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武蔵野大学で「古稀式」、70歳を祝うとともに、高齢期の人生を豊かにするための知識を学ぶ

 武蔵野大学武蔵野キャンパス(東京都西東京市新町)で、9月11日午後、70歳を祝う「古稀式」と、70歳以降の人生を豊かにする「学び」を組み合わせたユニークな試みが行われた。

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 主催は武蔵野大学しあわせ研究所。三井住友信託銀行と一般社団法人全国地域生活支援機構(JLSA)の共催。西東京市、武蔵野市、三鷹市、小金井市の4市が後援した。

 この試みを企画した樋口範雄法学部特任教授によると、「高齢者が学ぶ、高齢者が教える、高齢を祝う」という形をとったという。主に70歳以上の高齢者を対象に実施。単に長寿を祝うだけでなく、フレールや認知症の問題から資産管理、高齢者にとってのICTまで、高齢者学の主要な問題を高齢者と学生が一緒になって学び議論する機会とした。

 評論家、NPO法人高齢社会をよくする女性の会理事長の樋口恵子さんが基調講演を行った。 

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 樋口恵子さんは「高齢期には、人生第二の義務教育が必要」とし、2012年3月には文科省が設置した「超高齢社会における生涯学習の在り方に関する検討会」に参加。「長寿社会における生涯学習の在り方について」というリポートをまとめたという。
 樋口さんは、人生100年時代を迎え、何よりも大切なのは平和を維持すること。そして、そのためには皆が学び続け、平和な長寿社会づくりを進めることが必要」と強調した。 

 今年90歳になった樋口さんは「90歳になってみて初めてわかることが多い」とし、「こうした経験を語り継ぎ、幸せ構築のためにどう努力すればいいかを学び合いたい」と語った。そのために最近は「ヨタへロ期の研究者として活躍している」と話す。 

 樋口さんは「日本の教育は、人生50年時代の教育」だとし、「男性が料理を学び、女性が技術やデジタルを学ぶ、といったジェンダー平等の教育が人生100年時代には行われなければいけない」とし、本日の「高齢期の学び」にも触れ、高齢になったら、まず、地域包括支援センターがどこにあるか調べてほしい」「医者を何軒か訪ねて、かかりつけ医になれそうな親切な医者を見つける」「お隣さんと仲良くする」ことも重要と語った。

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 樋口さんの講演後は教室に移り、それぞれが関心のあるテーマで40分の講義を受けた。

 各教室のテーマは以下の通り。

・老いることの意味を問い直す-フレイルに立ち向う

・上手な介護保険サービスの活用法と地域包括ケア

・資産運用-超高齢社会を生き抜くために

・シニア期における「住まい」の選択

・同世代が同世代を見守る

 このなかで、私は「資産運用」の講義を受けた。高齢になる前の準備としての資産運用の話はよく聞くが、高齢期になってから、どんな資産運用がありうるのか興味深かった。

 講師は田邉昌徳武蔵野大学客員教授。

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 田邉氏は言う。「個人の資産運用と金融機関の資産運用は全く違う。例えば、個人で分散投資と言っても投資する金額が少ないから限度がある。個人は寿命もあるので投資期間が定まらない。そして、金融機関は認知症にならないが個人は認知症になる可能性がある。そして、個人はお金を貯めることが究極の目的ではない」。

 ちょっと講義が楽しみになった。

 田邉氏は「個人の資産運用を考えるにあたっては、不動産をどう考えるかが重要なポイント」という。所有者が歳をとるにつれ、どんどん劣化。メンテナンスをどうするかが大問題になる。直下型大地震も心配だ」。だとすれば「相続人がいないならば、リースバックという形をとるという選択肢もある」という。家を業者に売るが、その家を借りる形で住み続ける。「家を現金化する」ことも考えておかなければならない。

 高齢者世帯の収支は、支出が収入を上回るとされ、30年生きるとすると、2000万円を貯めておかないと収支の赤字が埋めきれない。高齢者の平均貯蓄額は2480万円とされるが、中央値をとるともう少し低い。お金が不足する世帯もある。

 何歳まで働くかという問題もある。日本は70歳前半の就業率が41%と欧州に比べると高い

 認知症の発症率は75歳から急増する。70歳は、自分の意思で資産管理できる最後のチャンスかもしれない。

 「高齢になったら取引関係をシンプルにすることも大切」という。具体的には取引銀行・講座の集約、保険関係の見直しなどだ。

 保険は一時払い・終身受け取りタイプの保険を活用したい。年金保険などだ。「不確実な状況をカバーするのは保険しかない」。

 「高齢者の株式運用は、例えば100万円だけ投資するなどリスクを最小限にするなら、行ったほうがいい」というのが田邉氏の考え方だ。「社会とのつながりを維持するのにも役立つからだ」。

 高齢期の資産運用のポイントは理解できた。

 

 この後、教室での講義のパート2があった。各教室のテーマは以下の通り。

 ・高齢者の居場所と出番を創る

 ・高齢者の健康と認知症

 ・ICT(情報通信技術)でつながるしあわせ/人生100年時代を生き抜くには

 ・高齢者の財産管理のヒント~民事信託と成年後見・ライフプランニング

 ・ホームロイヤーによるトータルサービス~見守り・財産管理・任意後見・遺言・死後事務委任・信託等~

 この中で、私は、若宮正子さんの講義を受けた。素晴らしかった!

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 若宮正子さんは、80歳を超え、スマホアプリ開発を始めたことで有名な方だが、デジタル技術をどう広めるか、誰にでも使えるようにするかという考え方が斬新。IT先進国の事例も挙げ、「高齢者こそITが必要」と訴えた。若宮さんがアプリを作ったきっかけは「年寄り楽しめるアプリない」ということだったという。プログラミングと聞くと、それだけで敬遠する人が多いが、「プログラミングは、設計図きっちり作れば若い人たちがつくってくれる」という。「手順を決め、大道具、小道具を揃えればいい。日本語で話せば自動的にプログラミングしてくれる時代もくる」といい、「抵抗感を持たないことが大切」と話す。

 「高齢者も学習し成長する」「社会貢献をしつつ社会に有用なる人材になることを目指す」それが若宮さんが副会長を務めるメロウ倶楽部の理念だ。

 若宮さんは前向きだ。デジタル庁ができても日本ではITが個人の生活まではなかなか普及しないが、「海外ではすでに未来がはじまっている」とし、デンマークとエストニアの事例を紹介した。

 デンマークでは、役所と国民の間の紙のやりとりをなくしたという。幸福度はフィンランドと1位、2位を争う(日本は62位)。

 デンマークでは、15歳以上の国民は、11回ネットにアクセスする義務があるという。デジタルができない人には周りが教える。まず家族に頼り、家族に頼れない人は自治体職員や高齢者施設の人が支援する。

 エストニアでは現地の高齢者にアンケートを実施したところ、「電子サービスを利用している」人は84%。「デジタル化で暮らしの幸福度は向上した」と答えた人は93%もいた。

 世界はすでに変わっている。若宮さんにデジタル庁を率いてもらいたいと思った。

 

 古稀式。受けた講義でそれぞれの印象は異なると思うが、私は古稀式と学びの組み合わせは、国の制度になればいいと思った。

 18歳成人になったら、被害にあわず、責任をもった消費ができるような教育を実施したい。ほとんどの人が会社を退職する古稀は、今回のようなさまざまな学びのコースを受講すべきだろう。

 今回の古稀式は、高齢者かのありようを変えるかもしれない面白い企画だった。

 

 

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