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実際のカウンセリングがよく分かる諸富祥彦著『新しいカウンセリングの技法~カウンセリングのプロセスと具体的な進め方』(誠信書房)

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新しいカウンセリングの技法

 諸富祥彦著『新しいカウンセリングの技法~カウンセリングのプロセスと具体的な進め方』(誠信書房、2014年1月30日発行)を読んだ。 CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)資格試験の2次試験では、インテーク面談(初回面談、受理面談)の最初の10分に臨むという想定で、学んだ技能や姿勢が試される。

 しかし、その先のカウンセリングがどう展開するのかは気になるところ。本書は、カウンセリングのプロセスの初期、中期、後期において、具体的に何をどうすればいいのか、を示している。

 同書によると、「カウンセリング(個別心理面接)」は、次の三つの段階を踏んで進むという。

 (1)関係形成期(ラポール形成/心と心のつながりをつくる段階)

 (2)自己探索期(自分を深く見つめる段階)

 (3)行動計画期(アクション・ステップ/これからどうすればいいか、実際の行動を計画する段階)

 まず、①関係形成期。

 「ここで用いられるカウンセリング技法は、『うなずき』『あいづち』『ごく普通の、感情の伝え返し』など、『基本的な傾聴技法』です」「この段階でまず必要なのは、『このカウンセラーは私の話や気持ちをていねいに受け止めてくれる』『しかも、わかったつもりにならずに、私に確認しながら聴いてくれる』と、クライアントが感じることです」。

 次が、②自己探索期。

 「次第にクライアントの意識は、『カウンセラーにわかってもらいたい』気持ちから離れていき、自分自身に向かい始めます。『自分は、ほんとうは今、どんな気持ちでいるのか』『何をしたがっていて、どんな方向に向かいたがっているのか』と自己探索をするようになっていくのです」。

 「カウンセリングの基本的な方向が定まってきたら、③の『行動計画』の段階に進みます」「そして、この段階を終えたら、いよいよ、集結に向けて話し合いを進めていきます」。

 「初期の『理解する関係づくり』の面接において、クライアントの意識は、『外界(現実社会)での問題に直面することを通して、次第に内界(内面世界)の探索へ』と入っていきます」「そして面接中期の『内面的自己探索』においては、カウンセリング・ルームという非日常的な空間において、内界にとどまり、ひたすら自己の内面探索に取り組んでいきます」「そして、内面的自己探索においてみずからの進むべき方向が定まったならば、面接後期において、再び『内界から外界へ』と帰還し、現実世界での具体的な課題に取り組んでいきます」。

 段階に応じて、高い技術も必要になってくるという。

 「①の援助関係の確立に有効な技法は『一般的な傾聴』で足りますが、②の内面自己探索(深い内省)の段階になると、カウンセラーの側にも『より深い傾聴』が求められます」「さらに、このプロセスの中で起きることを理解していくためには、精神分析やユング心理学の知識、たとえば『治療的抵抗』(治りたいけれど、治りたくないようなこころの動き)『転移/逆転移』(カウンセラーとクライアントの関係の中でそれぞれ相手に対して湧いてくる感情)『コンステレーション』(自分の意図を超えた人生のめぐりあわせ)などの概念が、しばしば役に立ちます」。

 なるほど。仮にCDAの試験に合格しても、それから勉強すべきことがとても多いようだ。面白そう!

 「初期の面接の技法」をしっかり学ばなければ。大事なところを引用しよう。

 1.椅子への座り方

 「最初、待合室にクライアントを迎えにいきます。そして面接室に入って『どうぞ』とクライアントの方から先に座ってもらいます」「その直後に私(カウンセラー)も座るのですが、特に初回の面接のときに、私は座った後に少しだけ椅子を横にずらすようにしています」「それは、『ここでは、あなたは、自分が話しやすいようにするために、自分のしたいようにしていいんですよ』という無言のメッセージを与えることにつながるからです」「クライエントによっては、真正面に座ってほしい、という人もいれば、45度くらいの角度で座ってほしい、という人もいます。特に思春期の子どもには、真横に座って話したほうが話しやすい、ということも少なくありません」。

 2.聴くときのからだの姿勢

 「わたしが大切にしているのは、まず自分自身がリラックスできる姿勢でお聴きすることです。こちらがリラックスできていないのに、クライアントがリラックスできるはずがありませんから」。

 3.うなずきとあいづちによる「ぺーシング」「チューニング」

 「クライアントよりも、少し大きめに、ゆっくりうなずきましょう」「しっかりと声に出して、クライアントよりも少し低めの声、少しゆっくりめのスピードで、あいづちを打ちましょう」「うなずきやあいづちで重要なことは、相手との『呼吸合わせ(ぺーシング)』『空気合わせ(チューニング)』です」。

 4.視線

 「多くのカウンセラーは、『顔のあたりをぼんやりみていて、クライアントが大切なことを言ったときだけ、相手の目をしっかり見る』ようにしています」。

 5.くり返し

 「『くり返し』とは、クライアントがたとえばくり返し何度も話している点などをただそのまま、カウンセラーが繰り返して伝える応答です」「合いの手を入れてもらうことで、クライアントは『私の話をちゃんと聴いてもらえている』と感じることができます。

 6.伝え返し(クライアント中心療法)

 「クライアントの方が表明されている気持ちのエッセンスを感じ取って、『あなたのおっしゃっているのは……ということでしょうか』と、こちらの『理解』や『受け止め』を、クライアント自身の内側に響かせてもらって『確かめてもらう』という姿勢でおこなっていく応答のことです」「その言葉の背景にある暗黙の意味(言葉にはなっていないけれども『言わんとしていること』)や、それらがどのような文脈や価値の枠組みから発されたものなのか、ということも含んで『伝え返し』ていくのです」。

 最後の7.こころのつぶやき技法は高等テクニック。間違えると格好悪いかもしれない。

 「これは、カウンセラーが自分を空にして、クライエントの語る内面世界にひたりきっているときに、自分の中に『ふと』浮かんできた言葉をつぶやくようにして伝えていく技法です」。

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