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細かいノウハウも学べる杉原保史著『プロのカウンセラーの共感の技術』(創元社)

Pronocounselor_kyokannogijutsu

プロのカウンセラーの共感の技術

 杉原保史著『プロのカウンセラーの共感の技術』(創元社、2015年1月20日発行)を読んだ。杉原氏は京都大学学生総合支援センター長(カウンセリングルーム教授)。

 タイトル通り、プロのカウンセラーならではの、なるほど、という細かいノウハウを紹介している。

 13.「悲しいんです」「悲しいんだね」ーー共感と反射

 「『もう限界だよ』と言っている人に対して『もう限界だっていう気がするんだね』と、ただそのまま返す反応が『反射』です」「聴き手は、余分な方向づけをせず、話し手が表現したことを足場にしてさらにそこから表現を発展させていくよう促しているのです」「『反射』を用いて傾聴されると、話し手は自分の話していることを自分でもかみしめるようにあらためて振り返りながら、さらに発展させて話していくことができます」。

 「話し手がか細い声で、『もう頑張れない』と言っています。あなたならどう反射するでしょうか。…たとえば『限界まで頑張ってきたんだね』と反射することができます」「『もう頑張れない』と言う人は、『頑張らなくてはならない』というように自分を追い立てる声が常に心の中に響いている人です。常に自分にむち打って頑張らせている人です。背景にあるその心の動きをその一言から感じ取り、反射にそのニュアンスを反映させることが肝心なのです。『限界まで頑張ってきたんだね』という反射の仕方にはそのニュアンスが反映されています」。

 「反射には、無限に多様なヴァリエーションがありえます。それは、同じことを表現するのにも無限の表現の仕方があるという当たり前のことが、反射の仕方においても言えるということです」。

 16.「淋しいんですか?」と「淋しいんですね」

 「私が『淋しいんですね』とコメントするのは、話し手が淋しいという感情に触れるのを促進したいと思うからです。話し手が『淋しいんですよ』とか『淋しいなぁ』と素直に言えるような地点までガイドしたいと願うからです」「『淋しいんですか?』というコメントは、たった1文字違うだけなのですが、この目的にはまったく適しません。このコメントは、話し手に自分の感情をあらためて調べてみるような視点を発生させます。このコメントは、話し手に『私は淋しいんだろうか?』と内省させるように誘導します」。

 20.葛藤の両面に触れる

 「悩んでいる人、苦悩している人、ストレスを抱えている人は、ほとんどの場合、何らかの葛藤を心に抱えています。共感的な対応をするためには、話を聴いていてそうした葛藤に出会っても、性急に白黒つけようとしないことが大切です。一つのコメントの中に葛藤の両面を穏やかに描き出すことができるとよいと思います」「このようなコメントを述べるに当たっては、コツが二つあります。一つは、葛藤の両面をつなぐときに、『そして』『それと同時に』『その一方で』といった接続詞を使ってその二つを穏やかな関係でつなぐことです。たとえば『あなたはお母さんのことが好きなんだね。そして一方では、お母さんがあなたにしてくることにイライラするんだね』といった具合です」「葛藤の二つの面を逆説の接続詞でつなぐことはしません。『あなたはお母さんのことがすきなんだね。にもかかわらず、お母さんがあなたにしてくることにイライラするんだね』。このように逆説の接続詞でつないでしまうと、葛藤の両面の対立関係はかえって引き立ってしまいます」「もう一つのコツは、コメント全体を『穏やかな声』で言うことです」。 

 一例を示したが、カウンセリングで共感を得るためには、傾聴とともに、返す言葉の選び方が大変重要であることが分かった。

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