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井出洋介著『勝負論~勝機を呼べる人、呼べない人』

Shoburon
勝負論 勝機を呼べる人、呼べない人

 井出洋介著『勝負論~勝機を呼べる人、呼べない人』(PHP研究所、2003年9月8日発行)を読んだ。
 
 第一章 絶対に勝つ方法はないが、絶対に負けない方法はある
 「諦めるから挫折なのであって、諦めなければ挫折にはなりません」「勝つためには、とにかく諦めずに、常に可能性を追求する姿勢こそが必要なのです。勝利までの過程において劣勢の状態を甘んじて受けるのは、決して恥ずかしいことではありません。むしろ、それを受け入れられるような精神的なタフさがなければ勝利を手にすることは難しいでしょう」「常に勝っていないと気がすまない人というのは、精神的に非常に脆いようです。このような人たちは、勝てなくなったときに、なかなか立ち直れなくなります」「うまくいかなくなった時でも耐えられるだけの気持ちを保つために、どのような考え方をベースに持っているかが重要なポイントになるのです」。

 「ローリスク・ハイリターンでなければ、勝負のしがいがありません」「私のめざす麻雀は、まさに、どうすればローリスク・ハイリターンになるかというものです」「ただし、ハイリスク・ハイリターンのすべてを否定するわけではありません。局面によっては、たとえハイリスクでも勝負せざるを得ないことがあります。リスクが大きくてもトータルで勝つためには勝負しなければならない時があるからです」「ただ無謀なだけのハイリスク・ハイリターンではなく、自分で十分わかったうえでハイリスク・ハイリターンに挑むわけだから、それはもう十分自分で納得できます」。

 「どんな局面が展開すると自分が困るのか、不利になるのかを考えると、そういう局面が起きないように手段を講じられるようになります」「自分にとって嫌な状況をどんどんつぶしていく作業をするのです」「これは大げさにいいますと、危機管理の考え方と共通するものだと思います。突然何かが起きた時に慌てるような人は、常日頃からそういった意識を持っていないという証拠です」。

 「最終的に勝つためには、たとえちょっとくらいマイナスになっても致命傷を負わない程度にすませておく、つまり大負けしないでいれば挽回のチャンスも来るのです」。

 「受けたダメージに対する回復力、つまり、スタミナが勝負において非常に重要になってきます」「どれほどのダメージを受けたらダメになるか、こういう負けはどれくらいのダメージになるのか、などを知るのは、強くなる成長段階においては必要なことです」。

 「私には、負けないために自分にいい聞かせる言葉として、『焦るな(あわてるな)』『諦めるな』『キレるな』『クサるな』という四箇条があります」「この四箇条を意識しはじめてから、打ち方も変わりました。まず何よりも、いつも意識することによって自分の打ち方が曲がらなくなってきました。つねに自分の力の80%が出せるようになるのです」。
 
 第二章 勝負を分けるものとは何なのか
 「実は麻雀に限らず、負け、あるいは失敗した時に『ツイてない』という人は、まず負け組です。というのも、負けや失敗はたいていその時には気づかなかった原因があるもので、ちゃんと反省や分析をすればわかることなのです」。

 「麻雀の場合、私はたとえとして、半荘1回がゴルフの1ホールくらいなものと考えていただければいいと常々いっています」「目先の損得、途中経過での勝ち負けにばかり目が行ってしまう人は、トータルでの勝ち組にはなかなかなれないのです」。

 「不可能と思ったら不可能、無理だと思ったら無理」「満足したら停滞」

 「解決できないことが起きて、自分のペースを維持できなくなると困ります。そこで、解決できないことに対処する二つの方法を用いるようになりました。ひとつはペンディングする、もうひとつは無視することです」

 第三章 麻雀は駆け引きがあるからおもしろい
 「実力差を埋める、さらには逆転して番狂わせを生む(つまり弱者が強者に勝つ)ためには、やはり技術的なことより精神的な戦略を考えたほうが手っ取り早く効果的なのではないでしょうか。それは、具体的にはいわゆる奇襲戦法的なことになるでしょう」「しかし、相撲における"けたぐり"がそうであるように、奇襲戦法は何度も通用するものではありません。…だからこそ、日頃めざすべきは正攻法での勝ち方です。実力をつけるべくぶつかり稽古をして、本番で時としてイチかバチかで行なうのが奇襲戦法なのです」。

 「まず、ものごとが順風満帆に進んでいる時は、変わった動きをせずにそのままの状態を維持しておくのがいいでしょう」「次に、ずっと好状態が続いていたなかで、それまでとはちょっと違う異変が起きた時にどう思うかです。…麻雀なら次の局はリーチをかけずにヤミテンで確実にアガリに向かうといった対応を取ります」。

 「本来はある目的があって、そのための手段として作られたとします。たとえばそれが法律だったり習慣だったり、マニュアルだったりするのですが、周りの事情が変わっているにもかかわらず、古い法律や習慣を目的化してしまい、それにこだわるからちっとも目的が達せられないのです」「何が目的でどれがそのための手段なのかをきちんと認識すれば、考えること、やることも変わってくるでしょう」。

 「絶対といえることは基本的にはない、と思っています。だから、どんなに絶対ではないようなことが起きてもおかしくありません。…前提には失敗する可能性も常に孕んでいるということも含まれています」。

 第四章 まず、自分の思想を確立させよう
 「『妥協』はすべきではないのです。打算での妥協は後で必ず同じようなトラブルが起きるものなのですから」「この妥協と似て非なるものが、『許容』です。『許容』というのは"受け容れる"ことですから、打算やそろばんずくではなくて、その人に対する『情』とか『愛』をも含むものです」。

 「たいていの人は、『自分の物差し』と『社会の物差し』という二つの物差しを用いて判断しています。…私はそれだけでは足りない、三つ目の物差しが必要だと日頃から思っています。この三つ目の物差しとは、相手がどう思っているか、という『相手の物差し』のことです」。

 「反省はしても後悔はするな」。

 「実際は自分が勝つ時にも、自分の力だけでなく、偶然や相手三人のミスに助けられているところがたくさんあるのですが、それを自覚している人は圧倒的に少なく感じられます。勝った時は自分の実力と思っていて、しかも負けた時は人のせいを含めてツイてなかったと思っている人が大部分なのです」。

 第五章 麻雀はもはやギャンブルを超えた
 「日本健康麻将協会の田嶋智裕理事長は、ボランティア精神の旺盛な方で、そもそも健康麻将を始めたきっかけも、敬老の日にお年寄りに店を開放して無料で楽しんでいただこうという行動からでした。それが大好評で、平日にもやってほしいという要望を聞き、雀荘の昼間の空いている時間に一人一日1000円でどうぞ、というスタイルで始めたのが今から20年ほど前のこと」「最初は"敬老麻雀"だったのですが、これだと『私はまだ年寄りではない』というお客さんもいて、考えた末につけられたネーミングが"健康麻雀"でした」。

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