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国内メジャー大会「ゴルフ日本シリーズJTカップ」で石川遼を追っかけ

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 国内メジャー大会「ゴルフ日本シリーズJTカップ」(東京都稲城市の東京よみうりカントリークラブで開催)の最終日を観戦に行った。

 ゴルフの観戦は6月5日の「日本ゴルフツアー選手権」以来。「日本ゴルフツアー選手権」では石川遼は予選落ち。今回は2日目までトップタイ。3日目が豪雨で中止になり、今日は石川遼が最終組で回る。
 「今日こそ、遼君のプレーを18ホール見るぞ!」意気込んで午前7時前に家を出た。

 小田急線新百合ヶ丘駅に午前8時前に着き、送迎バス乗り場に。
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 すでに大勢のギャラリー。バスの中では石川遼の話題があちこちで聞こえてくる。遼君効果のようだ。

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 8時半の一組目スタートぎりぎりに東京よみうりカントリークラブに到着。

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 1番ホールに急いだ。
 
 ゴルフ日本シリーズJTカップは、ジャパンゴルフツアーの優勝者や賞金ランキング25位以内の選手など、、厳しい参加条件をクリアした強者が“最優秀選手”の座をかけて激突する大会。男子ツアー最終戦でもある。

 日本の代表的なツアープロ28選手が出場しているので、いくら石川遼の追っかけをするといっても、全員のティーショットは見たいと思い、8時半スタートの最下位の池田勇太(さすが!最終日は66で回った)から全出場選手のティーショットを見た。10分おきに合計10組がスタートしていった。

 各プロが打つたびに「ナイスショット!」の声が上がるが、東北福祉大の松山英樹が打ったときだけは「あ~~~」。
 全体に思ったより、ゆったりとしたスイング。マン振りが目立つのは小田孔明と石川遼の二人だけだった。


 石川遼が登場したのは、池田スタートから1時間半後。赤と白の“ジャパンルック”で登場。同じトップでスタートする谷口徹が赤と黒でまとめていた。
 見た目だけでなく、ゴルフも好対照だった。
 堅実な谷口と、ドラマチックな石川。

 石川遼は3番でロングパットを沈めガッツポーズ。谷口がワンパットで入れそうな距離につけていただけに、勝負強さが光った。

 圧巻は5番ミドル。ティーショットを左に曲げボール崖の下。間近で見ていた。
 慌てず騒がず。ほかの二人がグリーンオンするのを見届けてから、崖下に下りてきて、上からしっかりボールを叩くと低い球が木々の間を抜けグリーンへ。リカバリーショット成功でパー。

 6番ロングは2打目グリーンオーバー。3打目。至近距離だったが、ふわっとボールをあげてピンそばに落とす。石川は小技がとてもうまい。それがリカバリーで生きる。

 石川はティーショットを普通に打てば、きっと優勝も簡単なのではないかと思うほどアイアンのショットがうまいが、ティーショットは最初は左、後半は右に飛び、安定しなかった。でも、思い切り振る。安定しないから思い切り振るのをやめるのではなく、思い切り振っても安定した球が打てるように、“実戦練習”をしているのだろう。
 優しい日本のコースは練習。見ているのは海外、のような気がした。

 ティーショットはいつも谷口を30ヤードくらいオーバードライブしていた。しかし安定しない。安定しなくてもなんとかリカバリーできてしまう。

 そんな感じで、6番までは谷口と互角の戦いだった。

 谷口はまったく派手さはないのだが、ティーショットはフェアウエーど真ん中。2打目をぴたりとグリーンに乗せる、という感じのゴルフだった。先に流れが来たのは谷口。7番、8番で連続バーディーで石川に2打差をつける。

 石川は谷口よりはピンに寄らないことが多く、距離のあるパットばかりだったが、いつも本当に惜しい。早いうちに、2つくらいのパットが入っていれば流れは変わったのではないか。石川はパットも、ものすごくうまい。

 ポイントは10番ミドル。やはりティーショットを左に曲げ、崖下からの一打。今度は近くで見られなかったので詳細は分からないが、木に当てて、3打目も崖近く。これをうまくオンしたのだが、惜しくもパーを逃がす。
 これで谷口と3打差。

 12番ミドルで2打目をピンそば1mにつけ、2打差に戻し、追い上げムードに。
 ところが13番で、またまた左に曲げ林の山の中に。2打目は出すのが精いっぱいだったが、3打目ピンから1.5mにつけてパー。リカバリーにエネルギーを費やし、追撃できない感じだった。

 勝負は14番ミドル。谷口が2打目をピンそばにつけ先にバーディーを取ると、これ以上離されてはいけない石川は勝負に出る。パットが大きくオーバー。返しも入らずボギー。このホールで4打差となり、勝負あった、という感じだった。

 12番あたりまではギャラリーも石川の優勝のわずかな望みをかけていたのだろう。「遼君がんばれ」の声援が多かったが、14番以降は判官贔屓に変わってきた。

 17番ロング。石川の3打目のアプローチはピンに当たるが跳ね返り、イーグルを逃がす。しかし、バーディーで単独3位を確実にする。決して調子は良くなかったと思うが、最後までギャラリーをわかせる。

 問題は谷口。自分とは対照的なゴルフの石川に対し、ボギーなしの堅実なゴルフを続けてきたが、18番、素人でも入りそうな勝利のパーパットを外し、プレーオフに。結局藤田に敗れた。堅実なゴルフ同士だと藤田の方が上手だ。

 石川を間近で見たが、本当に若い。自分の子どもより若いのだ。
 他のプレーヤーが打つ時は、例えば急斜面の上に立ちボールの行方を見る。6番ではパクのボールが右に行ったとき、「ファー」と大声を上げた。
 マナーが良いし、ミスをしても淡々とプレーを続ける。一生懸命さが伝わってきた。

 石川の追っかけは大変だった。結局、食事も取れないまま、ずっと山の斜面やカート道をジョギングした。そうしないと2打目を見られないのだ。
 異様に込んできた17番を除いて、石川のティーショットからパットまですべて見た。17番は2打目、3打目を見て、18番に行った。最後のティーショットを見るためだ。
 
 山登りに行った後のように疲れたが、石川遼を追った1日は楽しかった。
 ゴルフというものはミスを最小限にするとスコアが良くなるスポーツだと思う。アマチュアのゴルファーはそれでいいと思う。
 しかし、プロは、どこまでもドライバーを飛ばしてほしいし、我々がいつも苦労する林の中では、スーパーショットを見せてほしい。 
 谷口はベテランらしい味のあるゴルフを見せてくれたが、石川の「未完の大器」とも言えるゴルフは実に楽しかった。

 年甲斐もなく、やはり「石川遼が目標」と思った。

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