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映画「キネマの神様」

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 山田洋次監督の映画「キネマの神様」を観た。

 沢田研二主演の「土を喰らう十二ヵ月」を観て、菅田将暉と沢田研二が主演を務める「キネマの神様」を観たくなった。

 この映画、もともとは菅田将暉と志村けんのダブル主演だったが、志村けんの急逝で沢田研二が現代のゴウの役を演じることになった。しかし、菅田の熱演に少しも引けを取ることなく、沢田は見事に現代のゴウを演じ切ったと思う。

 孫がのちに祖父の才能を見出す「キネマの神様」の脚本。その脚本の映画化は、思い通りのカメラワークや演出ができず、中止になる。その後のゴウについてはこの映画の中では描かれていないが、酒とギャンブルに明け暮れる毎日だったようだ。そんな「かつては光り輝いていたが、今は情けないジジイ」を沢田研二は見事に演じていた。

 人生100年時代の歩き方を取材しているが、晩年の生き方は、当然、若い頃の生き方のつづきである。若い頃の思いがどれだけ実現できているかは、人それぞれだが、晩年に何を思って生きるかで、若い頃を含めたその人の人生の価値が決まってくると思っている。

 孫との共同作業でかつて映画化ができなかった脚本をアップデート。その結果、これまでの後悔の思いや周りに対する感謝の念などが全てがアップデートされる。

 セカンドステージ、余生などいろいろな言葉があるが、晩年は、おまけではなく、その人の一生の価値を決める総決算の時期ではないのか。そんな思いを確信に変えてくれる映画だった。

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