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井出洋介著『恐怖の東大麻雀』(双葉文庫)

Kyofunotodaimahjong
恐怖の東大麻雀

 井出洋介著『恐怖の東大麻雀』(双葉文庫、昭和60年2月25日発行)を読んだ。

 フリー百科事典「Wikipedia」によると、井出 洋介(いで ようすけ、1956年2月15日 - )は競技麻雀のプロ雀士である。最高位戦日本プロ麻雀協会元代表、日本健康麻将協会元代表、麻将連合-μ-(ミュー)前代表。現GM。東京都杉並区出身、B型。東京都立富士高等学校、東京大学文学部社会学科卒業。

 最高位戦日本プロ麻雀協会の代表であった1996年に同団体を退会し、麻将連合-μ-(ミュー)を旗揚げ。同連合で代表を10年務め、現在はGM。そして日本健康麻将協会でも代表、特別代表を経て現在はスーパーバイザーとして「賭けない麻雀」「健康な麻雀」「親子で楽しめる麻雀」など、従来の麻雀のイメージを改善すべく活動する。井出の提案するマージャンの漢字表記は麻将である。

 東大出身で卒業論文は「麻雀の社会学」、その打ち筋は「東大式麻雀」と呼ばれる。プロ雀士として積極的に各メディアに出演しており、フジテレビで不定期に放送される麻雀番組『THEわれめDEポン』において解説者を務める。

 名人位(第16・17・18・20・25期)
 最高位(第19期)
 王座(第28期)
 BIG1カップ(第2・4・12回)

 「Wikipedia」に紹介されている著書は、以下の通り。
  『東大式 麻雀に勝つ考え方 - 攻め・守り・状況判断の新セオリー』(1984年1月25日 池田書店)
  『東大式 麻雀入門 - すぐに覚えるあがり役と点数計算』(1995年11月30日 池田書店)
  『東大式麻雀 テンパイ見破り - 待ち牌を推理する新セオリー』(1996年6月28日 池田書店)
  『名人井出洋介の麻雀入門 - よくわかる勝つための考え方、打ち方』(1997年4月25日 新星出版社)
 『麻雀実力アップ問題集 - 実戦に即役立つ“ナニ切る”135問』(1999年4月10日 ゴマブックス)
 『東大式麻雀 点数計算入門 - 簡単に覚えられる点数計算と役』(1999年4月30日 池田書店)
 『東大式麻雀 ここで何を切る!? - 勝利のカギをにぎる究極の一打』(2000年6月20日 池田書店)
 『東大式麻雀 ツキを呼ぶ打ち方 - 運や流れをつかむ強運テクニック』(2001年6月21日 池田書店)
 『東大式麻雀 強くなる打ち方 - ネット時代にも対応<<攻め>>のセオリー』(2006年2月20日 池田書店)
 『東大式 麻雀に勝つ判断 - 打ち筋を理解して強くなる』(2008年5月30日 池田書店)
 『東大式 知的な人の麻雀術』(2010年11月20日 ISBN 978-4-625-68456-2 明治書院)

 井出氏が取り組む麻雀の普及活動の延長の著書が多く、井出氏の生き方、麻雀に対する考え方、戦略論などを書いたものが紹介されていない。

 井出氏は若いころから戦略論など、いろいろな本を書いている。これらをまとめて読んでみた。
 
 まず、『恐怖の東大麻雀』。昭和58年1月に双葉社から刊行された単行本を文庫にしたものだ。

 井出氏はまだ大学を卒業したばかり。このころの井出氏の様子は「はじめに」にある。

 「いつのまにか、メンバー稼業からはすっかり足を洗い、今では次にあげる三つが私の大きな柱」「まず、競技プロとしてタイトル戦で活躍すること」「そして原稿を書くこと。もちろん、生活のためでもあり、一人でも多くの人に麻雀を理解していただくためでもある」「さらにもうひとつ。競技麻雀の普及活動として麻雀スクールの講師をしたり、麻雀競技研修会を開いて全国をまわったりする」。
 「さて、好きなことを書かせてもらってきた連載物も、この二年ほどの間にだいぶたまった。それらの中からピック・アップして、さらに書き足して、ここに私としては初めての単行本を出していただくことになった。従来の麻雀ものとは一味ちがったつくりになっているはずである。内容的にも、初心者必読の基本的なことから、上級者でもついうっかりする難問まで、幅広くカバーしてあるので、誰でも、その人なりに十分役立ててもらえるものと自負している」。

 第一章 東大殺法パート1
 「どんなことでもまず基本。基本がしっかりしていれば、たとえ未知の経験に出会っても応用のきかせようがある」「麻雀の場合、囲碁や将棋ほどに手筋の解明が進んでいないため、いわゆる定石が確立されていない。だが、ここにあげた例題のうちのいくつかは、ほぼ麻雀の定石と言ってもいいものだし、他のいくつかは、今まで見過ごしていたが言われてみればなるほど、その通りだと思われるであろう基本的手筋である」。

 本章では手牌を見せて解説している。なるほどと思った解説の部分だけ、引用する。

 東一局を制するものは……
 「リーチをかけてアガれないと、不思議に牌勢が落ちてくる(ツカなくなる)ものなのである」。
 「たたでさえ、テンパイの仕方に不満が残る」局面でしかも「スタート時」は「おとなしくヤミテンに構える」。
 しかし、「でたら素直にアガっておこう。ヘタな見逃しは大ケガのもとになる」。

 「出遅れ、つまり、リードを奪えず、逆にリードされた場合は、何といっても我慢」「苦しければ苦しいほど、あせらないで我慢するのである」。

 三種の法則
 「早い巡目で一種類の中張牌が一枚だけポツンと浮いているときは、すぐには切らない方がいい」「早い巡目で、同条件のメンツ選択の場合には、三種の色を消さないようにする」。

 手牌の変化に対応して打つ
 「手牌がどう伸びても、自在に対応できるように打ってゆく」「自分が頭に描いた青写真通りに事が運んでくれなければうまく打てないのが中級者。ひとつ思い込むと、他のことが目に入らなくなってしまうのである」「先入観を捨てて、目をもっと大きく開いて手筋を眺めなおしてみよう。はじめは気づかなかった、思いもよらぬ宝物が隠れていることもあるのだ」。

 第一打のセンス
 「一時期、迷彩ということばが流行った。いわゆる作りテンパイで、捨て牌にたっぷりとワナを仕掛けることだが、それはかえって弱点にもなる」「不自然な捨て牌があれば、何か仕掛けがあると教えているようなもの」「レベルがあがってゆけばゆくほど、他家の捨て牌に気をくばる割合がふえてゆくもの。だからこそ、捨て牌もポーカーフェイスを装うのがベストになってくる」。

 安全牌を抱えるな
 「序盤から安全牌を持つことが重要になるのは、やはり自分がトップ目になり、特にアガリをかけなくてもいいような状態というのがその典型的ケース」「守りを考えるなら、一枚や二枚の安全牌を抱えることよりは、いつでも平気でオリられるだけの勇気を身につけるべきだ」。

 自然な手の伸ばし方
 「麻雀も、打ち方、スタイル、いろいろあっていいわけで、それぞれ自分の打法を学び、あるいは考えてゆけばいい」「だから、私の言っていることもすべて、"こうしなければならない"のではなくて、"こういう打ち方、考え方もある"と思ってくれればいい。そして納得したところは利用し、そうでない部分は、中途半端に覚えることもない。忘れてしまう方がいいと思う」。

 効果的でないアガリはするな
 「アガれそうな局にどれだけ効果的なアガリをモノにするか、がという勝負なのである」。

 ドラの切りどき
 翻牌のドラは、「ポンされてオリるくらいなら…抱えて死んだ方がましだ」「翻牌のドラをポンさせるのは、人助けなのである。ポンされるか、されないかは、もちろんわからない。が、切る以上は、ポンされることを覚悟しておかなければならない」「ドラを切ればテンパイ、という状態になったとき、状況から見てドラが危なければ切らないし、ポンされても自分の待ちに十分勝算ありと思えば切る」「ドラを切る以上は、ポンされてもアガりきる。また、それだけの形になっていなかったら、翻牌のドラは切らない」。

 第二章 麻雀クリニック
 一貫性を持って打とう
 「強い打ち手に共通しているのが、打牌の一貫性。一打一打を見れば、必ずしも正着を打っていないように見える人でも、むずかしい局面で常に同じフォームで打っていれば、迷いの少ない分だけミスも少なく、安定した成績が残せるものだ」「麻雀の局面は、刻一刻と変化するものであるから、その状況に合わせて方針を変更していかざるをえないのが日常茶飯事。だが、こう打った以上、そうは打たないとか、これを残すならば、あれは切るといったような関連の手順は明らかにあり、それを守るのが一貫性ということである」。

 プレイ中に後悔は無用
 「麻雀の場合、まったくミスをしないなんてことは、そもそも不可能だと言ってもいい」「問題はミスが出たあとに、どう対処するか」「"麻雀は勝ったらツキ、負けたらウデ"と思ったらいい」「"勝って反省"(私の好きなことば)できるようになったら、あなたはもう上級者だ」。

 願望だけで打つな
 「願望はそれほど必要ないが、展望の方は必需品。願望と展望(見通し)は、ちょっと似ているようで全然違う」。

 可能性をトコトン追求する
 「麻雀の手牌は、ありとあらゆる可能性を考え、追求してゆくべきである」。

 テンパイの誘惑を断つ
 「"アガれないテンパイより、アガりやすいイーシャンテン"を常に肝に銘じておこう」「麻雀は建設と破壊のゲームだと言われるが、破壊の中には、"建設のための破壊"という意味も含まれているのである」「目的のためには、せっかく揃ったのにもったいないなどと思わずに手を崩せるだけの冷静さを持ち合わせなければならないのだ」。

 第三章 楽しい麻雀とは
 牌を握るばかりが麻雀の修行ではない
 「仕事などの事情でしばらく麻雀から離れざるをえなくなった人が、何年かのブランクの後に牌を握ったときに以前よりも数段、勝負強くなっていたというのはよくある話」「卓の上の戦いは人生と同じなのだから、人生の紆余曲折の流れの中でわが身をどう置くか。この大局的な判断が重要なのである」「そして、そこで正しい判断を下すためには、一人よがりにならないでまわりの状況を見つめられるだけの冷静さと集中力」が必要。
 「ちょっと研究、訓練を重ねれば、巧くなるのはたやすい。が、本当の強さは、一朝一夕に身につくものではないのだ」。

 第四章 覚えてトクする基礎ポイント
 略。

 第五章 東大殺法パート2
 不確実性の中の常勝性
 「戦いの途中においては、気まぐれな勝利の女神はあっちへ行ったり、こっちへ来たり。それでも最後には、どんなことがあっても息を抜かず、気を入れ続けていた者の頭上に輝く」。

 スランプ脱出作戦
 「ツイでいないときにくる好配牌はクセ者で、配牌にある材料で四メンツ一雀頭を作ろうとすると、うまくいかない。そんなときには、配牌からあるメンツの卵(ターツ)に頼らず、バッサリ断ち切ってゆくのもひとつの打開策である」「つまり、あとからツモってきた牌でメンツを作ることを考えてみる」。

 "三メン待ち信仰"のワナ
 「多少ガードの堅い打ち手が入っているのなら、まちがった"三メンチャン信仰"を捨てヤミテンでのアガリを考える」「その場合、ドラスジの待ちは、実はいい待ちであることが多い」。

 連チャンを避ける
 「とりわけ、南場にはいってからの、トップ目の親であれば、ただ単純に連チャンに向かうのは決して得策ではない」「いかにして、うまく親番を流すかというのも、結構重要なことなのだ」「アガるなら相手にダメを押すようなアガリか、さもなければ敵のチャンス手をつぶす意味のあるアガリ以外は必要ないのである」。

 放縦後のチャンスは確実に
 「大きな放縦をしたあとには、案外チャンス手がくるもの」「それはちょうど麻雀の神サマが"敗者復活戦"のチャンスをポイと与えてくれたようなものだと思えばいい」「それをきっちりアガることができれば、十分復活の見通しがたつ」。

 "喰いは非常手段"
 「ただあせって喰うのは考えものだが、その後の対応策が十分に練ってあるならば、やはり苦しいところは喰い仕掛けを利用すべきだろう」。

 第六章 現代麻雀批判
 略。

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