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菊池寛著「恩讐の彼方に」(audible)

 菊池寛著「恩讐の彼方に」(前編後編)を audibleで聴いた。

 菊池寛の名前を知らない人はあまりいない。「文藝春秋」を創刊、芥川賞、直木賞なども創設した。

 しかし。

 菊池寛の小説を読んだことがなかった。

 菊池寛に限らず、著者名と作品名は知っていても、それだけ、ということのなんと多いことか。

 特に社会人になってから読書が「実用書」に偏重、小説は、知らないと時代に取り残されそうな売れっ子作家のものしか読まなくなった気がする。

 いまも、読まなければいけない実用書が山積みで、小説を読んでいる時間はあまりない。

 でも、文章を書く仕事をしていながら、名の知れた作家たちの作品も知らないというのでは恥ずかしい。

 そこで、目を瞑って疲れを取りながら聴ける「audible」を選んだ。

 前置きが長くなったが、audibleで「恩讐の彼方に」を聴いた。面白かった。まるで映画を観た後のように、ビジュアルで小説の世界が浮かんでくる。

 ストーリーを簡単に。

 主人の妾と情を通じたことがわかり、主人に斬りかかられ、最後は主人を殺してしまう市九郎。妾のいいなりになって逃げ、次から次へと罪を重ねてしまうが、ある上人に出会い懺悔し、諸人救済の旅に出る。一方、主人の息子、中川実之助は親の仇を打とうと市九郎を追って全国を旅する。ようやく市九郎を見つけ出すがーー。

 「恩讐の彼方」という言葉は知っていたが、その意味するところがよくわかった。前編では市九郎、後編では実之助にすっかり感情移入してしまった。

 NHKのSONGSで松任谷由実が「パーソナルなところに掘り込んでいくと、ある時から一般性を帯びる」と言っていたが、小説という人を通して物語を紡ぐ形式は、普遍性を帯びるのだなと感じた。

 これからもaudibleで読んでいなかった名作と言われる近代小説を読んでいきたい。

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