万座温泉・湯の花旅館その2

露天は混浴。ぬるめで長くつかっていられる。

標高1800mにある万座温泉。そのなかで1、2を争うひなびた旅館「湯の花旅館」(0279・97・3152)を訪ねた。
内風呂の木の湯舟の横には木の囲いがある。源泉の温度を調整しているだけでなく、この中にサルノコシカケとマツフジの蔓が入れ、薬効を加えている。サルノコシカケは抗腫瘍効果、マツフジは解毒作用があるという。
温泉は含食塩明礬(みょうばん)・硫化水素泉。泉温は89.5℃。
浴用の適応症は、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え症、病後回復期、健康増進(以上温泉の一般的適応症)、慢性皮膚症、慢性婦人病、糖尿病、高血圧症、動脈硬化症、虚弱児童。
日帰り入浴は午前10時から午後3時ごろまで。700円。部屋での休憩(2時間程度)付きが2250円。
宿泊は1泊2食付きが7500~1万3000円、完全自炊が4200円、半自炊が4500円(休日前1000円増)。
以上の情報はアバウト(対応する人によっても違う^^;)なので要確認。
万座温泉ホテルから午後1時半にターミナル行きバスが出ていたのでそれに乗り、ターミナルへ。ターミナルから数分歩くと万座温泉高原ロッジがある。日帰り入浴の受付時間は午前9時から午後6時までと長い。
万座プリンスホテルと同じ、コクドの経営だ。
入浴料はタオル付きで1000円。内湯もあるが、まず、名物と言う「石庭露天風呂」に行った。
源泉名は露天風呂混合泉(姥湯、錫湯、大苦湯1号、大苦湯2号、大苦湯3号の混合泉)。泉温は63.4℃。泉質は酸性・含硫黄―マグネシウム・ナトリウム―硫酸塩温泉(硫化水素型)(酸性低張性高温泉)。浴用の適応症は神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え症、病後回復期、疲労回復、健康増進、動脈硬化症、きりきず、やけど、慢性皮膚病、慢性婦人病、糖尿病、高血圧。
8つの湯舟があり女性専用が1つ。残り7つは勇気ある女性ならば入れる混浴のようだった(混浴と明示はしていないが、女性の湯から入れるようになっている)。
とにかく広い。ただ、湯舟がプールのようで「造り物」という感じが強い。
プリンスと同様、男女10人ぐらいのグループできてわいわい騒ぎながら混浴をすると楽しいのかもしれない。
スキー客がスキー後に楽しむのが主体という感じで、老夫婦が温泉を求めてきてはいけない宿泊施設だろう。

万座温泉ホテルのすぐ近くに旅館万座亭があるので行ってみた。
入浴料は800円(タオルなし)。白鐵の湯に入った。
温泉分析表によると泉温は80.8℃。泉質は酸性・含硫黄-マグネシウム・ナトリウム-硫酸塩泉(硫化水素型)(酸性低張性高温泉)。
浴用の適応症は(1)神経痛(2)筋肉痛(3)関節痛(4)五十肩(5)運動麻痺(6)関節のこわばり(7)うちみ(8)くじき(9)慢性消化器病(10)痔疾(11)冷え性(12)病後回復期(13)疲労回復(14)やけど(15)健康増進(16)動脈硬化症(17)きりきず(18)慢性皮膚症
万座温泉ホテルと若干異なる。分析した人によって表現が変わるのかもしれない。
内湯はやはり湯気もうもう。
ひなびた感じで、なかなか良い雰囲気だった。
日帰り入浴の受付時間は午前11時半から午後6時まで。

さらに歩くと、「日進館」にぶつかる。パンフレットなどに説明はなかったがもともとは万座温泉ホテルはまず「日進館」としてスタート。その後、ホテルを建設したらしい。
吹雪のなか、歩いていると、タオルが一瞬にして凍りつく。行きに覆われた木造建築の入り口を見つけ、滑り込む。
ここで「鉄湯」と「ラジウム湯」に入れる、とのことだったが二つの湯には同時には入れない。この日は鉄湯が男湯、ラジウム湯が女湯だった。
鉄湯は、苦湯ほど泉質は強くなく、温泉の空気に含まれる適量の硫化水素がゼンソクにとてもよく効くとのこと。リウマチ、神経痛、慢性婦人科疾患、糖尿病、心臓病等に効果がある。
ラジウム湯はラジウム温泉で苦湯と共に神経痛、関節リウマチによく効く。苦湯ほど泉質が強くないため、だれでも利用できる。痛風、糖尿病、高血圧症、慢性皮膚病等によく効く。
だれもここまで入りに来ないようで、鉄湯はとても熱かった。熱いのですぐに出るとものすごく寒く湯舟に入る。すると熱くて出る。大変忙しい入浴だったが、湯舟を独占できてよかった。

一度ホテルから出て少し歩くと別棟に露天風呂の「極楽湯」がある。万座温泉の露天風呂の中で最も景色のよい風呂とのことだが、雪景色一色。風呂に浸かっていると熱いが顔だけ氷の粒が当たって冷たい。
露天風呂の本当のありがたみがわかるのは雪の中かもしれない。

露天風呂もある。手前が姥苦(うばにが)湯。奥がさゝ湯だ。パンフレットによると、姥苦湯は便通をよくし新陳代謝をさかんにし、胆汁の分泌をよくして消化吸収を高め、肝臓疾患、糖尿病、慢性気管支炎等に効果があるという。
さゝ湯はこれに笹を入れたもの。笹の持つ血液浄化作用、細胞活性化作用、免疫活性化作用の追加が期待できるという。
外は吹雪。つららが伸びていたが、温泉は熱かった。

万座・鹿沢口駅から臨時の万座バスターミナル行き直行便が出ていた。表万座スキー場に寄らず、40分ほどで万座バスターミナルに着く。以前は万座プリンスホテル行きだったが、すべてバスターミナル行きになったらしい。料金は1310円と変わらなかった。
バスターミナルに着くと、万座温泉ホテルと万座亭のマイクロバスが迎えに来ていた。2つの宿は至近距離にあるので、どちらのバスに乗っても良いが、万座温泉ホテルのバスに乗った。
ほとんどがスキー客。この日は吹雪で道路は凍結状態。ホテルの道の途中で立ち往生している車もあった。
万座温泉ホテルに着き、日帰り入浴をしたいというと、丁寧に応対してくれた。スキーの泊り客も多い中で、入浴料1000円(タオル付き)の客も大切にしてくれる。とても良いホテルだ。
案内を聞くと「長寿の湯」がホテル内にあり、やや離れた場所に極楽湯(露天)と日進館の鉄湯、ラジウム湯があるという。楽しみだ。湯の特徴を詳しく記したパンフレットをもらって、まず長寿の湯に行った。
湯気がもうもうとしており、何も見えない。外が零度以下で中が温かいので、湯気でいっぱいになる。これを「湯けむり」というのだろう。
姥(うば)湯、苦(にが)湯など様々な湯があるので確認したかったのだが、表示は間近までいかないと見えない。
まず近くの姥湯に入った。パンフレットによると、皮膚病、リュウマチ、神経痛や外傷の後遺症等、さまざまな疾患に効果的とのこと。

次に、滝湯、真湯に入る。滝湯は、適度の高さから温泉が落ちてくる湯。肩を滝の下へ持っていくと自然の温泉マッサージで、リウマチ性疾患(肩や腰の痛み)、関節痛、神経痛、肥満症などに効果があり、疲労回復にも効果があるという。真湯は、普通の湯に近いが、酸がいくぶんか含まれているという。
次に本命の苦湯。 万座最古の温泉の王様で、胃痛、胃炎、神経性胃炎、神経痛、ゼンソク、リウマチに最高の効きめがあるという。苦湯で難病をなおした人は数多く、全国に苦湯のファンが多くいる。故福田首相も苦湯のファンだったという。
温泉分析表によると、源泉名は姥苦湯。泉温は68.5℃。泉質は酸性・含硫黄―マグネシウム・ナトリウム―硫酸塩・塩化物温泉(酸性低張性高温泉)。浴用の適応症は(1)真菌症(水虫)(2)慢性膿皮症(3)慢性湿疹および苔癬(たいせん)(4)リウマチ性疾患(5)トリコモナス膣炎(6)糖尿病(7)体質改善(変調)(8)難治性潰瘍(9)高血圧症(10)動脈硬化症(11)未梢循環障害(12)慢性中毒症(水銀、鉛、砒素など)(13)皮膚掻痒(そうよう)症(14)脂漏性疾患(にきびなど)(15)凍瘡(しもやけ)(16)運動障害(特に神経麻痺)(17)創傷(18)女性性器慢性炎症(19)月経異常(特に無月経、過少月経)(20)ある種の不妊症(卵管通過障害のないものなど)(21)心臓弁膜症(22)胃腸病
まさに万病に効く、という感じ。他の温泉にない適応症が多い。
湯も白濁していて、見た目も効きそうだ。草津は透明な湯も多いが、万座の湯はしっかり白濁していて、硫黄のにおいも強い。
日帰り入浴の受付時間は午前10時から午後4時まで。
JR吾妻線万座・鹿沢口で下車。西武バスで万座に向かう。草津に行ったときの車内ガイドは草津節をバックにしたほんのりした草津案内だったが、「万座ハイウェーはコクドが開発」など、西武グループ色の強い車内案内だった。群馬の観光地はどこもシンプルなのだが、万座はまさに西武王国。
1310円で万座プリンスホテル着。日帰り温泉を申し込む。1000円。
「こまくさの湯」入り口付近はゴルフ場では当たり前の貴重品収納ボックスがあるのだが、操作がわからない人が多く大混雑。やっとのことで順番が来て貴重品を預けて、男湯へ。
湯は硫黄のにおいのする白濁した湯。草津の湯と似ている。男湯は内湯と露天がある。女湯は露天がないようで、勇気のある女性が男湯の「混浴コーナー」につかりに来ていた(女性は「しゃくなげの湯」というのが別にあるらしい。そこに行くと女性も露天を安心して楽しめる)。
露天に入ると遠くに黄色の混じった白い火山ガスが立ち上っているのが見える。「空吹き」と呼ばれている。
標高1800メートルにある温泉。周辺の山々にはまだ雪が残っている。ひんやりした空気の中での露天はなかなか良い気分。
万座温泉は知り合いが群馬の温泉でナンバーワンと言っていたので期待していた。
確かにお湯はいいが、温泉地らしい独特の味わいはなかったのが残念。
冬にスキーに来て、温泉も入れて楽しい、という感じか。リゾート志向のお客にはお薦めだが、ひなびた旅館が好みの人向きではない。

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