二兎社「歌わせたい男たち」(永井愛作・演出、東京芸術劇場シアターイースト)

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 二兎社の「歌わせたい男たち」を東京芸術劇場シアターイーストで観た。もともとは12月3日に観る予定だったが、関係者に新型コロナ感染者が出たと言うことで公演は中止になり、今日に振り替えて観た。

 2005年の初演。2008年に再演された。高校の卒業式での君が代斉唱をめぐる教育現場のドタバタ劇だ。

 教育委員会の指導通り生徒を起立させて君が代を歌わせたい校長(相島一之)と、校長が説得しても「君が代斉唱では起立しない」と言い張る社会科の教師(山中崇)。その間に挟まれて右往左往する元シャンソン歌手の音楽講師(キムラ緑子)。話題作の14年ぶりの再演ということで東京芸術劇場のシアターイーストは満席だった。

 しかし、「なぜ今、この作品を上演するのだろうか」と正直思った。

 かつては起立して君が代を斉唱することは憲法の思想・良心の自由に反すると校長の命令を聞かない教師も多く、この問題はマスメディアでも再三取り上げられた。しかし、校長が君が代を斉唱するように命令することは憲法19条に違反しないといった最高裁判決なども出て、最近は君が代斉唱に反対する教育現場のニュースはあまり聞かない。

 作・演出の永井愛さんはタイムリーなテーマを演劇にする達人だが、なぜ今?

 この疑問は、芝居を見ていくにつれ、だんだんとけてきた。

 「いやだと思って歌っても内心の自由は侵されない」。もっともらしい校長の演説が決め手だった。そんなわけないじゃないかと思ったが、「空気を読む」ことが得意になった現代人は、思っていることは内に秘め、軋轢は避けて、表向きは従う、という行動パターンをとることが当たり前になってしまったのではないか。

 意見の対立があって、教育現場が騒然となっていたころのほうが、むしろ健全だったのではないか。「君が代斉唱の強制は問題がある」と思ってもことを荒立てない。処分されてはたまらないと、反対論や許せないと言う気持ちを内に秘め、何事もないように振る舞っているだけではないか。

 そう考えるととても怖くなった。

 新聞社では社会部にいたこともあったが、人が死ぬとが、対立が起こるとか、「事件」が起こらないとなかなかニュースにはしづらい面がある。だから、関係者がだまってしまったら、社会問題は見えなくなってしまう。被害者やおかしいと思う人が声をあげてくれないと、問題が存在しないことと同じになってしまうのだ。

 内心おかしいと思いながら仕事をしたり暮らしていれば精神が病んでくる。「内心の自由」とは、思っていることを誰かに話したり、なんらかの方法で公にする「表現の自由」を伴ってこそ、成り立つ。

 ウクライナ侵攻について、憂いているソ連の国民は多いのかもしれないが、迫害を恐れて、大多数の国民は何も言えない。何も言えないというのは内心の自由があるとは言えない。

 SNSが発達し、だれもが意見を発信できるようになったと言われるが、実態は反対意見があるような問題については積極的に発信する人は少ない。反対の意見を持つ人たちの攻撃にされされ、炎上するリスクも大きいからだ。

 物が言えない時代。何も問題がないように表面的には見える時代。

 永井愛さんはそんな時代を憂いて、「歌わせたい男たち」を再演したのだと思う。

 とてもタイムリーな芝居だった。

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 永井愛さん、面白かったです。

 劇の最後。「聞かせてよ、愛の言葉を」という歌が流れた。

 勇気を盛って、心の言葉を聞かせたいし、努力して声なき声を拾いたい。

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映画「花束みたいな恋をした」

 大竹伸朗展の会場で見た21世紀のBUG 画家 大竹伸朗」をもう一度みたいと思い、ネットで調べたら、「動画配信サービスU-NEXT(ユーネクスト)で見られるとの情報がネットにあったので、1カ月無料体験を始めた。ところが、残念ながら見つからなかった。

 そこで、最低何か一つは見ておきたいと、面白そうな作品を探した。

 U-NEXTは、見たい作品を探すには、とてもいい沢はますあることがわかった。

 いろいろな切り口で作品を紹介しているのだ。

⚫︎「日本アカデミー賞2022」受賞作

⚫︎恋は胸キュンだけにあらず!ときとしてほろ苦し...

⚫︎キュート爆弾炸裂!有村架純にノックアウト

⚫︎大ヒット映画『はな恋』&麦と絹のウォッチリスト

⚫︎邦楽×本日の再生数ランキング

⚫︎若きカメレオン俳優・菅田将暉が大ブレイク中!

⚫︎個性派映画館テアトル新宿公開のヒット作!

 このドラマに当てはまる映画が「花束みたいな恋をした」だった。

 履いている靴も、好きな作家も、アニメやゲームも、全て一致。これ以上気が合う二人はいないのではないかと思える二人のラブストーリー。これは、現代の癒しの映画かと最初は思った。

 ところが、「生活」が、男を変え、ピッタリ重なっていた二人がずれてくる。

 就職した麦くんの関心は、自己啓発やビジネス分野に向かい、才能も感性も豊かだったはずの男が「その他大勢」の男になっていく。一山いくらという感じの…。

 これは男にとって大変辛い映画だった。

 しかし、会社を退職した今の私の視点で見ると、だからこそ自分らしく生きなければと強く思わせてくれる映画だった。もちろん65歳で会社を退職した後も、仕事一途の生き方は不可能ではない。そういう人も多いだろう。けれど、ビジネス書や自己啓発書につい手が伸びることはない。本を読み聞かせてくれる「audible 」は、そんなタイトルばかりで、「花束みたいな恋をした」の人が変わった麦くんのような男がきっと多いのだろう。

 そんな二人の出会いの頃の関係を取り戻すには?

 深ーい日本社会の問題をわかりやすく示してくれた作品だった。

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映画「ひまわり」

 映画「ひまわり」Amazon Prime Videoで見た。

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 50周年HDレストア版が完成して、きれいな映像で見られるようになったらしい。そのホームページによるとーー。

 日本人が愛した、映画史に残る永遠の名作。最新のデジタル技術で修復されてあざやかに蘇る。

  見渡す限りに広がった一面のひまわり畑。ソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニの競演、ヘンリー・マンシーニの甘く切ないテーマ曲に彩られた本作は1970年の洋画興行ランキング5位を記録し、イタリア映画としては異例のヒットに。以来何度も劇場公開され、そのたびに映画ファンの心をつかんできた。

 カンヌ映画祭パルムドール、アカデミー賞®外国語映画賞などに輝く世界的巨匠ヴィットリオ・デ・シーカ監督による、涙あふれる悲しい愛の名作が、公開から50年の時を経てHDレストア版として復活。広大なひまわり畑はウクライナの首都キエフから南へ500キロほど行ったへルソン州で撮影された。東西冷戦当時にヨーロッパの国がソ連で映画撮影をすることは珍しく、積極的に映画撮影に協力した政治的背景も興味深い。

  『ひまわり』は日本はもとより、イタリア本国でもオリジナルネガが消失しておりポジフィルムしか存在しない。日本で2011年、2015年に続き今回3回目の修復を行った。最新技術を駆使し、映像に関しては画面上の傷を除去して、明るさや色の揺らぎなどの症状を改善。音響に関しては、モノラル作品でありながら、周波数ごとに音を拾い出し、最新のノイズリダクション技術で雑音を除去。オリジナルに近い仕上がりになった。現時点で世界最高のクオリティでスクリーンに帰ってくる。

 ストーリーも、同ホームページが簡潔にまとめている。

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 第二次世界大戦下、陽気なアントニオ(マストロヤンニ)と結婚したナポリ女のジョバンナ(ローレン)は、夫を戦争に行かせないために狂言芝居までするが、アントニオは地獄のソ連戦線に送られてしまう。

 終戦後も戻らない夫を探すために、ジョバンナはソ連に向かい夫の足跡を追う。しかし、広大なひまわり畑の果てに待っていたのは、美しいロシア娘と結婚し、子供に恵まれた幸せなアントニオの姿だった…。

 冒頭の二人のイチャイチャぶりは引いて見ていたが、それも後半の深い悲しみの伏線だったとわかると、この映画は直球勝負なんだなと理解した。かつての名作は、こうした直球勝負の作品が多かった。改めて他の作品も見ていきたいと思った。

 ジョバンナは、普通なら夫は戦死したと諦める状況なのに、戦後、ソ連まで夫を探しにいく。そこで、夫が戦死したよりも辛い場面と出くわす。二人の運命は戦争で大きく変わってしまうのだったが、再会して、語り合ったことは、それぞれが新しい人生を生きる中でも、決して無意味な経験にはならなかったのではないか。そう思わせてくれる映画だった。

 ロシアのウクライナ侵攻がきっかけでこの映画を見たいと思った。

 ウクライナで撮影されたとされるひまわりが一面咲き乱れるシーン。ウクライナの空気感を感じることができた。 

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AZLM CONNECTED CAFE(東京・渋谷)

 渋谷のハチ公近くの渋谷地下街に、ショールームのような喫茶スペースを見つけた。

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 AZLM CONNECTED CAFE(東京都渋谷区道玄坂2-2-1)だ。

 充電もでき、飲み物は全て99円。タピオカ黒糖ミルク、ハニーバナナジュースなど、なかなかいける飲み物も99円。

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 支払いに現金が使えないーーというところで顧客を選別しているようだ。初めてPayPayを使った。

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 ポケモンGOのジムが集まるハチ公近くの地下に、ゆっくりレイドバトルができる喫茶スペースがないかと探していて見つけたのだが、最近流行りの「売らない店」のようだ。

 陳列している商品は、店では買えずQRコードでそれぞれの販売サイトにアクセスする。

 例えば、食べられるお茶ティート。QRコードを読み取ると、にちにち悠々オンラインセレクトショップに繋がった。

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 サービス満点だし、面白い商品がたくさんあるのだが、こういう店が増えてこないと利用の仕方がわらないのではないかと感じた。

 しかし、とてもいいスペース。ハチ公に代わる待ち合わせにも利用したい。


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映画「つむぐもの」

 犬童一利監督の映画「つむぐもの」を観た。

 韓国人女性のユナがワーキングホリデーで、日本の和紙職人の工房を訪れるが、職人は脳の病気で手が不自由になり、要介護状態に。結果的に彼女はヘルパーの役割をせざるを得なくなる。

 介護施設にも所属して職人の世話をするが、言葉が通じない中でも、次第にユナと職人の剛生は、心が通い合ってくる。酒を酌み交わしたり、郊外へ出かけたり…。

 ユナの介護は「安全につつがなくこなす」介護ではない。剛生の和紙への想いを理解したうえで、剛生の生きる喜びを引き出すような介護を始める。それを、家族は全く理解できないが、要介護状態になっても、人として素のままで触れてくれるユナの心遣いに、剛生も、不自由な体を使い、生きる力を振り絞って最後の和紙作りに挑む。

 介護は辛いもの。だから頑張ってと、仲間の介護福祉士が言うと、「タケオの介護は楽しいよ」と答えるユナ。目先のことにとらわれて、大切なものを見失っている可能性のある、要介護者を世話する人たちに、ぜひ見てほしい映画だった。

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NARUTO -ナルト- 疾風伝+THE LAST -NARUTO THE MOVIE-

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 Netflixで「NARUTO -ナルト- 疾風伝」(風影奪還編〜外伝編、221話〜720話)を全て見た。大人気アニメを何年も遅れて見ての感想。ピント外れではないの?とも言われそうだが、現代忍者漫画の不朽の名作だけに、どうしても感想を書きたくなった。

 「NARUTO -ナルト- 疾風伝」、忍界大戦編⑺の「和解の印」が事実上の最終回と言える内容だったが、その後の外伝編で、ナルトとヒナタの結婚式があり、和気あいあいのストーリー。登場人物たちのキャラも熟知した後だったので、楽しめたものの、「戦争の後、いきなり結婚?」という違和感はあった。

 しかし、シネマカフェ(cinemacafe.net) での原作者・岸本斉史氏のインタビューを読んで、納得した。

 劇場版『THE LAST -NARUTO THE MOVIE-では、原作の「699話」(忍界大戦の終結、ナルトとサスケの和解)と最終「700話」(その十数年後)の間の空白の時間が描かれるというのだ。

「この映画は、あの戦争から2年後の世界を描いてて、言ってしまえばナルトとヒナタがどうやってくっつくに至るかを描いてはいるんですが、別の言い方をすると、初期の頃からずっとサクラのことを『好き』と言い続けてきたナルトとサクラの“訣別の物語”でもある。最終回を読んだ読者の方が抱いた疑問やモヤモヤをここでキッチリと解消し、すっきりしてもらえると思います!」。

 早速、『THE LAST -NARUTO THE MOVIE-』を見て、感動。この作品こそが、ジグソーパズルの最後の、そして最も重要なピースであることがわかった。

 戦争に明け暮れ、「強者の論理」が支配するなかで、ナルトは仲間を大事にし、敵とも話をし、最後は通じ合ってしまう。イソップ寓話の『北風と太陽』の太陽がナルトだ。

 でも。

 そんなナルトに、「偉くなりすぎ」と、疾風伝を見終わった後、どうしても感じてしまっていた。

 ところが。

 サクラでなく、なぜヒナタなのか。仲間より、世界より大事にしたいものがあるのではないか、それが普通の人間ではないか、と思う我々(私と多少の違和感を感じていた人たちを指す)を納得させてくれるのが、『THE LAST -NARUTO THE MOVIE-』だった。

 『THE LAST -NARUTO THE MOVIE-』だけを見ても何一つわからないが、『THE LAST -NARUTO THE MOVIE-』を見なければ、ナルトは語れない。そんな作品だった。

 そしてBORUTO -ボルト-が生まれる。

 NARUTO -ナルト-は、息子や娘が熱狂していた漫画だが、木曜日の放送だったこともあり、一緒に見たことがない。こうした作品を追体験しないと、結局息子や娘の「ある部分」は理解できていないことになる。「BORUTO -ボルト-」はいま、テレビで放映中だ。ようやくナルト好きの人たちと話ができるようになりそうだ。

 会社勤め時代には、いろいろなものを犠牲にしてきた。テレビ番組などはNetflixなどで取り返せる。定額見放題のサービスに感謝。

 最後に、たぶん、あまり書かれていない感想を一つ。マダラが発動した「無限月読」。これからブームになりそうな「メタバース」の別名ではないかと思った。仮想の世界とはいえ、個人個人が幸せな思いに浸れる世界。けれど、ナルトは辛くても「現実」を選ぶ。辛いからこそ、幸せもあるし、失敗するからこそ成功に向け燃える。無条件に良いことは、やはり、物足りなくはないだろうか。「いや、メタバースがいい」と多くの人が思わないような世の中であり続けてほしい。

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これを読んで俳句を始めたくなった夏井 いつき著「夏井いつきの世界一わかりやすい俳句の授業 (Japanese Edition) 」(Kindle 版)

 

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   夏井いつきの世界一わかりやすい俳句の授業 (JapaneseEdition) 」(Kindle 版)を読んだ。

 正確に言うとAudibleでこの本のコンテンツを「聴いた」。本は買っていたのだが、なかなか読む時間を作れなかった。布団の中にいる時間で聴くことができた。

 夏井さんは、はじめにで「俳句を始めると、毎日が楽しくなります。日々起こること、出会うものすべてが『俳句のタネ』になって、人生から『退屈』という言葉がなくなるのです。『暇だ』とか『つまらない』なんて時間は、どこかに吹き飛んでしまいます」と書いている。

 このブログを書き始めるきっかけとなった、日経前橋支局への赴任。それから2年間の群馬県での暮らしは、まさに夏井さんのいう俳句の世界と一緒だった。東京にいて記者をしていても、特定の分野しか取材の対象にならなかったが、群馬県では「群馬」のすべてが取材対象だった。それだけに、このブログを書いている時は「記者」と「個人」の各分野を厳密に区分けしていて、例えば富岡製糸場も、記者としては建物の中に入り、写真も撮っていたが、ブログでは外観しか紹介していない。しかし、このブログを書くことで、群馬を隅から隅まで味わい、それは仕事に生かすことができた。当時の小寺弘之知事には「どぶ板政治家のように群馬の隅々まで歩いて情報をとる記者」と評されたのが嬉しかった。

 いま、会社を離れ、自由の身になって、改めて、描く対象が万物になった、と感じる。楽しいことも辛いことも、綺麗なものも汚いものも、すべてを描くことができる。俳句ならば、出来不出来はあるが、とりあえず、何かを語ることはできそうだ。

 俳句をやってみたいと思った。

 本の中身を詳細に書くと、営業妨害になってしまうが、俳句を始めるきっかけは確かに学べた。

 俳句には季語だけで一句を成立させる「一物仕立て」と季語以外の要素も入れて作る「取り合わせ」があり、「一物仕立て」でオリジナルの俳句を作ろうと思うならば、徹底的な観察が必要ーーということがわかった。これは自分の好きな分野で目指してみよう。

 そして取り合わせの応用として12音の日記を書くことを夏井さんは勧める。575のうち57あるいは75で日記を書くのだ。季語は入れず。

 季語は季語で学ぶ方が良さそうで、この方法で、とりあえず俳句の訓練はスタートできる。

 日記的なものは毎日書いている。そこに12音日記を加える。合わせて季語の勉強。

 正岡子規の晩年の句などは高齢者の俳句として勉強になるかもしれない。

 若い頃は松山で3年間を過ごした。俳句にチャレンジしたい。

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よしながふみ著『大奥』(白泉社)

 よしながふみ著『大奥』(白泉社)の全19巻を読み終えた。赤面疱瘡という伝染病に若い男子が感染。男性が極端に少なくなり、将軍も三代将軍家光の時代から女性が務めざるを得なくなるというストーリー。第1巻の初版発行が2005年10月4日。第19巻の初版発行が2021年3月5日。文字通りの大作。面白かった。

 江戸時代はミステリアスな時代だ。鎖国を続け、開国し、明治維新を迎えた後は、「江戸」は旧時代の陋習がはびこる世界のように言われることも多かった。

 描く人によって歴史はさまざまな姿を見せる。江戸幕府を倒した新政府は、「江戸の否定」から始めざるを得なかった。江戸はちょっと前の東京なのに、長い間、現代人にとっては、遠い過去のように思えた。

 最近はSDGsの考え方にも近い「江戸」の再評価が進み、江戸ブームの様相も呈す。江戸については、もっといろいろな見方が出てきてもいいのかもしれない。

 そんな中で実は鎖国中、男女が逆転していたという荒唐無稽な設定の『大奥』が発表された。単なるSFとも思えず、不思議なリアリティがあった。

 描かれる女性の将軍は今の時代の前向きな女性たちとイメージが重なる。

 女性将軍たちは男の将軍のモノマネをするのではなく、女性らしさを発揮して政治を司る。政権与党の女性政治家の中には男性の政治家と振る舞いや発言が酷似している人もいるが、女性将軍たちは「女性のしなやかな感性」でものを見て行動する。

 本当に言いたいことを描く場合、ノンフィクションでは限界があり、小説にしなければならないという考え方もある。

 『大奥』で描かれた世界は、これからの日本の政治のあり方の一つを指し示すモデルであるような気がした。

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リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット著『ライフ・シフト〜100年時代の人生戦略』(東洋経済新報社)

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 リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット著『ライフ・シフト〜100年時代の人生戦略』(東洋経済新報社、2016年11月3日発行)は、超高齢社会での生き方を戦略的に語った、最初の本かもしれない。日本人がこうした本を書けないのはなぜだろう?と思うくらい、超高齢社会に突入した日本の現状も理解し、明確な提言をしている。



 「日本語版への序文」で著者は言う。「日本では、長寿化の負の側面が話題にされがちだ。この変化を恩恵ではなく、厄災とみなす論調が目立つ。本書では、長寿化の恩恵に目を向け、どうすれば、個人や家族、企業、社会全体の得る恩恵を最も大きくできるかを中心に論じたい」「20世紀に、日本の社会と経済は大きな変貌を遂げた。長寿化は、21世紀に同様の大きな変化を日本にもたらすだろう。この先、多くの変化が日本人を待っている」「日本は早急に変化する必要がある。時間は刻一刻減っていく。日本の政府に求められることは多く、そのかなりの部分は早い段階で実行しなくてはならない」「しかし、最も大きく変わることが求められるのは個人だ。あなたが何歳だろうと、いますぐ新しい行動に踏み出し、長寿化時代への適応を始める必要がある」「問題は、多くのことが変わりつつあるために、過去のロールモデル(生き方のお手本となる人物)があまり役に立たないことだ」



 「選択肢を狭めずに幅広い選択肢を検討する『エクスプローラー(探検者)』のステージを経験する人が出てくるだろう。自由と柔軟性を重んじて小さなビジネスを起こす『インディペンデント・プロデューサー(独立生産者)』のステージを生きる人もいるだろう。さまざまな仕事や活動に同時並行で携わる『ポートフォリオ・ワーカー』のステージを実践する人もいるかもしれない」「このように選択肢が増えれば、人々はもっと自分らしい人生の道筋を描くようになる。同世代の人たちが同時に同じキャリアの選択をおこなうという常識は、過去のものになっていく」



 「長寿化を恩恵にするためには、古い働き方と生き方に疑問を投げかけ、実験することをいとわず、生涯を通じて『変身』を続ける覚悟をもたなくてはならない」「60歳以上の人は突如、長寿化の恩恵を手にすることになる。新しい機会が開ける半面、若い頃に想像していたより高齢になるまで働き、収入を得続ける必要が出てくる。若者たちのメンターやコーチ、サポーターを務めることがあなたの主たる役割になるかもしれない」



 日本語版序文を読むだけですっかり惹きつけられてしまったが、新しい行動に踏み出さなければ立ちいかなくなる理由や、人生100年時代の生き方のヒントが読み進めるにしたがって、具体的に示されていく。



 まず、どのくらいの資金を確保すべきで、それをどのように確保すべきか。「少なくとも最終所得の50%の資金は確保したい。勤労期間におこなう貯蓄も、所得の10%前後が現実的だろう。そうなると、80代まで働き続ける必要がある」。しかし、「80歳を超すまで休暇もなく、サバティカル(長期間仕事を離れて、学校に通ったり、ボランティア活動などをしたりして過ごす期間)もなく、柔軟な働き方もせずに、ノンストップで働き続けられるひとなどいるのだろうか?」



 柔軟な働き方について、本書は「多数の雇用を創出し、マネジメント職を提供できるのは今後も主として大企業だが、そのほかに、中小の新興企業で専門性の高い職や柔軟な働き方が生まれる」と予測する。「スキルを買いたい企業と働き手をつなぐテクノロジーは、ますますグローバル化し、安価になり、洗練されつつある。そうした仲介の仕組みはすでに増えはじめており、それが最近話題の『ギグ・エコノミー』や『シェアリング・エコノミー』の到来をもたらしている。テクノロジーの進化により情報のコストが下がった結果、買い手と売り手が互いを見つけやすくなり、独立した情報源から相手の信頼性と品質を判断しやすくなったのだ」「フルタイムやパートナーで雇われて働くのではなく、次々と多くの顧客の依頼を受けて働くことで生計を立てるーーそういう働き方をする人が増えるのがギグ・エコノミーだ」「大企業は小規模なグループや個人にアイデアやイノベーションを頼り、小規模なグループは互いの力を借りて事業の規模を拡大させ、広い市場に進出するようになる」



 一方で、本書は、「お金と仕事だけを見ていては、人間の本質を無視することになる。長寿化のもたらす恩恵は、基本的にはもっと目に見えないものだ」として、無形の資産の増減に注意を傾けるべきだとする。



 無形の資産とは⑴生産性資産ーー人が仕事で生産性を高めて成功し、所得を増やすのに役立つ要素のことだ。スキルと知識が主たる構成要素(2)活力資産ーー肉体的・精神的な健康と幸福のことだ。健康、友人関係、パートナーやその他の家族との良好な関係などが該当する(3)変身資産ーー100年ライフを生きる人たちは、その過程で大きな変化を経験し、多くの変身を遂げることになる。そのために必要な資産が変身資産だ。自分についてよく知っていること、多様性に富んだ人的ネットワークをもっていること、新しい経験に対して開かれた姿勢をもっていることなどが含まれる。



 本書はこの後、いくつかのシナリオを示し、「お金の面での難題を克服でき、しかも無形の資産を支えられる」かどうかを検証する。そこで浮かんでくるのが、エクスプローラー、インディペンデント・プロデューサー、ポートフォリオ・ワーカーなどのいくつかの新しいステージだ。こうした新ステージを加えた「マルチステージの人生を生きるためには、これまで若者の特徴とされていた性質を生涯通して保ち続けなくてはならない。その要素とは、若さと柔軟性、遊びと即興、未知の活動に前向きな姿勢である」と本書は強調する。



(1)エクスプローラー(探検者):一カ所に腰を落ち着けるのではなく、身軽に、そして敏捷に動き続ける。このステージは発見の日々だ。旅をすることにより世界について新しい発見をし、あわせて自分についても新しい発見をする。多くの人にとって、このステージを生きるのにとりわけ適した時期が三つある。それは18〜30歳ぐらいの時期、40代半ばの時期、そして70〜80歳ぐらいの時期である。これらの時期は人生の転機になりやすく、エクスプローラーの日々は、見違えるほどの若さを取り戻せる機会になりうる。



(2)インディペンデント・プロデューサー(独立生産者):インディペンデント・プロデューサーは基本的に、永続的な企業をつくろうと思っていない。事業を成長させて売却することを目的にしていないのだ。このステージを生きる人たちは、成功することよりも、ビジネスの活動自体を目的にしている。こうした生き方をしたい人たちにとっては、企業体を築き、金銭的資産を蓄えることより、組織に雇われずに独立した立場で生産的な活動に携わるためにまとまった時間を費やすことが大きな意味をもつ。組織に属さずに主体的に働くことは、ライフスタイルを維持し、同時に生産性資産と活力資産を支えるための有効な方法だ。彼らは都市の集積地(クラスター)に集まって生活し、独特のライフスタイルを形づくって生活と仕事をブレンドさせている。年長世代の起業家たちは油断なく知的財産を守ろうとしてきたが、新しい世代のインディペンデント・プロデューサーたちは知的財産を公開し、ほかの人たちとシェア(共有)することを重んじる。



(3)ポートフォリオ・ワーカー:ポートフォリオ・ワーカーへの移行に成功する人は、早い段階で準備に取りかかり、フルタイムの職に就いているうちに、小規模なプロジェクトを通じて実験を始める。自分がなりたいポートフォリオ・ワーカーのロールモデルを見つけ、社内中心の人的ネットワークを社外の多様なネットワークに変えていく。



 本書は終章で、「変化の担い手になるのは、企業でもなければ政府でもない。・・・その担い手は私たちだ」と述べている。「長寿化の試練とチャンスを前にして、個人や夫婦、家族、友人グループが実験し、既存のやり方を壊し、それを再構築し、意見を交わし、議論を戦わせ、苛立ちを覚える必要がある」「多くの人が行動を起こし、議論することによって生まれるのは、生産的な人生を送るための新しい模範的なモデルではない。柔軟性と個人の自由を求める思いが人々に共有されるようになるのだ」「企業と政府が標準化されたシンプルなモデルを好むのに対し、個人は柔軟性と選択肢を拡大させようとする」。



 日本における超高齢社会の議論は、政府や企業に対応を求めるものばかりだ。これに対し、本書は、「担い手は私たちだ」と宣言する。そして、リスクは抱えながらもチャレンジする個人のみが、長寿化の恩恵に浴することができるのだ。









































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リンダ・グラットン著『ワーク・シフト』(プレジデント社)

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 リンダ・グラットン著『ワーク・シフト』(プレジデント社、2012年8月5日発行)は、ダニエル・ピンク著『フリーエージェント社会の到来』と並ぶ、働き方の未来(本書では2025〜2050年くらいを想定)を指し示してくれる良書だ。

 著者は「産業革命の前と後で世界は大きく様変わりしたが、私たちの息子たちの世代が経験する変化もそれに匹敵するくらい劇的なものになる」と言う。そして、「産業革命の原動力が石炭と蒸気機関という新しいエネルギーだったのに対し、これから起きようとしている変化を突き動かすのは、五つの要因の複雑な相乗効果だ」として、①テクノロジーの進化②グローバル化の進展③人口構成の変化と長寿化④社会の変化⑤エネルギー・環境問題の深刻化ーーを挙げる。

 もちろん、変化の要因を挙げるだけでは未来を語ることはできない。著者は「五つの要因の悲観的な側面をことさらに強調したシナリオを描くこともできる。それは、人々が孤独にさいなまれ、慌ただしく仕事に追われ、疎外感を味わい、自己中心主義に毒される未来だ。私たちの行動が後手に回り、五つの要因の負の力が猛威を振るう場合に実現するシナリオである」とし、このような未来を「漫然と迎える未来」と呼ぶ。

 「対照的に、五つの要因の好ましい側面を味方につけて、主体的に未来を切り開くこともできる。このような未来では、コラボレーションが重要な役割を担い、人々は知恵を働かせて未来を選択し、バランスの取れた働き方を実践する」として著者が提案するのが、「主体的に築く未来」だ。

 著者は言う。「まず必要なのは、あなたの頭の中にある固定観念を問い直すことだ。私たちは誰でも、未来についてなんらかのイメージをいだいている。そのイメージに従って、さまざまな決断をくだし、選択をおこなってきたはずだ。しかし、そのイメージが間違っているおそれはないのか。あなたは誤った未来イメージに引きずられて、誤った道を歩んでいないか」。

 「未来に押しつぶされない職業生活を築くために、どのような固定観念を問い直すべきなのか。私たちは三つの面で従来の常識を<シフト>させなくてはならない」として、著者は「第一に、ゼネラリスト的な技能を尊ぶ常識を問い直すべきだ」「第二に、職業生活とキャリアを成功させる土台が個人主義と競争原理であるという常識を問い直すべきだ」「第三に、どういう職業人生が幸せかという常識を問い直すべきだ」と語る。

 以上の流れで本書はまとめられている。

 さらに詳しく見てみよう。まずは五つの要因について。

 ①テクノロジーの進化:テクノロジーの進化は、いつも時間に追われて孤独を味わう「漫然と迎える未来」の暗い側面を生み出す要因である半面、コ・クリエーション(協創)と「ソーシャルな」参加が拡大する「主体的に築く未来」を招き寄せる要因にもなりうる。

 ②グローバル化の進展:優秀な人材が世界を舞台に活躍できるようになるという好ましい影響が生まれる半面、競争が激化し、人々がますます慌ただしく時間に追われるようになるという負の影響も生まれる。

 ③人口構成の変化と長寿化:この要因は、ある面では明るい材料をもたらす。人々が健康で長生きするようになり、80歳代になっても生産的な活動に携わり続ける人が増える。協力関係を重んじる環境で育ったY世代(=1980〜95年頃の生まれ)の影響力が強まれば、仕事の世界でコラボレーションが活発になる。移住が盛んになれば、特定の地域に有能な人材が続々と結集し、イノベーションが加速される。しかし、暗い側面もある。90歳代や100歳代まで生きるのが当たり前になれば、老後の蓄えが十分でなく、生活の糧を得るために働き口を探さなくてはならない人が増える。移住が盛んになれば、家族やコミュニティが引き裂かれて孤独にさいなまれる人が多くなる。

 ④社会の変化:具体的に例示されているのは次の七つ。①家族のあり方が変わる②自分を見つめ直す人が増える③女性の力が強くなる④バランス重視の生き方を選ぶ男性が増える⑤大企業や政府に対する不信感が強まる⑥幸福感が弱まる⑦余暇時間が増えるーー社会の変化の要因は、五つの要因のなかで好ましい結果をもたらす可能性が最も高い。一人ひとりの行動と選択で結果が変わる余地が最も大きいからだ。

 ⑤エネルギー・環境問題の深刻化:「持続性を重んじる文化が形成されはじめる」という側面は、私たちの働き方に大きな影響を及ぼすだろう。つまり「エネルギー効率の高いライフスタイルが広まって、贅沢な消費に歯止めがかかる」といった変化が予想される。

  三つのシフトについては詳細な記載があるが、ポイントをまとめると以下のようになる。

 第一のシフト〜ゼネラリストから「連続スペシャリスト」へ:ゼネラリストと会社の間には、社員がその会社でしか通用しない技能や知識に磨きをかけるのと引き換えに、会社が終身雇用を保障するという「契約」があった。・・・問題は、そうした旧来の終身雇用の「契約」が崩れはじめたことだ。ゼネラリストがキャリアの途中で労働市場に放り出されるケースが増えている。そうなると、一社限定の知識や人脈と広く浅い技能をもっていても、大した役に立たない。

 第一のシフトに関しては次の二つの資質が重要と著者は語る。(1)専門技能の連続的習得ーー未来の世界でニーズが高まりそうなジャンルと職種を選び、浅い知識や技能ではなく、高度な専門知識と技能を身につける。その後も必要に応じて、ほかの分野の専門知識と技能の習得を続ける。(2)セルフマーケティングーー自分の能力を取引相手に納得させる材料を確立する。グローバルな人材市場の一員となり、そこから脱落しないために、そういう努力が欠かせない。

 第二のシフト〜孤独な競争から「協力して起こすイノベーション」:関心テーマごとに、世界規模のコミュニティが形成される。そうした巨大なオンラインコミュニティは、未来の世界で重要性を増す「ビッグアイデア・クラウド(大きなアイデアの源となる群衆)」の土台になる。ビッグアイデア・クラウドは、自分の人的ネットワークの外縁部にいる人たちで構成されなくてはならない。友達の友達がそれに該当する場合が多い。しかし、ビッグアイデア・クラウドだけでは不十分だ。・・・アドバイスと支援を与えてくれる比較的少人数のブレーン集団が不可欠だ。それが・・・「ボッセ(同じ志をもつ仲間)」である。ボッセは・・・声をかければすぐに力になってくれる面々の集まりでなくてはならない。また、メンバーの専門性や知識がある程度重なり合っている必要がある。専門分野が近ければ、お互いの能力を十分に評価できるし、仲間の能力を生かしやすい。ボッセのメンバーは以前一緒に活動したことがあり、あなたのことを信頼している人たちでなくてはならない。

 第三のシフト〜大量消費から「情熱を傾けられる経験」へ:<第三のシフト>を実践すれば、仕事が大量消費のための金を稼ぐ手段ではなく、充実した経験をする機会に変容するのである。・・・古い仕事観のもとでは、仕事とは単にお金を稼ぐことを意味していたが、未来の世界では次第に、自分のニーズと願望に沿った複雑な経験をすることを意味するようになるのかもしれない。・・・<シフト>を行うことは、覚悟を決めて選択することだ。たとえば、ボランティア活動やリフレッシュをする際に長期休暇を取るのと引き換えに、高給を諦めるという選択をしたり、さまざまなリスクを承知の上でミニ起業家への道を選択したり、家族や友人と過ごす時間を確保するために柔軟な勤務形態やジョブシェアリング(一人分の仕事を複数の人間で分担する勤務形態)を選択したりする。

 自ら動かなければ、思うような未来は築けない。仕事の未来は、自ら作っていくという、強いメッセージを感じる本だった。

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