山岸笙子・新CD「デジャビュ」の発売記念ライブ(渋谷KO-KO)
ライブハウスの渋谷KO-KO(東京都渋谷区道玄坂2-26-5 ひまわりビル2階、03・3463・8226)で行われたジャズピアニストの山岸笙子(しょうこ)のライブに行った。 3枚目のリーダーアルバム「Deja Vu(デジャビュ)」(What's New レーベル)の発売記念ライブだ。
「Deja Vu」のメンバー勢揃いだ。
山岸 笙子 (Piano & Compose&Arrange)
山口友生(gtr)
鈴木克人 (Bass)
工藤悠 (Drums)
一緒にアルバムをつくった息の合ったメンバー。病気に負けず元気な姿をみせて、トークも弾んだ山岸。ライブ会場はお客であふれ、とても盛り上がった。
「Deja Vu」にはMoon River、あかとんぼなどだれもが知っている曲もあり、ジャズをあまり聴いてこなかった人間でも「ジャズっていいな」と聴き入ってしまう。
気持ちのこもったやさしいピアノの音色から始まって、ドラムとベースが加わり、曲が弾んでくる。そして、色っぽいギターの音色が加わり、最高潮に。アレンジがジャズの生命線なのだなということが分かる。
山岸と男性メンバーたちが、信頼し合っている感じだ。演奏が終わると真剣な表情が崩れ、それぞれの笑顔がさわやかだった。
テクニックは抜群のメンバーだけに、そこに人間味が加わった演奏は、観客をも一つにしてくれた。
Reconstructin(復興)は東日本大震災の後に被災地の復興を願って書いた曲。テンポがとてもよく、力強いリズム、素敵なメロディーが明るい未来を感じさせてくれる。ドラムが復興のつち音に聞こえた。いい曲だ。
今回のアルバムはメンバーの曲や意向もずいぶん取り入れた。
Flower and Snakesは、ギターの山口友生のオリジナル曲。
Tributeはクインテットメンバーの間瀬寛子が山岸のために書いた曲。
Mr. Charlie Parkerは「暗い曲が多いオリジナル曲のなかで明るい曲」と山岸が冗談交じりで紹介したが、「いつも控えめなベースの鈴木克人が、入れましょうと強く推した曲」だそうだ。とてもいい曲で特に、ベースがいい(笑)。
山岸が「暗い」という曲の代表?Midnight Forest。これは「都会の森」か。引き込まれる曲だ。
アルバムタイトルにもなっているDeja Vu。Deja Vuと言っても懐かしさより、斬新さを感じる曲。「未来の既視感」といった感じの曲だ。
実力派ゲストも登場。山岸の「ポルトガル語の先生」によるボサノバ。
津田塾大学時代の同期のボーカル。山岸は通っていたころは津田塾大学の「いい子」というイメージが嫌いだったそうだが、この同期の方も、津田塾のイメージから相当遠かった(笑)。しかし、迫力のある歌声は見事だった。
山岸が闘病のなか、元気な姿を見せてくれたのはうれしかった。体は大変なはずなのに心技体の充実を感じさせてくれるライブだった。
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