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哲也@東風荘・点数×100倍の高賭け率の上野で勝利ヽ(^。^)ノ

Tetsuya_uenochosen20130224m
 哲也@東風荘で上野に挑戦。なんとか緒戦で勝てた。
 これまで何度も挑戦して強豪雀士に蹴散らされていたので、とてもうれしい。


 「勝負師伝説 哲也」のキャラクターになりきるかのごとく、個性的な台詞と音声で、原作さながらの真剣勝負の麻雀対戦が可能――というのが哲也@東風荘だ。仮想のお金を賭けるだけで、本当のお金を賭けるわけではないのだが、破産すると、0圓から勝負しなくてはならなくなるので真剣になる。

 哲也@東風荘の面白さは、横須賀→新宿→上野と賭け倍率が10倍になっていくことだ。

 「横須賀」は、所持金0圓以上で打つことができる。最終点数×1圓を貯め、100圓になると、「新宿」でチャレンジができる。
 最終点数×10圓が稼げるお金。+20なら200圓となるが、-20なら-300圓。コツコツ横須賀で貯めたお金が一気になくなる。
 新宿で戦っていても、100圓を切ると、横須賀に陥落する。
 一気に0圓になることも多いので、500圓くらい貯めないと、安心して打てない。

 「新宿」で1000圓たまると、晴れて、上野で打てるのだが、最終点数×100圓が動くだけに本当に怖い。横須賀で100圓稼ぎ、新宿で蹴落とされずに1000圓稼ぐ。ここで上野に挑戦してもいいのだが、ここで2位でもマイナスになれば、つまりー1でも-100圓となるから、新宿に陥落。-10で-1000圓だから、新宿での苦労が水の泡。一文無しになって、また横須賀からだ。

 だから、これまで、上野ではプレッシャーに負けて、すぐに強豪雀士たちに蹴落とされていた。
 
 今日は横須賀から始めて、新宿で勝ち、上野初戦で勝ったのは12試合目。すぐに上野に挑戦した。

 最強最後さんはじめ、雀聖ケロヨンさん、ウリ鈴木Ⅱさんの胸を借りた。
 雀聖ケロヨンさんのプレッシャーを感じながら、逃げずに、つねに挑戦したことで、緒戦突破できたのだと思う。



東1局


東2局


東3局


東3局1本場


東3局2本場


東3局3本場


東4局

===== 哲也@東風荘 201卓 開始 2013/02/24 19:15 =====
持点27000 [1]最強最後 R1966 [2]雀聖ケロヨン R1988 [3]フーテンの中 R1795 [4]ウリ鈴木Ⅱ R1838
東1局 0本場(リーチ0) 雀聖ケロヨン 7700 ウリ鈴木Ⅱ -7700
30符 四飜ロン 平和 リーチ 一発 ドラ1
[1東]1m2m6m7m8m8m3p8p1s3s6s9s白
[2南]1m3m4m5m9m9m1p6p3s4s7s9s東
[3西]2m2m3p3p4p4p4s5s7s8s東北北
[4北]6m2p4p8p9p1s1s4s8s東西北発
[表ドラ]西 [裏ドラ]7s
* 1G発 1d9s 2G9s 2d1p 3G2p 3d東 4G7p 4d東 1G4m 1d白 2G8s 2d東 3G3p 3D3p
* 4G西 4d発 1G6s 1d発 2G中 2d9s 3G8m 3D8m 4G6p 4d4s 1G7s 1d8m 2G西 2D西
* 3G3m 3d2m 4G3s 4d8s 1G9p 1d6s 2G5p 2d中 3G2s 3d北 4G5p 4d3s 1G3m 1d3p
* 2G中 2D中 3G9m 3D9m 4G4m 4d北 1G9p 1d8p 2G白 2D白 3G8p 3D8p 4G南 4D南
* 1G5P 1d1m 2G1s 2D1s 3G3m 3d北 4G1m 4D1m 1G7m 1d5P 2G発 2d1m 3G5s 3d3m
* 4G2m 4d2p 1G白 1d7m 2G北 2D北 3G南 3D南 4G3s 4D3s 1G白 1d白 2G7p 2R 2d発
* 3G2p 3d8s 4G2s 4D2s 2A

東2局 0本場(リーチ0) フーテンの中 8000 雀聖ケロヨン -8000
満貫ロン 自風 対々和 混一色
[1北]5m5m6m2p6p7p1s1s5s6s6s北発
[2東]1m3m6m2p3p4p4p3s6s8s9s南西
[3南]3m8m1p8p2s2s8s8s南南西西北
[4西]1m2m3m8m8m1p3p5P8p3s東発中
[表ドラ]1p [裏ドラ]5m
* 2G7m 2d南 3N 3d8m 4G4m 4d東 1G3s 1d北 2G7p 2d西 3N 3d8p 4G3s 4d発 1G3p
* 1d発 2G5p 2d9s 3G北 3d3m 4G3m 4d8p 1G7s 1d5m 2G東 2D東 3G5p 3D5p 4G8m
* 4d中 1G3p 1d6s 2G4s 2d7p 3G1m 3D1m 4G白 4D白 1G6p 1d3s 2G5s 2d1m 3G東
* 3d1p 4G7m 4D7m 1G2s 1D2s 3N 3d東 4G1s 4D1s 1G5m 1d6p 2G4p 2d3m 3G2p 3D2p
* 4G9m 4D9m 1G4m 1d3p 2G7p 2D7p 3G6m 3D6m 4G9p 4D9p 1G9s 1d5m 2G4s 2d2p
* 3G4s 3D4s 4G8p 4D8p 1G9p 1D9p 2G6s 2d4s 3G9s 3D9s 4G7m 4D7m 1G4m 1D4m
* 2G北 2D北 3A

東3局 0本場(リーチ0) フーテンの中 6000 最強最後 -2000 雀聖ケロヨン -2000 ウリ鈴木Ⅱ -2000
30符 三飜ツモ 断ヤオ ドラ2
[1西]2m8m2p3p5p2s3s4s5s7s8s東西
[2北]1m3m3m6m7m9m7p4s9s東西北北
[3東]5M5m6m8m1p1p6p2s6s6s西西中
[4南]1m2m5m3p3p4p1s3s4s4s7s8s白
[表ドラ]6p [裏ドラ]9s
* 3G北 3D北 2N 2d9s 3G4p 3d2s 4G1p 4d白 1G6p 1d西 2G4p 2d西 3G8p 3d西 4G東
* 4D東 1G白 1d東 2G9m 2d7p 3G4m 3d西 4G4p 4d1p 1G6p 1d白 2G1p 2D1p 3G7m
* 3d1p 4G発 4D発 1G8m 1d2m 2C1m3m 2d4p 3G北 3d1p 4G5P 4d1s 1G9s 1d2p 2G9m
* 2d4s 3G2p 3d北 4G4m 4d4s 1G中 1D中 2G8p 2D8p 3G3p 3d中 4G7p 4D7p 1G4m
* 1D4m 2G中 2D中 3G2s 3D2s 4G9p 4D9p 1G2m 1D2m 2G6s 2D6s 3N 3d4m 4G7m 4D7m
* 1G南 1d2s 2G8p 2D8p 3G東 3D東 4G5S 4d2m 1G南 1d3p 2G7s 2D7s 3G5p 3D5p
* 4C3p4p 4d1m 1G8p 1D8p 2G9m 2d東 3G2s 3D2s 4G5s 4d7s 1G白 1d5p 2G3s 2D3s
* 3G8m 3D8m 4G白 4D白 1G3m 1d白 2G8s 2D8s 3G7p 3A

東3局 1本場(リーチ0) 雀聖ケロヨン 1000 フーテンの中 1000 ウリ鈴木Ⅱ 1000 最強最後 -3000
流局
[1西]1m3m9m3p7p7p3s7s東南西北中
[2北]1m2m7m8m9m4p9p1s2s4s5s西中
[3東]6m7m5p2s2s3s5S6s8s9s東西中
[4南]1m2m2m3m4m5m6m3p9p2s6s9s白
[表ドラ]2s [裏ドラ]8p
* 3G5s 3d西 4G北 4d9p 1G6m 1d北 2G2p 2d西 3G6p 3d中 4G8m 4d9s 1G5P 1d西
* 2G5m 2d中 3G8m 3d9s 4G4p 4d北 1G8p 1d南 2G9p 2d2m 3G発 3D発 4G3p 4d白
* 1G7m 1d9m 2G南 2d1m 3G6s 3d東 4G7p 4D7p 1G8s 1d東 2G5M 2d南 3G南 3D南
* 4G東 4D東 1G6p 1d3s 2G発 2D発 3G3p 3D3p 4G4m 4d6s 3N 3d8s 4G北 4D北 1G西
* 1d中 2G白 2D白 3G5p 3d3s 4G1p 4D1p 1G8p 1d西 2G5s 2d9p 3G6p 3D6p 4G4p
* 4d1m 1G9m 1D9m 2G9s 2d9p 3G8m 3D8m 4G4p 4d8m 1G9m 1D9m 2G7s 2d9s 3G6m
* 3D6m 4G北 4D北 1G1s 1D1s 2G4s 2d7s 3G1p 3D1p 4G白 4D白 1G3s 1D3s 2C2s4s
* 2d1s 3G8s 3D8s 4G8p 4D8p 1G6p 1d7s 2G3s 2d5s 3N5S5s 3d5p 4G9p 4D9p 1G4m
* 1d8s 2G7m 2d9m 3G7s 3D7s 4G1s 4d2m 1C3m4m 1d1m 2G1p 2D1p 3G中 3D中 4G南
* 4D南 1G2p 1d3p 2C2p4p 2d8m 3G3m 3D3m 4G6s 4D6s 1G発 1D発 2G白 2D白 3G東
* 3D東 4G9s 4D9s 1G2m 1d2p 2G4s 2D4s 3G5p 3D5p

東3局 2本場(リーチ0) 最強最後 1000 フーテンの中 1000 ウリ鈴木Ⅱ 1000 雀聖ケロヨン -3000
流局
[1西]1m5m8m9m4p5P7p1s3s3s4s南発
[2北]1m1m3m9m3p6p7p3s5s6s7s北白
[3東]1m5m2p1s1s2s3s5S5s6s東南白
[4南]4m7m9m6p8p8p9p2s6s9s東西白
[表ドラ]6p8m9p [裏ドラ]5m白7p
* 3G6m 3d1m 4G6m 4d9s 1G2m 1d南 2G北 2d9m 3G7s 3d2p 4G西 4d9p 1G西 1d発
* 2G9p 2D9p 3G2s 3d6m 4G東 4d9m 1G7s 1d西 4N 4d2s 1G9p 1d1s 3N 3d5m 4C6m7m
* 4d白 1G3p 1d3s 2G7p 2d白 3G4p 3D4p 4G2p 4D2p 1G6m 1d7s 2G中 2d7p 3G3p
* 3D3p 4G8s 4d4m 1G7p 1d8m 2G5s 2d中 3G発 3d白 4G4m 4D4m 1G8s 1d9p 2G中
* 2D中 3G2p 3D2p 4G8p 4d8s 1G1p 1d8s 2G発 2D発 3G5m 3D5m 4G西 4d6s 1G1p
* 1d9m 2G2m 2d3p 3G3p 3D3p 4G東 4d西 1G4s 1D4s 2G8m 2D8m 3G5p 3D5p 4G4p
* 4D4p 1G9s 1D9s 2G9s 2D9s 3G3m 3D3m 4G北 4D北 2N 2d3s 3G白 3D白 4G4s 4D4s
* 1G中 1D中 2G7s 2d1m 3G2m 3D2m 4G発 4D発 1G南 1D南 2G2m 2D2m 3G2p 3D2p
* 4G9m 4D9m 1G6s 1d2m 2G7m 2D7m 3G1p 3D1p 1N 1d1m 2G6m 2D6m 3G4s 3d発 4G8m
* 4D8m 1G4p 1D4p 2G8m 2D8m 3G6p 3d南 4G7m 4D7m 1C5m6m 1d3s 2G9s 2D9s 3G5p
* 3d東 4K東 4G3m 4D3m 1G4m 1D4m 2G北 2K北 2G2s 2d1m

東3局 3本場(リーチ0) 雀聖ケロヨン 6100 最強最後 -1600 フーテンの中 -2900 ウリ鈴木Ⅱ -1600
40符 三飜ツモ 発 混一色
[1西]2p3p7p9p1s1s3s8s9s東白中中
[2北]1m3m5m7m8m9m5p7p2s北北白発
[3東]1m2m6m8m1p5p6p9p4s4s5S5s西
[4南]5m9m1p4p5P8p1s2s7s9s東東南
[表ドラ]7s [裏ドラ]3p
* 3G5M 3d9p 4G2p 4d9m 1G南 1d白 2G発 2d2s 3G8s 3d1p 4G5s 4d8p 1C7p9p 1d南
* 2G4s 2D4s 3G白 3d西 4G2m 4d南 1G発 1d東 4N 4d2m 1G3m 1D3m 2G1m 2d7p 3G7s
* 3d白 4G8m 4D8m 1G8p 1D8p 2G9p 2d5p 3G5m 3d1m 4G3s 4d1p 1C2p3p 1d3s 2G4s
* 2D4s 3G5s 3d2m 4G7m 4d2p 1G南 1d発 2N 2d9p 3G3p 3D3p 4C4p5P 4d5m 1G3m
* 1D3m 2G6m 2d白 3G4m 3d5m 4G9m 4D9m 1G1p 1D1p 2G4p 2D4p 3C5p6p 3d8m 4G1m
* 4D1m 2N 2d3m 3G7p 3D7p 4G2p 4D2p 1G6p 1D6p 2G6p 2D6p 3G7s 3d8s 4C7s9s
* 4d5s 1G6m 1d南 2G7m 2A

東4局 0本場(リーチ0) 雀聖ケロヨン 5200 最強最後 -1300 フーテンの中 -1300 ウリ鈴木Ⅱ -2600
20符 四飜ツモ 平和 リーチ 門前清模和 ドラ1
[1南]1m2m3m2p4p9p2s4s6s8s南南中
[2西]3m5m7m3p7p8p4s5S7s8s西白中
[3北]4m6m9m1p8p3s5s5s6s東西北発
[4東]1m4m8m9m9m3p7p2s2s8s8s9s発
[表ドラ]西 [裏ドラ]2p
* 4G7m 4d1m 1G6p 1d中 2G6m 2d中 3G西 3d9m 4G7p 4d発 1G6p 1d9p 2G南 2D南
* 3G8m 3d1p 4G中 4D中 1G2p 1d南 2G北 2D北 3G白 3d8p 4G1m 4D1m 1G7m 1d南
* 2G1p 2d白 3G北 3d8m 4G6p 4d4m 1G9s 1d7m 2G7s 2d西 3N 3d4m 4G8p 4d3p 1G白
* 1d9s 2G1m 2d8s 3G2p 3d6m 4G2m 4D2m 1G3m 1d白 2G6m 2D6m 3G東 3d2p 4G5s
* 4D5s 3N 3d白 4G5m 4D5m 1G7p 1d3m 2G4p 2d1p 3G発 3d3s 4G6s 4D6s 1G5p 1d2s
* 2G9s 2D9s 3G7m 3d6s 4G3m 4D3m 1G2m 1d4s 2G1s 2D1s 3G7s 3D7s 4C8s9s 4d8s
* 1G5M 1d2m 2G3s 2d3m 3G北 3d7m 4G6s 4D6s 1G6m 1d6s 2G5p 2R 2d1m 3G2p 3D2p
* 4G9m 4d9m 1G5m 1d8s 2G1s 2D1s 3G8m 3D8m 4G4m 4d9m 1G発 1d6m 2G4p 2D4p
* 3G3s 3D3s 4G白 4D白 1G西 1D西 2G9p 2A

---- 試合結果 ----
1位 フーテンの中 +27
2位 雀聖ケロヨン +8
3位 最強最後 -13
4位 ウリ鈴木Ⅱ -22
----- 201卓 終了 2013/02/24 19:30 -----


 5000圓くらいまで新宿で貯めて、また上野にチャレンジしたい。
 上野チャレンジは本当に疲れる。

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トヨタ エスティマ・ルシーダ(ESTIMA_LUCIDA)、19年ありがとう。

Img_1932
 トヨタ エスティマ・ルシーダ(ESTIMA_LUCIDA)。

Img_1934
 平成6(1994)年、2月22日から乗り始め、最後の乗りおさめ。母と父の墓参りに行った。ちょうど19年乗った。
 横に寝かしたような形のエンジンを床下ミッドシップに搭載するという当時では画期的な試みをしたクルマで、そのために、運転席、助手席の間がフラットで、車高も高くなかった。

 フルフラットシートにできるので、後部座席をベッドにして、家族を眠らせたまま運んだものだ(厳密に言うと、安全のため、建前では走行中はフルフラットで走らないように言われていたが…)。

 ルーフが電動で開閉でき、開けたまま山道などを走ると、自然と一体化できた。

 4輪駆動は、雪や雨のときに力を発揮した。

 故障することもなく、本当に楽しいクルマだった。思い出が多い。

 ただ、4輪駆動で大きいクルマなので車検代が高く、燃費も悪かった。
 これから年をとっていくと、経済的につらくなるので、大好きなクルマだが、車検の時期になり、買い替えた。

 新しいクルマはトヨタのパッソ(PASSO)。
Img_1933
 車のナンバーは誕生日の1120にした。

 Bluetoothが実装されていて、とても便利。iPhoneをつないだ。ハンズフリーの通話もできるし、radiko、Podcast、聞き放題のNMLなど、何でもクルマで聴ける。

 キーはカバンやポケットに入れておくだけで、差し込まなくても、ドアの開閉、運転ができてしまうのもすごい!

 クルマの長さが相当違い、バックの感覚が違う。本当は運転は簡単になったはずなのだが、バックだけ苦労している。

 


 


 

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十二代目市川團十郎著『團十郎の歌舞伎案内』 (PHP新書)

Danjuronokabukiannai

團十郎の歌舞伎案内

 江戸歌舞伎の豪快な荒事を代表した歌舞伎界のスーパースター、市川團十郎が2月3日に66歳で亡くなった。新しい歌舞伎座の初舞台になくてはならない存在だった。
 彼が歌舞伎のガイドブックを書いていることを知らなかった。 
 さっそく十二代目市川團十郎著『團十郎の歌舞伎案内』 (PHP新書、2008年4月30日発行)を読んだ。

 面白い!
 イチローが「プロ野球案内」を書いたら、きっととても面白いと思うのだ。スーパースターが歌舞伎の入門書を書くと、行間に、歌舞伎への気持ちがにじみ出て、歌舞伎そのものを楽しんでいるような興奮さえ覚える。

 「さて、平成19(2007)年9月、わたくしは青山学院大学文学部の日本文学科客員教授として、『歌舞伎の伝統と美学』というテーマの集中講義をするご縁をいただきました。その際にお話ししたことをベースに、歌舞伎をはじめとする日本の芸能について日々わたくしが考えたり調べたりしたことを、今回このように1冊にまとめることができました」というのがこの本が書かれた経緯だ。

 歌舞伎座さよなら公演「御名残四月大歌舞伎」で「歌舞伎十八番の内 助六由縁江戸桜」で運よく團十郎の芝居を観ることができたこと、サントリー美術館で開催中の歌舞伎座新開場記念展『歌舞伎 江戸の芝居小屋』も観ることができたことで、書いてある内容がすぐに浮かんできて、あっと言う間に読めた。

 語り口もやわらかく、愛があり、團十郎の人柄がよくわかる。海老蔵のことをとても心配しているようだった。

 歴代團十郎の紹介が何より面白かった。
 「初代市川團十郎は万治3(1660)年に生まれます。出雲阿国の歌舞伎踊りから遊女歌舞伎、若衆歌舞伎を経て、より演劇的な野郎歌舞伎へと移り変わってきた時代です」。

 「團十郎はなかなか子宝に恵まれなかった。ところが成田山にお願いしたら生まれたので、たいへんに感謝しました」「このように初代團十郎はきわめて成田山との関係が深かったので、この時期から成田屋という屋号を使ったといわれております」。

 「初代團十郎は元禄17年(1704)年、40代半ばにして生島半六という役者に殺されてしまいました」「正式な披露の手続きを踏まずに、市川九蔵はひとり劇界に放り出されて、周囲の意見で二代目團十郎となりました」「二代目は血の滲むような努力をしたのだと思います。だからこそ『助六』にしても『矢の根』にしても二代目のつくったものは名作となって、のちの歌舞伎十八番のもととなったのでしょう」「初代は割合に豪快な芸風ですけれども、二代目はそれに巧みな話術が加わっていきます」。

 「四代目は細面。実悪の役柄をよくやっていたようです。実悪とは国家転覆をはかるスケールの大きな悪役ですね。荒事の根本である勧善懲悪の正義の人のイメージとはちょっと違ったタイプの團十郎だったようです」。
 「ちょうどこの時代、劇場機構も発展します。回り舞台が完成して、かなり現代の歌舞伎に近いものとなり、狂言の構成にも影響を及ぼしました」「芝居に求められるものが変わってきた時代、そこで四代目は芝居研究会をつくります。『修行講』と呼ばれました」。

 「七代目團十郎はなんといいましても市川家の中興の祖です」「七代目が活躍したのは文化文政時代(1804~29)。江戸の文化の爛熟期でした。この七代目は新しいものをどんどん芝居に取り入れて、芸風を広げていきました」「七代目が歌舞伎の舞台に能を取り入れた」「能の『安宅』を歌舞伎にしたのが、ご存じ『勧進帳』」「忘れてならないのが『歌舞伎十八番』を制定したことです」。
 「天保の改革で江戸三座が猿若町に移転し、芝居をとりまく規制も厳しくなったころ、七代目はその贅沢ぶりを咎められ、天保13(1842)年に江戸十里四方追放を命じられました」。
 「七代目はたいへん俳句が上手だった。旅興業にもこの俳句で培った人脈をフルに活用しております」。

 「七代目は正妻とお妾さんたち全員を一つ屋根の下に住まわせておりました。いちばん最後のお妾さんだった、ためさんとのあいだに生まれたのが、のちの九代目團十郎です」。
 「当時の江戸歌舞伎といえば、見た目が華やかでおもしろければ物語の時代背景なんて無視していた。それが維新を迎え、とくに知識人のあいだに、できるだけ真実に近いものを、歴史は歴史としてきちんとろらえるべきだという思想が広まってきました」「一方で西洋ではパトロンが演劇をバックアップして、一国の文化程度の高さを示してきた。それをつぶさに見てきた維新の重鎮たちが、日本が外国と対等に渡り合うためにも、日本の文化の高さをもっとアピールしなければならないと考えた」「その手始めとして歌舞伎にスポットが当たるわけです」。
 「まず劇場が変わっていきました。守田勘弥はこれまで江戸三座のあった猿若町から、いまの築地あたりに劇場を移転させます。中央区の現在の新富町に新富座という劇場をつくるんです」。
 「新聞記者として名をなした福地桜痴(源一郎)が、のちに木挽町に歌舞伎座を建てたのも、大きな構想のなかの一つであったといえる、と思います」。
 「もともと歌舞伎は、椅子に縛りつけられるように座りつづけて見る芸能じゃないんですね。好き勝手に見たいときに見る。つまらなければ見ないで飲み食いする。芝居小屋や芝居茶屋で1日中過ごす。ご贔屓が出てきたら見る……そういう自由な楽しみ方から『芸術鑑賞』へと変わっていきました」。
 「芝居の内容も変わってきます。ひと言でいえば、『真実を真実として見せる』という方向へ。それがはたして歌舞伎にとってよいものかどうか。ウソがほんとうに見えて、ほんとうがウソに見える――それが歌舞伎の世界観なんですけれどね」。
 「その九代目も晩年には、歌舞伎のいわゆる古典の狂言へと回帰していきます」。

 九代目の記述あたりに現代歌舞伎の置かれた、ある意味難しい状況が見え隠れする。

 「九代目には男の子が授からず、娘が二人おりました。そこで長女の翠扇にお婿さんをもらった。これが市川三升、没後に十代目團十郎を追贈されます。このお婿さん、役者になる前はなんと銀行マンでした」。
 「十代目に子がなかったため、七代目松本幸四郎の家から市川家へ長男を養子にもらいました」「いまから思うと、父は團十郎という名前に対して気負いすぎていたのかもしれない」。
 「父が生きていたのは、わたくしが高校生のころまで。父にしてみれば、二十代になったら二十代の、三十代ならば三十代の息子に教えたいことがあったのではないかと思います」。

 さて、これからの團十郎はどうなるのだろうか。
 「わたしのなかには相矛盾した考え方があるんです。たしかに『おまえ、それは市川家の格じゃないよ』といいたい部分もございます。でも一方で『とにかくやるだけやってみろ。それから文句をいわれたほうがいい』と思うんです」「いや、闘わなくちゃいけないんですよ。オスというものはどんな生物も、これまで闘って家族や自分のテリトリーを守ってきた。親子であっても、子どもがある程度成人したらオスどうしは闘わなくちゃいけない」。
 「わが家でも食卓で芝居の話が出ることがよくありました。『違うよ』『いや、そんなことはない』なんて、夜中の2時、3時まで倅と飲み明かしたこともある。わたくしが病気をしてからは倅も遠慮しているのか、近ごろはしておりません」。

 十二代目團十郎の思いを、海老蔵がしっかり受けとめて、十三代目をやり遂げてほしい。

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サントリー美術館・歌舞伎座新開場記念展『歌舞伎 江戸の芝居小屋』

 東京ミッドタウンにあるサントリー美術館で開催中の歌舞伎座新開場記念展『歌舞伎 江戸の芝居小屋』を観に行った。
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 歌舞伎座は、建築家の隈研吾さんの設計。このサントリー美術館も隈さんの設計だ。

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 チラシの絵は、采女(うねめ)による「茶屋遊び」の場面。

 塚田圭一氏による音声ガイドプログラムもあり、楽しめる展示。
 
 歌舞伎芝居の祖とされる出雲阿国の舞台姿や、劇場内部を描写した「浮絵」などが面白かった。過去4期の歌舞伎座の変遷も興味深かった。
 歌舞伎のスーパースターたちが紹介されていたが、やはり、歴代の市川團十郎は存在感がある。團十郎は書画、俳諧などにも才能を発揮。日本文化のスーパースターとも言えそうだ。

 必見の展覧会。3月31日まで。

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Tearoom Georgette(ティールーム ジョルジェット、東京・京橋、喫茶店)

 ブリヂストン美術館の中にあるTearoom Georgette(ティールーム ジョルジェット、東京都中央区京橋1丁目10番1号、03・3563・0245)に、仕事の打ち合わせで行った。
 

 ホームページにこう書いてあった。
 「サンドイッチは、11:00からの限定30食となります。前日までにご予約がお済みでないお客様は先着順となりますのでお早めにご来店ください。」
 前日に2人分、予約した。

 このサンドイッチは1950年に銀座・並木通り沿いにサンドウィッチパーラーとしてオープンした「赤トンボ」のサンドイッチだ。
 昨年6月29日、レストラン営業を終了。日本橋(東京都中央区日本橋室町1-6-3 山本ビル本館1階)に移転して、サンドイッチの販売のみになった。
 このサンドイッチが食べられるという。

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 絵も飾られ、気持ちのいい空間。

 先にコーヒーを飲んで、打ち合わせの相手を待った。
 相手が到着してから、サンドイッチを持ってきてもらった。
 サンドイッチは3種類あるが、予約していたのは
 ①ミックス・サンドイッチセット \1200
 各界の著名人に愛されるサンドイッチの名店「赤トンボ」が当店の為だけに作ったタマゴ、ハム、野菜、ローストビーフ、ポークカツ、エビフライ、ツナの8種類の具材の、上品な一口サイズのサンドイッチです。
 ②チキンささ身 トーストサンドイッチセット \1200
 各界の著名人に愛されるサンドイッチの名店「赤トンボ」が当店の為だけに作りました。低脂肪、高タンパクなチキンささ身をオニオン&セロリサラダで和え、さっくりとトーストしたライ麦パンに挟んだ香りのいいヘルシーなサンドイッチです。

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 二つのサンドイッチを合わせてそれぞれの皿に入れて出してくれた。

 「混んでいるときは1時間」という約束はあるものの、コーヒーはお代わり自由。
 打ち合わせがゆっくりできた。

 JR東京駅(八重洲中央口)、東京メトロ銀座線京橋駅(6番出口/明治屋口)、東京メトロ銀座線・東京メトロ東西線・都営浅草線日本橋駅(B1出口/高島屋口)、どの駅からも徒歩5分。
 打ち合わせには最高の場所だ。

 営業時間は、11:00〜18:00 (L.O. 17:30)。
 休館日は美術館休館日(月曜休館、祝日の場合は開館)。

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葉石かおり著『じじいリテラシー』(星海社新書)

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じじいリテラシー

 葉石かおり著『じじいリテラシー』(星海社新書、2012年2月23日発行)を読んだ。 中高年世代と若者世代のコミュニケーションギャップは大きい。しかし、組織では中高年にかわいがられなければ、いい仕事にはありつけない。そこで中高年、若者から見れば「じじい」の攻略法を学びましょう、というのがこの本だ。

 はじめに 20代のための、上司にかわいがられる技術
 会社に生息するじじいたちを
 ・オレオレじじい
 ・うんちくじじい
 ・肉食じじい
 ・茶坊主じじい
 ・9時5時じじい
 ・耕作じじい
 の6タイプに分類。
 「タイプごとのじじいに合った実践的かつ効果的な転がし方、いえ、リテラシーを網羅しています」。
 「本書を読み進めるうちに、憎いと思っていたじじいに愛おしささえ覚えていくことでしょう。実はこの『愛』こそが、じじいリテラシーに欠かせないファクターなのです」。

 第一章 「オレオレじじい」リテラシー
 「話のほとんどは自慢話で、主語は常に『オレ』」。
 「大きな世界ではなく、小さな世界に君臨することを望んでいますので、華を持たせてあげるように心がければ、扱い方は非常に簡単です」。

 完全にじじいを馬鹿にしている本かと思いきや、さすが「リテラシー」というだけあって、きちんとそのじじいのいいところも分析し、攻め方を指南する。

 「一見、どうしようもないようなことばかりを自慢しているように見えるじじいですが、実は、キチンと仕事のうえで有利になる自慢をしていたりもするのです」「その証拠として、自慢上手なじじいには必ずと言っていいほどそれなりの役職がついています。大勢いる職場でそれなりの役職が欲しいと思ったら、他の人より抜きん出なくてはなりません」「そこで必要なのが、自慢というアピールです」。

 「雑談をしながら巧みに自慢を紛れ込ませ」る方法などを実例を挙げて解説している。

 じじいの褒め方も具体的。「人の口を介して褒める」テクニックをすすめる。

 「オレオレじじいには『話をどこまでも広げて収拾がつかない』という恐ろしい必殺ワザがあり、これをどういなすかによって仕事の効率が変わると言ってもいいでしょう」。そのワザが「キャッチ&クイックリターン法」。
 「相手の話をまず受け止め、すぐに話を本題に戻すテクニック」だ。

 そして、こうしたじじいを攻略するのに有効なのが「酒場活動」で、そのノウハウも示すが、「ここまでしつこく『じじいと飲め』と言っても『じじいと飲むなんて時間のムダ』と頑なに拒否する人がいます」「こういうタイプの多くは、年上のじじいに敬意を払うことは一切なく、あいさつも申し訳程度。すべてにおいて『自分のほうがじじいいより上』と思い込んでいます」「血気盛んで向上心がある若い世代にありがちですが、経験豊富なじじい世代からしてみると、ただの『勘違い野郎』にしか見えません」。

 このあたりから想定読者に切り込むワザを見せる葉石さん。実はこれは若者の教育の本か?

 「こうしたタイプの特徴は、常に『オレはこんなに小さな会社におさまりきるような人間じゃない』と思い、根拠、才能、経験もないのにビッグになることを夢見ていることです」「一見、『オレ好き』のオレオレじじい同類のように見えますが、大きな違いは『協調性』が皆無だということ」「一方のオレオレじじいは目には見えにくくとも、協調性を非常に大事にしています」。

 「会社という枠のなかで自分のやりたいことをしたいと思うなら、まずは上司であるじじいありきです」。

 第二章 「うんちくじじい」リテラシー
 「仕事は大してできないくせに、『へ~』と感心する雑学にだけはめっぽう強いじじいです」。
 「『すご~い、そんなこと知りませんでした!』という驚嘆が混じった言葉がなによりの好物の、にくめないじじいです」。

 うんちくじじいと付き合うために必要なのが、「『8の共感・2の質問』による、うんちくを流すテクニック」だ。
 質問には「私」という主語をつける。「質問を投げかける歳は、『それって私はこう思うんですけれど、間違ってますか?』『私はこう感じたんですが、本当のところはどうなんでしょう?』という具合に、自分を主とした形で質問してあげると、安堵して気持ちよく話してくれる」。

 葉石さんは「昨今の若い世代には、…うんちくによるコミュニケーションを強くおすすめします」「ちょっとしたうんちくさえ知っていれば、話のきっかけなんていくらでもつかめますし、スムーズな会話も夢ではありません」。
 「ものは考えよう、うんちくじじいは使いようなのです」。

 第三章 「肉食じじい」リテラシー
 「日々迫りくる自分の老いを認めず、やたら若さに執着します」「自他共に認める女好きで、男に厳しく女に優しい」。
 「基本的にはおもしろがりの楽天家なので、味方につけると素晴らしい援護射撃をしてくれます」。

 「昨今、不況が長引いているせいか、こうした元気なじじいは絶滅危惧種に認定されつつありますが、バブル時代にはどの会社にもいたものです」。

 「肉食じじいにとって、女房役にならない男性部下は鬱陶しいだけなのです」「じじいが職場でいちばん求めているのもまた、整理整頓能力なのです」「じじいが思いつきで言った言葉を拾い集めて整理し、見目の良い企画書を作って渡してあげれば、喜ぶこと間違いなしです」。
 
 「肉食じじいの出世欲は入社した当時のまま」「ですので、出世の邪魔になる男性部下を徹底的に嫌います」「具体的に言えば、要領が悪くて、じじいの足を引っ張る部下のこと」。
 空気を読める人」「言われる前にやる」人であることが必要だ。

 女性の部下の場合はどうか。肉食じじいは女好きだが「『女好きだから、女を武器にする』というのは、あまりに短絡的です」「仕事のパートナーとして選ばれるためには…自分の意思をしっかりと主張できる凛々しさが必要となります」。

 「女に次ぎ、肉食じじいが好むもの。それは『VIP待遇』です」「『執事』になりきるのです」。

 「肉食じじいは、『男女7人夏物語』や『東京ラブストーリー』といったトレンディドラマ…にもっとも影響を受けた世代」「日常のなかにドラマのような強い刺激を求めているのです」「若さを武器に青さを前面に出したアツさを見せつけ、『オレにもこんな若い頃があったなあ……』と親近感を持たせる」ことが必要だという。

 第四章 「茶坊主じじい」リテラシー
 「大して仕事もできないのに良いポジションにいて、上司にかわいがられているのが、茶坊主じじいの大きな特徴です」。
 「出世のためなら手段を選びません。仲良くしていても、掌を返すように突然裏切られることもあるので、最新の注意が必要です」。

 「もっとも気をつけたいのが『警戒心を忘れない』ということ」。
 「オネエは自分が小ばかにされていることを知りつつ、自虐的なまでに自分を落とし込むことができる天才です」「そんな彼女たちに学びたいのが『バカを演じる』テクニック」。

 「突出した才能があるワケでもなく、勤務態度はいたって真面目で、与えられた仕事は期日内にキチンとアップする。やる気はあるけど、我が強くなく、上司の言うことにはけっして逆らわず、何事も素直に聞く。茶坊主じじいは、そういうタイプを『使えるヤツ』として好みます」。

 第五章 「9時5時じじい」リテラシー
 「与えられた仕事以外はせず、就業時間中にパソコンゲームに熱中したり、『外出する』と言っては喫茶店やパチンコ屋に入り浸る。それでいて定時になると、『待ってました!』とばかりにとっととタイムカードを押して帰宅する」。
 「全じじいのなかではもっともリテラシーがむずかしく、『危険物取扱注意じじい』です」。

 「『好きなフリをする』こと」。
 「このじじいの場合はオフィスのなかだけで十分です。プライベートエリアにはキチンと『結界』を張り、じじいを寄せつけないよう心がけてください」。
 
 「仲良くしつつ、自分の情報はできるだけ明かさないこと」「ポイントは、最初に軽く否定したあと、じじいに同じような質問を振り、笑顔を浮かべながら真相を煙に巻くことです」。

 「好きなフリをしてよい関係を築いたら、今度は『じじいを研究する』といった少し高度なリテラシーを身につけてほしいのです」「9時5時じじいをよく研究することで、個人攻撃の罠から脱却し、もっと幅広く深い『視点』を身につけることができるようになるのです。それは自分が9時5時じじいにならないためだけでなく、将来、自分が管理職や経営者になったときにも必要になってくる視点です」。

 「9時5時じじいの行動にイラッっとして目をそむけるのではなく、ダメ社員のサンプルとして研究し、自分に当てはめて考えてみることで、反面教師としてさらなる成長をうながす――そう考えれば、9時5時じじいとの出会いも無駄にはならないのです」。

 第六章 「耕作じじい」リテラシー
 「人望が厚く、『私もあんなふうになりたい』と誰もが憧れを抱く、じじい界のスーパーヒーローです」。

 リテラシーは5つ。「あきらめない行動」「いつも素直な心で応じる」「損得勘定で動かない」「『ありがとう』は必ず2回言う」「デカい『夢』を語る」。
 
 耕作じじいがもっとも嫌うことは「主体性がないこと」。そして、「自分の前提条件を相手に押しつける」こと。

 「耕作じじいをはじめ、自分であげた企画を次から次へと形にし、結果を出して出世している人は、間違いなく『社内ロビー活動』を行っていると言っても過言ではありません」。
 「同期が知り合いのいない部署に異動したら、まっさきに『通う』ようにしましょう」。

 おわりに
 「20代は、『じじいリテラシー』を駆使しながら信頼の置ける社員としてのベースを構築する、いわば準備期間。経験、実績、信頼を積み重ねた30代で、ようやく自分がやりたいことを主張する――」。


 会社は、ありとあらゆる人間関係が用意されている便利な場所だと思う。
 現代の若者は気の合う仲間同士で付き合えばいいと考える傾向が強いが、「異文化」との交流は避けて通れない道だ。くだらない相手だと思っても、組織が作った会社人間の類型を研究することは、組織を改革するヒントになる。
 今の若者は新しい時代の発想を持っていると思うが、中高年の知恵が役に立たないかと言えば、そうではないはずだ。
 じじいが若者リテラシーを、若者がじじいリテラシーを語学を学ぶように学び、交流を深めることが、ハイブリッドな組織を作り、日本を強くしていくことにつながるのではないかと思った。
 

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香山リカ著『若者のホンネ 平成生まれは何を考えているのか』(朝日新書)

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若者のホンネ 平成生まれは何を考えているのか
 香山リカ著『若者のホンネ 平成生まれは何を考えているのか』(朝日新書、2012年12月30日発行)を読んだ。

 1990年代半ば以降、IT(情報技術)化やグローバル化が急速に進行。日本の経済、社会の構造はガラリと変わり、大学を出れば正社員で働ける時代ではなくなってしまった。また、普通に勤めも、一生安定してそこそこの給料をもらえる時代ではなくなってしまった。ヨーロッパは不安定ななかでも社会保障が下支えしているが、社会保障への方針が定まらない日本では不安定な部分が結果的にすべて若者に押し付けられている。

 日本では高齢者の割合が増え、超高齢社会をどう乗り切るかという問題とともに、若者の現在の苦境を救わなければ、日本の明るい未来はないという状況になっている。

 そんなときに社会保障をめぐる世代間の対立や、価値観の相違による世代間の断絶が進んでいる。中高年と若者の間の精神的、経済的な垣根は取っ払わなければならないと思っているときに、この本とめぐり合った。

 この本で、香山さんはいまの若者とかつての若者の置かれた環境や価値観がどう異なっているか、それぞれがどのようにコミュニケーションを深め、歩み寄っていくべきかを論じている。

 まず、感じたのは、若者は、生きづらい現代社会をしっかり生き抜いていこうと考え、とても合理的に生きようとしていることだ。一方で、中高年世代の価値観はいまだに高度成長期のころと大きくは変わらず、コミュニケーションが成立していない。
 香山さんは、互いの良い部分は認め合い、取り入れていくことによって、相互理解、世代間交流を進めていくべきであると言う。

 まず、若者は、将来に備え、消費行動が慎重だ。環境問題などへの意識は高く、健康志向も高い。

 たとえば「若者のクルマばなれ」。

 「マーケッターの松田久一氏は、その著書『「嫌消費」世代の研究』(東洋経済新報社、2009年)の中で、いまの若者が直面している経済状況として、『将来が不安』『収入の見通しがよくない』『低収入層が増えている』の三つをあげている」「彼らにとっては、『節約すること』『待って安くなってから買うこと』が常識になっている」。

 「貯金好き」も最近の若者の傾向だ。

 「『なぜ使わずに貯めるのか』と聞くと、『これから世の中もどうなるかわからない』『就職してもいつまで勤められるかわからない』と言う」。
 「自分が持っているものは他人から見てもおかしくないものなのか、ということも気になる」。
 「唯一、誰にもおかしいと思われないもの、それが『貯金』なのだろう」。

 香山さんは言う。「『あのクルマを手に入れたい』という若者ならではの夢は、愚かでもムダでもなく、その後の人生を切り拓いていく第一歩のような気もするのだがどうだろう」。

 環境問題への関心の深さが最近の若者の特徴だ。
 「いまや『環境に配慮する自分をひそかに誇らしく思う』というのは、彼らにとって自負心を感じる数少ない機会になっているのではないだろうか」。
 「消尽、豪快な浪費がカッコいい、という時代は明らかに終わった。おそらくこれから再び経済が活性化する時代がやって来ても、…『もったいない』『控えめに』と常に意識できたりする人が高い評価を受ける傾向は変わらないだろう」。
 
 そしてヘルシー志向。
 「いまでは、『体格がいい=健康』という健康観は一変し、…肥満や過剰な栄養は不健康の最大の原因とまで見なされるようになった。同時に若い人だけでなくて子どもまで『スタイル』ということが重視され、『体重を増やしちゃいけない』『ヘルシーな食事をしなきゃ』という意識はほぼ生まれた頃から子どもたちに刷り込まれている」。

 香山さん。「アメリカのことわざにある通り、『健康のためなら死んでもいい』となる前に、『自然にまかせて食べたり体型が変わったりするのも、健康のうち』というもっとゆるやかな健康観を取り戻す必要があるのかもしれない」。

 「社会貢献したい」という志向が強いのも特徴のようだが、精神科医の香山さんは、それは不安の裏返しかもしれないと指摘する。

 「一般企業への就職がむずかしくなっている中、『卒業してもボランティア団体にそのまま残って活動しようかな』と口にする学生もときどき見かける」。
 「『どうやって食べていくの?』ということが当然、心配になる」が、「『社会的起業家』を目指している」らしい。
 
 香山さんの見方。「その考え方の新しさに感心しながらも、上の世代の人間としてはそれを手放しで評価してよいのか、という気も捨てきれない」「精神医学の領域では、1970年代から『仕事となると本気を出せないが、ボランティアや趣味となると生き生きとがんばれる』というタイプの人たちが存在し、少しずつ増えているという現象が注目されていた」。

 
 若者は個人主義が徹底しているように見える部分と、相変わらず、“新しいムラ社会”に縛られているように見える部分がある。

 「昔は『とりあえず生ビールを人数分ね』などと言ったものだが、いまはひとりひとりがメニューをじっくり見ながらそれぞれ飲みたいものを決め、ひとりひとり注文する。しかも、“自分仕様”にカスタマイズして飲む人さえいる」。
 「若者たちは、わかりやすいブランド品を持ったり頼んだりすることで自分のブランド性まで高めようとすることはないが、自分独自のこだわりでそれぞれが『マイブランド』を確立するのである」。

 一方で若者の間では「SNS疲れ」が進行する。

 「四六時中、友だちや知人のブログやツイッターなどをチェックし、感情をかき乱されているのだ」。
 
 「全国の大学に設置された学生相談所に寄せられる相談の最近のトレンドは、『“ぼっち”(学生用語でひとりぼっちのこと)にならないようにするにはどうしたらよいか』というものらしい」「深いかかわりはしたくないし、ただ群れているのはムダだとわかっていても、とりあえずひとりでいなくてすむくらいの友だちはほしい」「そういう複雑な友だち観が学生たちを取り囲み、その結果、いつも『メールしたのに返事がない。嫌われているのかな?』『ツイッターでつぶやいても誰もレスしてくれない。ついに“ぼっち”になったか』などとまわりの仲間の顔色を気にしながら暮らすことになる」。

 『若者のホンネ』を読んでいると、社会の構造が大きく変わって、昔の大事なものが失われる一方で、それを補うだけの「新しい大事なもの」がまだ、できあがっていないような気がする。

 「かつてもたしかに『厳しい上司』や『強引な先輩』はいたが、それでも終身雇用を基本とする日本の会社では、『オレとオマエは一生のつき合い』という前提のもとでの指導であり注意であったと思われる」「言われるほうも『ずいぶんきついな』と思いながらも、『でも定年までここにいるわけだし、そのうちハラを割ってこの先輩と話せばわかるはずだ』といった希望や期待もあったからこそ、苦言や怒鳴り声にも耐えられたのだと思う。いささか情緒的な言葉を使えば、そこには幾ばくかの『愛』があったのだ」。
 「ところが、いまは誰もが成果主義に追い立てられ、自分もいつ辞めさせられるか、会社じたいがいつ倒産するか、といった中で、仕事をしなければならない。そこで後輩や新人への苦言、注意は、いきおい自分のうさ晴らし、不安やストレスの解消といった意味合いが強くなる」。


 戦争を体験した高齢者の出番、と思われるのが「命の大切さ」「平和」を訴えることだ。なぜなら、「いつの間にか『平和が大事』と口にするだけで、逆にある特殊な思想の持ち主として激しく攻撃されてしまう」。

 「これまで日本社会は、『何はなくても、やっぱり経済大国なのだから』ということで、自分たちのプライドと自信をキープすることができた。しかし、いまやそれが危うくなってきた中で、何とか早急に『世界第二のリッチな国』にかわるよりどころを見つけなければならなくなった」「そのよりどころが何なのか、新しい金儲けなのか、IT技術なのか、アニメやゲームなのか、それとも防衛の自立なのか、と誰もが必死に模索しているところなのだろう。その中では、これまで大切にしてきた『平和』『平等』はとにかく新しいよりどころにはなりそうにない、と目の敵にされがちなのだろう」。

 高齢者問題が高齢者だけの問題ではないように、若者の問題も、若者だけの問題ではない、と思った。

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美浦ゴルフ倶楽部(茨城県稲敷郡美浦村)

 代休の月曜日、美浦ゴルフ倶楽部(茨城県稲敷郡美浦村大字土浦字蔵後2568-19、029・840・0001)でラウンドした。
 美浦と書いて「みほ」と読む。
 アウトが3174ヤード(パー454435344)、インが2935ヤード(パー443543445)。


 スコアはアウトが+4+1+2+1+2+1+1+3+0=+15で51。パット数は222313331。
 とくにグリーンが難しいゴルフ場だったので、まずまずの成績と思ったのだが、午後、崩れた。

 インの成績は+2+7+1+7+3+2+4+1+1=+28で64。パット数は223323222。

 +7とかは論外。

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 練習場はアプローチ、バンカー練習場もあり、充実していた。

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隈研吾、清野由美著『新・都市論TOKYO』『新・ムラ論TOKYO』(集英社新書)その5

 高円寺商店街を歩く。北口だけでも相当長い商店街が続く。
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 映画好きにはたまらないレンタルDVD/ビデオショップと『新・ムラ論TOKYO』では紹介されていたが――。

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 全部販売に変わっていた。

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 ディープな中通商店街。

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 著名な古書店、都丸書店は閉まっていた。

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 『新・ムラ論TOKYO』で紹介されていた松本哉さんが経営するリサイクルショップ「素人の乱5号店」。

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 どの店も安い。

 地方の商店街は壊滅状態だが、高円寺の商店街は面白い発展を遂げている。

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隈研吾、清野由美著『新・都市論TOKYO』『新・ムラ論TOKYO』(集英社新書)その4

 小田急線に乗って町田に向かった。

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 駅前はペデストリアンデッキが整備され大型店が並ぶが――。
 ちょっと脇道に入ると、賑わいのあるストリートが現れる。

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 しかし、南口、相模原市側は、ヨドバシカメラはあるものの、急に寂れた風景が現れる。

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 ラブホテルなどが立ち並ぶ。

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 地方都市のお決まりの光景とは違い、大型店の脇のの通りは新宿のような賑わいだった。確かに不思議な生命力のある街だ。

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隈研吾、清野由美著『新・都市論TOKYO』『新・ムラ論TOKYO』(集英社新書)その3

 隈研吾、清野由美著『新・都市論TOKYO』『新・ムラ論TOKYO』(集英社新書)を読んで、実際に街を歩いてみることにした。「ムラ」の要素を持つ、そこの生活がある、ヒューマンスケールのどちらかというと猥雑な場所だ。

 まず、下北沢を歩いた。北口。駅前食品市場は、ほとんどがすでに、もぬけの殻だった。

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 真龍寺。

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 若者の列。バーゲンセールのようだ。

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 ウナギの名店「野田岩」があるのは知らなかった。

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 南口の劇場エリアへ。

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 カトリック世田谷教会。

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 計画が実施されると協会の敷地が削れてしまう。奥のマンションは、道路が通る前提で、道路に壁面を合わせている。

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 神父さまは「道路を通す計画は凍結されたと思っている」と話す。

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 下北沢病院。

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 芸術書の多い古書店。

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 地下化される予定の開かずの踏切。

 クルマが通らない、歩いて回ることが多いシモキタの街。小さい個人経営と思われる店が多い。ヒューマンスケールの街だった。クルマの通る道路を駅前に通す必要はまったくないのではないか。

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隈研吾、清野由美著『新・都市論TOKYO』『新・ムラ論TOKYO』(集英社新書)その2

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新・都市論TOKYO、新・ムラ論TOKYO

 隈研吾、清野由美著『『新・ムラ論TOKYO』で、隈研吾氏は言う。
 「2011年3月11日大地震と津波とが東日本を襲った。それから3週間後、まだ水の引かない石巻の町を歩き回った」「確かに津波はすべてを流し去った。驚くべき破壊力を目の当たりにして、血の気が引く思いであった。しかし、それでもなお、いや何もないからこそなおさら、そこには何かが残っていることを感じた。場所というもの、そこに蓄積された時間と想いというものは、決して流し去ることのできるものではない」「この大地を切り売りして商品化することが何をもたらすかを、その行きつく先を、その終末をすでにわれわれは見てしまった。持ち家をいくら建てても、公共建築をどれだけ建てても、場所は曇り、ぼやけていくばかりであった」「夢もフィクションも捨てて、場所から逃れず、場所に踏みとどまって、ムラを立ち上げるしか途はないのである」。
 「その場所と密着した暮らしがある場所をすべて『ムラ』と僕は呼ぶ」。

 最初のムラが「下北沢」だ。小田急線の「開かずの踏切」を地下化する事業が進んでいるが、それとセットになっているのが下北沢の街中に大きな道路を通す計画だ。反対運動も起きているが、計画通りに道路が通り、その道沿いに高い「ビルが立ち並べば、おせんべい屋さんや本屋さん、生地屋さんなど昔からの商店や、小さくて個性的なファッションの店、カフェなどが並ぶ、今のシモキタの雰囲気はなくなってしまう」。

 隈研吾は言う。「21世紀に町を再開発するなら、まず、道路を『敵』にする発想が絶対に必要です。ファミレス、コンビニ、新古書店が誘導される町は、まちづくりとして失敗だ、くらいに頭を切り替えなければ」。

 次に訪ねるのが「高円寺」だ。
 街を歩きながら、隈氏は言う。
 「都市はすでに、商業、オフィス、住宅需要に頼るだけでは生きていけない。これからは、福祉系みたいな、孤立した個人を抱擁する新しい機軸が、絶対に必要になりますね」。
 「混在を目の敵にすることが都市計画の下敷きになり、風俗営業法などの法律もこの混在恐怖症、潔癖症から発生したわけです。僕はこの、いわゆるゾーニングという制度を見直さないと、都市という抱擁的存在は再生できないと思う」。

 この後、「秋葉原」「小布施」と街歩きは進むのだが、読んでいるばかりでは埒があかないと感じ始めた。

 実際に、町田、下北沢、高円寺を歩いてみよう。

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隈研吾、清野由美著『新・都市論TOKYO』『新・ムラ論TOKYO』(集英社新書)その1

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新・都市論TOKYO、新・ムラ論TOKYO

 隈研吾、清野由美著『新・都市論TOKYO』(集英社新書、2008年1月22日発行)『新・ムラ論TOKYO』(同、2011年7月20日発行)を読んだ。

 1954年生まれの建築家、隈研吾氏と1960年生まれのジャーナリスト、清野由美さんが、「21世紀の東京に出現した超高層再開発の現場」を歩いたリポートが『新・都市論TOKYO』だ。

 「高度成長期から成熟期への急激すぎた転換。今日の日本をめぐる混乱の大半は、この『成熟期問題』に帰結する」。
 「成長期から成熟期への転換で生じた大きな『空白』を埋めることが、そもそもこれらの再開発型都市の目的であった。しかし、あれほどの『ビッグネス(大きさ)』が成熟期の都市に本当に必要なのだろうか」
 「今や、オフィスの主流は、ホームオフィスやスタジオタイプの小さなオフィスへと動きつつあるし、ネットショッピングか、さもなくば老舗の本店まで足を伸ばそうかという時代に、中途半端な店が集積した大規模商業施設は本当に必要だろうか」。

 まず回ったのは「汐留」だ。「31ヘクタール全体をひとまとめにして開発するだけの大きなリスクを負えるディベロッパーは見つからず、土地は11街区に分割されて分譲された」「その後、分割された街区間の都市計画的調整はわずかしか行われなかった」。

 次が「丸の内」。「丸の内はかつて『第二次産業型都市』におけるオフィス街の代表選手であった。第二次産業型都市では、人は都心部のオフィス街や工場で働き、海外に寝に帰る」「ところが、都市が第三次産業型に変化する途上で、工場のように騒音や有毒物質を出すものは都心部から消えてゆき、よって良好な住宅地としての郊外という存在も必要がなくなってくる」「同時に女性の社会進出が進んだので、いよいよ郊外のような『遠い』ところに住む、というライフスタイルを不都合と感じる人々が増えてくる。21世紀の東京では、郊外居住から都心居住へというライフスタイルの大きな転換が起こりつつある」。

 「都心は『働き』『住み』『遊ぶ』場所となり、逆に働く機能しか持ち合わせていない、かつての丸の内のような場所は、オフィスとしての人気も低下するという新しい現象が起きた」「その状況に危機感を持ったのが丸の内の大地主、三菱地所だった」。

 そして、「六本木ヒルズ」。「港区はもともと住宅的な用途が中心の地域で、第二次産業用地がまとまって放出される可能性は少ない。しかし見方を変えれば、脱工業社会が求める職・住・遊、三つの機能の有機的複合には、港区のような場所こそが適しているともいえる」。
 しかし、「住宅地の小区画の地主一人ずつと買収交渉をしていく」ことは、「トータルの開発コストにもはね返らざるをえない」。
 「開発コストに見合ったテナントを集めようとすれば、あるレベル以上のテナント料を支払える店舗だけになる」。

 21世紀に再開発された都市を見てあるいた隈研吾氏だが、彼が関心を持ったのは町田市と秋葉原だった。
 「今、東京という都市の中で、どの街が一番面白いかと問われたら、僕は躊躇なく『町田』と『秋葉原』と答える。この二つの街は、一方は東京の南西、一方は北東の方向に位置し、方向的にみると見事に対極を構成する。二つの街どちらにも共通するのは、リアリティとヴァーチャリティとの接合、しかもバッファー(緩衝材)の欠如した接合である」。
 「町田にはどこからか染み出てきたような、あか抜けしない泥臭さのようなもの――それをリアリティと呼んでもいいであろう――が、私鉄的なフィクションの隙間から顔を出し、流れんばかりの勢いで街を覆っている。こじゃれたファッションブティックの隣で、昔ながらの乾物屋が賑わいを呈し、また一歩路地に迷い込めば、外国人の客引きが風俗店へと誘う客を品定めしている。コーヒーショップの中では、明らかに風俗系と思われるお姉さんが、私鉄系の奥様やその子とおぼしき若者たちと隣り合ってカプチーノをすする。そんなわけの分からない混在がこの街では状態化しているのである」。

 『新・都市論TOKYO』の最後で、清野さんが、こう、まとめている。同感だ。

 「都市とは、先端テクノロジーに、名もなき人々が生活を紡ぐ時間が重ね合わさった時に、長き寿命を得ることになる。リスク管理優先の再開発が続く東京は、実はもっと有効なリスク管理を根本のところで見逃しているのではないか。もっとも有効なリスク管理。それは、歴史の継続性とクリエイティビティにほかならない」。

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