山岸笙子・新CD「デジャビュ」の発売記念ライブ(渋谷KO-KO)

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 ライブハウスの渋谷KO-KO(東京都渋谷区道玄坂2-26-5 ひまわりビル2階、03・3463・8226)で行われたジャズピアニストの山岸笙子(しょうこ)のライブに行った。 3枚目のリーダーアルバム「Deja Vu(デジャビュ)」(What's New レーベル)の発売記念ライブだ。

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 「Deja Vu」のメンバー勢揃いだ。

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 山岸 笙子 (Piano & Compose&Arrange)

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 山口友生(gtr)

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 鈴木克人 (Bass)

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 工藤悠 (Drums)

 一緒にアルバムをつくった息の合ったメンバー。病気に負けず元気な姿をみせて、トークも弾んだ山岸。ライブ会場はお客であふれ、とても盛り上がった。

 「Deja Vu」にはMoon River、あかとんぼなどだれもが知っている曲もあり、ジャズをあまり聴いてこなかった人間でも「ジャズっていいな」と聴き入ってしまう。

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 気持ちのこもったやさしいピアノの音色から始まって、ドラムとベースが加わり、曲が弾んでくる。そして、色っぽいギターの音色が加わり、最高潮に。アレンジがジャズの生命線なのだなということが分かる。

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 山岸と男性メンバーたちが、信頼し合っている感じだ。演奏が終わると真剣な表情が崩れ、それぞれの笑顔がさわやかだった。

 テクニックは抜群のメンバーだけに、そこに人間味が加わった演奏は、観客をも一つにしてくれた。

 Reconstructin(復興)は東日本大震災の後に被災地の復興を願って書いた曲。テンポがとてもよく、力強いリズム、素敵なメロディーが明るい未来を感じさせてくれる。ドラムが復興のつち音に聞こえた。いい曲だ。

 今回のアルバムはメンバーの曲や意向もずいぶん取り入れた。

 Flower and Snakesは、ギターの山口友生のオリジナル曲。

 Tributeはクインテットメンバーの間瀬寛子が山岸のために書いた曲。

 Mr. Charlie Parkerは「暗い曲が多いオリジナル曲のなかで明るい曲」と山岸が冗談交じりで紹介したが、「いつも控えめなベースの鈴木克人が、入れましょうと強く推した曲」だそうだ。とてもいい曲で特に、ベースがいい(笑)。

 山岸が「暗い」という曲の代表?Midnight Forest。これは「都会の森」か。引き込まれる曲だ。

 アルバムタイトルにもなっているDeja Vu。Deja Vuと言っても懐かしさより、斬新さを感じる曲。「未来の既視感」といった感じの曲だ。

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 実力派ゲストも登場。山岸の「ポルトガル語の先生」によるボサノバ。

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 津田塾大学時代の同期のボーカル。山岸は通っていたころは津田塾大学の「いい子」というイメージが嫌いだったそうだが、この同期の方も、津田塾のイメージから相当遠かった(笑)。しかし、迫力のある歌声は見事だった。

 山岸が闘病のなか、元気な姿を見せてくれたのはうれしかった。体は大変なはずなのに心技体の充実を感じさせてくれるライブだった。

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POPSの定額音楽配信サービス

 「レコチョクBest」とソニーの「Music Unlimited(ミュージックアンリミテッド)」をお試しで聴いていて、さらに、どちらも本格サービスを続け、やめられなくなっている。

 レコチョクはカラオケの練習にはいいものの、サザンオールスターズとか、松任谷由実とか、井上陽水など、入っていてほしいアーティストの曲がないので、どうかと思ったが、「今」の流行をチェックするには大変便利。実は洋楽でも、しっかり人気アーティストは押さえている。しかも、そのアーティストのベスト10のような紹介をしているので、そのアーティストをまず聴いてみるには便利だ。
 
  「Music Unlimited」は、洋楽の場合、レコチョクとは問題にならないくらいラインアップが充実しているが、あるアーティストをチェックしようと思うと、アルバムが多すぎて、「とりあえず、10曲聴いてみる」といった使い方はしにくい。

 「Music Unlimited」は著名なアーティストのなかでは、ビートルズなど、ゼロではないが曲目が少ないアーティストもいて、そのあたりは定額配信サービスの限界だろう。でも、当然のことながら、マイケル・ジャクソン、レディー・ガガなど傘下のアーティストは充実している。

 一番役に立つのは、ジャズ、レゲエ、ラテンなど幅を広げると、数多くのアルバムが収録されている点だ。昔買っていてホコリをかぶっていた「MUSIC MAGAZINE増刊 ミュージックガイドブック」などで紹介しているおすすめ曲がかなり収録されている。

 今、みんなが聴いている曲をざっと聴くのはレコチョクが優れている。過去の名作も含め、音楽の奥行きと幅を広げるのはMusic Unlimitedがいい。

 月によってサービスをかえてみるのもいいかもしれない。

追記)2014.2.27

 しばらくレコチョクを聴いていたが、ソニーに切り替え、ソニーから離れられなくなった。
 クラシックが充実しているのだ。

 ホームのメニューからはなかなかその充実ぶりが分からないのだが、「検索」で、アルファベットで作曲者目、曲名、演奏者名などを入れると、名盤が見つかることが多い。

 初めは、クラシックの定額配信サービス、ナクソス・ミュージック・ライブラリー (NML) に加入していたが月額1890円は高い。Music Unkimitedは同980円。

 しかもナクソスは、話題になっているような名盤はあまりないが、ソニーは、クラシック通が紹介するようなCDが見つかることが多い。ぴったりのCDが見つからなくても、推薦されている演奏者とオーケストラの組み合わせの別の盤はたいていある。

 Facebookのクラシック好きのグループに入ったものの、これまでは、話題になっているCDをわざわざ買わなければならないので、話に入っていけなかった。でもMusic Unlimitedのおかげで、皆が薦めるクラシックの名演奏を聴けるようになった。

 音楽の定額配信サービスは、「保有する」ことが好きな日本人にはあまり広がっていないようだが、生きている間に聴ければいいのだから、保有する必要は全くない。

 一気にクラシック通のコレクション並みのラインアップが聴けるようになる、定額配信サービスは、ありがたい。

追記)2015.2.27

 Music Unlimitedのサービスが終了する。今後、日本でサービスを開始する見込みのスポティファイを利用すれば、同様のサービスを楽しめるのかもしれないが、「マイライブラリー」に登録したお気に入りのリストが引き継げないのがつらい。

「Music Unlimited」サービス終了のお知らせ

2015年1月29日

平素よりソニーのネットワークサービスをご愛用いただきまして誠にありがとうございます。

このたび、グローバルでのサービス提供形態の変更※1に伴い、クラウドベースの定額制音楽配信サービス「Music Unlimited」は2015年3月29日をもって終了いたします。サービス終了後は、プリインストールされている機器やモバイルアプリケーションを含む、全ての機器上において本サービスがご利用いただけなくなります※2
2015年2月27日時点でサービスをご利用いただいているお客様には、サービス終了日まで自動更新による新たな課金を行うことなくサービスを提供いたします。これに伴い、サービス加入手続きは2月27日をもって終了させていただきます。

本件に関するQ&A、Music Unlimited対応製品およびアプリケーションはこちらをご覧ください。
本サービスの終了に伴い、ご利用のお客様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解を賜りますようお願い申しあげます。本サービスをご利用いただき、誠にありがとうございました。

※1. ソニー・ネットワークエンタテインメントとスポティファイは、戦略的提携を通じて、2015年春から世界41カ国・地域において新しい音楽サービス「プレイステーション ミュージック」の提供を開始いたします。なお、日本国内での「プレイステーション ミュージック」の展開については様々な可能性を検討しておりますが現時点では未定です。関連プレスリリースはこちらをご覧ください。

※2. サービス終了後は、カタログ等の販促物や製品パッケージ、取扱説明書等に本サービスに関する記載がある場合でもサービスはご利用いただけません。また、無料配布の利用権(プロダクトコード)は、有効期限内でも権利が失効いたします。

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岩元ガン子「シャンソン漫談~ピアフの歌と、ピアフの時代」第2回

 東京・銀座8丁目のライブハウス「月夜の子猫/3651」で行われたシャンソン歌手・岩元ガン子の「シャンソン漫談~ピアフの歌と、ピアフの時代」第2回に行ってきた。
 
 「ばら色の人生 La vie en rose」、「愛の讃歌 Hymne à l'amour」などの曲で知られるフランスの代表的な女性シャンソン歌手、エディット・ピアフは、1915年パリ・ベルヴィルに生まれ、1963年、47歳の若さで亡くなった。今年が没後50年にあたるため、ピアフの生涯を歌と語りで紹介する「シャンソン漫談」に取り組むことにしたという。

 岩元ガン子(いわもと・がんこ)は、こんな人――。
 1958年12月13日生まれ。82年立教大学卒業。6歳からモダンダンス、クラシック・ピアノを習い始める。歌は、声楽を安藤英市氏に、ミュージカルをヨシ・イトウ氏に、カンツォーネを荒井基裕氏に、シャンソンを矢田部道一氏に師事。2004年カンツォーネコンクール・コンコルソ入賞、2007年シャンソンコンクール敢闘賞。日本テレビ文化センターなどで、シャンソン・カンツォーネ・ポピュラーソング教室を開催。CD「薔薇天使」(シャンソン・オムニバス)。CMにも多数出演しており、DeNA「モバゲーTVCM~おばさんダンサー編」ではダンスを披露。NHKらじる★らじる番組宣伝ポスターのモデルもしている。

 彼女のコンサートは何回か行ったが、1曲歌う前に、その曲がどんな状況で書かれ、誰が歌ったかなどを克明に語ってくれる。初心者も、また、おそらくはシャンソン通でも、楽しめる知識が披露されて、歌が始まる。
 これはなかなかの才能と思っていたが、ついに語りも売りにする「シャンソン漫談」を編み出した。

 初回は1月19日。シャンソン歌手、ピアフの生い立ちからレイモン・アッソとの出会いあたりまでを語ったそうだが、残念ながら、聴くことができなかった。

 今回が初めての「シャンソン漫談」体験となったが、彼女はシャンソン漫談のために生まれたのではないかと思えるほど、「水を得た魚」だった。

 初回はピアノ演奏家がいて、歌と語りを岩元ガン子が担当したというが、今回は、ピアノも弾く「ピアノ弾き語り」。ライブハウスなので、この形がぴったりだった。うれしいことに、これによりチケットもワンドリンク付きで4700円から3500円にディスカウント。

 13:30開場。14:00開演。
 いま、シニアの間でシャンソンがブームと言う。本当なんだと思った。13:40くらいに着いたのだが、テーブル席はほぼ時間を守るシニアたちで埋め尽くされていた。唯一残っていたピアノに向かって右端の席に陣取った。

 写真付きの資料も用意されていて、会場は明るくしたままで、シャンソン漫談がスタートした。

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 挨拶から――。

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 そのまま漫談になだれ込んだ。

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 ビジュアル資料があってわかりやすかった。

 シャンソン「漫談」というが、それは、ある意味、謙遜で、ピアフに関する「講演会」ともいえる興味深い内容だった。歌がなくても、成り立つような面白いピアフのエピソードの数々と、伝えられる話と「事実」との違い。

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 でも、歌があると、盛り上がる。話が生命力を持ってくる。歌は日本語だが、ピアフの世界がビビッドに再現される。

 今日の話の登場人物はまず、ピアフに歌も文字も教えたレイモン・アッソ。ピアフを殴りながら教育したという。外人部隊の兵士との恋愛をアッソに話し、アッソが作詞したのが「私の兵隊さん(Mon légionnaire)」。

 明日、入隊するといってピアフのもとを訪れたのが、ミッシェル・エメール。彼がピアフに捧げた曲が、「アコーディオン弾き(L'accordéoniste)」。エメールは「すりきれたレコード(Le disque usé)」という曲も作っている。

 映画評論家で作詞家のアンリ・コンテがピアフのために書いたのが「パダム・パダム(Padam Padam)」。このころ、ピアフは薬物中毒で、そのころ聴こえた幻聴がパダム・パダム…。

 ピアフが「自分を上回る才能」を感じていたイヴ・モンタン。彼と過ごしたころ、作詞したのが大ヒットした 「バラ色の人生(La Vie en Rose)」だ。

 以上のような曲を弾き語りで、当時のドラマを交えて披露。とても楽しく、時間はあっという間に過ぎた。

 最後はみんなで「ろくでなし」を歌って、シャンソン漫談、終了。

 良かった!次回、5月18日も来ようと、一緒に行った友人二人と約束した。

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POPSの定額音楽配信サービス、お試し開始

 昨日、「レコチョクBest」、けさ、ソニーの「Music Unlimited(ミュージックアンリミテッド)」に登録した。

 クラシックの定額配信サービス、ナクソス・ミュージック・ライブラリー (NML) はすっかり気に入ってしまった。買い替えた小型車が、Bluetoothが使えて、iPhoneで流れる曲がカーオーディオで聴けることが分かったので、他のジャンルも定額サービスがほしくなっていたところだった。

 どちらもしばらくはお試し期間。ウマが合う方に決めようかと思う。
 「レコチョクBest」は、月額料金980円で100万曲以上が聴き放題。あと14日、無料お試し期間が続く。

 「Music Unlimited 」は洋楽を中心に1300万曲が聴き放題。日本国内向けサービス価格は、3月1日から月額1480円が同980円になった。最初の30日間無料のキャンペーンをしている。でも、こちらは注意が必要。決済登録澄みなので、脱会しないと自動的に課金に変わってしまう。

 その点、レコチョクはお試しが終わってから決済の登録をするので良心的。

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 外国の曲を中心に、見た目、かっこいいウェブデザインの「Music Unlimited」は洋楽を聴くなら最高だが、日本の曲は少ない。

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 一方の「レコチョクBest」は、脱力のピンク色がベースのウェブデザイン。きゃりーぱみゅぱみゅやいきものがかりを聴くならば、おそらくすべての曲が入っているからお得だ。だけど「井上陽水」とかを検索しても出てこない。

 さあ、どうするか。昼飯1食分くらいだからいいのかもしれないが、クラシックと違って、J-POPは、仕事をしながら聴くと、気が散る。でも、年をとったら若人のことも多少は理解しないとな。カラオケで歌えるのはせいぜい尾崎豊まで。いきものがかりを心を込めて歌えるようになろうと思うならレコチョクに入った方がいいかな…。

 いやいや、Music Unlimitedでエディット・ピアフを検索したら、いくらでも曲が聴ける。洋楽は邪魔にならない。ジャズの名曲とかも聴いていきたい。
 いきものがかりなど、いまどきの歌はMusic Unlimitedでも入っている。お。よしだたくろう「たどり着いたらいつも雨降り」もあるじゃないか。いいなあ。

 それに、青山テルマとか、JuJuとか、ぐっとくる歌手の曲はある。
 やはり、大人なんだし、ソニーかな(笑)。

 それにしても、もう、CDとかをたくさん買う必要ない。「所有」から「使用」の時代へ。
 

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トヨタ エスティマ・ルシーダ(ESTIMA_LUCIDA)、19年ありがとう。

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 トヨタ エスティマ・ルシーダ(ESTIMA_LUCIDA)。

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 平成6(1994)年、2月22日から乗り始め、最後の乗りおさめ。母と父の墓参りに行った。ちょうど19年乗った。
 横に寝かしたような形のエンジンを床下ミッドシップに搭載するという当時では画期的な試みをしたクルマで、そのために、運転席、助手席の間がフラットで、車高も高くなかった。

 フルフラットシートにできるので、後部座席をベッドにして、家族を眠らせたまま運んだものだ(厳密に言うと、安全のため、建前では走行中はフルフラットで走らないように言われていたが…)。

 ルーフが電動で開閉でき、開けたまま山道などを走ると、自然と一体化できた。

 4輪駆動は、雪や雨のときに力を発揮した。

 故障することもなく、本当に楽しいクルマだった。思い出が多い。

 ただ、4輪駆動で大きいクルマなので車検代が高く、燃費も悪かった。
 これから年をとっていくと、経済的につらくなるので、大好きなクルマだが、車検の時期になり、買い替えた。

 新しいクルマはトヨタのパッソ(PASSO)。
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 車のナンバーは誕生日の1120にした。

 Bluetoothが実装されていて、とても便利。iPhoneをつないだ。ハンズフリーの通話もできるし、radiko、Podcast、聞き放題のNMLなど、何でもクルマで聴ける。

 キーはカバンやポケットに入れておくだけで、差し込まなくても、ドアの開閉、運転ができてしまうのもすごい!

 クルマの長さが相当違い、バックの感覚が違う。本当は運転は簡単になったはずなのだが、バックだけ苦労している。

 


 


 

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新しい音楽の形を見た! 演奏会「素晴らしき日本人の歌心」

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(クリックすると大きな画像で見られます)

 29日夜、杉並公会堂小ホールで行われた演奏会「素晴らしき日本人の歌心」 (企画・制作、藤本裕一)。 

 サブタイトルに「被災地支援チャリティー演奏会」「Facebookから生まれた演奏会」とあったため、“お友達”が被災者のために“この場限り”で集まって行われる演奏会と思っていた。童謡を中心に古くからの日本の歌をゆっくり聴くのもいいだろう。そう思って出掛けた。

 もちろん、そうした側面もあったが、演奏が進むに従って、どんどん、引き込まれていった。

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 期待!?通り、「夕焼小焼」から公演は始まった。2曲目は瀧廉太郎の「花」。

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 演奏が進み、聴衆の気持ちが温かくなってくるのに合わせるかのように、舞台にも彩りが。

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 藤本さんのフルートは優しく、自由だ。あるときはほかの楽器を引き立て、あるときは自らの感情をそのまま表現する。オリジナルの「黄昏」(初演!)、「Lost Love」も披露。

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 冨田廣佑さんはパーカッション。素手で、リズムを紡ぐ。

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 高木麻衣子さん。


 これはすごい音楽会かもしれない。ジャンルが分からない。ジャズでもクラシックでも歌謡曲でもない。
 フランスに「シャンソン」があるが、これはまさに「日本の歌」。ジャンルにとらわれない、新しいつながりの歌ではないか――。

 この公演を企画、素晴らしい音色のフルートで、どの曲にも気合というか気持ちをしっかり込めてくれた藤本裕一さんが、このメンバーを集め、それぞれの個性を引き出す編曲を行った。個性的なメンバーを見たときに、チャリティーとは言え、それぞれが自己主張を始め、演奏はばらばらになるのではないかと、実は危惧していたのだが、アーティスト一人ひとりが個性を出しながらも、楽しみながら、ハーモニーをつくり出していた。

 彼女が登場してから、コンサートの雰囲気が華やいだ。ヴィオラをアドリブで弾く田中詩織さんだ。
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 “いまどきの女の子”なのだが、ヴィオラの演奏が始まると、弁天様がこの世に降りてきたのかと思うほどの存在感だった。

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 藤本さんも気持ちよさそうだ。

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 大寺航さん。とてもぶっ飛んでいた。「山頭火」は確かに日本の歌だが...。

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 彼女の登場で、このコンサートは生易しい「郷愁のひととき」ではないことが明らかに。

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 真っ赤なドレスのジャズボーカリスト、千景さん登場。

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「様々なジャンルを完璧に歌いこなす数少ない実力派シンガーの一人」と、プロフィールにある通り、谷川俊太郎作詞・武満徹作曲の「死んだ男の残したものは」をうたった後、「涙そうそう」、絢香の「三日月」を歌いこなす。

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 後ろの瀬戸尚幸さん(Electric Bass)。目立たなかったが、コンサートをしっかり支えていた。

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絢香の「三日月」のときに藤本さんがピアノも演奏。

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 菅又-Gonzo-健(Guitar)さん。2012年よりカンボジアの子どもたちの自立支援を目的に、子どもたちにギターを教えている。日本で不要になったギターを集め、カンボジアに届けている。

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 白いドレスの「シンガー、時々ヒーラー」、のがみともみさん登場!

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 「悲しくてやりきれない」「浜辺の歌」のほか、所属するAmbient Groove(アンビエント・グルーヴ)の「青空ふたりきり」を歌う。青空ふたりきりは、3.11の震災前後に作られた曲。

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 終盤は会場も一緒に歌に加わる。

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(クリックすると大きな画像で見られます)
「赤」と「白」が交じり合った「恋のバカンス」。

 「フラッシュを使用しない撮影」は許可されていたため、写真を撮り始めたが、思わずたくさん、撮ってしまった。杉並公会堂小ホールで行われた演奏会だったが、本当は大ホールで聴かせたいようなコンサートだった。

 歌のジャンルは得てして壁となる。その壁を取り払って、一つになる。そのココロが、「素晴らしき日本人の歌心」 であり「Facebookから生まれた」という言葉なのだということが分かった。

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 ジャンルのない、心もミュージシャンも一つになる音楽会だった。参加者一人ひとりがその垣根を取ってくれた。特に、クラシック音楽を演奏する楽器だと思っていた、ヴィオラとフルートの自由で独創的な演奏は印象的だった。
 今後、ジャンルを超えた「日本の歌」のコンサート、広がっていってほしい。

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クラシック本の化石

 部屋を片付けていたら「クラシック本の化石」がたくさん見つかった。
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 『音楽入門』は昭和48年に買っている。
 でも、いつもネックになったのは紹介されたり論評されている音楽を聴かなければ、少しも中身が理解できないのだ。レコードやCDをそのたびに買うことはできず、曲の理解を永年、断念していたのだ。

 ありがたいサービスに加入した。「NML ナクソス・ミュージック・ライブラリー」だ。クラシックを中心とする膨大な音源(CD7万860枚)が聴き放題の、定額制インターネット音楽配信サイトで、月額1,890円で会員登録をすると、全てをノーカットで聴ける。スマートフォンの専用アプリもある。

 これらの本を1ページずつ読みながら、クラシックを聴き(ぴったりの演奏はないかもしれないが)、ものすごく素人っぽい感想をこれから書いていきたいと思う。

 なんでも1万時間取り組めば専門家になれると藤原和博さんが言っているが、音楽は「ながら」ができる。すぐに1万時間くらいになりそうだ。

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がんばれ!前橋市出身のシンガーソングライター、高橋李枝さん

 伊香保温泉のホテル木暮で、前橋市出身のシンガーソングライター、高橋李枝さんが出演するロビーショーを楽しんだ。

 高橋さんの公式ホームページによると、高橋さんは「群馬県前橋市出身。幼ない頃から人前で歌やダンスを披露することが好きで高校時代は歌って踊れるアーティストを目指しジャズ、バレエ、タップ、ヒップホップなど、様々なジャンルのダンスを学びNHK紅白歌合戦でバックダンサーの経験を持つ。その後、県内の様々なスタジオでダンスのインストラクターとして活動する傍ら、結婚式場でウェディングシンガーとして活躍。24歳で作詞作曲に挑戦。2006年8月に、1stシングル『ありがと』で全国CDデビューを果たした」とある。

 まずは温泉旅館でくつろいでいる人たちに、なじみのある曲で楽しんでもらおうと、ハナミズキ、赤いスイートピー、蘇州夜曲などを歌う。生演奏のない“カラオケ”によるコンサートだが、聴衆を引きつける魅力があった。

 しかし、やはり、自らのオリジナル曲が良かった。
 iPhoneで撮影した。

 まずは「Friday Night」。
 「毎日打ち上げをしちゃうくらいお酒が大好き」という高橋さん。でも、郊外の大型店の影響もあって前橋の中心商店街は活気がなく、寂しい。震災後の自粛ムードもあって、週末も人出が少ないが、「週末くらいは外へ出てお酒を飲もうよ!」と思ってノリノリの曲を作ったと言う。、

 サザンの桑田佳祐の歌ような、英語みたいな日本語がいい!
 前橋の中心商店街は、金曜日の夕方になったら、この曲をガンガン流したらいいかもしれない。

 次が「ありがと」。
 自分を支えてくれている家族や仲間に対してのメッセージ。自分が突然この世を去るようなことがあって「ありがと」も言えなかったら嫌だなと思ったのがきっかけだと言う。震災後はそんな気持ちの人が多くなったのではないか。デビュー曲であり、彼女の原点とも言える曲。

 心のこもった歌だった。
 ただ、「あなた」は誰なのだろうと思った。聞く人がそれぞれに「あなた」に「自分の好きな誰か」を当てはめてほしいということなのかもしれないが、逆に、植村花菜「トイレの神様」のように、より具体的なイメージが浮かぶような詞だと、メッセージ性はさらに強まるのではないだろうか。高橋さんと私は年齢差が相当あるようなので、共感しにくいだけなのかもしれないが。

 高橋さんは、群馬発の自主制作映画プロジェクトとして作られた『ソースが恋。』や『虹の街』の主題歌も歌うなど、群馬県を拠点に活動。ロビーコンサートでは「群馬の特産物として高橋李枝の名前も覚えていただければ」と話していた(笑)。

 一方で、ロンドンやバンクーバーでライブを行うなど、「群馬から世界に発信」を目標にしている。

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映画『ショパン 愛と哀しみの旋律』

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(映画館にあったチラシ。クリックすると大きな画像で見られます)

 映画『ショパン 愛と哀しみの旋律』をシネスイッチ銀座で観た。上記チラシにある感想は、恐らく映画を観た人の最大公約数的感想ではないか。

 公式ホームページの「作品紹介」の一部を引用する。
 「2010年に生誕200年を迎えた“ピアノの詩人”フレデリック・ショパン。わずか39年の短い生涯を駆け抜けた彼は、ピアノの可能性と芸術性を飛躍的に高め、現在もピアノ音楽の最高峰と称えられている。祖国ポーランドを離れ、持病の肺病と闘いながらも、情熱的な創作活動を続けたショパン。その彼を支え続けたのは、“恋多き女”として名を馳せた作家ジョルジュ・サンドとの運命的な愛だった――。ポーランドが総力を結集し、ショパンが送った激動の半生と、ジョルジュ・サンドとの世紀のロマンスを完全映画化した『ショパン 愛と哀しみの旋律』。全編に流れる豪華アーティストの絢爛たる演奏、ショパンゆかりのワルシャワ、パリ、マヨルカ島で現地ロケを敢行した撮影など、ショパン生誕200年を締め括るにふさわしい音楽映画の決定版が、満を持しての公開となる」。

 126分の映画。作曲家フレデリック・ショパン(ピョートル・アダムチク)が、男装の麗人として知られる稀代の人気作家、ジョルジュ・サンド(ダヌタ・ステンカ)と出会い、サンドと、サンドの長男、モーリス(アダム・ヴォロノーヴィチ)、長女、ソランジュ(ボジェナ・スタフーラ)との4人の生活が始まる。ショパンにとって15歳年上のサンドは恋人であり同時に母親でもあったのだろう。長男、モーリスは最後までショパンとショパンの才能に嫉妬する。長女ソランジュはショパンに恋心を抱き、母親とは途中から恋敵となる。この複雑な人間関係(事実なのだろうか?)が延々と描かれる。まったく前進しない救いようのない関係。疲れてしまった。
 それでも9年に及んだサンドとの暮らしで(サンドの才媛ぶりは映画からはうかがえなかったが)、ショパンとその音楽は大きな影響を受けたのだろう。普通ならこんな暮らしの中、まともではいられないはずだが、天才はどんな経験でも題材やエネルギーにしてしまう。

 1838年から9年間のショパンの作品を、この映画を思い浮かべながら改めて聴いてみたいと思った。

 公式ホームページの「曲目解説」によると、「ショパンとサンドの“愛のテーマ”と呼ぶべき《ワルツ第19番》と《夜想曲第21番》、ショパンとモーリスの複雑な関係を象徴した《夜想曲第7番》、ショパンとソランジュの“愛”を表現した《夜想曲第20番》……」。これらが“愛と哀しみの旋律”だという。

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YouTubeで広がる音楽ライフ

 YouTubeというと、自分の動画をアップする手段として使っているだけで、ただ観るだけではあまり使っていなかったが、実は音楽のジャンルで活用範囲が広いことが分かり、最近は、YouTubeにはまっている。

 最初の用途は「カラオケ養成ギプス」。あやふやな歌を、さまざまな歌い手のバージョンで練習できるので、カラオケの準備に最適だ。

 例えば――。

 よく口ずさむのだが、完璧には知らないこんな歌があった。
 
 疲れ果てて いることは
 誰にもかくせは しないだろ
 ところがオイラは 何のために
 こんなに疲れて しまったのか

 なんという歌だっけ?

 まずはネットで歌詞を検索。うたまっぷ.comで調べる。

 歌詞の一部を入れて、この歌が「たどりついたらいつも雨ふり」ということが分かった。
 
 作詞、作曲 吉田拓郎
 吉田拓郎も歌っているが、なじみのあるのはザ・モップスが歌ったものだ。

 「ORICON CHART BOOK」(1997年12月11日発行)によると、 東芝EMIから72年7月25日に発売され、最高位は26位。登場週数は28週。売上数は14.4万枚。

 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』の「吉田拓郎」によると、「たどりついたらいつも雨ふり」は、1986年に子供ばんど、1988年氷室京介、1997年山崎ハコ[104]、2008年大友康平などがカバーしている。

 YouTubeを観たら、ザ・モップスの鈴木ヒロミツのほか、吉田拓郎、山崎ハコ、氷室京介などの歌を楽しめた。だけど、断然、鈴木ヒロミツの歌がいい!吉田拓郎も味があるが、鈴木ヒロミツの歌でこの歌が好きになったんだと思う。

 まだまだ、いろいろなミュージシャンがカバーしている。
 大友康平はなかなかいい。KODOMO BANDもまあまあだ。

 お。桑田佳祐も歌っている。
 す、すごい!
 鈴木ヒロミツのご冥福を祈って、ということらしいが、鈴木ヒロミツを超えたかも。
 
 好きな曲を思い浮かべる→調べる→YouTubeで検索して聴く→好きな歌い手で練習する。
 これです!

 二番目の使い方が、音楽関係の本の友として。

 いままで、ずいぶん、クラシックやロック関係の本を買ったのだが、知らない曲の記述があるとそこでストップ。結局一部しか読まないでツンドク状態になっていた。
 YouTubeでとりあえず、本で言及している曲がどんな曲か分かると、音楽関係の本が楽しく読める。

 若い頃は音楽なしでは生きられないというのが普通だった気がするが、最近は音楽なしでも済む生活を続けていた。

 ところが、そのとき、そのときで気になった歌があればすぐに検索できる。
 TPOに合わせて音楽を引き出す。これが三番目の使い方だ。

 例えば潮来に行くときに潮来笠を検索して、口ずさみながらクルマで潮来に向かう。

 著作権がちがちの音楽業界だったが、権利への対応を緩くした先に豊かな音楽の世界が広がってきたと実感する。

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