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中村 寿美子著『死ぬまで安心な有料老人ホームの選び方 子も親も「老活!」時代』(講談社プラスアルファ新書)

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死ぬまで安心な有料老人ホームの選び方―子も親も老活時代

 中村寿美子著『死ぬまで安心な有料老人ホームの選び方 子も親も「老活!」時代』(講談社プラスアルファ新書、2010年11月20日発行)を読んだ。

 老い支度と有料老人ホームの選び方について、書いている。

 老い支度のチャンスについての記述が面白かった。

 「老い支度」のチャンスは三度訪れると思われます。
 1.自宅を改装したり、自由を求めていい65歳
 「65歳の健康度や見かけは、個人差が大きく、その差は16年になります。体力もあり見た目も若い人は57歳に相当し、逆に老けて見える人は73歳に相当するというデータがあります」。
 「さて、最後まで自宅で暮らしたいと願っている人は、早速、自宅の改修工事に取りかかるべきです」。
 「生活の質(QOL)を維持できれば、施設選びはどんな種類でもよいでしょう。なぜなら、老い支度ももう一度やり直しができる年代だからです」。

 2.有料老人ホーム適齢期、まだ引っ越しができる75歳
 「75歳の個人差は18年。若く見える元気な人は66歳、反対に病気をしたら84歳にも見えるというデータです」。
 「有料老人ホームの入居は、この時期が最適です。なぜなら、身体能力は以後、低下する一方です。すると引っ越しが大変だからです」。

 3.老い支度デッドラインの85歳 
 「本人は若いつもりでも、肉体的には85歳という年齢はごまかせません。それで、個人差はもっと開いて、20年になります」。
 「このとき準備をしない場合は、必ずj、どうにもならなくなってから、誰かの世話になることになります」。

 有料老人ホームの変遷についての記述も興味深い。
 「日本で有料老人ホームが始まったのは昭和50年代になります」。
 「多くは元気なうちに入居して別荘かリゾートホテル滞在の気分で暮らし、そのまま人生の終焉までを過ごすというイメージのものでした」「都会から離れ、海に近いとか、風光明媚な土地にあるリゾート感覚のものが多かったのです」。
 
 「昭和60年代半ばからは、『都市型』と言われる便利な都会の真ん中のホームに人気が出てきました」「当時の有料老人ホームの多くが健康なうちに入居する『自立型』であり、まだお元気で自分のことがすべて自分でできる高齢者が早めに入居して、そのあとに介護が必要になったら、ホームで最後までお世話するというものでした」。

 「平成22年の現在、有料老人ホームというと一般的には『介護型』を想定する高齢者が多くなりました。それは介護保険の産物です」。

 有料老人ホームの入門的知識では、自立型ホームと介護型ホームの間取りがこんなに違うものなのか、というのが驚きだった。

 「自立型」ホーム
 居室の広さ   30~200平方メートル
 居室の間取り ワンルーム、1DK、2DK、3DKなど
 居室の設備  玄関、リビング、寝室、クローゼット、納戸、キッチン、洗面台、トイレ、浴室、洗濯機置き場、リズムセンサー(トイレの前を12時間以上通らないと、自動的に警報が鳴って、職員が助けにきてくれるシステム)、バルコニー その他
 居室の内装 フローリング(床暖房)、絨毯

 「介護型」ホーム
 居室の広さ   13~30平方メートル
 居室の間取り ワンルーム
 居室の設備  ベッド、エアコン、洗面台、トイレ、ミニキッチン
 居室の内装  フローリング(床暖房)
 
 有料老人ホームの見分け方。三大チェックポイントは①経営企業の透明性②建物と間取り③サービス内容


 定年前の人間で、老人ホームのことまで考えている人は、どれだけいるだろうか。しかし、最後まで自分の人生を仕切りたいならば、老人ホームについて研究しておくことも必要かもしれない。

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