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フジテレビ解説委員を務めた安倍宏行氏が独立、インターネットメディア「NEXT MEDIA “Japan In-depth”  ニッポンの深層」を創刊

 フジテレビ解説委員を務めた安倍宏行氏が独立、インターネットメディア「NEXT MEDIA “Japan In-depth”  ニッポンの深層」を創刊した。

 http://japan-indepth.jp/

 「ニュースの深層(真相)を一人でも多くの人に届けたい」。

 設立趣意書で安倍氏は言う。

 ウィキリークスの誕生(2006年)、尖閣諸島での中国漁船衝突映像がYouTubeに流出した事件(2010年)、そして、2010年末から11年にかけて、北アフリカ、中東諸国で起こった一連の民主化運動「アラブの春」―― 「インターネットとSNSは、既存メディアが支配してきた情報を解放し、拡散しました。その結果、国家が倒れることすらある。それに世界中の人々が気付いたのです」。

 「そして2011年3月の東日本大震災。被災地ではようやく復興が端緒についたばかりです。そうした中、既存メディアは人々に、本当に知りたい需情報を届けているでしょうか?」

 「ニュースの背景や本当に意味を知りたいが、そうした記事は少ない。そのことに気付いた私たちは、Japan In-depthを立ち上げました」。

 

 インターネットがニュースメディアとしても力をつけている。新聞やテレビは紙面や放送時間の制約があるが、ネットメディアならば、そうした制約なしに、タイムリーに解説記事が書けるはずだ。ところが既存メディアもそんな形ではネットを使いきれていない。

 起こった事実の羅列だけならば、ポータルサイトのニュースを読むだけで十分。しかし、それが何を意味するかを、プロに正しく解説してもらいたい、といったニーズにこたえることこそ、ネットが取り組むべきことだと思う。

 安倍氏のニュースの深層を探る新しいネットメディアに期待したい。

 安倍氏は1955年12月2日東京都生まれ。慶応大学経済学部卒業後、日産自動車に入社。1992年、36歳でフジテレビに入社して、取材センター記者としてジャーナリズムの世界に入った異色の経歴を持つ。1998年に報道局ニューヨーク支局支局長。2002年に「ニュースジャパン」キャスターとして活躍。2003年に取材センター経済部長になった後も解説委員として、BSフジLIVE「プライムニュース」の解説キャスターなどを務め、報道の現場で活躍した。

 日産自動車での実務経験があるからこそ、マスメディアから一歩離れて、客観的にメディアの状況を見ることができたのかもしれない。

 9月30日付でフジテレビを退社。翌1日、β版として、ニュースサイト「Japan In-depth」を構築した。

 カバーするジャンルは政治、経済、国際、文化、IT・メディア、教育・子育て、ライフスタイル。スタート時点での連載は①デイリー安倍宏行②角谷浩一の政界カレイドスコープ③藤田正美の『世界と日本』④石川和男の美辞麗句を斬る!⑤安藤美冬のトーキョー•クエスト。 

 これからさらに、執筆陣を充実させていくという。

 

 ただ、このメディアを、既存メディアのように、黙っていれば有用な情報を与えてくれるメディアと見るのは正しくないようだ。

 安倍氏は設立趣意書の最後でこう語りかける――。

 読者が単に情報の受け手にとどまるのではなく、私たちが提供する情報をもとに、ニュースを自分の問題として捉え、課題の解決策に向けて行動に移すようにしたい。そうした思いから、政治、経済、国際、教育、ライフスタイル等、ジャンルごとに一流の執筆者をそろえ、ニュースを読み解くための背景分析、解説などをタイムリーに提供することに主眼を置くことにしました。 

人々が問題解決のために能動的に動く社会。

NPOを設立する人。

プロボノとしてベンチャーを支援する人。 

政治家に働きかけ、市民の為の法案を成立させようと動く人。 

自らが起業して、もしくは政治家となって社会を変えようとする人。

 “Japan In-depth”がお届けする情報がそうした人々のニーズに応えることが出来るのなら、これに勝る喜びはありません。

 情報とは、本来、ただ、受け取るだけのものではなく、「判断を下したり行動を起こしたりするために必要な、種々の媒体を介しての知識」(広辞苑)のはずだ。

 Japan In-depthのそれぞれの記事にはコメントもつけられる。その記事をきっかけに何をしたか。行動を起こすためにどんな情報がほしいのか。世の中のニュースのどの部分が釈然としないのか――。それぞれの執筆者に率直に意見を書きこんでいけば、このメディアは、こたえてくれそうだ。

 サイトの「お知らせ」には、被災地・ふくしまを知るためのイベントの案内などもある。一緒に行動するきっかけも提供している。

 Japan In-depthは受動から能動へと変わりたい読者が、一緒に育てていくメディアなのだろう。

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