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超高齢社会を前向きに捉える――阪本節郎著『50歳を超えたらもう年をとらない46の法則』 (講談社+α新書)

Gojuwokoetara

50歳を超えたらもう年をとらない46の法則

 博報堂 新しい大人文化研究所所長である阪本節郎が著した「50歳を超えたらもう年をとらない46の法則」 (講談社+α新書)を読んだ。

 この本のタイトルの意味は、博報堂  新しい大人文化研究所の2012年1月19日のリポート「絶滅する中高年!? 新しい大人世代の登場」を読むと、なるほど、と理解できる。リポートを引用しよう。

 「いま中高年の意識が従来の常識から大きく変わろうとしています。 『博報堂エルダーナレッジ開発 新しい大人文化研究所』では、人生を前向きにとらえ、若々しくありたいとする新たな40~60代を総称して「新しい大人世代」と名づけ、彼らの志向や生活を探る様々な調査を実施しています。このたび、全国の40~60代の男女3708名に向けた調査から、40~60代の人生観に関する結果をまとめました」。

 「調査結果からは、従来の中高年意識であった『老い』『余生』といった“下り坂”の人生観は“絶滅”しかかっていることが見えてきました。従来の中高年は、40代が働き盛り、50代で下り坂がはじまり、60代になると余生になって長生きが目標になる、と見られてきました。しかしながら、現在の中高年は、そうした従来型の人生カーブとは180度異なるといってもいい人生観を持っています。年を重ねることを『加齢』と捉えない、エイジレスな感覚を持った新しい40~60代が登場しています」。

 「現在の40代~60代の大きな特徴は、そもそも人生観が従来の『下り坂』から、“人生の花を開かせる”といった『上り坂』へと大きく転換していることです。

 「40~60代男女に『自分が理想とする生き方』について尋ねたところ、『50代を過ぎたら、もう年をとらないという自分でありたい(61.4%)』と、6割を超える男女が50代以降の加齢を意識せず、あたかも50代で年齢が止まったかのように捉える新たな動きが生まれています。また、『何歳になっても若々しく前向きでありたい」と回答した人は、全体の82.7%に上ります。もはや40~60代の大多数が「若々しく前向きでありたい』と考えていることが分かりました」。

 そんな新しい大人の特徴を紹介しているのが本書だ。

 共感できる部分が多々あった。

 最も共感したのが44.社会に「支えられる側」から社会を「支える側」になる③クロスジェネレーションだ。

 阪本氏は言う。「人口の少ない『若い世代』が人口の多い『高齢世代』を支えるというのが年金賦課方式の問題であり、これに対して『自助』ということを述べました。その上で、さらに望ましいのは、具体的に『新しい大人世代が若い世代を支えるクロスジェネレーション』です」「世代間交流を『クロスジェネレーション』と言っていますが、このように『クロスジェネレーション』で若い世代を支えることができれば、若い世代の生産性も向上し、また支えられれば年金を支払ってもいいかという気持ちにもなるでしょう」。

 越川禮子著『江戸の繁盛しぐさ―イキな暮らしの智恵袋』 (日経ビジネス人文庫)によると、江戸では年代に応じたしぐさが尊ばれ、たとえば「耳順(還暦)代の『江戸しぐさ』は『畳の上で死にたいと思ってはならぬ』『己は気息奄々、息絶え絶えのありさまでも他人を勇気づけよ』『若衆(若者、ヤング)を笑わせるよう心がけよ』だった」という。クロスジェネレーションは日本のよき伝統なのかもしれない。

 「超高齢社会」を実感したのが、46.過去と現在とこれからに感謝し、若い精神を持ち続ける、だ。

 「2020年は東京オリンピックの年です。その年に成人人口すなわち20歳以上人口が約1億人であるのに対して、40歳以上人口が約7800万人、つまり、『大人(成人)の10人に8人は40代以上』となります」というのだ。「人口構造の変化によって、大人世代が圧倒的多数の世の中になります。この圧倒的多数が『人生下り坂』感を持って後ろ向きになり、社会全体が沈滞ムードになると大変です。そうあってはならないのです」。

 30.新3世代は”教えてほしい”が秘密の扉、には世代間交流を後押ししてくれるデータがあった。「肝心の孫のほうは祖父母に何を求めているのでしょうか。そもそもお互いにコミュニケーションを増やしたいかどうか、を調査したことがあります。常識的には、祖父は孫との関係をもっと強くしたいが、孫のほうは敬遠気味、と思いがちです。ところが結果は全く逆でした。たしかに『祖父から孫』は84%と高かったのですが、『孫から祖父』は95%とそれをかなり上回ったのです」「実は求めていることの1位は『自分にない技能や自分の知らない事を教えてもらいたい』でした。

 19.オジサン・オバサンと呼ばれても自分のことだと思わない、にあった、次のくだりが、なるほどと思った。

 「50代以上になると、子供が独立するために、好むと好まざるとにかかわらず誰でもひとりの男性・ひとりの女性に返ります。しかしながら、その手前の40代にも異変が起きています。40代は今までの女性であれば『主婦と母親』、男性であれば『サラリーマンと父親』という二つの顔を持っていました。しかし、その40代が三つ目の顔を持ち始めています。…男性では『ひとりの男性』であり続ける、女性では『ひとりの女性』であり続ける、という顔になります」「男女問わずにSNSはまさにひとりの男性・女性が語り合う場だと言えるでしょう」。

 「アメリカでは、『シニア』という呼び名の代わりに、『50+(フィフティプラス』という言い方が抵抗感なくポピュラーになりつつあります」とのことだ。

 テレビの個人視聴率の区分でM3と言えば、男性50歳以上を指す。50も65も75も85も、同じM3。なんと大雑把な分類か、と、これまでは、思っていたが、なるほど、「50歳を超えたらもう年をとらない」から、これでいいのだ。

 17.会社はリタイアしても社会はリタイアしない、はいい言葉だ。「ピーター・ドラッカー教授が、天寿を全うする前に遺言のように言ったことがあります。それは『日本はもう一度世界をリードできる』ということです。なぜなら日本に定年制があるからだという面白いことを言いました」「日本は世界に先駆けて高齢化が進展し、そして定年制があります。そうすると、今まで会社の仕事に従事していた人たちが定年を機に社会的なことに携わる可能性があるだろう、ということです。…そういう人たちがたくさんいる社会ができれば、世界中が高齢化するなかで日本がそのモデルになると言われたのです」。

 超高齢社会を前向きに捉える本が増えてきたのがうれしい。

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