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よしながふみ著『大奥』(白泉社)

 よしながふみ著『大奥』(白泉社)の全19巻を読み終えた。赤面疱瘡という伝染病に若い男子が感染。男性が極端に少なくなり、将軍も三代将軍家光の時代から女性が務めざるを得なくなるというストーリー。第1巻の初版発行が2005年10月4日。第19巻の初版発行が2021年3月5日。文字通りの大作。面白かった。

 江戸時代はミステリアスな時代だ。鎖国を続け、開国し、明治維新を迎えた後は、「江戸」は旧時代の陋習がはびこる世界のように言われることも多かった。

 描く人によって歴史はさまざまな姿を見せる。江戸幕府を倒した新政府は、「江戸の否定」から始めざるを得なかった。江戸はちょっと前の東京なのに、長い間、現代人にとっては、遠い過去のように思えた。

 最近はSDGsの考え方にも近い「江戸」の再評価が進み、江戸ブームの様相も呈す。江戸については、もっといろいろな見方が出てきてもいいのかもしれない。

 そんな中で実は鎖国中、男女が逆転していたという荒唐無稽な設定の『大奥』が発表された。単なるSFとも思えず、不思議なリアリティがあった。

 描かれる女性の将軍は今の時代の前向きな女性たちとイメージが重なる。

 女性将軍たちは男の将軍のモノマネをするのではなく、女性らしさを発揮して政治を司る。政権与党の女性政治家の中には男性の政治家と振る舞いや発言が酷似している人もいるが、女性将軍たちは「女性のしなやかな感性」でものを見て行動する。

 本当に言いたいことを描く場合、ノンフィクションでは限界があり、小説にしなければならないという考え方もある。

 『大奥』で描かれた世界は、これからの日本の政治のあり方の一つを指し示すモデルであるような気がした。

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