると割安感がある。これを頼んだ。
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 スパゲッティ各種(ミートソース、タラコソース、きのこソース、カルボナーラ、ラタトゥイユ、カレーソース)は850円でコーヒーまたは紅茶付きで1050円。最低価格は高いと感じるのかもしれないがセットにすると納得価格だ。
 トースト(バター&ジャム)はコーヒーまたは紅茶がついて800円だ。全然高くない。

 この店の名物は「ライスカリー」。
 「大正弐年」に料理屋「あさのや」として創業。その当時の「大正浪漫あふれる」ライスカリーだ。
 牛肉カリー、季節の野菜カリー、どちらも1050円。コーヒーまたは紅茶付きだと1250。630円のコーヒーや紅茶が200円で飲めるわけだ。とてもお得だ。

 食べログに星二つくらいと評価して厳しいコメントをする人はもう少し、店の中身を分析して書いてあげてほしい。

 コーヒーもおいしい。

 そんなわけで、悪い店ではないので、いつも店は混んでいる。

 営業時間は9:00~23:00。月曜定休。

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小林雅一著『神々の「Web3.0」』 (光文社ペーパーバックス)

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神々の「Web3.0」

 小林雅一著『神々の「Web3.0」』 (光文社ペーパーバックス、2008年8月発行)を再読した。ソーシャルメディアやモバイルメディアなど、今、まさにITの世界のトレンドになっている事象を追いながら、しっかりとその中身を分析、これからの展望も示している。いま、読んでも新しさを感じる。 Introductionにあるように「少なくとも、ジャーナリスティックな現場取材を学術的、理論的に体系化organizeしたIT・メディア論は他に類を見ない」と小林氏が自負するだけの内容がある。

 「伝統的メディアの発する情報はブロードキャスト的に拡散した後、人と人とのネットワークを経由してコミュニティに浸透penetrateすることがわかっている。つまり2段階のプロセスtwo-step processであるが、その後、人から人への、いわゆる口コミ型のコミュニケーションは、世論や流行などトレンドを形成する上で、前段のマス・メディアと同等か、それ以上の影響力influenceを持つとされる」「ここ数年で起きた変化とは、そうした強力なネットワーク型コミュニケーションにまで、ブログやSNSをはじめとした電子メディアが介在し始めたことだ」。
 この具体例が第1章、第2章で紹介される。

 第1章では中高生のケータイ文化を紹介する。
 「今までのところ、中高生を中心とする日本のインターネット文化、あるいは『仮想世界』の利用は圧倒的に携帯電話mobile phoneに依存している」。
 ブームプランニングが2008年6~7月にかけて、首都圏の女子高生を対象に実施したアンケート調査によれば、「彼女たちのケータイの主な用途は『ネット接続』で、逆に通話やメールの頻度はどんどん下がっている。そしてこの『ネット接続』は、ブログ、SNS、プロフ…、リアルタイム日記など、いわゆるソーシャル・メディア全般に使われる場合がほとんどだ」。

 第2章では「かつて現実世界に閉じ込められてきたネットワーク・モデルが、この10年あまりの間にメディア世界に侵入してきた」ことによる変化を扱う。

 「1990年代初頭にインターネットが一般社会に普及し始めた当時、これが現実世界の人間関係を移植するのに適したメディアであることを指摘する人はあまり多くなかった」「多くの人々や企業は、ウェブ・サイトをネットワーキングの道具としてよりは、放射状の情報発信ツールととらえた。すなわち本来はネットワーク・モデルで把握recognizeしなければならないメディアを、テレビや新聞など伝統的メディアのようなブロードキャスト・モデルでとらえようとしたのである。このため、大多数のホームページは『情報発信すれども、誰からも発見されない』という結果に終わった」。
 2000年前後から使われ始めたブログは「検索エンジンと組み合わさることで、高水準のブログであれば相応の注目を集めるようになった。つまり本来のネットワーク・モデルに近づくことで、ウェブは『手応えのある言論空間』へと成長したのである」「いわゆる口コミby word of mouthで伝わっていた情報が、アルファ・ブロガーを中心とするネット上を電子のスピードで伝わるようになった」「この流れをさらに推し進めたのが、2002年頃に登場したSNSであった」。

 「現実世界の『人間関係』human relationsが、どんどんメディア世界(=仮想空間)に移動しているのだ」「この過程で、ブロードキャスト・モデルを示すサークルはどんどん小さくなる。それは人々がメディア利用に費やす可処分時間や関心の総量amount of attentionには、トータルで上限があるからだ」。
 「メディア世界にネットワーク・モデルが侵入した結果、ブロードキャスティング・モデルの力は落ちた。しかしマスコミや広告産業は、その代わりに、より大きな潜在能力を秘めたネットワーク・モデルを手にしたのである」
 そして、「インターネットやモバイル端末など多彩なメディアが登場した今、消費者や地域社会との直接的な交流が有力なプロモーション手段として再注目されている」。
 「アメリカを代表する巨大企業が、次々と主流メディアへの広告費を削減し、消費者に直接働きかけるプロモーションへと多額の資金をシフトしている」。
 「メディアの構造変化に対応した広告予算のシフトは、アテンション・エコノミーという比較的新しい経済学によっても説明できる」「私たちは普段、情報に優先順位をつけて処理せざるを得ない。何かに多大な注意を払えば、それ以外のことに向けられる関心の量は少なくなる。つまり『関心』は有限の資源limited resourceなのだ」。
 
 「より本質的な問題は、原初的primitiveなアテンション・エコノミーが限界に達したことだ。従来の新聞、ラジオ、テレビなどの伝統的メディアは情報・コンテンツを無料、または極めて安く提供することで、膨大な数の読者や視聴者を集め、そこに生じた強力な『関心の場』に広告を打つことによって、莫大な収益huge profitをあげてきた。この単純だが実に効果的な、そして新規参入が難しいため、独占的で安定的なビジネス・モデルが、だんだんと効力を失いつつあるのだ」。
 「『アマゾン』Amazon.comや『イーベイ』eBay.comなどウェブ2.0系の企業は、『ウェブ・サービス』や『アフィリエイト』affiliateなどユーザーのアテンションを利益と還元する効率的な手法を開拓していた。彼らは検索エンジンのグーグルを中心とする、新たな情報生態系を築き上げた」。

 「レコード会社やテレビ局、出版社など伝統的メディア産業が追いつめられているのは、彼らのビジネス・モデルがブロードキャスト・モデルに適した、原初的rudimentaryなレベルにとどまっているからだ。つまり、今後のメディアコンテンツ産業の成否は、ネットワーク・モデルに適した業態business categoryへと転換できるかどうかにかかっている」。

 第3章では、「こうしたメディアの構造変化structural changeが、音楽や映像などコンテンツ産業におよぼす影響を解説し、それによる苦境から脱却するための新たなビジネス・モデルを提示する」。

 「音楽流通の主導権がレコード会社の手を離れ、ユーザーの側に移ってしまった。昔のようにレコード会社がCDを制作し、それを一斉に全国のレコード店で売りさばく『ブロードキャスト・モデル』は急速に機能不全になっている」。
 かつて法廷でファイル共有業者「グロックスター」の弁護を務めた弁護士は次のように予想する。
 「音楽レコード産業のビジネス・モデルは、これから『包括的ライセンシング』(Blanket Licensing)に向かっていくだろう。つまりリスナーが毎月定額の料金、たとえば5ドル、10ドルといった料金を払えば、インターネット経由であらゆる方式のあらゆる音楽を聴けるようになる」。
 「音楽産業はかつてのレコード会社を頂点とするピラミッド型から、フラットなコミュニティ型へと変化しつつある」。マイスペース・ミュージックでは「ユニバーサル・ミュージック、ソニーBMG、ワーナー・ミュージックの音楽すべてを無料でユーザーに聞かせる。ただし、それはストリーミング配信のみ。ダウンロード配信では、デジタル音楽がハードディスクに残るので有料サービスとなる」。

 2008年7月に始まった「mixi Radio」(ミクシィラジオ)についても新しい動きとして紹介している。

 小林氏は映像ビジネスも音楽ビジネスと同様の道を辿るとみる。
 「映画やテレビ番組など動画作品のマルチ・コピーにしても、訴訟で取り締まったり識別技術で個別に管理したところで、とても対応しきれるものではない」「となるとコンテンツホルダーとしては、各種コンテンツがコピーされることを前提としたうえで、あらかじめ、そのライセンスをIT企業に提供し、その定額使用料に加え、広告・Eコマース収入のような出来高制で請求する方が理に適っている」。
 「国内外のメディアが競い合う新しい環境の下では、角川(歴彦)氏が述べたように映像コンテンツをグローバル・メディア(インターネット)に開放し、映像資産の最大活用を図る方が賢明だ」。

 次世代検索エンジンの開発動向について第4章で紹介した後、第5章でソーシャル・グラフを生かすSNSの試みについてリポートする。

 「業界第1位のマイスペースの方にどんどん新規ユーザーが集まってしまい、フェイスブックは置いてきぼりにされた」という。ここで「起死回生の手段として、フェイスブックの打った手が『オープン・プラットフォーム戦略』Facebook Platformだった」。
 「2007年5月、フェイスブックはいわゆるAPI(Application Programming Interface)を外部に公開した。APIとは、外部のソフトウェア業者らに提供されるアプリケーション開発用のガイドラインである。このAPIが公開されると、中小のソフト開発業者は『フェイスブック』というオープン・プラットフォーム上で動くさまざまなミニ・プログラムを自由に開発できるようになった」「フェイスブックはSNSの世界における、基本ソフト『ウィンドウズ』のような存在になった」「フェイスブック用にも2万種類以上(2008年6月時点)ものアプリケーション(ミニ・プログラム)が開発され、その後も1日に140種類のペースで追加されている」「このミニ・プログラムは『ウィジェット』widgetと呼ばれる」。

 フェイスブックには「ニュース・フィード」News Feedという機能がある。「フェイスブック内の友達同士が、お互いの行動を逐一把握するための情報伝達のためのメカニズム」だ。
 「Xさんは今、Yさんと友達になりました」というように、Xさんの行動はすべてXさんの友達全員に送られる。

 「あるユーザーが気の利いたウィジェットwidgetを見つけて使い始めると、それはニュース・フィード機能によって自動的にその友達にも伝えられる」「このように優れたウィジェットは、ソーシャル・グラフに沿ってウィルスのように伝染する(コピーされる)。ここに商品広告を載せれば、いわゆるバイラル広告viral advertisementが実現する」。


 その後、フェイスブックは「ビーコン」Beaconという「口コミ」をサイバー空間内に持ち込もうとする。
 「ビーコンはフェイスブック・ユーザー(X)が…Eコマース・サイトで何か買うと、その購買情報をフェイスブックに送信する。そこからニュース・フィード機能で、Xの友達全員に配信するのである」。
 この試みは、プライバシー侵害などを理由に、ユーザーの反発で中止となる。
 しかし、これはやり方が乱暴だっただけで、ソーシャル・グラフを広告に使うという狙い自体は間違っていなかったと小林氏は言う。
 たとえば、「マルティプライ」Multiply という新興インターネット企業が提供する同名のSNSの場合、「『同僚』『友人』『親戚』『高校の同窓生』のようにきめ細かく分類がなされ、さらに各人の『距離(親密さの程度)』までシステムが自動的に判定して、多次元的なソーシャル・グラフを形成する」。
 このようにソーシャル・グラフが「この先、どんどん高度化されて」いけば、「緻密なプライバシー・コントロールが可能になる」と小林氏は見るのだ。

 第6章はグーグルの携帯端末用の基本ソフト「アンドロイド」Androidの話が中心になる。
 「近未来において、グーグルはアンドロイドをモバイル業界における『ウィンドウズ』、つまり事実上の世界標準OSのような存在にしたい」
 「アンドロイドはもともと、グーグルではなく、アンディ・ルービンAndy Rubinというシリコンバレーのエンジニアが開発したものだ」「これにグーグルが目をつけ、OSとその開発者(ルービン氏)もろとも買収したのである」。

 「アップルは、どんな形にせよアイフォーンという『製品』で儲けようとしている。これに対しグーグルは利益度外視で、とにかくアンドロイドを普及させ、広告配信の『プラットフォーム』としたい」「こうした姿勢の違いは、長期的に両製品の普及率の差として現れてくるだろう」。
 「こう見てくると、グーグルがFCCに働きかけて『オープン・アクセス規制』を採択させたのは、結局、アンドロイドを投入する環境settingを整えるためであった」「新しいモバイル・ネットワーク上では、キャリアは『オープン・アクセス規制』に従って、どんなに嫌でもグーグルのアンドロイドを搭載した携帯端末を使えるようにしなければならない」「この結果、何が起きるかというと、プラットフォームがキャリアから分離する」。

 ただ、「グーグルのお膝元である米国では、同社が思い描くようなモバイル・オープン化を実現するには、かなり時間がかかると見られている」。まず、「今のところ彼らのシェアは非常に小さい」。また、「700Mhz帯のモバイル・インフラが構築されるのは数年先のことだ」からだ。
 このため、「モバイル・インフラが高度に発達し、米国よりも付き合いやすいキャリアがいる日本で、モバイル・オープン化への具体的取り組みapproachを始めるだろう」「そして、そこで培った技術やノウハウ、経験などを生かし、数年遅れで日本のインフラに追いつく米国や欧州、さらには中国などの巨大市場で本格的なモバイル広告ビジネスに乗り出すであろう」。

 もっとも小林氏は「米国型文化(開放的なウェブ2.0)と日本型文化(緻密なモバイル・インターネット・サービス)の衝突と融合」が起きると予想する。
 その結末は――。
 「アドセンスはブログを中心とするコンテンツに小口広告を自動配信するサービスである。これがあったからこそ、PCインターネット上でウェブ2.0の文化が花開いたのである。このアドセンスが日本の携帯サイトでも広く使われるようになると、モバイル産業も『ネットワーク効果と広告収入』に支えられたウェブ2.0に移行する。そこでは公式サイトの決済システムを押さえた日本のキャリアよりも、一般サイトにおけるモバイル・インターネット広告のプラットフォームを押さえたグーグルのほうが、力関係として優位に立つ可能性が十分ある」と小林氏は見る。

 第7章では「セカンドライフ」SecondLifeのような「メタバース(3D仮想世界)」を論じ、人と人のコミュニケーションについて改めて考える。

 IT好きの人が十分楽しめる、味わいの深い一冊である。 

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