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田部井淳子著『田部井淳子の人生は8合目からがおもしろい』(主婦と生活者)

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田部井淳子の人生は8合目からがおもしろい

 田部井淳子著『田部井淳子の人生は8合目からがおもしろい』(主婦と生活者、2011年5月23日発行)を読んだ。

 「若いころは『山に登らない人は人間じゃない』と思っていたくらい許容範囲が狭かった」「そんな生活が少しずつ変わってきたのは、子育てが一段落した50代になってから。時間的にも精神的にも少し余裕ができ、いままで眠っていた『やってみたい』が『できるかも』と思えるようになり、思い切って『やっちゃえ』と飛んでみた。その最初のきっかけが、52歳で耳にあけたピアスの穴だ」。

 そこから、どんどん挑戦が始まる。
●54歳で自動車の運転免許を取得
●56歳でスキーを習う
●58歳で九州大学大学院に入学
●64歳でシャンソンを習う
●65歳でピアノを習う
●65歳で謡曲を習う
●66歳で「怖いもの知らずの女たち」初コンサートを開く
●68歳でエステの講習を受ける
●68歳でブログを書き始める
●70歳でギタレレを独学で始める
●70歳で競馬デビューする
●71歳でiPhoneを持つ

 「人の誘いにはまず、乗ってみる。おもしろい、おもしろくないの判断はその後でいい」。

 「夢は持つべきだ。夢を持ち続けていれば、いつか実現する」

 「いま『でも……』を封じなければ、やがて『でも、年だから』とどんどん内向きになってしまう」「『もう少し若かったら』『病気をする前だったら』と嘆く『……たら』も禁物だ」「60歳は飛翔のとき」。


 もちろん、山に対する情熱も失っていない。
 「世界の七大陸最高峰登頂に成功した後、『もう登る山はないのでは』と言われたが、とんでもない、魅力的な山は海外だけでなく、日本にもたくさんある」「エベレストから36年たったが、山に対する気持ちは変わっていない。高い山だけでなく、低い山、どんな山でもわくわく、ドキドキする」「同じ山でも夏と冬では全く景色が違って見えるし、雨の山、雪の山にも、そのときにしか出会えない、見られないものがある」
 「ひたすら頂上をめざした若いときには気づかなかったことが、この年になると見えてくるのも楽しい。足元に咲く花や芽吹いたばかりの山菜も愛おしく、見つけると幸せを感じる」。

 
 山で学んだ「平らな気持ち」も役に立っているらしい。
 「パニックになりそうになったら、深呼吸してひと呼吸置く。人とトラブルを起こしそうになっても、まずは深呼吸だ」
 「日常生活でも、空回りしてうまくことが運ばないことはある。そんなときは、『いまは悩みの時間』と諦めて、しばらく落ち込んでいることにしている。悩めるのは、生きている証し。すぐ解決しなくても死にはしない」。

 「少しくらい思いどおりにならないことがあっても、『それを楽しむ』余裕が欲しいと思う」。

 いい本だ。

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