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飯能ゴルフクラブ(埼玉県飯能市)

 名門、飯能ゴルフクラブ(埼玉県飯能市芦苅場495、042・972・3680)でラウンドした。この夏は、良いゴルフ場での気持ちのよいラウンドが多い。

 何が良いかと言えば、「性格が良い」「意地が悪くない」ことだろう。フェアウエーが広く、ゆったりした気分で打てる。せっかく良い当たりだったのに罠があって、スコアが乱れる、というようなことがない。スコアが悪いのはすべて自分の技術や精神力の未熟のせい、と素直に思えるゴルフ場だ。

 実は仕事が終わらず、当日1時まで仕事をした。いったん寝てから5時に起きて1時間半、家を出る時間の直前に仕事を終わらせた。

 眠気がとれず、「今日はひどいスコアになりそう」と覚悟していた。

 駐車場に車をとめたら、少し仮眠してから、ラウンドしよう、と思っていた。

 ところが駐車場近くのアプローチ練習場をみて、これは眠っていてはもったいないと思った。

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 ランニング用アプローチショットの練習場と――。

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 砲台グリーンを狙う通常のアプローチ練習場があるのだ。

 スタートまで、1時間ちょっと。まずは朝食をとり、アウトのスタートホールに近いドライバー練習場に向かった。

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 ドライバー練習場は、一人ひとりの打席が広い。ゆったりと打てるのがよかった。
 ただ、アイアンの練習はいいのだがドライバーは固定されたティーが低いので、打ちにくかった。

 24球打って、さっそく、駐車場に近いアプローチ練習場に向かった。

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 カゴに球がいっぱいはいっていて、一人一カゴ打つことができる。初めにやや遠くから、次に届かなかったボールをグリーン周辺から打っていたら、もうスタート時間が迫っていた。眠気はすっかりとれていた。

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 今日はインスタート。3244ヤード(パー443454354)。スタートホールはいきなり池越え。プレッシャーがあったがぎりぎり池を越えた。

 各ホール距離があり、パーオンはとても無理という感じだった。1打目、ドライバーがうまく打てて残り150ヤードくらいになっても、なぜか正面に木があり邪魔をする。距離をしっかり出して、かつ方向も正確でないとパーオンは難しいということだ。パーはショートホールでしかとれなかった。

 ダブルボギー覚悟で回ったが、後半ボギーがとれるようになった。
 スコアは+2+2+0+3+1+1+1+1+1=+12で48。 パット数は321321211。

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 午後のアウトは3215ヤード(パー453443445)。

 手押しカートで回るラウンド。楽しかったが、脚にこたえたのか、4番、5番あたりで、ボールがまっすぐ飛ばなくなり、乱れたのが残念だった。3番201ヤードは23度のユーティリティーでワンオンしたのだがここで3パット。それも精神的にこたえたのかもしれない。

 スコアは+3+2+1+4+3+0+1+2+2=+54。パット数は223322212。

 以前よりも「良い当たり」は多くなった気がする。今日のような堂々としたコースは、まさに堂々と挑まないとよいスコアにはならない。

 ゴルフは細かいことにこだわらなくなってから、ストレスがほとんどない。リフレッシュできる良いスポーツになってきた。

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「ケータイ2個持ち」をやめるため、まずドコモ解約、auへ引っ越し

 いま、ケータイは、ドコモのケータイと、ソフトバンクのiPhoneの2個持ちだ。iPhoneは電話として使っておらず、電話に邪魔されず情報収集だけに使えるので、それなりに便利だったが、やはり2個持ちは負担が大きいので、1台減らすことにした。

 ソフトバンクだけにすると、地方に行った時に使えない場所が多すぎて、困りそう。かといって見かけだけiPhoneに似たアンドロイドのスマートフォンは嫌だ。
 
 となるとauに乗り換えて、通話エリアの不安は解消したうえで、端末をiPhoneにするしかない!ということで、今日、ドコモを解約、auのiPhone4Sを買った。

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 パソコンを打ちながらワンセグを見たりしていたが、テレビは大画面で見ればいい。ワンセグが要らなければ、ドコモのケータイを持っている必要がない。

 二つのケータイでパケット通信料定額サービスの料金と、基本料を払っているのは明らかに無駄だ。

 切り替え費用は、 ドコモに支払うMNP (携帯電話番号ポータビリティー) の手数料が2100円。
 いちねん割引を途中で解約したので、解約料をドコモに3150円。

 auの新規事務手数料が3150円。
 乗り換えキャンペーンで、7万2000円(64GB)のiPhone4Sの端末代が3万1500円引きで4万400円。
 

 月々のプランは、とりあえず2時間半通話無料のプランMシンプル2625円+インターネット接続サービスのIS netコース315円+パケット通信料定額サービスISフラット5460円(ソフトバンクより高いが使えるエリアが広いので仕方がないだろう)。
 2年契約をしたので、ここからさらに、パケット定額料金や基本使用料の割引があるようだが、細かい金額は忘れてしまった。

 一時的にiPhoneが2台になってしまったが、ソフトバンクは料金支払いが10日締めなので、9月に入ったら解約をしよう。

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千葉カントリークラブ川間コース(千葉県野田市)

 千葉カントリークラブ川間コース(千葉県野田市中里3477、04・7129・4111)でラウンド。
 野田市と言ってもカーナビは、浦和経由を指示した。埼玉と千葉のほぼ県境にあるゴルフ場だ。

 気持ちの良い林間コースだった。
 東コース、南コース、西コースの27ホールから成る。

 パター練習場から各コースが見渡せる。
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 練習場も充実。
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 距離のあるドライビングレンジ。

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 アプローチ練習場はボールもたくさん用意してある。バンカー越えのアプローチショットを練習。

 15日にゴルフをして、後半調子が良くなり、ドライバーショット、パットに自信が持てた。
 18日。当然、続きはそこから始まるものと思っていたが、なぜか絶不調のところから続きが始まる。(-_-;)

 東コース(3113ヤード、パー435454344)。

 6ホールまで。よくもまあ、こんなに打つものだ。(゜o゜)
 しかし、ここで雷が。7ホールで中止になって、クラブハウスに戻った。昼食もとってしまい、12時半ごろ再開となった。

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 東8番ホール。

 おなかがいっぱいになったからか、気分転換になったのか、調子が戻った。

 残り3ホールを回った後、本来は南コースなのだが、西コースならすぐ回れるというので西コース(3067ヤード、パー443544435)を回った。
 
ミスをしても東の前半のように乱れることはなかった。

 今日の成績は
 東コース
 +2+2+5+4∔2+2+1+0+1=+19で55。パット数は133222123。
 西コース
 +1+2+1+0+3∔1+0+1+1=+10で46。パット数は112232221。

 西コースはバーディーを惜しくも逃してパー、パーを惜しくも逃してボギーという感じだった。
 
 ゴルフは1打のミスが、別のミスを呼び、結局2,3打余計に打つことになる。

 ミスはなくならないと思うから、ミス直後にしっかりリカバリーをしたいもの。

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総武カントリークラブ総武コース(千葉県印西市)

 総武カントリークラブ総武コース(千葉県印西市草深302、0476・46・7111)を初めてラウンドした。

 夏休み期間中、「千葉県在住者または千葉県内に勤務している人」とその同伴者が安価な特別料金で千葉県内のゴルフ場を回れる「ゴルフフェスタCHIBA」というイベントがあり、ふだんはなかなか回れない総武カントリーで回ることができた。千葉県在住の友人、Iさんが申し込んでくれた。

 プロゴルフツアーも開催される名門コース。気に障るハザードがないためか、のびのびプレーできた。しかし、気持ちよく回っても、なぜかスコアが悪いという手強いコースでもあった。

 最近はゴルフ場でのラウンド=練習という考え方で、ゴルフ練習場ではまったく練習していない。とはいえ、ウオーミングアップのためにもゴルフ場の練習場は最大限活用している。
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ドライバーをしっかり練習。

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 目立たない場所にあった、アプローチ練習場でアプローチ練習。

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 中コースからスタート。芝は高麗。
 距離は3231ヤード(パー544344354)。

 とにかくたくさん打った。
 スコアは+3+7+1+5+3+3+1+4+0=+27で63。パット数は231212321。

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 午後は西コース。
 距離は3132ヤード(パー544344345)。

 6番はティーショットが飛びすぎて真正面の林の中に。OBではないが、木が多く、脱出に5打を要した。
 スコアは+3+2+1+1+3+6+2+2+0=+20で56。パット数は221142122。

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 手押しのカート。歩いて回る。

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 グリーン周りだけでなく、フェアウエーもバンカーが多く、いい当たりのティーショットがバンカーに。

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 晴天。暑かった。

 119というスコア。以前だったら落ち込むのだが、今は平然。
 中の9番。久しぶりの運動で前半不調だったが、体も動くようになり、打ち方も思い出した。
 「最後は1~8番の練習の成果を出してパーをとる」と宣言。パーをとった。

 西の9番。林に入れた一打はあったが、パットやアプローチもまずまずとなり、やはり「練習の成果を見せるため、パーをとる」と言って、パーをとった。

 パーは二つしかないから威張れないのだが、本当に良い練習になった。

 ゴルフはとにかくスコアにこだわる人がいる。危険を避け、無理はしない。
 体操競技で大技を省いたり、フィギュアスケートで、4回転を飛ばなかったり、柔道で判定勝ちするようなゴルフだ。

 それでもスコアが良い方が勝ちなのだろう。だから、勝ち負けはどうでもいいことにした。
 ラウンドはすべて練習。すべて、チャレンジだ。

 大技を決めながら、スコアを改善を目指す。

 生活のリストラでゴルフの回数も徐々に減らしていこうと思っているが、数少ないゴルフだからこそ、姑息ではない、大胆なゴルフをしたいものだ。

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鈴木隆雄著『超高齢社会の基礎知識』 (講談社現代新書)

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超高齢社会の基礎知識

 鈴木隆雄著『超高齢社会の基礎知識』 (講談社現代新書、2012年1月20日発行)を読んだ。

 超高齢社会がさらに進んだ2030年の超々高齢社会とはどんなイメージになのか。
 65歳以上が「高齢者」と言われるが、60代と、70代後半から80代とは健康状態もまったく変わってくる。これを一括りにして論じていいものか。
 高齢者が要介護状態にならないようにするためにはどんな予防をすればいいのか。
 生活の質を保ちながら生きるとはどういうことなのか。

 『高齢社会の基礎知識』がタイトルだが、扱うテーマは深く、考えさせられることばかりだ。
 これから深刻化しそうな超高齢社会の諸問題を見渡しながら、それぞれに、どういうスタンスで立ち向かうべきかを示唆してくれる広くて深い、とても良い本だ。
 

 鈴木氏はまず、超高齢社会がどんな社会で、どんな問題が生じてくるのかを説明する。

 「人口学的には、総人口のなかで65歳以上の高齢者の割合が増加することを高齢化という」。
 「高齢者人口が全人口の7パーセントを超えると『高齢化社会』といい、その2倍の14パーセントを超えると『高齢社会』、さらにその3倍の21パーセントを超えた社会を『超高齢社会』と呼んでいる」。

 「高齢化社会となる7パーセントの4倍化(28パーセント)が達成されるのは2030年ころと推定されている」「このような社会は超々高齢社会と呼ばれても不思議はない」

 「社会を高齢化させる要因のひとつが出生率の低下である」「出生率、なかでも15歳から49歳の女性の年齢別出生率の合計である合計特殊出生率は、1人の女性が平均して、一生のあいだに何人の子どもを産むかを示す指標であり、将来の人口の目安となる」「すなわちこの合計特殊出生率が2.0であれば将来人口は横ばい、2.0以上が自然増、2.0以下が自然減となる」「わが国では1970年代後半にはすでに2.0を下回り、1990年以降20年以上にわたり1.2~1.5とずっとその低い値が持続している」「このため、すでに2007年ころから総人口が減少しはじめている」。

 「一方、総人口の減少とは逆に、高齢者人口あるいは総人口に占める高齢者の割合は大幅に増加する。なかでも75歳以上の後期高齢者が急増することが見こまれる」「現在の後期高齢者人口(割合)・・・・・・1430万人(11.2パーセント、2030年ころの後期高齢者人口(割合)・・・・・・2270万人(19.7パーセント)」「この大きな原因は第二次世界大戦後の1946年から50年ころに出生した、いわゆるベビームーム世代が高齢化するからである」。


 高齢化に伴い問題となるのが単身高齢者世帯の増加だ。
 「2009年では、単身高齢者世帯・・・・・・23.0パーセント 高齢者夫婦のみ世帯・・・・・・30.0パーセント と高齢者だけの世帯が50パーセントを超えている」「2030年には、単身高齢者世帯・・・・・・38パーセント 高齢者夫婦のみ世帯・・・・・・30パーセントとなり、今後単身高齢者が急増してゆくことが想定されている」

 「2010年の75歳以上の後期高齢者での配偶関係を見ると、『有配偶』の男性……78.5パーセント 『未婚・死別・離別』の男性……21.5パーセン トにたいして 『有配偶』の女性……33.1パーセント 「未婚・死別・離別」の女性66.8パーセント と著しい差があり、後期高齢女性において配偶者をもたない者の割合が大きい」。
 「これら単身高齢者や後期高齢女性での非配偶化の増加は、高齢者の自立と尊厳を尊重する一方で、見守りやインフォーマルな支援といった社会的支援(ソーシャルサポート)、高齢者の閉じこもりや孤立の防止などを地域(コミュニティ)でどのように作り上げてゆくのかという今後の超高齢社会のもっとも重要な課題を内包している」。


 「今後の高齢者人口の増加は、わが国で均一に生じるのでなく、大きな地域差が存在する。すなわち東京を中心とする首都圏や大阪といった大都市圏で、より大幅に高齢者人口が増加する」「大都市特有の団地の超高齢化や独居高齢者の急増とそれにともなう閉じこもりや孤独死の増加が懸念される。さらに高齢者、とくに虚弱の進行した後期高齢者への支援や介護サービス量の大幅な増加にたいする有効な対応策を生み出していかなければならない」。


 75歳ころを境に「・生活機能障害高齢者 ・要介護高齢者 ・認知症高齢者」が増えてくるという。
 「さらに前期と後期の高齢者における要介護の原因についても明らかな違いが認められる。すなわち前期高齢者での要介護原因の約半数を占める最大の原因は脳卒中であるのにたいし、後期高齢者ではむしろ衰弱、認知症、転倒・骨折が多くなり、まさに老化にともなう心身の機能減弱が顕在化してくるのである」。


 「2030年ころの団塊世代の方々死亡ピーク年齢に達したときの年間死亡者数は、およそ170万人(うち65歳以上hが150万人)に達すると推定される。すなわち現在よりも約50万人の死亡者数増が見こまれているのである」「現在の医療資源、あるいは病院がその急増する死亡者の受け皿となりうるのであろうか? 答えは相当困難であるといわざるをえない」「ひとつは単純に病床数の問題である」「もうひとつの理由は、医療費の問題である」「終末期医療における費用と場所の問題を解決することは必然である。すなわち終末期における濃厚治療のありかたの見直しと、みずからの終末期のありかたを選択しうるリビング・ウィルの普及、あるいは病院での医療から在宅医療への転換などである」。

 
 高齢に伴う衰えは、どんな形でやってくるのだろうか。
 鈴木氏は、旧東京都老人総合研究所が実施している「老化に関する長期縦断研究」をもとに解説する。

 「高齢期では加齢とともに歩行能力が衰えていく」
 「一般に女性では筋肉や骨あるいは関節など筋骨格系の老化が著しく進むのにたいして、男性は血管の老化すなわち動脈硬化を基盤とした血管病変が速く進む」
 「要支援あるいは要介護の1や2といった軽度のサービスを受けている人には圧倒的に後期高齢者の女性が多い。その原因は高齢による衰弱、転倒・骨折、認知症などである」「一方、男性では比較的軽度のものは少なく、たとえ前期高齢者であっても脳卒中により最初から要介護2や3といった重いサービスから受給を開始していく例が少なくない」。

 現在の高齢者は以前の高齢者より若返っているとよく言われるがそれは本当なのだろうか。
 「たとえば、握力については、1992年の65歳以上の集団の平均値と分散に有意差のない、ぴったりと重なる集団は、2002年の男性69歳以上の集団および女性75歳以上の集団であることが明らかとなった」「このことは今日の高齢者は10年前の高齢者に比べて、握力でみるかぎり男性は4歳若返り、女性は10歳若返ったことを意味している」。
 「通常歩行速度は、男女とも11歳若返っており、わずかこの10年間で大きな健康水準の変化が生じていることを示している」

 「今日の高齢者は過去の高齢者とは明らかに異なる身体的に若々しい集団である。とくに65~74歳の前期高齢者、あるいは少なくとも60代は、これまで社会経験が豊富でスキルの十分に備わった社会的資源としても優秀な集団ということができる」「圧倒的多数の企業で定年があるのは労働者としての高齢者の能力を的確に評価できていないのではないだろうか? 意欲と能力のある高齢者の雇用や定年について社会は抜本的な改善が必要だと感じている」。

 「もはや高齢者を一括りにすることはできない。男性と女性、前期と後期の高齢者、10年前の高齢者と今の高齢者、さらには今後出現してくる65歳以上の集団は相当に異なる集団であることを念頭に置きながら、今後の社会においてさまざまな戦略を立て、制度を設計していかなければならない」。


 75歳くらいを超えたら、病気の予防よりも介護状態にならないように予防することが必要と鈴木氏は説く。

 「生活習慣病における死亡率の具体的な変曲点はおよそ70~75歳のあたりに存在してる。ということは、それ以前が生活習慣病の予防対策を重視すべき時期であり、それ以降はむしろ介護予防にその重点を移すべき時期といえるのである」。

 「中年期の男性がとくに注意しなければならない血管の病的な老化(動脈硬化)を予防するためには、まず禁煙が挙げられる」「もちろんメタボ対策の中心といわれる運動は必須である」「中年期から高齢期にいたるまでの継続的な(少しずつ着実で根気強く続ける)運動こそが自分でできる最強の予防対策である」。

 「女性における筋骨格系の老化予防は、高齢期における自立維持の視点から喫緊の重要課題である」「より具体的に対策方法を挙げるとすれば、中年期の生活習慣予防にたいし高齢期においては、『老年症候群』をいかにして予防するかということである」。
 老年症候群とは「転倒、低栄養、口腔機能の低下、認知機能の低下をはじめ、尿失禁、筋肉の衰弱、あるいは老化にともなう足の変形と歩行障害」などである。

 「老年症候群の早期発見と早期対策は高齢者において疾病予防以上に重要な意義をもっている。もっとも重要なことは、自らが老年症候群のさまざまなサインに気づくことであるが、推奨される効果的・効率的方法は健診(検診)のしくみを活用することである」
 「私たちがこの理念にもとづき、2001(平成13)年からモデル的に開始したのが東京都板橋区で地域在宅高齢者を対象とした『お達者検診』である」「高血圧や糖尿病など必要最低限の(高齢者に多い)疾患もチェックし対応してゆくが、基本的な理念としては個々の高齢者の生活機能や老年症候群の有無を確認することがもっとも重要な機能である」「このような高齢者の生活機能や老年症候群に焦点を合わせた健診によって、なんらかの危険性をもつ高齢者、すなわちハイリスク高齢者が抽出されてくることになるが、そのようなハイリスク高齢者にたいしては、科学的に有効性の確認された介入プログラムを提供することになる」。

 「国の施策としての介護予防は2006年(平成18)年に開始されたが、まだその歴史が浅いこともあり、現時点では必ずしも十分に機能しているとはいいがたい。介護予防サービスを受ける高齢者を当初5パーセントと想定していたが、現在でもたかだか0.5パーセントぐらいであり、その利用率は低迷を続けている」。

 「ひとつには残念ながら、一般にもそして高齢者本人にもその認知度が低いことにある」「もうひとつの問題は、たとえ高齢者に老年症候群や要支援・要介護状態に陥るリスクが高くても、自分には関係ないとか、自分の体のことを他人に知られるのは恥ずかしいという感覚である」「わが身に起きている危険な老化あるいは要介護状態の始まりに気づかないのである。これからは家族や周囲の方々も含めて、さまざまな危険な老化のサインを早く感じ取ることが介護予防、そして生活の自立の第一歩となる」。

 「介護予防事業をおこなうためには、当然要介護状態となる危険性をはらんでいる高齢者(ハイリスク高齢者)を適正に、できるだけ早く把握する必要がある。その把握のしくみとして、最初に『基本チェックリスト』と呼ばれる25項目からなる質問票がある」

 「これからは、いかに生命の質、生活の質を保つかという一点において国民のコンセンサスを得ることが重要となる。ヒトの限界寿命まで生存が可能であるということは、同時にその限界まで疾病を先送りし、要介護状態を先送りすることでなければならない」。

 「年齢とともに高次の生活機能から障害が発生することは確実である。ここではまず、どのようにそれらの障害が発生するのかを見てゆくことにする」。
 高齢者の高次生機能は以下の3つの領域で測定するという。「手段的自立」(自立的な日常生活を送るための活動能力)、「知的能動性」(余暇や創作などの知的活動の程度)、「社会的役割」(家庭や地域などでの社会的つながり)。
 「高齢期では、 ・社会との交流や関係性の低下→知的関心の衰え と移行してゆくことがわかる。その結果、家庭内ではなんとか独りで生活してゆく(手段的自立)能力は保たれたとしても、いわば外部との関連性が失われ、徐々に閉じこもってゆくことが容易に想像されるのである」「したがって、どうすればいつまでも社会とのかかわりを維持できるかが大切であり、家族や地域での高齢者に対する社会的支援を今後どのように充実させるかが課題である」。

 「世のなかには『ピンピンコロリ(PPK)』で大往生したいという願望が根強く存在する。しかし、…死ぬ直前までピンピンと元気で、あるときコロリと大往生するなどという死にかたは非常に少ないといわざるをえない」「もっとも重要なのは、宝クジに当たるようなPPKを望むのではなく、人生の晩年において、自立した生活に向けて努力し、自分が納得した介護を受け容れ、障害をもったとしてもいかに幸福な人生と感じ、満足して死ぬことができるかということである」「そのためにも、どうしても、やはり介護予防による自助努力、歩行能力の維持、排泄障害時のリハビリ、そして摂食障害時の胃瘻か、自然死か、など自己選択について考えておくことは避けて通れない。これらの問題に正面から向き合って考えなければならない時代なのである」 
  

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山形県酒田市観光・港~山居倉庫

 「寿司 しばらく」で酒田の魚を満喫した後、自転車で港へ向かった。

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 港から川沿いにある山居倉庫へ。
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 明治26年(1893年)に建設された米の保管倉庫で現在も農業倉庫として使用されている。ケヤキ並木とともに12棟が立ち並ぶ景観は、米どころ庄内のシンボル。

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 山居倉庫の手前には、小鵜飼船(こうがいぶね)が置かれている。これで物資を運んだ。

 市内観光を満喫。急いで酒田駅に戻り、バスで空港へ。
 庄内発17時55分の便で東京へ。羽田19時着。

 半日だったが、酒田を満喫した。

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山形県酒田市観光・しばらく(地魚で握る寿司)★★★

 せっかく港町に来たのだから、魚を食べたい。
 多くの人は酒田海鮮市場内の「とびしま」(山形県酒田市船場町2-5-10)あたりに行くのだろうが、こうしたところは恐らく地元に人は行かない。
 地元の人が繰り返し訪ねるような魚の店と言えば寿司屋だ。

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 ガイドには商店街に寿司屋が集まっているエリアがあった。そこで何軒かを回って、ここだ!と思ったのが、「寿司 しばらく」(山形県酒田市中町2-1-11、0234・24・5360)。営業時間は11:00―14:30、17:00―24:00。

 営業時間を先に書いたのは、午前中の閉店ぎりぎりに滑り込んだからだ。
 そのため、ご主人とゆっくり話すこともできた。

 この寿司屋が、素晴らしかった。

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 「地魚で握る」というのがまず、ありそうで、なかなかない。
 白身魚だけで握る「波の花」(2000円)が気になったが、旅行情報誌「じゃらん」に掲載されたことを記念した特別メニュー「じゃらん」(3000円)もおいしそうだ。
 迷っていたら「じゃらん」で白身魚だけにしましょう」とご主人。

 お酒も地酒が並ぶが品評会に出た寿司に合うという地酒を冷で。

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 名産のだだ茶豆付き。うまい! 「帰りに清川屋のだだ茶豆を買いなさい」とアドバイスされた。

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 マハタ、モーヨ(キジハタ)、マカサゴ、アラ。

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 マゴチとオコゼの肝乗せ。

 ここからは塩で。
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 スズキ、フグ(白子乗せ)、アマダイ(塩コンブ乗せ)、イシモチ。

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 うう、うまい(涙)。こんなにうまい寿司を食べたのは生まれて初めてだ。

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ナマハモ、ヒラメの焼き肝乗せ、ノドグロ(ムツ)。

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タイのゴマ、オーヨのヅケ。 以上…。

7月から12月はマグロも地元でとれる、と言われ、マグロも注文。
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 これ、東京で食べたら、いくらになるのだろう?と思う、おいしい寿司だった。

 酒田へ行ったら、ぜひ、しばらくへ。

 ご主人、名刺を渡したら、後でお手紙までくれた。

 死ぬまでにもう一度は行きたい。

 

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山形県酒田市観光・本間美術館

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 ソフトボール合宿の鶴岡市から酒田市に向かう。

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 酒田駅前には無料の貸し自転車があり、地図を片手に、市内を回ることにした。

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 まず向かったのは、本間美術館。
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 パンフレットによると――。
 戦後昭和22年、全国に先駆けて開館した本間美術館は、荒廃した人心を励まし芸術文化の向上に資することを目的として、本間家に伝わる庄内藩酒井家・米沢藩上杉家など東北諸藩からの拝領品を中心に展示活動を始めました。当時、特に雛人形展では露天商も出るほどの賑わいを見せたといいます。以来、棟方志功や中川一政をはじめ優れた作家たちの展覧会を数多く催すとともに、昭和43年には、創立20周年を記念して新館を建設し、多くの篤志家からの美術品のご寄贈や蒐集活動を通して、近世から現代に至る美術作品の展示を充実させてまいりました。
 現在、本間美術館は「公益」の精神を今に伝えながら、新館における近世の古美術から現代芸術企画展、別荘「清遠閣」の精緻な京風木造建築の美、庭園「鶴舞園」の幽邃な四季の風情、さらには北前船で繁栄した湊町酒田の歴史まで楽しめる、芸術・自然・歴史の融合した別天地となっています。どうぞ、三つのビュウポイントをお楽しみください。

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 さっそく庭園「鶴舞園(かくぶえん)」へ。
 青と赤の球体は、開催されていた現代美術のアート作品だが、日本庭園には合わなかった。

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 抹茶干菓子(ひがし)付(500円)を頼んでのんびりくつろいだ。

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 2階の展示スペース。

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2007年8月以来の山形県鶴岡市でソフトボール合宿その2

 2日目も午前中に試合があった。
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 やはり出場は1試合のみ。
 成績は
 レフトオーバー二塁打
 ショートフライ
 レフトフライ
 センター前ヒット

 昨年の夏合宿はホームランを打ちまくったが、夢の再現はなかった。

 飛行機まで使って山形に来たので、午後は港町の酒田市に行くことにした。

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2007年8月以来の山形県鶴岡市でソフトボール合宿その1

 私の所属しているソフトボールチームが、山形県鶴岡市で、2007年8月以来のソフトボール合宿を行った。
 集合は8月4日(土)正午、櫛引総合運動公園。
 ANAで行くことにした。羽田6時50分庄内着7時50分。
 地下鉄の始発に乗り、搭乗にぎりぎり間に合う。

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 オリンピック・なでしこジャパンの試合を見ていたので1時間しか寝ていないが、眠る間もなく着いてしまった。

 バスで鶴岡駅へ。宿泊する「ルートイン鶴岡駅前」に行き、朝食。その後、仲間の迎えのクルマで、櫛引総合運動公園へ。

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 暑~~~。

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 合宿は参加者が多いため、1試合目のみに出場。
 成績は
 レフトフライ
 セカンド内野安打
 左中間二塁打
 だった。

 夜は地元チームと懇親会。
 わがチームの参加者は17人だが、地元の青年団OBが5人、櫛引ソフトボール連盟16人参加するという盛況ぶりだった。
 二次会もあり、久しぶりにカラオケを熱唱した。

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赤瀬川原平著『老人力 全一冊』 (ちくま文庫)

Rojinryoku
老人力

 赤瀬川原平著『老人力 全一冊』 (ちくま文庫)を読んだ。『老人力』(1998年9月10日発行)、『老人力②』(1999年9月10日発行)を合わせて文庫化し、2001年9月に発行されている。

 インターネットで「老人力」を調べると、はてなキーワードに次のような解説があった。

 加齢による衰えを肯定的に捕らえる言葉。慣用句として「最近あなた耳が遠くなったわね」「ほう、ワタシにも老人力がついてきたようだな」というように使う。1998年流行語大賞」。

 もっともらしい説明ではあるが、「老人力」というのは、何よりも、みんなが老人を考え、老人というものを議論するきっかけになった、極めてインパクトの強い言葉である。流行語になるなかで、徐々に老人力の新たな意味が備わってきた、あるいはその後も、意味が加わりつつある言葉である。

 『老人力』のなかから、老人力が最初、どのようなシチュエーションで使われ、それにどんな意味が加わっていったかを見ていこう。


 赤瀬川原平、藤森照信、南伸坊ら数人で構成するサークル、「路上観察学会」で話をしているときに、人の物の名前が出てこないことが多くなってきたという。互いに言わんとしていることは分かるのだが、名前が出てこない。
 
 「歳をとって物忘れがだんだん増えてくるのは、自分にとっては道の新しい領域に踏み込んでいくわけで、結構盛り上がるものがある」『宇宙船で人生に突入し、幼年域―少年域―青年域、と何とか通過しながら、中年域からいよいよ老年域にさしかかる。そうするといままでに体験されなかった『老人力』というのが身についてくるのだった」「それがしだいにパワーアップしてくる。がんがん老人力がついてきて、目の前にどんどん『物忘れ』があらわれてくる」。

 赤瀬川氏だけが還暦を迎えて、路上観察学会で「ボケ老人」と呼ばれている。でも「やはり長老(ぼくはこの仲間内ではそう呼ばれている)をボケ老人と呼ぶのはちょっとまずいな、自分たちも無縁ではなくなってきているし、みんなどうせボケでいくんだから、もうちょっと良い言葉を考えよう」「ボケ老人というと何だかだめなだけの人間みたいだけど、ボケも一つの新しい力なんだから、もっと積極的に、老人力なんてどうだろう。いいねえ、老人力」ということになったらしい。

 「とにかくあらゆる苦労の末にやっとなるのが老人である」「そういう貴重な得難い老人力なんだけど、意外とみんなに嫌がられている
 「老人力の特徴としては物を忘れる、体力を弱める、足どりをおぼつかなくさせる、よだれを垂らす、視力のソフトフォーカス、あるいは目の前の二重視、物語りの繰り返し、等々いろいろあるが、それをみんな嫌がる」。

 「老人力のまだない若年時代は、やはりどうしても論理に従う」「でも老人力がついてくると、まあいっか、というのが基本だから、論理で怒られたって別にいいというアバウト感覚で、芸術より趣味、思想より好き嫌い、平等よりエコ贔屓の路線で行けるようになる」「つまり理屈の正しさよりも、自分の感覚がいちばんということ」。

 「まず老人力元年はいつかという問題。まあこれは、言葉としては…1997年としていいだろう」「でもそれに至る兆候はその前からちくちくとあるわけで、だらだらとあるわけで、それはいつごろからなのか」「一つぼくが思ったのは温泉ブームだ」
 「温泉 骨董 中古カメラ パチンコ屋 競馬 要するにこれらは『おじん趣味』といわれるものだ。そこに若年層、とりわけそのリーダーであるギャル層が浸み込んできている」。

 ネットで調べると「オヤジギャルという言葉が流行語大賞で新語部門・銅賞を受賞したのが1990年。週刊誌SPAに連載されていた中尊寺ゆつ子のマンガ『スイート・スポット』からきた言葉で、年は若いがオヤジのような行動をする女性(ギャル)のことである。


 「歳をとると趣味が出てくる、趣味に向かうようになる」「歳をとると、どうしても人生が見えてくる。つまり有限の先がみえてくるわけで、その有限世界をどう過ごすかという問題になってくる」「力の限界を知って、その限界内で何ごとかをはじめると、その限界内の世界が無限に広がってくる」。

 「時代そのものにも有限の先が見えているわけで、そういう時代に生まれてくるのだから、いまの若者は既に基礎控除のようにして、みんな一律に年の功を持っているのだ。だから年齢的には若者だけれど、一気に趣味に走れる」。

 「眠ることも忘れることも、努力をもってしては到達できない。でも人間は日々眠り、日々忘れている」「眠る、忘れるということを可能にするのは、反努力の力である」「その反努力の力というのが、老人力の実体ではないのか」。

 「古いが故の快さ、人間でいうとボケ味、つまりダメだけど、ダメな味わいというのの出るところが老人力だ」。

 「老人力って、捨てていく気持ちよさを気づかせてくれるんですよ。ボンボン忘れていくことの面白さ」「情報的にスリムになると、自分が見えてくるというか、もとにある自分が剥き出しになってくる」「宵越しの情報は持たねえ、みたいな江戸っ子老人力」。

 「そもそも老人力とは、転んでもただでは起きない力のことである」「そもそも老人とは、人間が間断なくゆっくりと転んでいく状態のことなのである」

 「老人力というのは口から出たばかりだから面白いんじゃないか。路上観察学会の中で、ほとんど口から出まかせ状態で出てきて、出たはいいが、さて今後どうなるのか。自分たちにもわからない」。

 「老人力については論理的な解明を迫るよりも、まず一つ一つ現実の断片を持ってきて老人力と照合してみる。あれは老人力かな。これも老人力かな。とやっていくのが正解というか、いちばん間違いがない」。

 「老人力というのは、ある意味、田舎の力ということです」。

 「『いいや衰えない!』といって抵抗するかわりに、『これは衰えじゃなくて、力の変化なんだ』と考えるのが老人力」。

 「老人の迫力とは何だろうか。老人一人、という場合はとくにわからなかったが、老人の団塊を前にすると、何かしら『背水の陣』というものを感じてしまう」。

 「本当はブームに乗せられて知るという形ではなくて、それぞれの人生のぼんやりした空白時に、ふと気づいて欲しいのが老人力のテーマなのだ」。


 老人力。超高齢社会になった今だからこそ、老いることを前向きにとらえる老人力について改めて考えてみたい気がする。

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