BSジャパン「アジアの風~小さな挑戦者たち」
BSジャパン「アジアの風~小さな挑戦者たち」(毎週土曜日12:30~13:00)が面白い。
番組ホームページによると――。
日本の中小企業の中には、世界に誇れる技術や商品を持つところが少なくありません。
そしてその多くは成長著しいアジア市場に注目し、アジアにビジネス展開する機会をうかがっています。
しかし、人材と資金が豊富な大企業に比べて、中小企業には様々な困難が伴います。
いかに優れた技術・商品を持っていても、現地の情報も少なく、市場調査もままならないのが現実です。
そこでこの番組は、アジアに打って出たいという夢を持つ中小企業や個人事業主、さらには農家などを取材、優れた技術や魅力を紹介しながら、その技術力や商品力、ビジネスモデルがアジアで通用するのかどうか、注意すべき点はどこにあるのか、アジアのリアルな市場データや過去の事例を紹介しながら、アドバイスします。
とのことだ。
初回、3回目、4回目を観た。
初回は、自動串刺機のパイオニア、コジマ技研工業有限会社。
3回目は、「太陽熱集光装置」を開発した三鷹光器株式会社。
4回目は、不燃木材や不燃の内装材などをアジアに売り込みたいというアサノ不燃木材。
どの企業も、日本の中小企業はすごい!という独自技術を持っている。各社の社長が技術を紹介するのだが、それだけ見ているだけで楽しい。これだけの技術があれば、アジア展開も大丈夫ではないかと、毎回思う。
ところが中国や韓国、シンガポールなど、各社が進出をしたいと思う国に駐在する商社マンやコンサルタントの評価は厳しい。その評価を見て、社長を囲んで社内会議する社員たちの表情は真剣だ。
各回共通なのは価格面での課題。商品自体をどう理解させるか、マーケティングも工夫が必要だし、どの国から攻めるかも重要。
売り込みたい商品は毎回魅力的なだけに、それでもアジア市場に売るのは容易ではないのか、とアジア展開の厳しさを肌で感じられる。
この番組の良さは、マスコミとしては一踏み込んだ番組作りだ。
アジア経済の専門家である後藤康浩氏(日本経済新聞編集委員)が、各企業に行き、商品を見てアドバイス。また、番組が、各地の商社マンやコンサルタントに商品を評価してもらっているので、それが中小企業にとっては具体的なアジア進出の第一歩になる。
抽象論よりも、個別具体的な話こそが、中小企業のアジア進出に役立つのだと思う。
初回はラストの「社長の決断」の場面あたりに、若干わざとらしさを感じたが、4回目になって、不自然さはなくなってきた。
日本の中小企業の技術力を知ることができ、さらに、それをアジアに売り込むための技術を学べるこの番組は、ますます面白くなりそうだ。
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