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Bunkamuraシアターコクーンリニューアル・オープン公演「下谷万年町物語」

 新宿梁山泊の両雄と宮沢りえが出演するBunkamuraシアターコクーンリニューアル・オープン公演「下谷万年町物語」を観に行った。作・唐十郎、演出・蜷川幸雄(敬称略)。

Shitayamannencho

 公式ホームページによると――。
 全てが過激!過剰なエネルギーに満ち満ちた、唐十郎の傑作戯曲!またとないキャストを得て、蜷川幸雄が満を持して挑む!!
 81年、西武劇場。膨大な出演者数と本水を使った大きな池、舞台を覆う長屋のセット―。ゴールデンコンビによる本作は時の事件となり、その後も伝説の舞台として語り継がれてきた。唐十郎が幼年期を過ごした<下谷万年町>を舞台に描いた幻想的な超大作!過激でありながら美しい台詞、猥雑な空気。時空を越えて次第に明らかになるレヴュー小屋での悲恋、そして社会の底辺で生きるオカマたちの逞しさは艶めかしく、切ない。観客に途方もない夢を魅せる、奇跡の舞台が、シアターコクーンのリニューアル・オープン、そして2012年の年明けを飾る!!乞うご期待!!

 唐、蜷川のコンビに、宮沢りえ、藤原竜也、西島隆弘の3人の人気役者が出演するとあって、前売券は売り切れ。当日券を求めて、並んだ。
 20人くらいすでに並んでいたが、運よく、だれもキャンセル待ちをせず、割安な立ち見席を購入していた。キャンセル待ち1番。迷わず、キャンセル待ちに賭けた。

 1階の通路側のS席が空いた。この席、すごい席だった。すぐ左で、宮沢りえが2度も演技をしてくれたのだから。キャンセル待ちをするのは初めてだったが、意外に狙い目かもしれない。

 こういうあらすじだ(公式ホームページより)。
 昭和23年。上野と鴬谷の真ん中に位置する<下谷万年町>。住みついた男娼たちでにぎわい、電蓄から鳴るタンゴの曲で、ハエの飛び交う八軒長屋造りの町。上野を視察していた警視総監の帽子が盗まれる。犯人は不忍池の雷魚と呼ばれるオカマのお春率いる一味らしく、お春のイロだった青年・洋一【藤原竜也】が帽子を持って逃げている。それを追う破目になったのは、洋一と同じ6本目の指を持つ不思議な少年・文ちゃん【西島隆弘】。洋一と文ちゃんが出会った時、瓢箪池の底から男装の麗人、キティ・瓢田【宮沢りえ】が現れる。彼女は戦争中にはぐれた演出家の恋人(もう一人の洋一)を探していた。キティは、洋一、文ちゃんと共にレヴュー小屋「サフラン座」の旗揚げを決意する。それぞれの物語は、瓢箪池の中で時空を越えて交錯し、思わぬ結末に向かっていく―!!

 宮沢りえが、こんなにテレビや映画で見る姿と違う一面を見せてくれたのは意外だった。いきいきしていた。躍動感を感じた。すばらしい!
 西島隆弘が藤原竜也を凌ぐとも思えるほどの存在感を示したのにも驚いた。実力がある。
 3人のファンになってしまった。

 ストーリーは荒唐無稽。不条理な世界が繰り広げられるのだが、彼ら3人の演技は、不条理なものも観客に納得させてしまう力がある。

 映画では、個性の強い役者にめぐり合うと、監督が映画の台本が役者に合わせて作り変えられることがあると聞くが、演劇は日々、役者の成長や脚本の深化で、不断に演出が変わっていく生き物のような芸術なのだろう。

 彼らを支える、新宿梁山泊代表の金守珍。久しぶりに彼の芝居を観たが、ものすごい怖い役柄で、別人かと思った。
 六平直政。新宿梁山泊の時と少しも変わっていなかった。彼一人で場の雰囲気を一変させてしまう。
 
 “アングラ演劇”と言われるジャンルは、存在感のある役者がどんどん参加すべきではないかと思った。分かりやすさ、親しみやすさなどが人気タレントには求められているようだが、そんなものをかなぐり捨てて演じると、宮沢りえのような実力のある役者からは、思いがけない隠れた魅力が引き出される。

 蜷川の演出だからこそ、宮沢、藤原、西島といった人気女優・男優が集まったのだと思うが、金守珍率いる新宿梁山泊のような劇団にも、ぜひ宮沢のような女優に参加してもらいたい。人気俳優とアングラ劇のものすごい化学反応を観て、そう感じた。

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