十三代目市川團十郎白猿襲名披露/八代目市川新之助初舞台 十二月代歌舞伎

 十三代目市川團十郎白猿襲名披露/八代目市川新之助初舞台 十二月代歌舞伎を観た。

 花道のすぐ横、前から6列目の席で、十三代目市川團十郎白猿、八代目市川新之助が見得を切る堂々とした姿を見た。十三代目團十郎がいま誕生し、十四代目團十郎の誕生も間違いないという歴史の一場面を見る思いだった。

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 歌舞伎のチケットは高価で、そうそう観ることはできない。だから「節目」や「新作」のときに観てきた。

 現在の歌舞伎座の前の歌舞伎座で行われた2010年4月の歌舞伎座さよなら公演「御名残四月大歌舞伎」は運良く観ることができた。十二代目團十郎や中村勘三郎も健在だった。

 2014年5月には今の歌舞伎座で「團菊祭五月大歌舞伎~十二世市川團十郎一年祭」を観た。

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 そして、コロナ禍で遅れていた十三代目市川團十郎白猿襲名披露と八代目市川新之助初舞台の公演を花道近くで見ることができたのだ。 

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 演目と主な配役は以下の通り。

一、其俤対編笠 鞘當(さやあて)

不破伴左衛門     松緑

仲居 おえん              猿之助

名古屋山三      幸四郎

     

二、京鹿子娘二人道成寺(きょうかのこむすめににんどうじょうじ)

鐘供養より『歌舞伎十八番の内 押戻し』まで

大館左馬五郎     團十郎

白拍子花子      勘九郎

白拍子花子      菊之助

 

三、歌舞伎十八番の内 毛抜(けぬき)

八代目市川新之助初舞台相勤め申し候

粂寺弾正       初舞台新之助

秦民部        錦之助

八剣玄蕃       右團次

小原万兵衛      芝翫

小野春道       梅玉

 

 鞘當は、桜満開の吉原が舞台。松緑、幸四郎に猿之助が絡む豪華な布陣で楽しませてくれた。

 この後、20分の休暇時に、やぐらの襲名弁当(2500円)を黙食で席で食べる。  

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  京鹿子娘二人道成寺は勘九郎と菊之助の白拍子花子の舞が素晴らしかった。特に菊之助の女形はものすごく色っぽかった。

 團十郎が花道に登場すると劇場は大いに盛り上がった。ちょうど席の前で見得を切ってくれた。唸り声まで聞こえる。こんな間近で観られるとは。涙が出た。

 歌舞伎十八番の内 毛抜は、八代目市川新之助の初舞台。

 驚きの表現が可愛い。台詞も多いのに見事に観客を惹きつけた。ラストの花道での口上と見得は、将来の十四代目團十郎が見えた!まだ9歳なのに、いつの間にか、父親と対等に並んでいる感じだ。歴史の一場面の目撃者になった気分だ。

 これからの新之助が本当に楽しみだ。

 團十郎が最後の芝居に登場しなかったのはやや寂しかったが、息子の花道に割り込む気がなかったのだと思う。

 

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映画「キネマの神様」

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 山田洋次監督の映画「キネマの神様」を観た。

 沢田研二主演の「土を喰らう十二ヵ月」を観て、菅田将暉と沢田研二が主演を務める「キネマの神様」を観たくなった。

 この映画、もともとは菅田将暉と志村けんのダブル主演だったが、志村けんの急逝で沢田研二が現代のゴウの役を演じることになった。しかし、菅田の熱演に少しも引けを取ることなく、沢田は見事に現代のゴウを演じ切ったと思う。

 孫がのちに祖父の才能を見出す「キネマの神様」の脚本。その脚本の映画化は、思い通りのカメラワークや演出ができず、中止になる。その後のゴウについてはこの映画の中では描かれていないが、酒とギャンブルに明け暮れる毎日だったようだ。そんな「かつては光り輝いていたが、今は情けないジジイ」を沢田研二は見事に演じていた。

 人生100年時代の歩き方を取材しているが、晩年の生き方は、当然、若い頃の生き方のつづきである。若い頃の思いがどれだけ実現できているかは、人それぞれだが、晩年に何を思って生きるかで、若い頃を含めたその人の人生の価値が決まってくると思っている。

 孫との共同作業でかつて映画化ができなかった脚本をアップデート。その結果、これまでの後悔の思いや周りに対する感謝の念などが全てがアップデートされる。

 セカンドステージ、余生などいろいろな言葉があるが、晩年は、おまけではなく、その人の一生の価値を決める総決算の時期ではないのか。そんな思いを確信に変えてくれる映画だった。

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映画「土を喰らう十二ヵ月」

 沢田研二主演の映画「土を喰らう十二ヵ月」をシネスイッチ銀座で観た。

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 人里離れた信州の山荘で野菜を植えたり、山菜やタケノコを獲ったりして一人暮らす作家のツトム(沢田研二)の12ヵ月を描く。

 野菜の土を落とし、念入りに洗う。米をしっかり研ぎ、釜で炊き上げる。一つひとつの動きに心がこもっていて、毎日の暮らしを大事にしている様がよくわかる。

 抹茶を点てたり、来客に梅酢のジュースを振る舞ったりする時の所作も綺麗。

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 四季の移り変わりも美しいがその中で生きるツトムの生き様が凛としていて気持ちがいい。

 死線を彷徨った後は、夜寝る時に、二度と起きることがないことを覚悟して眠りにつき、目が覚めると新たな気持ちで1日を過ごす。余計なことは考えず、1日1日を生き切ることで不安を払拭する。

 シンプルに生き、暮らして、夜はペンを走らせる。こんな生き方ができたらいいなと感じた。

 私は農作業もし、茶道や俳句、山歩きで四季を感じるなど、ツトムの生き方に共感できる程度には、自然や伝統的な生活文化に触れて生きている。仕事のために暮らしを犠牲にするのではなく、仕事も生活と一体で進める様子を見て、「この生き方に賛成!」と強く思った。

 沢田研二が優しさ溢れる初老の男になっているのを見て、いい歳の取り方をしているなーと感心もした。

 


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二兎社「歌わせたい男たち」(永井愛作・演出、東京芸術劇場シアターイースト)

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 二兎社の「歌わせたい男たち」を東京芸術劇場シアターイーストで観た。もともとは12月3日に観る予定だったが、関係者に新型コロナ感染者が出たと言うことで公演は中止になり、今日に振り替えて観た。

 2005年の初演。2008年に再演された。高校の卒業式での君が代斉唱をめぐる教育現場のドタバタ劇だ。

 教育委員会の指導通り生徒を起立させて君が代を歌わせたい校長(相島一之)と、校長が説得しても「君が代斉唱では起立しない」と言い張る社会科の教師(山中崇)。その間に挟まれて右往左往する元シャンソン歌手の音楽講師(キムラ緑子)。話題作の14年ぶりの再演ということで東京芸術劇場のシアターイーストは満席だった。

 しかし、「なぜ今、この作品を上演するのだろうか」と正直思った。

 かつては起立して君が代を斉唱することは憲法の思想・良心の自由に反すると校長の命令を聞かない教師も多く、この問題はマスメディアでも再三取り上げられた。しかし、校長が君が代を斉唱するように命令することは憲法19条に違反しないといった最高裁判決なども出て、最近は君が代斉唱に反対する教育現場のニュースはあまり聞かない。

 作・演出の永井愛さんはタイムリーなテーマを演劇にする達人だが、なぜ今?

 この疑問は、芝居を見ていくにつれ、だんだんとけてきた。

 「いやだと思って歌っても内心の自由は侵されない」。もっともらしい校長の演説が決め手だった。そんなわけないじゃないかと思ったが、「空気を読む」ことが得意になった現代人は、思っていることは内に秘め、軋轢は避けて、表向きは従う、という行動パターンをとることが当たり前になってしまったのではないか。

 意見の対立があって、教育現場が騒然となっていたころのほうが、むしろ健全だったのではないか。「君が代斉唱の強制は問題がある」と思ってもことを荒立てない。処分されてはたまらないと、反対論や許せないと言う気持ちを内に秘め、何事もないように振る舞っているだけではないか。

 そう考えるととても怖くなった。

 新聞社では社会部にいたこともあったが、人が死ぬとが、対立が起こるとか、「事件」が起こらないとなかなかニュースにはしづらい面がある。だから、関係者がだまってしまったら、社会問題は見えなくなってしまう。被害者やおかしいと思う人が声をあげてくれないと、問題が存在しないことと同じになってしまうのだ。

 内心おかしいと思いながら仕事をしたり暮らしていれば精神が病んでくる。「内心の自由」とは、思っていることを誰かに話したり、なんらかの方法で公にする「表現の自由」を伴ってこそ、成り立つ。

 ウクライナ侵攻について、憂いているソ連の国民は多いのかもしれないが、迫害を恐れて、大多数の国民は何も言えない。何も言えないというのは内心の自由があるとは言えない。

 SNSが発達し、だれもが意見を発信できるようになったと言われるが、実態は反対意見があるような問題については積極的に発信する人は少ない。反対の意見を持つ人たちの攻撃にされされ、炎上するリスクも大きいからだ。

 物が言えない時代。何も問題がないように表面的には見える時代。

 永井愛さんはそんな時代を憂いて、「歌わせたい男たち」を再演したのだと思う。

 とてもタイムリーな芝居だった。

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 永井愛さん、面白かったです。

 劇の最後。「聞かせてよ、愛の言葉を」という歌が流れた。

 勇気を盛って、心の言葉を聞かせたいし、努力して声なき声を拾いたい。

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伝統文化となごみの広場が室礼研究家の山本三千子さんを講師に招き、室礼の勉強会

 特定非営利活動法人 伝統文化と和みの広場(三鷹市)が、12月4日、三鷹市にある高橋和子代表の自宅で室礼(しつらい)の勉強会を行った。講師の室礼研究家、山本三千子さんが、「お正月の室礼」として正月らしい飾りや盛り物を和室に展示。それを解説しながら、季節の「もの」に言葉や心をどのように盛っているのかを解説した。

 お茶のお点前でもてなしていただいた後、会場に入ると、玄関や広い和室に正月らしい飾り付け。新年の集まりに来たような気分になった。

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 一富士二鷹三茄子。りんごが「ふじ」。

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 玄関には、神社のすずに見立てた晩白柚(ばんぺいゆ)を使った盛り物。

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 皿に盛った緑色の大きな実が東岸。正面が蒟蒻芋

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 床の間。真ん中に飾られているのは仏手柑(ぶっしゅかん)。

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 鶴と亀。

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 山本さんは「最近の住宅は床の間や神棚など、ご先祖様、神様と交わる祈りの空間がなく、そんな環境で伝統的なものをどう繋げていくかが難しい」と話した。

 山本さんは新潟県十日町の出身。縄文土器が出土する地であり、米作が盛ん。冬は雪に覆われていた地域だ。

 そんな山本さん。1985年の群馬県での日航機墜落事故で夫を亡くした。その一周忌で南宋瓶華といういけばなの流派の家元が「まな板るようなものが床の間に盛っているのを見て驚き」室礼に関心を持ったと言う。

 

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 芽の出たカブを取り出して、盆に盛る。これは「おめでとう」という意味がある、と話す。

 このように、日本人は、「ものに想いを寄せて、伝えできた」と山本さん。その後もものにどんな想いを託しているのかを解説してくれた。

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 柑橘類の盛り物は吉に通ずる。

 冬瓜のつるは、万代に続くという繋がりを表している。

 門松は、ご先祖様や神様を「待つ」。

 美しさやデザインだけを考えて盛り物を作っているわけではなく、そこに言葉や心を盛っているのだ。

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 お盆は女性を表す赤(朱色)と男性を表す黒が表裏になっており、男女和合を示しているという。

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 五色の紐。五色は陰陽五行で、いろいろな意味を持つ。青は春であり、「仁」を意味する。同様に、赤は夏、「礼」。黄色は土用、「信」。白は秋、「義」。紫(黒)は、冬で「智」。

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 衣食住のあらゆる分野。着物、野菜や果物、そして床の間や道具などをすべて使って気持ちを表現する。

 おおもとにあるのは、お天道様の光と大地、水。これによって人々は果実を得る。カ(日、火)とミ(水)で神なのだという。土着の精神。

 初めて聞いたお話なので、十分理解できたわけではないが、あまりに細分化された現代人の生活を、室礼の心で一つにすることは、心の安定や人々の活力を高めるために、とても重要と感じた。

 お話の後、先生に私が農業をしていることを話すと、たとえばネギはねぐ(祈ぐ)に通じるということを教えてくれた。土の中のネギは真っ白。こころを真っ白にして祈るということなのかもしれない。

 う〜ん。奥が深い。農作業、茶道、俳句なども一つに繋がってきた。室礼は、実は家の中のことを指すだけでなく人の生活全般を整える知識なのだと思った。

  とても面白いお話だった。

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映画「言の葉の庭」

 U-NEXTに、「繊細なタッチで紡がれる映像美…新海誠監督」という特集があった。

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 早速、そのなかの「言の葉の鶏」を見た。

 まず、映像の美しさに驚く。

 雨や水の表現が、並外れてすごい。実写かと思うようなカットも多々あった。

 一つ一つのカットを見ているだけで幸せになる。

 言の葉、実写のような映像。俳句のようなイメージの世界。その中にストーリーがまぶされる。そんな見たこともない映画。

 そして、ラストで泣いた。

 新海誠、やはりただものではない。他の作品もみな、見てみたい。



 

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映画「花束みたいな恋をした」

 大竹伸朗展の会場で見た21世紀のBUG 画家 大竹伸朗」をもう一度みたいと思い、ネットで調べたら、「動画配信サービスU-NEXT(ユーネクスト)で見られるとの情報がネットにあったので、1カ月無料体験を始めた。ところが、残念ながら見つからなかった。

 そこで、最低何か一つは見ておきたいと、面白そうな作品を探した。

 U-NEXTは、見たい作品を探すには、とてもいい沢はますあることがわかった。

 いろいろな切り口で作品を紹介しているのだ。

⚫︎「日本アカデミー賞2022」受賞作

⚫︎恋は胸キュンだけにあらず!ときとしてほろ苦し...

⚫︎キュート爆弾炸裂!有村架純にノックアウト

⚫︎大ヒット映画『はな恋』&麦と絹のウォッチリスト

⚫︎邦楽×本日の再生数ランキング

⚫︎若きカメレオン俳優・菅田将暉が大ブレイク中!

⚫︎個性派映画館テアトル新宿公開のヒット作!

 このドラマに当てはまる映画が「花束みたいな恋をした」だった。

 履いている靴も、好きな作家も、アニメやゲームも、全て一致。これ以上気が合う二人はいないのではないかと思える二人のラブストーリー。これは、現代の癒しの映画かと最初は思った。

 ところが、「生活」が、男を変え、ピッタリ重なっていた二人がずれてくる。

 就職した麦くんの関心は、自己啓発やビジネス分野に向かい、才能も感性も豊かだったはずの男が「その他大勢」の男になっていく。一山いくらという感じの…。

 これは男にとって大変辛い映画だった。

 しかし、会社を退職した今の私の視点で見ると、だからこそ自分らしく生きなければと強く思わせてくれる映画だった。もちろん65歳で会社を退職した後も、仕事一途の生き方は不可能ではない。そういう人も多いだろう。けれど、ビジネス書や自己啓発書につい手が伸びることはない。本を読み聞かせてくれる「audible 」は、そんなタイトルばかりで、「花束みたいな恋をした」の人が変わった麦くんのような男がきっと多いのだろう。

 そんな二人の出会いの頃の関係を取り戻すには?

 深ーい日本社会の問題をわかりやすく示してくれた作品だった。

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第103回草月いけばな展「草月ってなんだろう?What’s SOGETSU」

 日本橋高島屋S.C.本館8階ホールで開かれた第103回草月いけばな展「草月ってなんだろう?What’s SOGETSU」を見た。草月のいけばなは『型』にとらわれることなく、常に新しく、自由にその人の個性を映し出します。いつでも、どこでも、だれにでも、そして、どのような素材を使ってもいけられるのが草月流。いけ手の自由な思いを花に託して、自分らしく、のびやかに花をいけていきます」(蒼月ホームページ)。

 この言葉の意味するところが実際にわかる面白いいけばな展だった。

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 かつていけばなというと、良妻賢母になるためのお稽古の一つというイメージが強かった。茶道も一緒。

 でも、「草月ってなんだろう?」のチラシを見ると、「花の力、無になれる時。」「未来に向かって生きる力」「創造と活力の泉」など、自己実現、活力を得る手段として捉えている人が多いことがわかる。この感覚は茶道の稽古を始めたばかりの私の茶道への思いとも一致する。人を型にはめるものではなく、人を花開かせるアートがいけばななのかな?と思い、展示室を歩いた。

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 まるで宇宙船の中でいけられているような作品。こんな未来的な表現もあるのだなと驚いた。

 一方で、残念ながら「いかにも作りもの」という作品もあった。芸術的な作品か、チャチな作り物かは、紙一重の差なのかなと思った。抵抗なく受け入れられるのは、人の手が入っても自然に見えるかどうか、が一つのポイントと感じた。

 会場の作品は、①おっと思うアート作品②ありきたりのいけばな③いかにも人工的な作りものーーの3つに分かれると感じた。

 ここでは①のアート作品として面白いと思ったものだけを紹介する。

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 会場は、人、人。とても人気のある展覧会だった。

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 家元の勅使河原茜さんの作品。

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 最後が高校の大先輩の作品。両隣の作品と比べると、味わいが違う。

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 自由で創造性が発揮された作品を堪能した。

 草月作品の良さは、何も考えず、感じることが出来たこと。

 美術館に展示される現代アート作品を見ると「この作者は何を表現しているのだろう?」「テーマがわからない?」「訳がわからない」となるのだが、素直に感じて面白いか、好きか嫌いかで、見ることが出来た。素朴に楽しめるアート。それも草月、なのだと思った。

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ドラマ「アキラとあきら」

 Netflixで、ドラマ「アキラとあきら」(全9話)を観た。

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 原作は、池井戸潤の経済小説。なぜ今まで知らなかったのだろうと思い、調べると2017年7月から9月までWOWOW 「連続ドラマW」枠で放送されたという。

 竹内涼真と横浜流星が主演する映画「アキラとあきら」が公開され、ドラマもあるじゃないかと気づいて、たまたま観たが、「半沢直樹」に勝るとも劣らない面白さだった。

 物語は1970年代前半から2000年代前半の約30年間、オイルショックからバブル期を経て、失われた10年を背景としている。

 融資を求める企業役と融資を審査する銀行役に分かれて行う新人研修のシミュレーションゲームで、銀行マンとしての二人の卓越したセンスが発揮される。それだけでなく、彼らは過去にも二度、会っていた。運命的な二人は最後に経営危機に陥る企業のトップ、銀行の融資責任者という立場でタッグを組む。

 とにかく向井理と斎藤工がかっこいい。銀行は一時、企業や社員を助けるためではなく、金を儲けるために(絶対に損をしないように)貸すような姿勢になっていたが、二人はあくまでも、社員を路頭に迷わせないための策を考えに考える。銀行の本来の在り方も指し示す、気持ちの良いドラマもだった。

 半沢直樹は「倍返し」や毒のあるキャストなどで話題になったが、「アキラとあきら」は大河ドラマのようなスケール感もある、正統派のとても面白いドラマだった。


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静嘉堂@丸の内「響きあう名宝ー曜変・琳派のかがやき」

 東京都世田谷区にあった静嘉堂文庫美術館が展示 ギャラリーを丸の内の重要文化財、明治生命館(東京都千代田区)1 階に移転。10月にオープンした。開館記念展となる「響きあう名宝ー曜変・琳派のかがやき」を観た。

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 ガラス天井の広場(ホワイエ)をぐるりと4 つの展示室が囲む。一度全体を見終わった後、もう一度見たい作品に行きやすいのがいい。

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 茶道具の名品、琳派の屏風・絵皿、羅漢を描いた南宋から元時代の中国の屏風などを鑑賞した。

 中でも、曜変(茶碗の内面に浮かんだ大小の斑紋の周囲に青から藍に輝く光彩があらわれた)天目、油滴(大粒の油滴斑が碗の内外にあらわれている)天目の両茶碗は、偶然が生んだ意匠は神秘的で、魅了された。

 酒井抱一の絵手鑑(画帖)、尾形光琳の「鵜舟図」は、美しさと同時に愛を感じる絵で親しみを持った。

 寛永の三筆と知られる本阿弥光悦の味わいのある書にも惹かれた(草木摺絵新古今和歌集巻)。

 


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