カフェ・ド・ヴァリエテ(Café de Variété、東京・阿佐ヶ谷、喫茶)
とても素敵な喫茶店を見つけた。
カフェ・ド・ヴァリエテ(Café de Variété、東京都杉並区阿佐谷北1-42-14 相良ビル1F、03・5932・0147)。
JR中央線阿佐ヶ谷駅北口から徒歩5分。中杉通りから北に向いて1本右の一方通行の道(昼間はクルマは入れないようだ)沿いにある。
閑静な住宅街にあり、街に溶け込んでいる。
店に入ると、まず大きなオリジナル焙煎機に目がとまる。「ゆっくり、じっくりとコーヒー豆の芯まで火を通し、深く焙煎しても焦げ臭のない、まろやかな風味を引き出している」とのことだ。
カウンター前には、サイフォンやドリッパー(抽出器)がずらりと並ぶ。
入れ方に、こだわっている!
店の名前、ヴァリエテとはフランス語で「多様性」という意味らしい。店のホームページにこんな説明があった。
「まずは、コーヒーを生産している国々。ブラジル、コロンビア、グアテマラ、インドネシア、エチオピア、タンザニアをはじめ、世界の約60カ国でコーヒー豆が作られています」。
「次にこれらの豆の焙煎。焙煎にも浅煎り、中煎り、深煎りといった、深度の違いがあり、それぞれ風味が異なります」。
「そして最後に淹れ方。ネルドリップ、ペーパードリップ、サイフォン、プレス、エスプレッソ等コーヒーの抽出にも様々な方法があります」。
「 生産国 × 焙煎深度 × 抽出法」
「この組み合わせは何万通りあるでしょう。コーヒーの楽しみ方も何万通りもあるのです」。
「当店ではこうしたコーヒーの多様性をお客様に楽しんでいただきたいと考えています」。
最近は、味のある喫茶店が減り、チェーン店ばかりが目立つ。コーヒーにこだわった、こうした個人経営の店は珍しい。コーヒーを飲む前から嬉しくなる。
まずは、自慢のヴァリエテ・ブレンド(中深煎り)を入れてもらう。
酸味★★☆☆☆ 苦味★★★☆☆ 甘み★★★☆☆というハウスブレンドだ。
昼過ぎに店に入ったので、「パーカーハウスサンドイッチ」も頼む。3種類あったが、「ロースハムとキュウリ」、「ベーコン、レタス、トマト」の2つを頼んだ。一つだと350円。二つだと600円。
ハムとベーコン西荻窪にある手作りソーセージ&ハムの店「もぐもぐ」で仕入れているという。
パンは地元のパン工房「プティボヌール」のパン。良質のカナダ産小麦粉と深層海水塩、よつ葉バターなど素材にこだわっている。
コーヒーはペーパードリップで丁寧に入れてくれて、とてもおいしい。コーヒーにこだわると、パンにもこだわりたくなるのだろう。コーヒーにぴったりのパンに大満足。
コーヒーのおかわりは200円引きで飲める。タンザニアキリマンジャロ(中煎り)を頼んだ。これはサイフォンで入れてくれた。
お菓子にもこだわっていた。イチジクとクルミのフィナンシェ。たった200円!「フランス・ペック社のココアを使い、赤ワインで煮たイチジクとローストしたクルミをトッピング」したおいしい焼き菓子だ。
オーナーの増田佳彦さんは、地域とのコミュニケーションにも力を入れている。地域のイベント情報などを提供している。
一人でお店を訪れる年配の男性が多かった。喫茶店は一人でも入れるし、カウンター席に座ればオーナーやオーナーの奥さんとも話ができる。これから都心部は“超高齢化”が進む。こうした店が地域の癒し、コミュニケーションの拠点になることは間違いない。
駅から5分。これを遠いと思うか、どうか。
騒がしい駅前からちょっと散歩がてら、歩くだけで、心の通う喫茶店がある。コーヒーを飲みながら、明るい日差しにあふれる閑静な住宅街を眺めているだけで幸せな気分になる。
1時間あるならば、往復10分歩いて店を訪ねるくらいの、心の余裕を持ちたいと思った。
営業時間は11:00-19:00。月曜定休。
全席禁煙。(^^)
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